わたしは

momo

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第一章

わたしは…紙飛行機

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アルバム委員になって初めての会合があった。
それぞれ2ページ分の自分のクラスのコンセプトやデザインを考えて、提出するようにとの説明がなされた。

各自クラス単位で分かれて話し合うことに…。

最初はあーでもないこーでもないと言っていたのに10分も経つとダレてきた。
勝手に遊び始める出川似の原口くんとメガネ男子田川くん。
それにつられて紙飛行機を折り始めるようちゃん。
わたしも、ようちゃんと一緒にいらないプリントで紙飛行機を作る。

でも、ひとりだけ真面目にせっせと定規でセンチを図って個人写真を入れる個数を計算してる佐倉くん。

そんな彼を面白がりちょっかいかける男子。

「やめろよー、ったく。」

と言いつつ、ちょっと優しい。それを良いことにまたちょっかいかける。

しまいには、ようちゃんまで、

「ねえねえ、○っちゃん、佐倉くんにコレぶつけてみよーよ♪どんな反応するかな♪」

わくわくニヤニヤしてるようちゃん。
ドS心に火がついたようだ。

いいよっと応じて、真面目な顔をして方眼用紙とにらめっこしてる彼の頭に紙飛行機をぶつける。

「イテっ!なんだよっ、紙飛行機かっ、まったく。」

それでも、せっせと作業してる姿に心を打たれたわたしは、

『手伝うよ。はいっ、定規一本じゃ足りなかったんでしょ。』

っと、筆箱に入っていた定規を手渡すと、
驚いた顔してわたしを見たあと、ふいっとしてぼやいた。

「ここ、定規で図ったあとカッターで切るから押さえててくれる?」

よく見ると顔が少し赤くなっている。
何だか佐倉くんって、カワイイ。

確かにジャニーズ系の可愛らしく整った顔をしている。

それに、学級委員長をやるほど優等生で頭も良い。
噂で聞くとオール5という…おそろしや。
そんな彼が実はいぢられキャラでカワイイ一面があるなんて、正にギャップ萌えだ。

そうこう、二人で悪戦苦闘してるうちに他事していた三人も加わり、みんなでせっせと方眼用紙を個人写真サイズに切り取り、並べて配置やデザインを決める作業に、取りかかった。

何だろう~受験と関係ないせいか気分も楽だし、クラスでは杉村くん、塾ではうみちゃんと池上くんという気まずい相手がいて緊張の糸が張りつめてたのが、フッと佐倉くんのイジリからの流れで癒されて、わたしとっての憩いの場所となっていった。
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