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一学期【中間試験】編
試験初日終了してお昼休憩
しおりを挟む放課後。初日の試験を終わらせたクラスメイト達は各々今回の試験はどうだったとか、ここはどんな解答したかなどと情報交換を行っていた。因みに俺達もやっている訳だが、
「ま、今回も余裕だったわね」
「ははは、中間だからまだ優しめなんだろうね」
桜花と新は聞くまでもなく高得点確定発現が返ってきた。これが強者の余裕ってやつか。それに比べて俺はいつも通り。今回もトップ10には入れると思うが5~6位辺りだろう。とまぁ、俺含めて三人の結果はどうでもいい。そんな事よりも、
「…やっと終わった」
「もう…いや」
「わ、我…疲れた」
完全に燃え尽きている京治、リィン、レヴィが心配だ。この様子じゃ普段使わない頭をめいいっぱいに使ったのだろう。初日でこれでは最後の試験まで乗り切れるかどうか。俺は教室の時計をみて、まだ昼前というのを確認する。
「よし、今から皆で、試験勉強の前に飯でも食いに行くか」
即試験勉強と言いたい所だったが、こういうアホ三人は1度切れた集中力ややる気は直ぐに回復しないため、このように休息を入れておくのが必須だ。
「でも、大丈夫かな? 華薇先生に見つかったら…」
「あー、確かに。けど、今更拷問スペシャルが2回増えようが関係ないだろ。どうせ2回くらうのは確定なんだしさ」
俺は鞄を手に席から立ち上がる。
「ま、それもそうだね」
新は観念したように微笑んで鞄を手にする。既にほかの生徒達は教室に居ない。よって、チクられることもない。
「さーて、行きますかー」
「よっしゃー!飯だ飯だ!」
「…チャーハン食べたい」
「我はステーキが食いたいな!」
「こんな昼前からステーキなんて食うわけないでしょ」
「ははは、僕は皆の食べたいもので構わないよ」
俺達はそんなことを言いながら教室を出る。今更だが、こうやって大人数で遊びに行くのは久しぶりだ。前よりも人数が増えて、更に賑やかになった。まぁ…未だにノーマルな転校生はこの学校に来ないけどな…。
「何落ち込んでんだよ、ケータ?」
「いや、なに。もう少しマトモな人間が来ないかなって」
肩を組んできた京治に俺はそう答える。その返答にぱちぱちと目を瞬かせた後、
「あー、それは確かにあるわ。マトモな奴いねぇ」
「まぁ、お前もそのマトモじゃないメンバーの一人だけどな」
「はァ!? お前もマトモじゃねえだろうが!このムッツリが!!」
「んだと!このエロ猿が!!」
俺と京治は店に着くまでどちらにも救いのない掴み合いをしていたのだった。
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