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一学期【恋する乙女】編
昼食時はお静かに
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それはまるでアニメのワンシーンを見ているようだった。 影で創られた槍が何十本も放たれ、それを掴み破壊する。又は投げるゴリラ。 炎が飛び交い、暴風が起こり、教室が崩壊する。 大きな魔獣が現れ、それを殴り殺すゴリラ。 SFのような非現実的な光景に俺、久慈宮兄太は教室の扉をゆっくりと閉めた。
(・・・んん? なんか幻が見えたような・・・あぁ、なるほどな。 俺の目が疲れてるだけか)
俺は一度強く頬を叩いてから扉を開けた。 のと同時に、大量のヨダレと暴風が飛んできた。
(・・・・んん!?)
「グォォォォォォォォアアアアア!!」
(・・・・)
俺の前にはドラゴンがいた。 ファンタジー物や異世界物で必ず出てくるドラゴンさんが鋭い牙を覗かせて大きく口を開いてこんにちはしていた。 黒色の鱗はキラキラと気味悪く輝いている。 おそらくヌメリなのだろうが、触りたくもないし・・・というか今さっき、気にせず入ってたら喰われてたよな・・・・
「殺す気か!!」
自称『魔王』に叫んだ瞬間、ドラゴンが横へと吹っ飛んでいった。 そして、ドラゴンを吹き飛ばしたらしい兎パーカーの見慣れた少女、慈愛院桜花の振りかぶりきったその拳からは白く光り輝く電気のようなものが軌跡として描かれていた。 俺はそんな光景に呆然としている事しか出来ない。 が、その壮絶な戦いは意外な人物によって止められた。
「はぁ、二人共、これぐらいにしなよ」
透き通るような男の声が教室に響いた。 その声の主はヘアピンで前髪を留めた長身イケメン、海道院新だ。 新は自称『魔王』の拳と『メスゴリラ』の拳を軽々と受け止めていた。そして、一瞬。
「え?」
「ひゃ!?」
自称『魔王』と『メスゴリラ』の体が錐揉み回転して互いに壁まで吹き飛ばされた。 ものすごい轟音と共にロッカーと黒板が破砕した。 しかし、二人には傷は一切ない。 唐突すぎるSF空間に俺は立ってるのもやままれずペタリと座り込んだ。そしてこれをやってのけた当の本人は清々しいほどの爽やかスマイルを浮かべて口を開いた。
「さぁ、一時間目がそろそろ始まるよ。 皆、席に着こうか」
新の言葉に皆は何も言うことなく席についた。 先程吹き飛ばされた自称『魔王』と『メスゴリラ』も席についていた。
「ケータ君、君も座った方がいいよ? 一時間目は華薇先生だからね」
「あ、お、おう」
俺は深く考えるのをやめて席に座った。 本能が新に歯向かうのはやめろと知らせていたからでもある。その後は華薇先生が壊れた黒板とロッカーの弁償代についてガチギレしてクラスメイト全員が回し蹴りを食らわされた。 どうやら、新も自称『魔王』にメスゴリラも華薇先生には敵わないようだ。 そう考えると、華薇先生って何者って思う今日このごろ。 因みに俺だけ金的のオマケが来ました(泣)
--⑵--
昼飯時、俺は新と桜花、そして何故か自称『魔王』さんと共に食堂にいた。 慈愛院学園にある『慈愛館』は一つのドームほどの大きさをした広さを持ち、一階は食堂、2階はシアタールームとゲームセンター、そして3階に武道館がある。 武道館ではフットサルやバスケットボール、バレーボールなどと室内スポーツができる他、エクササイズやヨガ、筋トレなどができる設備と充実している慈愛生にしかない素晴らしい食堂だ。
「あの、いい加減離れてくれませんか? レヴィさん」
「クククッ・・・・お主は未来の伴侶となる男。 他の雌に取られぬようしっかり捕まえておらねばほいほいとついて行くじゃろう。 じゃから断固拒否する」
「・・・さいですか」
俺はため息をついてコチラを執拗に睨んでくる大親友、京治に声をかけた。
「お前その顔やめれ」
「うるせぇんだよ! リア充死ね! 可愛い妹と幼馴染では飽き足らず美少女転校生にまで手を出すとはこのろくでなし! ハーレム系エロゲ主人公!!」
「バッ、バカ!! そんな事言ったら--」
「私がなんだって? バカ兄」
俺の声を遮り、背後から声が聞こえた。 ため息をついて振り返ると、胸のあたりで腕を組んで、こちらを睨む我が妹、妹華がいた。 我が妹は相変わらずの生意気面で背後には金魚の糞か子分もしくはビッ友(ビッチ友達の略)だと思うが、小柄な女子1名と俺より少し低い身長をしたスレンダー系の女子1名を引き連れていた。なんか無性にコチラをチラチラ見ては顔を赤らめて妹華の背後に隠れる小柄女子と、親の敵を見るような目をしているスレンダー系女子に俺はただただ苦笑いを浮かべるしかなかった。
「お前はお呼びじゃねえよ、クソビッチ」
「なっ!? く、クソビッチですってぇ!? お兄なんてオ○ニー真っ盛りのド変態DTのくせに!!」
「は、はぁ!? そ、そんなことしてねえし、と、というかお前だって毎日毎日、盛ってんじゃねえよ! 声が丸聞こえなんだよ、バーカ!淫乱クソビッチが!!」
「た、たまにしかしてないし!! っつーか、いつも壁に聞き耳たてて私をオ、オカズにオ○ニーしてたの!? ホント、とんでもないドスケベDTね!バカ兄!!」
妹はそう言って俺の脛めがけて足を振り上げた。しかし、それを見通していた俺は京治の襟首を掴み盾代わりにした。それにより脛を狙っていた妹の足が物の見事に京治の股間を打ち抜いた。 カエルのような悲鳴が上がり、白目を向いた我が親友を新に任せ、
「なんてことをするんだ! よくも俺の大親友を!! それでもお前は人間か! 鬼! 悪魔! ビッチ!!」
「お兄がやったんでしょ! 私のせいにしないでよ! というかさっきから気になってたんだけど、その女だれよ!?」
「はぁ? タダの同--」
「ケータの嫁じゃ!!」
俺の声を遮り、自称『魔王』は余計な事を高らかに叫んだ。 因みにもう一度言っておくがここは食堂だ。となればたくさんの生徒が昼食を摂っている訳でそうなると視線がこちらを向くわけでして最悪な展開になる訳だ。
「やめろよ!ややこしくなんだろうが!?」
「な、な、お、お兄の嫁ェェェエエエエ!? え、ーと、お、お母さんに知らせなきゃ!」
「バ、バカッ!? 誤解すんじゃない! コイツはタダの厨二病こじらせたクラスメイトだ! それ以上でもそれ以下でもない!」
「・・・え? でも、腕組んでんじゃん」
妹は俺の巻き付かれている腕を指さして答えた。 うむ、確かに傍から見たらそうなんですけどね、これ関節決められてるんだよね。 今かなりギリギリのラインなんだけど、顔に出せないというか出しても意味無いというか、もうされるがままだね。
「こいつが勝手にやってるだけで俺にそんな気持ちは一切ない。 腕組むんなら雫の方がまだいい(あいつ関節決めないし)」
「な、何でそこで雫ねぇの名前が出てくるのよ! 普通そこはわた・・・もう知らない!」
とつぜん顔を真っ赤にしてプンスカと怒りながら妹はビッ友と共に2階へと消えていった。 その時に、小柄な女子は相変わらずこちらをチラチラ見ては顔を赤くし、スレンダー系女子はこちらを最後まで睨んでいた。
(・・・はぁ、あいつ最後に自分とか言おうとしてたんだろうか・・・ハハ、そんな訳ないよな)
「早く飯食おうぜ」
「うむ、そうじゃな」
「そうえば、兄太は奏夢ちゃんに不快なことでもしたの?」
「奏夢ちゃん? ごめん、それ誰のこと?」
俺は食券売り場で何を食べようか考えていると、【うどん(大盛り)】の食券を二枚手にした桜花が声をかけてきた。
「あれ? てっきり奏夢ちゃん知ってると思ったけど知らないの?」
「あぁ、全く知らない。 というか俺は異性の知り合いはお前とコイツと雫ぐらいだしな。 あ、あとはクラスメイトだな」
俺は【A定食】450円のボタンを押して学生証をカード差し込み口に挿入した。そして学生証を挿入した機械に所持金額と支払い金額が表示された。
(残り800000Pか)
この学園では、学生証で、飲食、又は施設利用費を払うことが義務付けられている。 というのもこの学園は元女子高であり、理事長も金持ちの為、金を得るために稼ぐという考えを理解しない金持ちばかりが通う学園だった。 その為、学生証に毎月20万Pが支給される校則がある。 因みに【P】というのはこの学園でいうお金の単位のようなものだ。 1Pにつき10000円だ。 といっても勿論、こういううまい話には必ず裏がある。それが、【減額制】だ。 【減額制】というのは名前の通り、校則を破った者の所持金を校則破り1回につき、マイナス5万Pするというものだ。しかし、逆に学園に貢献すればするほど貢献Pというものが貰える。 貢献Pとは、1Pにつき1万円単位の生活必需品や服などの物と交換出来るいわゆる引換券と交換することが出来る。
「え、所持P少な」
「やめて! そういうこと言わないで! ・・・っつーか逆になんでお前は全然減らねえんだよ!?」
「え? 私、引換券二年分持ってるからね」
「・・・マジかよ」
桜花は携帯端末の所持チケット数の場所を開き見せてきた。 俺はその所持数に唖然とするしかなかった。
「ふふん、凄いでしょ!!」
「やばすぎんだろ。 あ、おばちゃん、ありがと」
俺は食堂のおばちゃんにお礼を言って【A定食】を受け取り、先に席についている新と京治の隣に座り、少し遅めの昼食を摂り始めた。 因みに席順は、前に京治、右斜め前に新、左斜め前に桜花、右がレヴィ、膝上に雫・・・・ん?
俺は視界を埋め尽くす水色髪の少女を見て口を開いた。
「・・・雫?」
「もぐもぐ、っん。 あれ? なんでケーちゃんがいるの?」
俺の膝上に座っていた水色髪の少女は、ご飯を頬張っていた手を止めてこちらを振り返って首をかしげた。 こいつの名は岸野院雫、俺の幼馴染で少し天然気味の女の子だ。こいつの天然さはあまりにも酷い。 例えば、俺の家はそこまで広くない普通の二階建ての家で階段を登ればすぐ俺の部屋なのだが毎度のように迷う。 オマケに迷ったあげく最終的にリビングのソファで眠りこけている。また、今のように人が椅子に座っていても指摘されるまで気づかないほどだ。 その為、外は俺と妹華が、学園内では雫の親友兼ヘルパーの翠がいるのだが今日はいないようだ。
「お前、翠はどうした?」
「うーん、と、教室で気持ちよさそうに日向ぼっこしてたから置いてきたんだよ! 私、偉いでしょ!」
「あ~、はいはい。 えらいえらい。 そんな偉い子にお願いなんだけど、そろそろ俺の膝からどいてくれない?」
俺は、『褒めて褒めて』と執拗に主張してくる雫の頭を撫でながら、そろそろ限界の膝からどくように指摘した。
「あ、ほんとだ! エヘヘ、気づかなかったよぉ~。 ごめんね、ケーちゃん」
「ほんとだっつーの、ってか、どこから降りてんだよ!」
「え? そんなに変かなぁ?」
「あ・た・り・ま・え・だ!! 普通は横からどくだろ! なんで前の方に、しかも顔をこちらに向けて降りるんだよ! っつーか、顔をその位置で止めたままこちらを見上げるな! 勘違いされるだろうが!?」
俺は雫の普通ならば有り得ない降り方に悲鳴にも似た声を上げた。 こんな所で天然っぷりを発揮して欲しくない! というか何故、その態勢で止まる!? これじゃ、アレだよ! 良い子には見せられない格好だよ!? R-18になっちゃうよ!? てか、皆の視線がイタイ! 1人だけ血涙流しながら『リア充死すべし』って叫んでるよ!?
「あぁ、もう! 早く席に座れ!」
「は~い♪」
「よし、食べる・・・キャベツだけ?」
俺は【A定食】の米粒ひとつ無い茶碗と空っぽの味噌汁、そしてトンカツの衣のカスがあり、なぜかキャベツだけは手がつけられていなかった。 俺は隣の雫の方を見やると、満足そうな顔で『はぅ』とか呟いていた。
「おい、雫」
「ん? どーかした? ケーちゃん」
「お前、俺の昼食くったろ?」
俺はこめかみを引くつかせながら尋ねると、幸せそうな顔でこう告げた。
「トンカツ美味しかったよ♪」
「美味しかったよ♪、じゃねえんだよ!? なぁに、人様の昼食を食べてやがんだ! 毎度毎度、俺の朝食や夕食を食べてるくせに、遂には俺の昼食にまで手を出したか!?」
「ひゃって、おいひぃしょうだっひゃんだもん」
「そうかそうか、お前はおいしそうだったら誰のでも食べるんだなぁ? そんな悪い子は1週間夕食抜きだな」
俺は雫の頬をこねくりまわしながら、不敵な笑みを浮かべて告げた。 それに対する雫の答えは至極単純だ。 とてつもない程に絶望しきった顔で喚き出した。
「バッ、黙れ! え、えーと、これでも食って静かにしろ!」
俺は京治の盆に置かれているステーキ4切れをフォークで突き刺し、雫の口に突っ込んだ。 すると、みるみると絶望しきった表情から幸せいっぱいな表情へと変化した。
「はぁ、・・・お腹空いた」
俺は悲しげに呟き食券売り場へ向かおうとしたが、そのタイミングで昼休み終了前の予鈴が鳴り響き、肩を落として教室へと戻っていった。
(・・・んん? なんか幻が見えたような・・・あぁ、なるほどな。 俺の目が疲れてるだけか)
俺は一度強く頬を叩いてから扉を開けた。 のと同時に、大量のヨダレと暴風が飛んできた。
(・・・・んん!?)
「グォォォォォォォォアアアアア!!」
(・・・・)
俺の前にはドラゴンがいた。 ファンタジー物や異世界物で必ず出てくるドラゴンさんが鋭い牙を覗かせて大きく口を開いてこんにちはしていた。 黒色の鱗はキラキラと気味悪く輝いている。 おそらくヌメリなのだろうが、触りたくもないし・・・というか今さっき、気にせず入ってたら喰われてたよな・・・・
「殺す気か!!」
自称『魔王』に叫んだ瞬間、ドラゴンが横へと吹っ飛んでいった。 そして、ドラゴンを吹き飛ばしたらしい兎パーカーの見慣れた少女、慈愛院桜花の振りかぶりきったその拳からは白く光り輝く電気のようなものが軌跡として描かれていた。 俺はそんな光景に呆然としている事しか出来ない。 が、その壮絶な戦いは意外な人物によって止められた。
「はぁ、二人共、これぐらいにしなよ」
透き通るような男の声が教室に響いた。 その声の主はヘアピンで前髪を留めた長身イケメン、海道院新だ。 新は自称『魔王』の拳と『メスゴリラ』の拳を軽々と受け止めていた。そして、一瞬。
「え?」
「ひゃ!?」
自称『魔王』と『メスゴリラ』の体が錐揉み回転して互いに壁まで吹き飛ばされた。 ものすごい轟音と共にロッカーと黒板が破砕した。 しかし、二人には傷は一切ない。 唐突すぎるSF空間に俺は立ってるのもやままれずペタリと座り込んだ。そしてこれをやってのけた当の本人は清々しいほどの爽やかスマイルを浮かべて口を開いた。
「さぁ、一時間目がそろそろ始まるよ。 皆、席に着こうか」
新の言葉に皆は何も言うことなく席についた。 先程吹き飛ばされた自称『魔王』と『メスゴリラ』も席についていた。
「ケータ君、君も座った方がいいよ? 一時間目は華薇先生だからね」
「あ、お、おう」
俺は深く考えるのをやめて席に座った。 本能が新に歯向かうのはやめろと知らせていたからでもある。その後は華薇先生が壊れた黒板とロッカーの弁償代についてガチギレしてクラスメイト全員が回し蹴りを食らわされた。 どうやら、新も自称『魔王』にメスゴリラも華薇先生には敵わないようだ。 そう考えると、華薇先生って何者って思う今日このごろ。 因みに俺だけ金的のオマケが来ました(泣)
--⑵--
昼飯時、俺は新と桜花、そして何故か自称『魔王』さんと共に食堂にいた。 慈愛院学園にある『慈愛館』は一つのドームほどの大きさをした広さを持ち、一階は食堂、2階はシアタールームとゲームセンター、そして3階に武道館がある。 武道館ではフットサルやバスケットボール、バレーボールなどと室内スポーツができる他、エクササイズやヨガ、筋トレなどができる設備と充実している慈愛生にしかない素晴らしい食堂だ。
「あの、いい加減離れてくれませんか? レヴィさん」
「クククッ・・・・お主は未来の伴侶となる男。 他の雌に取られぬようしっかり捕まえておらねばほいほいとついて行くじゃろう。 じゃから断固拒否する」
「・・・さいですか」
俺はため息をついてコチラを執拗に睨んでくる大親友、京治に声をかけた。
「お前その顔やめれ」
「うるせぇんだよ! リア充死ね! 可愛い妹と幼馴染では飽き足らず美少女転校生にまで手を出すとはこのろくでなし! ハーレム系エロゲ主人公!!」
「バッ、バカ!! そんな事言ったら--」
「私がなんだって? バカ兄」
俺の声を遮り、背後から声が聞こえた。 ため息をついて振り返ると、胸のあたりで腕を組んで、こちらを睨む我が妹、妹華がいた。 我が妹は相変わらずの生意気面で背後には金魚の糞か子分もしくはビッ友(ビッチ友達の略)だと思うが、小柄な女子1名と俺より少し低い身長をしたスレンダー系の女子1名を引き連れていた。なんか無性にコチラをチラチラ見ては顔を赤らめて妹華の背後に隠れる小柄女子と、親の敵を見るような目をしているスレンダー系女子に俺はただただ苦笑いを浮かべるしかなかった。
「お前はお呼びじゃねえよ、クソビッチ」
「なっ!? く、クソビッチですってぇ!? お兄なんてオ○ニー真っ盛りのド変態DTのくせに!!」
「は、はぁ!? そ、そんなことしてねえし、と、というかお前だって毎日毎日、盛ってんじゃねえよ! 声が丸聞こえなんだよ、バーカ!淫乱クソビッチが!!」
「た、たまにしかしてないし!! っつーか、いつも壁に聞き耳たてて私をオ、オカズにオ○ニーしてたの!? ホント、とんでもないドスケベDTね!バカ兄!!」
妹はそう言って俺の脛めがけて足を振り上げた。しかし、それを見通していた俺は京治の襟首を掴み盾代わりにした。それにより脛を狙っていた妹の足が物の見事に京治の股間を打ち抜いた。 カエルのような悲鳴が上がり、白目を向いた我が親友を新に任せ、
「なんてことをするんだ! よくも俺の大親友を!! それでもお前は人間か! 鬼! 悪魔! ビッチ!!」
「お兄がやったんでしょ! 私のせいにしないでよ! というかさっきから気になってたんだけど、その女だれよ!?」
「はぁ? タダの同--」
「ケータの嫁じゃ!!」
俺の声を遮り、自称『魔王』は余計な事を高らかに叫んだ。 因みにもう一度言っておくがここは食堂だ。となればたくさんの生徒が昼食を摂っている訳でそうなると視線がこちらを向くわけでして最悪な展開になる訳だ。
「やめろよ!ややこしくなんだろうが!?」
「な、な、お、お兄の嫁ェェェエエエエ!? え、ーと、お、お母さんに知らせなきゃ!」
「バ、バカッ!? 誤解すんじゃない! コイツはタダの厨二病こじらせたクラスメイトだ! それ以上でもそれ以下でもない!」
「・・・え? でも、腕組んでんじゃん」
妹は俺の巻き付かれている腕を指さして答えた。 うむ、確かに傍から見たらそうなんですけどね、これ関節決められてるんだよね。 今かなりギリギリのラインなんだけど、顔に出せないというか出しても意味無いというか、もうされるがままだね。
「こいつが勝手にやってるだけで俺にそんな気持ちは一切ない。 腕組むんなら雫の方がまだいい(あいつ関節決めないし)」
「な、何でそこで雫ねぇの名前が出てくるのよ! 普通そこはわた・・・もう知らない!」
とつぜん顔を真っ赤にしてプンスカと怒りながら妹はビッ友と共に2階へと消えていった。 その時に、小柄な女子は相変わらずこちらをチラチラ見ては顔を赤くし、スレンダー系女子はこちらを最後まで睨んでいた。
(・・・はぁ、あいつ最後に自分とか言おうとしてたんだろうか・・・ハハ、そんな訳ないよな)
「早く飯食おうぜ」
「うむ、そうじゃな」
「そうえば、兄太は奏夢ちゃんに不快なことでもしたの?」
「奏夢ちゃん? ごめん、それ誰のこと?」
俺は食券売り場で何を食べようか考えていると、【うどん(大盛り)】の食券を二枚手にした桜花が声をかけてきた。
「あれ? てっきり奏夢ちゃん知ってると思ったけど知らないの?」
「あぁ、全く知らない。 というか俺は異性の知り合いはお前とコイツと雫ぐらいだしな。 あ、あとはクラスメイトだな」
俺は【A定食】450円のボタンを押して学生証をカード差し込み口に挿入した。そして学生証を挿入した機械に所持金額と支払い金額が表示された。
(残り800000Pか)
この学園では、学生証で、飲食、又は施設利用費を払うことが義務付けられている。 というのもこの学園は元女子高であり、理事長も金持ちの為、金を得るために稼ぐという考えを理解しない金持ちばかりが通う学園だった。 その為、学生証に毎月20万Pが支給される校則がある。 因みに【P】というのはこの学園でいうお金の単位のようなものだ。 1Pにつき10000円だ。 といっても勿論、こういううまい話には必ず裏がある。それが、【減額制】だ。 【減額制】というのは名前の通り、校則を破った者の所持金を校則破り1回につき、マイナス5万Pするというものだ。しかし、逆に学園に貢献すればするほど貢献Pというものが貰える。 貢献Pとは、1Pにつき1万円単位の生活必需品や服などの物と交換出来るいわゆる引換券と交換することが出来る。
「え、所持P少な」
「やめて! そういうこと言わないで! ・・・っつーか逆になんでお前は全然減らねえんだよ!?」
「え? 私、引換券二年分持ってるからね」
「・・・マジかよ」
桜花は携帯端末の所持チケット数の場所を開き見せてきた。 俺はその所持数に唖然とするしかなかった。
「ふふん、凄いでしょ!!」
「やばすぎんだろ。 あ、おばちゃん、ありがと」
俺は食堂のおばちゃんにお礼を言って【A定食】を受け取り、先に席についている新と京治の隣に座り、少し遅めの昼食を摂り始めた。 因みに席順は、前に京治、右斜め前に新、左斜め前に桜花、右がレヴィ、膝上に雫・・・・ん?
俺は視界を埋め尽くす水色髪の少女を見て口を開いた。
「・・・雫?」
「もぐもぐ、っん。 あれ? なんでケーちゃんがいるの?」
俺の膝上に座っていた水色髪の少女は、ご飯を頬張っていた手を止めてこちらを振り返って首をかしげた。 こいつの名は岸野院雫、俺の幼馴染で少し天然気味の女の子だ。こいつの天然さはあまりにも酷い。 例えば、俺の家はそこまで広くない普通の二階建ての家で階段を登ればすぐ俺の部屋なのだが毎度のように迷う。 オマケに迷ったあげく最終的にリビングのソファで眠りこけている。また、今のように人が椅子に座っていても指摘されるまで気づかないほどだ。 その為、外は俺と妹華が、学園内では雫の親友兼ヘルパーの翠がいるのだが今日はいないようだ。
「お前、翠はどうした?」
「うーん、と、教室で気持ちよさそうに日向ぼっこしてたから置いてきたんだよ! 私、偉いでしょ!」
「あ~、はいはい。 えらいえらい。 そんな偉い子にお願いなんだけど、そろそろ俺の膝からどいてくれない?」
俺は、『褒めて褒めて』と執拗に主張してくる雫の頭を撫でながら、そろそろ限界の膝からどくように指摘した。
「あ、ほんとだ! エヘヘ、気づかなかったよぉ~。 ごめんね、ケーちゃん」
「ほんとだっつーの、ってか、どこから降りてんだよ!」
「え? そんなに変かなぁ?」
「あ・た・り・ま・え・だ!! 普通は横からどくだろ! なんで前の方に、しかも顔をこちらに向けて降りるんだよ! っつーか、顔をその位置で止めたままこちらを見上げるな! 勘違いされるだろうが!?」
俺は雫の普通ならば有り得ない降り方に悲鳴にも似た声を上げた。 こんな所で天然っぷりを発揮して欲しくない! というか何故、その態勢で止まる!? これじゃ、アレだよ! 良い子には見せられない格好だよ!? R-18になっちゃうよ!? てか、皆の視線がイタイ! 1人だけ血涙流しながら『リア充死すべし』って叫んでるよ!?
「あぁ、もう! 早く席に座れ!」
「は~い♪」
「よし、食べる・・・キャベツだけ?」
俺は【A定食】の米粒ひとつ無い茶碗と空っぽの味噌汁、そしてトンカツの衣のカスがあり、なぜかキャベツだけは手がつけられていなかった。 俺は隣の雫の方を見やると、満足そうな顔で『はぅ』とか呟いていた。
「おい、雫」
「ん? どーかした? ケーちゃん」
「お前、俺の昼食くったろ?」
俺はこめかみを引くつかせながら尋ねると、幸せそうな顔でこう告げた。
「トンカツ美味しかったよ♪」
「美味しかったよ♪、じゃねえんだよ!? なぁに、人様の昼食を食べてやがんだ! 毎度毎度、俺の朝食や夕食を食べてるくせに、遂には俺の昼食にまで手を出したか!?」
「ひゃって、おいひぃしょうだっひゃんだもん」
「そうかそうか、お前はおいしそうだったら誰のでも食べるんだなぁ? そんな悪い子は1週間夕食抜きだな」
俺は雫の頬をこねくりまわしながら、不敵な笑みを浮かべて告げた。 それに対する雫の答えは至極単純だ。 とてつもない程に絶望しきった顔で喚き出した。
「バッ、黙れ! え、えーと、これでも食って静かにしろ!」
俺は京治の盆に置かれているステーキ4切れをフォークで突き刺し、雫の口に突っ込んだ。 すると、みるみると絶望しきった表情から幸せいっぱいな表情へと変化した。
「はぁ、・・・お腹空いた」
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「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
『俺アレルギー』の抗体は、俺のことが好きな人にしか現れない?学園のアイドルから、幼馴染までノーマスク。その意味を俺は知らない
七星点灯
青春
雨宮優(あまみや ゆう)は、世界でたった一つしかない奇病、『俺アレルギー』の根源となってしまった。
彼の周りにいる人間は、花粉症の様な症状に見舞われ、マスク無しではまともに会話できない。
しかし、マスクをつけずに彼とラクラク会話ができる女の子達がいる。幼馴染、クラスメイトのギャル、先輩などなど……。
彼女達はそう、彼のことが好きすぎて、身体が勝手に『俺アレルギー』の抗体を作ってしまったのだ!
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