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第一話 目覚め

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主人公は、えり、真面目で大人しい感じの高校1年生、ちょっとしたきっかけから2学期からいじめの対象となってしまう。
そんな彼女が事故に遭い、生死をさまようことに。結果、一命を取り留めたが、そんな彼女にある能力が目覚めた。
そんな彼女が繰り広げる物語である。

「うー!痛い」
「先生!えりさんが目覚めたみたいです。
「えりさん。わかりますか?」
「うっ!頭が痛い」
「何が起きたか覚えてますか?」
「えーっと。学校から帰っていたような」
「あ!無理して思い出そうとしなくてもいいですからね」
「はい」
(何があったかなあ?なんか夢は見たような。確か。誰かがいて、えーっと何か言っていたような)
えりは、何も思い出せずに疲れて寝てしまった。
「えりさん。おはよう。起きれるかな?」
「は、はい」
えりは、看護師の介助されながら体を起こした。
「昨日まで意識がなかったのよ。意識が目覚めたからリハビリをしていかないと、脳が退化しちゃうみたいだから、少しずつリハビリしましょうね」
「わかりました」
それからしばらくリハビリの毎日が続いた。
1週間が経ち、えりも少しは、普通に体を動かすことができるようになっていった。
「もう大丈夫そうだね」
「何があったんですか?」
「状況は、はっきりわからないんだけど、君は、公園の下の道に倒れていたみたいなんだ。公園の柵から落ちたんだと思う。なぜ落ちたかがわからないんだよね」
「そうなんですね」
「警察も事件性もあるということになってるんだよ。何か思い出したら警察にいうようにね」
「学校から帰るまでの記憶はあるかな?」
「学校でるとこまでは覚えていますが、その後を覚えてないです」
「そうかあ。一時的な記憶喪失だと思うからそのうち思い出すこともあるかもしれないね」
「明日退院できるからね。学校は1週間後からだからね」
「わかりました。ありがとうございました」
えりは、病室に帰った。
「えり。大丈夫なの?」
「ママ。大丈夫だよ」
「明日退院だから、昼には迎えに来るわね」
「うん」
「気をつけて帰ってね」
母親は、帰っていった。
(何があったんだろう?というよりなんか大事な夢を見たような。誰かに何かをあげると言われたような)
えりは、頭にもやもやを感じながらも病院最後の日を過ごしていた。
「みなさん。食事ですよ」
歩ける病人は、自ら取りにいくルールになっており、えりは、食事を取りに向かった。
食事を取り、帰る途中、足がもつれ、そのはずみで食事を落としそうになった。
(あ!だめ!まって)
その瞬間、驚くべき事態が起こった。
えりの周りの動くものがぴたっと止まった。
落としかけた食事も空中に止まっている。
(え!何?)
えりは、とりあえずもとに戻した。
周りは、まだ止まったまま、えりだけが動くことができた。
(え!なんで!動いて)
周りが何事もなかったように動きだした。
(何が起きたの?私だけ?)
(止まれと思えば止まるのかしら?)
周りの動きが止まった。
(やっぱり!止まっている間動かしたものはどうなるの?食事を運んでいた患者のご飯を他の人のお盆に乗せてみた。動いて)
「あれ?私のお盆にご飯が2杯!どうして?さっきまで確か1杯だったのに」
「俺のは、ご飯がなくなった」
「なんで?」
(私は、時間を止めることができるの?色々試してみなきゃ)
その後、持続時間含めて色々試してみた。
わかったことは、以下のとおり。
①時間は制限なし(1時間は最低大丈夫)
②止めた分だけ自分だけ時間が進む
③止まっている間、周りは変化を認識できない。何かをして移動して解除しても私がやったことはバレない
(色々楽しそう)
まずは、いつも嫌味な看護師さんに復讐してみた。
えりは、時間を止め、血圧測っているときにブラのホックを外してみた。
(動いて)
時間が再開した。
嫌味な看護師は、制服がきつくて気づいていない。
(おもしろくないなあ。止まれ)
時間が止まった。
えりは、嫌味な看護師の制服の前ボタンを外した。巨乳が一気にブラからはみ出した。
(あっ!包帯切るハサミがある。こうしちゃおう)
えりは、ブラの肩紐をきり、ブラを外した。
看護師の胸が溢れ出た。
(意外に綺麗だなあ。これでよし。動いて)
患者の目に胸がさらされた。
「きゃー!」
嫌味な看護師は、胸を隠しながら走り去った。
(やったー!あの恥ずかしい顔!ざまーみろ。面白いなあ。でもなんでもできちゃうから気をつけないとなあ)
えりは、反省しつつも色々考えていた。

えりは、無事退院して、1週間が経ち、学校に行く日になった。
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