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大会編
サンダーストーム
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『干支乱勢大武繪、準決勝へと駒を進めたのは、御覧の4国4選手となります!』
準決勝第一仕合
子・テル VS 辰・マイ
準決勝第二仕合
巳・ヒカル VS 酉・リコ
『そして、各仕合の勝者が決勝へと勝ち上がり、最後に勝った干支乱勢が優勝をその手に掴みますッッ』
リングサイドには準決勝進出を決めた4人の干支乱勢が等間隔でリングを囲むように立っていた。
「みんなには悪いけど、優勝は僕がもらうよ」
「何を言うネ!ワタシと孤漫道が最強を証明するヨ!」
「まさかプロレスラー2人にスタントマンが残るとはな……」
「あぁ!?文句あんのかコラ!」
ヒカルとテル、リコ、マイら3人の間に一触即発の空気が滞留する。
「何がコラじゃコラ!オマエらは3人ともショーマンじゃねえか。 特にチャイナ野郎!」
「何だコラ!タココラ!」
「今ここでまとめて一辺にやるかコラ!!」
「吐いた言葉呑み込むなヨ!?」
テルとマイは同時にヒカルの元へと走る
「待ちなよ3人とも。 トランキーロだ!」
リコはテルとマイ、そしてヒカルの衝突を止めようとする。
『おーいボケナスどもー!今、乱闘したら全員失格にしちゃうよー?解ったらさっさと止めろアホー!』
ヒナコがマイクを通して警告するも、状況は変わらず。
その時だった。激しい閃光と衝撃。落雷が4人の中心を撃った。
【そこまでだ】
遙か天高くより響く声。
「何だ、今の……?」
「晴れているのに雷だと!?」
「それに偉そうな声ネ!」
「何だか獣人達がざわついてないかい……?」
リコの言うとおり、観客達と各国代表の獣人達は揃って拝むかの如き動作を行う。
『獣人達、そして干支乱勢達よ、静まりなさい!創造神・ヤンセ様の御言葉です』
ヒナコがこれまでとは異なった口調で告げる。
「神だと?」
テル達は空を見上げたが、そこに神と呼ばれる者の姿は無い。
【テル、マイ、ヒカル、リコ……貴様らは己の実力で強敵を倒し、ここまで勝ち上がってきた。それが結果であり事実。ならば、真の覇者となるべき者も仕合で決めよ!!】
その声音には言いようの無い威圧感があった。
「……ここは奴の言うとおりにした方がよさそうヨ」
「ここまで来て全員失格なんて、馬鹿らしいからね」
マイとリコはテル、ヒカルと距離を取る。
「神だか仏だか知らねえが、プロレスの神様はゴッチ先生だぞ!」
テルも身を退く。
「ククッ……いいだろう、力の穴(パワーホール) で会った時からオマエらレスラー二人は叩き潰してやりたかったからな。まずはメキシコ野郎、テメエからだ。その次がハポネスになるかアメリカーノになるかは解らんがな」
ヒカルはリコを指さして言うと、観客席へと去って行った。
「テル!」
リコはテルに呼びかける。
「僕は必ずヒカルを倒し決勝に進む。だから決勝は僕と君で最高のプロレスをしよう。君もマイに勝てよ!!」
そう言い残し、リコもその場を去る。
「Si。だが、その前に強敵を一人倒さねえとな!」
テルは目の前に立つマイの姿を見やる。
「リコには悪いが、勝つのはワタシよ」
二人は同時にリングへと上がる。
『た、多少のアクシデントはありましたが、これより準決勝第一仕合を開始しますッッ!!』
準決勝第一仕合
子・テル VS 辰・マイ
準決勝第二仕合
巳・ヒカル VS 酉・リコ
『そして、各仕合の勝者が決勝へと勝ち上がり、最後に勝った干支乱勢が優勝をその手に掴みますッッ』
リングサイドには準決勝進出を決めた4人の干支乱勢が等間隔でリングを囲むように立っていた。
「みんなには悪いけど、優勝は僕がもらうよ」
「何を言うネ!ワタシと孤漫道が最強を証明するヨ!」
「まさかプロレスラー2人にスタントマンが残るとはな……」
「あぁ!?文句あんのかコラ!」
ヒカルとテル、リコ、マイら3人の間に一触即発の空気が滞留する。
「何がコラじゃコラ!オマエらは3人ともショーマンじゃねえか。 特にチャイナ野郎!」
「何だコラ!タココラ!」
「今ここでまとめて一辺にやるかコラ!!」
「吐いた言葉呑み込むなヨ!?」
テルとマイは同時にヒカルの元へと走る
「待ちなよ3人とも。 トランキーロだ!」
リコはテルとマイ、そしてヒカルの衝突を止めようとする。
『おーいボケナスどもー!今、乱闘したら全員失格にしちゃうよー?解ったらさっさと止めろアホー!』
ヒナコがマイクを通して警告するも、状況は変わらず。
その時だった。激しい閃光と衝撃。落雷が4人の中心を撃った。
【そこまでだ】
遙か天高くより響く声。
「何だ、今の……?」
「晴れているのに雷だと!?」
「それに偉そうな声ネ!」
「何だか獣人達がざわついてないかい……?」
リコの言うとおり、観客達と各国代表の獣人達は揃って拝むかの如き動作を行う。
『獣人達、そして干支乱勢達よ、静まりなさい!創造神・ヤンセ様の御言葉です』
ヒナコがこれまでとは異なった口調で告げる。
「神だと?」
テル達は空を見上げたが、そこに神と呼ばれる者の姿は無い。
【テル、マイ、ヒカル、リコ……貴様らは己の実力で強敵を倒し、ここまで勝ち上がってきた。それが結果であり事実。ならば、真の覇者となるべき者も仕合で決めよ!!】
その声音には言いようの無い威圧感があった。
「……ここは奴の言うとおりにした方がよさそうヨ」
「ここまで来て全員失格なんて、馬鹿らしいからね」
マイとリコはテル、ヒカルと距離を取る。
「神だか仏だか知らねえが、プロレスの神様はゴッチ先生だぞ!」
テルも身を退く。
「ククッ……いいだろう、力の穴(パワーホール) で会った時からオマエらレスラー二人は叩き潰してやりたかったからな。まずはメキシコ野郎、テメエからだ。その次がハポネスになるかアメリカーノになるかは解らんがな」
ヒカルはリコを指さして言うと、観客席へと去って行った。
「テル!」
リコはテルに呼びかける。
「僕は必ずヒカルを倒し決勝に進む。だから決勝は僕と君で最高のプロレスをしよう。君もマイに勝てよ!!」
そう言い残し、リコもその場を去る。
「Si。だが、その前に強敵を一人倒さねえとな!」
テルは目の前に立つマイの姿を見やる。
「リコには悪いが、勝つのはワタシよ」
二人は同時にリングへと上がる。
『た、多少のアクシデントはありましたが、これより準決勝第一仕合を開始しますッッ!!』
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