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歩き始めて30分。
「誰だッ!!!!!」
兵?騎士?よくわかんないけど、そんな人達に長槍を突き付けらている、俺。橋本 俊。
「へッ!!?あ、は、橋本、です........」
「名乗れと言ったんじゃあない!!」
「誰だ!って言ったじゃないですか.......」
「何者だ、と言っているんだ!!」
「え、ただの迷子ですけれど......」
「は!?迷子!?ここは神獣様の森だぞ!?我々見回りと、王族の方々しか入ることは出来ない!何より入り口に見張りがいただろう!どうやって侵入した!!!!!?」
「き、気づいたら、ここに、としか......」
「そんなわけあるかッ!!!!!」
え、な、なんか、いきなりめっちゃ怒鳴られる..........そんなこと言われたって俺、好きでここに来たんじゃないのに.........。
やば、なんか、泣きそう、かも。
残業疲れも相まって、涙腺がゆるんできた。
.........そんな時。凛とした、けれども、とても冷たく怒りの篭った声が響いた。
「.............ほぅ?我の番に槍を向けるだけでなく、泣かせるとは......余程お前らの故郷を潰してほしいとみえるな?」
「しッ、神獣様ッ!!!!!!」
ザッ!と音を出しながら土下座のように額を土につけた見回りの人?達。
...........神獣、様?
涙でぼやけた目をこすりながら、後ろを振り向く。
白い毛がもふもふな、大きい...........犬?
「あぁ........そんなに強く擦ってはいけないよ。可愛い目が溶けてしまう。」
響いた声の主であることはわかる。ただ、先程の様な冷たく、怒りの篭った声とは異なり、自分に向けられたであろう声は、甘くとろけたようなものであった。
俺がその情報過多具合に、パチパチと瞬きをしながら脳の処理をしていると、その大きなワンちゃんは、見回りの人達に視線を戻し、先程の冷たく怒りの篭った声で言い放つ。
「.............さぁ、頭の悪いお前らにもう一度言ってやろうか?我の、最愛で、唯一である番に、あろうことか槍を向け?戸惑っているこの可愛い子を怒鳴りつけ?泣かせた? .............お前らの故郷どころか、この国に張ってる結界すべて消し去ってしまっても、我は一向に構わないんだが?」
「ヒィッ!!!?お、お許しくださいッッ!!!!!それだけは......ッ!!!!!結界だけはァ!!!!!」
泣きながら額を土に擦り付け、謝り倒す見回りの人達。
....................だめだ。俺の脳では処理しきれん。
と、とりあえず...........このワンちゃんが俺を庇ってくれていること、なんだかとても偉いワンちゃんであることは、なんとなく、わかった。
........たぶん。
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