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最高のサンタクロース
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僕は桜野亨、大学費を稼ぐ為バイトに明け暮れざるおえない学生である、
あと、わずかでクリスマスイブ
子供の頃はクリスマスがどんなに楽しかった事か
朝になると、押入れにサンタからのプレゼントが入っていた
長靴にお菓子が入っていたものだったけれど
思えばあれが、家庭的な最後の楽しい想い出かもしれない
6歳のとき両親が離婚したからだ
それからは祖父が面倒みてくれた。その優しい祖父は3年後に死んだ
思いやりのある祖父だった
それから後の事はあまり覚えていない
祖父の事を思い出すといつも目から水分が出る
今日はクリスマスイブ街の喧騒とは無関係にこんな僕には彼女すらいない
クリスマスまでに彼女を作りたいと願ってはいたけれど
やはり無理だった
12月に入った頃からこの六畳一間の部屋で高台にあるこのボロアパートで窓を開けると遠くの川の向こうの空き地に沢山の車が入って行くのを見つけた。何か建物が建てられるのかなと不思議に思っていた
そんな時にポストに招待状が入っていた。封を切るとクリスマスツリーのイラストが書いてあった。内容は、こうだった
「開店パーティを12月24日に致します。
貴方様は特別なお客様です。12月24日に
夜8時にお越し下さい。おもてなし致します。」
案内状の下に書かれていた地図は奇遇な事にいつも見下ろしていた川の向こうの
着々と完成しつつある建物だった
レストラン ミルキーウエイ(銀河)と書いてあった
その日は皆残業もせずいそいそと家に帰るものばかりでバイトの僕も
定時で帰る事ができた
暇だし行くか
などと呟いてみたが、こんなうすら寂しい日に予定があるだけでもありがたい
いつも遠くから見ていたけれど近づくときらきらと輝いていて圧倒された
入るの迷うなあでもここまで来て引き返すのも入るしかない、そう決意すると入り口に向って歩きだした。ウエイトレスの格好をした女の人が目に入った
「メリークリスマス」
女性はにっこりした
「メ、メリークリスマス」
小さい声で答えた
「さあ、どうぞ、あちらにパーティーのご用意が、されております。」
そちらに目をやると丸いテーブルに布がかけられていている
「あの、これは、えっと予約してませんけど」
念のために聞いた、おもてなしするとは書いてあるが新手のぼったくりかも
と用心したからだ
「あら、サービスですのよ。このレストランの開店祝い」
「えっ、でも他のお客さんは?」
「あなだだけです。この地域から一人だけ選ばれたのです。さあ、遠慮無くお座りください。」
うさんくさいなあと思いながら食欲に連られて
席についた
周りにはウエイトレスの人が細々と世話をしてくれた
ナイフとフォークを使ってのコースのフランス料理で言い知れぬ美味しさだった
次々給仕をしてくれてあがってしまった
食べ終わると、ウエイトレスに案内されて裏庭に案内された
ご馳走になって断れない雰囲気だったのでしかたなくついて行った
そこは驚くほど広く、庭というより広場だった
唖然としているとサンタクロースの格好をした人が現れた
何、これは、と圧倒されていると
「さあ、行こうか。」
「は、はい?」
「さあ乗って」
そう急かされた
いつの間にトナカイさんとソリが止まっていた。いつの間にそこにあったのだろうか。
なんだかもう、無料でいいのか。こんな演出ソリなんて乗った初めてだよと思った
すると体がふわっと浮いた。
次の瞬間、私はソリに乗っていた
と、腕時計に目をやった9時だなと思ったその瞬間
上にそれは上がって行った
「あのシートベルトは?」
サンタは大声で笑った
町の明かりが遠く眼下に見渡せた
「あの、これは?」
「プレゼントを子供達に配るのです」
「え、僕は聞いてません。」
その声にならない声はかき消されサンタさんが、プレゼントを配るお手伝いをする事になった。
沢山の子供の部屋まで運ぶのだが子供は起きない。なぜだ、睡眠薬でももられたか
あまり体力に自信のない僕はふらふらになったが、なんとか
3時間程かけてソリの後ろに乗せてあったプレゼントは全部配り終わった
「良くやった。」
そう言うとサンタクロースは髭を取った
その瞬間、その顔に釘づけになった
真正面からこちら見たその顔を見た途端
死んだはずの祖父が笑っている。 ああ、どんなにこの笑顔を見たかった事であろう
今、目の前にその事が現実化しているのだ
俺は目からはまたもや、水が流れて来た
嬉しくてその顔をじっと見ていた
その後聞いた
「どうしてサンタに?」
「去年のクリスマスに亨が寂しそうにしていたから考えたんだ。」
去年のクリスマスの事を思いだした、俺は去年も寂しいイブだったっけ
「おじちゃん、あの元気なんだね」
死ぬ前の苦しそうな姿が思い浮かんで来たので
思わず問いかけた。
祖父は優しく頷いた
「今は自由で、ほらこんな風にサンタにもなれるよ。亨も元気そうだな。」
優しく語りかけられてまたもや目もや水が大量に流れてくるのを感じた
祖父は優しく微笑んだ
それから、祖父と仕事の事や趣味の事など話しまくった
どれくらいその楽しい時間が続いただろうか
祖父はもう
朝になる前に行かなくてはいけないと言った
悲しかったが、引き止めてはいけない気がした
「亨元気でな、今日はありがとう」
そう言うと俺を優しく見つめた
「おじいちゃん、僕の方こそありがとう。」
祖父をじっと見つめた、祖父も微笑みながら見ていた
それから祖父はソリに乗って夜空に舞い上がって行った
それを見上げながら、また目から水が次から次へと流れて来るのを感じた
「ありがとう。」
大きな声で叫んだ
ソリは、小さくなってやがて見えなくなった
暫く夜空を見つめていていたが、
何気無く振り返ると今までそこに建てられていた
レストランミルキーウエイ方向を振り返ると跡形も無く
消え去っていただの空き地になっていた
クリスマスイブ
今年のクリスマスは楽しかった
僕は幸せだ、何しろ最高のサンタクロースに会えたのだから
あと、わずかでクリスマスイブ
子供の頃はクリスマスがどんなに楽しかった事か
朝になると、押入れにサンタからのプレゼントが入っていた
長靴にお菓子が入っていたものだったけれど
思えばあれが、家庭的な最後の楽しい想い出かもしれない
6歳のとき両親が離婚したからだ
それからは祖父が面倒みてくれた。その優しい祖父は3年後に死んだ
思いやりのある祖父だった
それから後の事はあまり覚えていない
祖父の事を思い出すといつも目から水分が出る
今日はクリスマスイブ街の喧騒とは無関係にこんな僕には彼女すらいない
クリスマスまでに彼女を作りたいと願ってはいたけれど
やはり無理だった
12月に入った頃からこの六畳一間の部屋で高台にあるこのボロアパートで窓を開けると遠くの川の向こうの空き地に沢山の車が入って行くのを見つけた。何か建物が建てられるのかなと不思議に思っていた
そんな時にポストに招待状が入っていた。封を切るとクリスマスツリーのイラストが書いてあった。内容は、こうだった
「開店パーティを12月24日に致します。
貴方様は特別なお客様です。12月24日に
夜8時にお越し下さい。おもてなし致します。」
案内状の下に書かれていた地図は奇遇な事にいつも見下ろしていた川の向こうの
着々と完成しつつある建物だった
レストラン ミルキーウエイ(銀河)と書いてあった
その日は皆残業もせずいそいそと家に帰るものばかりでバイトの僕も
定時で帰る事ができた
暇だし行くか
などと呟いてみたが、こんなうすら寂しい日に予定があるだけでもありがたい
いつも遠くから見ていたけれど近づくときらきらと輝いていて圧倒された
入るの迷うなあでもここまで来て引き返すのも入るしかない、そう決意すると入り口に向って歩きだした。ウエイトレスの格好をした女の人が目に入った
「メリークリスマス」
女性はにっこりした
「メ、メリークリスマス」
小さい声で答えた
「さあ、どうぞ、あちらにパーティーのご用意が、されております。」
そちらに目をやると丸いテーブルに布がかけられていている
「あの、これは、えっと予約してませんけど」
念のために聞いた、おもてなしするとは書いてあるが新手のぼったくりかも
と用心したからだ
「あら、サービスですのよ。このレストランの開店祝い」
「えっ、でも他のお客さんは?」
「あなだだけです。この地域から一人だけ選ばれたのです。さあ、遠慮無くお座りください。」
うさんくさいなあと思いながら食欲に連られて
席についた
周りにはウエイトレスの人が細々と世話をしてくれた
ナイフとフォークを使ってのコースのフランス料理で言い知れぬ美味しさだった
次々給仕をしてくれてあがってしまった
食べ終わると、ウエイトレスに案内されて裏庭に案内された
ご馳走になって断れない雰囲気だったのでしかたなくついて行った
そこは驚くほど広く、庭というより広場だった
唖然としているとサンタクロースの格好をした人が現れた
何、これは、と圧倒されていると
「さあ、行こうか。」
「は、はい?」
「さあ乗って」
そう急かされた
いつの間にトナカイさんとソリが止まっていた。いつの間にそこにあったのだろうか。
なんだかもう、無料でいいのか。こんな演出ソリなんて乗った初めてだよと思った
すると体がふわっと浮いた。
次の瞬間、私はソリに乗っていた
と、腕時計に目をやった9時だなと思ったその瞬間
上にそれは上がって行った
「あのシートベルトは?」
サンタは大声で笑った
町の明かりが遠く眼下に見渡せた
「あの、これは?」
「プレゼントを子供達に配るのです」
「え、僕は聞いてません。」
その声にならない声はかき消されサンタさんが、プレゼントを配るお手伝いをする事になった。
沢山の子供の部屋まで運ぶのだが子供は起きない。なぜだ、睡眠薬でももられたか
あまり体力に自信のない僕はふらふらになったが、なんとか
3時間程かけてソリの後ろに乗せてあったプレゼントは全部配り終わった
「良くやった。」
そう言うとサンタクロースは髭を取った
その瞬間、その顔に釘づけになった
真正面からこちら見たその顔を見た途端
死んだはずの祖父が笑っている。 ああ、どんなにこの笑顔を見たかった事であろう
今、目の前にその事が現実化しているのだ
俺は目からはまたもや、水が流れて来た
嬉しくてその顔をじっと見ていた
その後聞いた
「どうしてサンタに?」
「去年のクリスマスに亨が寂しそうにしていたから考えたんだ。」
去年のクリスマスの事を思いだした、俺は去年も寂しいイブだったっけ
「おじちゃん、あの元気なんだね」
死ぬ前の苦しそうな姿が思い浮かんで来たので
思わず問いかけた。
祖父は優しく頷いた
「今は自由で、ほらこんな風にサンタにもなれるよ。亨も元気そうだな。」
優しく語りかけられてまたもや目もや水が大量に流れてくるのを感じた
祖父は優しく微笑んだ
それから、祖父と仕事の事や趣味の事など話しまくった
どれくらいその楽しい時間が続いただろうか
祖父はもう
朝になる前に行かなくてはいけないと言った
悲しかったが、引き止めてはいけない気がした
「亨元気でな、今日はありがとう」
そう言うと俺を優しく見つめた
「おじいちゃん、僕の方こそありがとう。」
祖父をじっと見つめた、祖父も微笑みながら見ていた
それから祖父はソリに乗って夜空に舞い上がって行った
それを見上げながら、また目から水が次から次へと流れて来るのを感じた
「ありがとう。」
大きな声で叫んだ
ソリは、小さくなってやがて見えなくなった
暫く夜空を見つめていていたが、
何気無く振り返ると今までそこに建てられていた
レストランミルキーウエイ方向を振り返ると跡形も無く
消え去っていただの空き地になっていた
クリスマスイブ
今年のクリスマスは楽しかった
僕は幸せだ、何しろ最高のサンタクロースに会えたのだから
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