わたしは

momo

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第一章

わたしは…不屈

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池上くんと杉村くん…たった一週間で二人に失恋したわたしは、ほんとにもうわかりやすく落ち込んでたんだと思う…。

ありがたいことに杉村くんのにフラレてすぐに夏休みになった。学校がないから顔を合わせなくて済む。

元々そんなに喋ったことなかったから、普通通りの学校生活ではせいぜい教室入る時にバッタリ同じタイミングになってしまい、どうぞっとお互いが譲り合うくらいだった。

夏休みに入るといよいよ、東塾の夏期講習が本格スタートした。
かおりはテストの結果なのかAクラスで離れてしまった。
わたしはうみちゃんとその彼氏の柴野くんとよくつるむようになった。

池上くんの件を一部始終知っていた柴野くんは、

「あれは完全にアイツが悪い!ほんとわっるい!!」

っと、傷心のわたしを励ましてくれた。
たぶん、口ぶりからすると、池上くんはわたし以外の女子たちにも色々なアプローチをしでかしていたらしい。
手慣れたエスカレートを思い出し納得した。

それでも同じ塾で、同じSクラスだから毎日嫌でも顔を合わせなくてはならない…。

平気だと言ったらうそになる。

初めての男の子との花火大会で手を握られて、軽く抱き締められたのだ。…1日彼氏の杉村くんとなんて電話しただけだったよ。自分で笑えてきてしまう。

東塾の近くにはファミリーマ○トがあった。
よくお昼はそこのコンビニにみんなで買いに行っていた。

パニーニというイタリアンピザのサンド版みたいなやつを人生で初めて食べたらめちゃめちゃ美味しかった。

よくチーズを伸ばしながら、ハムハム食べていると

「美味しそうに食べるよね。今日もパニーニかな。」

はははっと笑いながら向かいの席に座ってくる柴野くんと談笑した。

夏期講習始まったからか、塾講師たちもより一層熱が入っていて毎回テストをしてランク付けしてトップには称賛したりダメだとすぐにAクラスに落とされたりした。
そのせいもあってか、負けず嫌いのうみちゃんに火がついた。

取りつかれたように勉強勉強っとのめり込んでいったうみちゃんは、気がつくと一人で黙々と勉強していた。

そのせいか残されたわたしと柴野くんは談笑しながらプリントなどをこなしたりして、気がつくとよく二人でいるようになった。


もう恋なんてしない!っと杉村くんにフラレてからそう思っていたのに……背が高くスラッとしてわたしににこやかに話す姿に、救われていた。

そう、彼はうみちゃんの彼氏…、
うみちゃんのなのだ。



それはある日、突然の電話で起こった。
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