1 / 2
01
しおりを挟む
「すまない。レイリア。」
「え?」
「私は君の妹ミリアを愛している。」
「アイン様…」
うっとりとした妹の甘い声。
久しぶりに婚約者が私のもとに現れた、そう思った矢先のことであった。
私は昔から何かと妹と比べられてきた。
『妹さんはあんなに素直なのにお姉さんのほうときたら…』
自分のものを奪おうとする妹を止めようとすることはわがままなの?
『妹さんはあんなにかわいいのにお姉さんときたら…』
くるくるした金髪にぱっちりとした青い目の人形のようにかわいらしい妹と、ストレートで色素の薄いはちみつ色の髪とアクアマリンみたいな水色のたれ目。私は地味だった。
そんなの生まれ持ったものなのに…
ミリアには新しいドレス宝飾品、玩具。かわいい部屋。
何でも買ってもらえたのに。なんでももらっていたのに。私は?
どうして着る服がないの?宝石一つもないの?なんで屋根裏部屋なの?
小さい時からそうだった。私には何もなかった。
両親の愛も、何もかも。
そして今日、私は婚約者をもなくした。
『そうか、それなら仕方ありませんな。』
さぞ当たり前のことかのように婚約破棄を受け入れた父。
『代わりにミリアが婚約すれば問題ありませんわね』
うれしそうにミリアが元婚約者の婚約者になることを認めた母。
『レイリア?もううちの子じゃないが。』
もともと存在しなかったかのように私を捨てた両親。
私は彼らにとって何だったんでしょう。
もう、疲れてしまった。私はいつも妹をいじめる姉だった。
頼れる所などない。お金も何もない。
このままでは野垂れ死んでしまう。
…別にそれでもいいか。私がこの世から消えてもきずくものなんていない。
きずいてきっと、その人は私が消えて喜ぶんだろう。
ふらふらと歩いて行った先には小さな湖。
ザバン
意識が遠のく…
『レイリア、お前そんなに寂しいんだったら俺がもらってやるよ。』
小さいころよく遊んだ男の子がいた。漆黒の髪に真っ青な目の綺麗な男の子だった。
『でも…』
『もちろんただでとは言わないさ。お前が俺を見つけられれば、だ。』
男の子はにかっと笑ってそういった。
「ん…」
目が覚めるとそこは見知らぬ部屋の天井だった。
「!!旦那様、お目覚めになられました。」
旦那様?私、家に戻ってきたのかしら。こんな部屋、見覚えがないわ。
ゆっくりと体を起こしながら私は思った。
やがて扉がノックされた。
「どうぞ。」
「失礼する。」
入ってきた人は思ったよりも若く見えた。
20代後半くらいかしら。真っ赤な赤毛と緑の目をした綺麗な人だった。
彼は私のもとに近ずいてきたかと思うとこういった。
「単刀直入に言う。君、私の養子になる気はないかい?」
「え?」
驚きが隠せない。でも、これは聞かなければ。
「なぜ私を?」
「見たところ訳アリのもと貴族令嬢だろう。一人で生きていくのが難しいのなら、養う代わりに結婚したくない私に協力してくれるかな、と思ったのさ。」
「要するに虫よけになれと?」
「そういうことだ。」
「そう言うことなら。一度捨てた命ですし。」
ニコッと笑う。彼は満足そうに笑った。
「え?」
「私は君の妹ミリアを愛している。」
「アイン様…」
うっとりとした妹の甘い声。
久しぶりに婚約者が私のもとに現れた、そう思った矢先のことであった。
私は昔から何かと妹と比べられてきた。
『妹さんはあんなに素直なのにお姉さんのほうときたら…』
自分のものを奪おうとする妹を止めようとすることはわがままなの?
『妹さんはあんなにかわいいのにお姉さんときたら…』
くるくるした金髪にぱっちりとした青い目の人形のようにかわいらしい妹と、ストレートで色素の薄いはちみつ色の髪とアクアマリンみたいな水色のたれ目。私は地味だった。
そんなの生まれ持ったものなのに…
ミリアには新しいドレス宝飾品、玩具。かわいい部屋。
何でも買ってもらえたのに。なんでももらっていたのに。私は?
どうして着る服がないの?宝石一つもないの?なんで屋根裏部屋なの?
小さい時からそうだった。私には何もなかった。
両親の愛も、何もかも。
そして今日、私は婚約者をもなくした。
『そうか、それなら仕方ありませんな。』
さぞ当たり前のことかのように婚約破棄を受け入れた父。
『代わりにミリアが婚約すれば問題ありませんわね』
うれしそうにミリアが元婚約者の婚約者になることを認めた母。
『レイリア?もううちの子じゃないが。』
もともと存在しなかったかのように私を捨てた両親。
私は彼らにとって何だったんでしょう。
もう、疲れてしまった。私はいつも妹をいじめる姉だった。
頼れる所などない。お金も何もない。
このままでは野垂れ死んでしまう。
…別にそれでもいいか。私がこの世から消えてもきずくものなんていない。
きずいてきっと、その人は私が消えて喜ぶんだろう。
ふらふらと歩いて行った先には小さな湖。
ザバン
意識が遠のく…
『レイリア、お前そんなに寂しいんだったら俺がもらってやるよ。』
小さいころよく遊んだ男の子がいた。漆黒の髪に真っ青な目の綺麗な男の子だった。
『でも…』
『もちろんただでとは言わないさ。お前が俺を見つけられれば、だ。』
男の子はにかっと笑ってそういった。
「ん…」
目が覚めるとそこは見知らぬ部屋の天井だった。
「!!旦那様、お目覚めになられました。」
旦那様?私、家に戻ってきたのかしら。こんな部屋、見覚えがないわ。
ゆっくりと体を起こしながら私は思った。
やがて扉がノックされた。
「どうぞ。」
「失礼する。」
入ってきた人は思ったよりも若く見えた。
20代後半くらいかしら。真っ赤な赤毛と緑の目をした綺麗な人だった。
彼は私のもとに近ずいてきたかと思うとこういった。
「単刀直入に言う。君、私の養子になる気はないかい?」
「え?」
驚きが隠せない。でも、これは聞かなければ。
「なぜ私を?」
「見たところ訳アリのもと貴族令嬢だろう。一人で生きていくのが難しいのなら、養う代わりに結婚したくない私に協力してくれるかな、と思ったのさ。」
「要するに虫よけになれと?」
「そういうことだ。」
「そう言うことなら。一度捨てた命ですし。」
ニコッと笑う。彼は満足そうに笑った。
1
あなたにおすすめの小説
7年ぶりに私を嫌う婚約者と目が合ったら自分好みで驚いた
小本手だるふ
恋愛
真実の愛に気づいたと、7年間目も合わせない婚約者の国の第二王子ライトに言われた公爵令嬢アリシア。
7年ぶりに目を合わせたライトはアリシアのどストライクなイケメンだったが、真実の愛に憧れを抱くアリシアはライトのためにと自ら婚約解消を提案するがのだが・・・・・・。
ライトとアリシアとその友人たちのほのぼの恋愛話。
※よくある話で設定はゆるいです。
誤字脱字色々突っ込みどころがあるかもしれませんが温かい目でご覧ください。
大事な婚約者が傷付けられたので全力で報復する事にした。
オーガスト
恋愛
イーデルハイト王国王太子・ルカリオは王家の唯一の王位継承者。1,000年の歴史を誇る大陸最古の王家の存亡は彼とその婚約者の肩に掛かっている。そんなルカリオの婚約者の名はルーシェ。王国3大貴族に名を連ねる侯爵家の長女であり、才色兼備で知られていた。
ルカリオはそんな彼女と共に王家の未来を明るい物とするべく奮闘していたのだがある日ルーシェは婚約の解消を願い出て辺境の別荘に引きこもってしまう。
突然の申し出に困惑する彼だが侯爵から原因となった雑誌を見せられ激怒
全力で報復する事にした。
ノーリアリティ&ノークオリティご注意
婚約者のいる運命の番はやめた方が良いですよね?!
水鈴みき(みすずみき)
恋愛
結婚に恋焦がれる凡庸な伯爵令嬢のメアリーは、古来より伝わる『運命の番』に出会ってしまった!けれど彼にはすでに婚約者がいて、メアリーとは到底釣り合わない高貴な身の上の人だった。『運命の番』なんてすでに御伽噺にしか存在しない世界線。抗えない魅力を感じつつも、すっぱりきっぱり諦めた方が良いですよね!?
※他サイトにも投稿しています※タグ追加あり
私に婚約者がいたらしい
来栖りんご
恋愛
学園に通っている公爵家令嬢のアリスは親友であるソフィアと話をしていた。ソフィアが言うには私に婚約者がいると言う。しかし私には婚約者がいる覚えがないのだが…。遂に婚約者と屋敷での生活が始まったが私に回復魔法が使えることが発覚し、トラブルに巻き込まれていく。
【短編版】番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました
降魔 鬼灯
恋愛
コミカライズ化進行中。
連載版もあります。
ユリアンナは王太子ルードヴィッヒの婚約者。
幼い頃は仲良しの2人だったのに、最近では全く会話がない。
月一度の砂時計で時間を計られた義務の様なお茶会もルードヴィッヒはこちらを睨みつけるだけで、なんの会話もない。
義務的に続けられるお茶会。義務的に届く手紙や花束、ルートヴィッヒの色のドレスやアクセサリー。
でも、実は彼女はルートヴィッヒの番で。
彼女はルートヴィッヒの気持ちに気づくのか?ジレジレの二人のお茶会
三話完結
コミカライズ化に伴いタイトルを『憂鬱なお茶会〜殿下、お茶会を止めて番探しをされては?え?義務?彼女は自分が殿下の番であることを知らない。溺愛まであと半年〜』から
『番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました』に変更させていただきます。
5年経っても軽率に故郷に戻っては駄目!
158
恋愛
伯爵令嬢であるオリビアは、この世界が前世でやった乙女ゲームの世界であることに気づく。このまま学園に入学してしまうと、死亡エンドの可能性があるため学園に入学する前に家出することにした。婚約者もさらっとスルーして、早や5年。結局誰ルートを主人公は選んだのかしらと軽率にも故郷に舞い戻ってしまい・・・
2話完結を目指してます!
女避けの為の婚約なので卒業したら穏やかに婚約破棄される予定です
くじら
恋愛
「俺の…婚約者のフリをしてくれないか」
身分や肩書きだけで何人もの男性に声を掛ける留学生から逃れる為、彼は私に恋人のふりをしてほしいと言う。
期間は卒業まで。
彼のことが気になっていたので快諾したものの、別れの時は近づいて…。
初恋の人と再会したら、妹の取り巻きになっていました
山科ひさき
恋愛
物心ついた頃から美しい双子の妹の陰に隠れ、実の両親にすら愛されることのなかったエミリー。彼女は妹のみの誕生日会を開いている最中の家から抜け出し、その先で出会った少年に恋をする。
だが再会した彼は美しい妹の言葉を信じ、エミリーを「妹を執拗にいじめる最低な姉」だと思い込んでいた。
なろうにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる