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基盤の解体(ファウンデーション・リセット)
第1話:落日の「氷の女王」―営業エースが晒した純白の誠意―前編
『第1話:落日の「氷の女王」―営業エースが晒した純白の誠意―』前編
彼女は、かつてこの業界で「氷の女王」とまで呼ばれたエースだった。
今日も身に着けているのは、隙のない黒のスーツに、分不相応なほど高級な腕時計。しかし、僕にはわかっている。その時計が、かつての栄光にしがみつくための「武装」に過ぎないことを。
ここ数ヶ月、彼女の成績は右肩下がりだ。たまたま時代の波に乗って数字を稼いでいただけの彼女は、不況という逆風に晒され、本来の「打たれ弱さ」を露呈し始めていた。社内の若手からは「過去の人」と囁かれ、見栄で膨んだ生活費が彼女の首を絞めている。
「……というわけだから、上役には伝えておくけれど、正直この条件では厳しいと思う。また改めて連絡するよ」
僕は至極紳士的な微笑みを浮かべ、淡々と資料を鞄に詰める。彼女は、いつも通りの笑顔を作ろうとしているが、頬が微かに引き攣っている。
「そんな……。そこをなんとか、もう一度だけ……。弊社としても、これが通らないと……」
「僕だって力になりたいのは山々だ。でも、上が一度『NO』と言えば、僕の一存では覆らないんだよ」
良好な関係を築いてきたからこそ、僕はあえて突き放す。かつての、彼女の勢いに押されていた僕ではないことを、彼女はまだ気づいていない。
「どこを、どう変えればいいですか? 条件なら、まだ調整の余地はあります!」
必死に食い下がる彼女に、僕は穏やかに事実を突きつける。
「無理に条件を良くしても、今度は君の会社が赤字になるだろう? 君の立場が悪くなるだけだ。……正直に言って、もうビジネスの枠組みでは、打つ手がないんだよね」
会議室に沈黙が流れる。彼女自身のキャリアを守るためには、もはや僕という人脈を「個人的に」利用するしかない。
「……お力で……なんとかなりませんか? 私、……私、何でもしますから。この契約のためなら、何でも、するって……」
彼女が吐いた「何でもする」は、僕のためではない。自分の地位を守るため、僕を都合よく動かそうとする最後の賭けだ。そのエゴに、僕の中でスイッチが入る。
「……何でもする、という言葉。その言葉に、嘘はないね?」
「……っ、はい」
僕は背もたれに深く腰掛け、彼女をじっと見つめた。
「わかった。じゃあ、まずはその会議室の扉を、君の手で閉めてきてくれるかな?」
彼女は一瞬目を見開いたが、促されるままに震える指先で重い防音扉を閉めた。鍵はかかっていない。
「いいよ。じゃあ、次。僕の座っている椅子の横に、座って」
彼女がぎこちなく隣に腰を下ろした瞬間、昼休みを告げるチャイムが鳴り響いた。
「契約書にサインができるかどうかは、君次第だよ。……君自身の手で、そのスカート、どこまでめくれるかな?」
「っ……」
彼女の細い指先が、黒いタイトスカートの裾に掛かった。
ストッキングに包まれた膝のあたりで、彼女の指が激しく震えている。かつての「氷の女王」が、今、僕の隣でたった数センチ布を持ち上げることに、魂を削るような葛藤を見せている。
僕は、そんな彼女の横顔を無機質な、検品でもするかのような冷徹な視線で見つめ続けた。
「……っ……ぁ……」
やがて、摩擦音を立ててスカートがたくし上げられた。
漆黒のストッキングに包まれた太腿が露わになり、その最奥から、眩いばかりの「白」が溢れ出した。
清楚なレースが細かく施された、汚れ一つない真っ白な下着。
普段、隙のない黒のスーツで武装している彼女が、その下にこれほどまでに可憐で、無防備な色を隠し持っていたという事実。
黒と白。ストッキングの人工的な光沢と、彼女自身の意志で晒し出されたレースの柔らかな質感。その対比は、直視できないほど背徳的だった。
「……っ……これで、いい、ですか……?」
彼女は、自らの手で恥部を晒している屈辱に耐えかね、顔を真っ赤にして俯いている。
「いいよ。とても綺麗な『誠意』だ」
「……続きは、夜にしよう。19時に、駅前の居酒屋の個室を予約しておく。商談の続きがしたいなら、そこにおいで。……待っているよ」
僕はそれ以上彼女に触れることはせず、ただ冷徹な瞳で、その晒された「白」を見つめ直した。
彼女は、自分の手でめくり上げたスカートの裾を握りしめたまま、蒼白な顔で沈黙している。その場での即答は、彼女に残された最後のプライドが許さなかった。
「じゃあ、僕は昼食に行ってくるよ。そんな顔で、午後の業務が務まるといいけれど」
僕は身支度を整え、呆然とする彼女を一人会議室に残して席を立った。
扉を開けると、ランチへ向かう社員たちの賑やかな声が廊下に溢れている。
彼女が今から夜までの時間を、どんな生殺しの心地で、そしてどれほど激しい葛藤の中で過ごすのか。
それを想像するだけで、僕の口元は自然と緩んだ。
彼女は、かつてこの業界で「氷の女王」とまで呼ばれたエースだった。
今日も身に着けているのは、隙のない黒のスーツに、分不相応なほど高級な腕時計。しかし、僕にはわかっている。その時計が、かつての栄光にしがみつくための「武装」に過ぎないことを。
ここ数ヶ月、彼女の成績は右肩下がりだ。たまたま時代の波に乗って数字を稼いでいただけの彼女は、不況という逆風に晒され、本来の「打たれ弱さ」を露呈し始めていた。社内の若手からは「過去の人」と囁かれ、見栄で膨んだ生活費が彼女の首を絞めている。
「……というわけだから、上役には伝えておくけれど、正直この条件では厳しいと思う。また改めて連絡するよ」
僕は至極紳士的な微笑みを浮かべ、淡々と資料を鞄に詰める。彼女は、いつも通りの笑顔を作ろうとしているが、頬が微かに引き攣っている。
「そんな……。そこをなんとか、もう一度だけ……。弊社としても、これが通らないと……」
「僕だって力になりたいのは山々だ。でも、上が一度『NO』と言えば、僕の一存では覆らないんだよ」
良好な関係を築いてきたからこそ、僕はあえて突き放す。かつての、彼女の勢いに押されていた僕ではないことを、彼女はまだ気づいていない。
「どこを、どう変えればいいですか? 条件なら、まだ調整の余地はあります!」
必死に食い下がる彼女に、僕は穏やかに事実を突きつける。
「無理に条件を良くしても、今度は君の会社が赤字になるだろう? 君の立場が悪くなるだけだ。……正直に言って、もうビジネスの枠組みでは、打つ手がないんだよね」
会議室に沈黙が流れる。彼女自身のキャリアを守るためには、もはや僕という人脈を「個人的に」利用するしかない。
「……お力で……なんとかなりませんか? 私、……私、何でもしますから。この契約のためなら、何でも、するって……」
彼女が吐いた「何でもする」は、僕のためではない。自分の地位を守るため、僕を都合よく動かそうとする最後の賭けだ。そのエゴに、僕の中でスイッチが入る。
「……何でもする、という言葉。その言葉に、嘘はないね?」
「……っ、はい」
僕は背もたれに深く腰掛け、彼女をじっと見つめた。
「わかった。じゃあ、まずはその会議室の扉を、君の手で閉めてきてくれるかな?」
彼女は一瞬目を見開いたが、促されるままに震える指先で重い防音扉を閉めた。鍵はかかっていない。
「いいよ。じゃあ、次。僕の座っている椅子の横に、座って」
彼女がぎこちなく隣に腰を下ろした瞬間、昼休みを告げるチャイムが鳴り響いた。
「契約書にサインができるかどうかは、君次第だよ。……君自身の手で、そのスカート、どこまでめくれるかな?」
「っ……」
彼女の細い指先が、黒いタイトスカートの裾に掛かった。
ストッキングに包まれた膝のあたりで、彼女の指が激しく震えている。かつての「氷の女王」が、今、僕の隣でたった数センチ布を持ち上げることに、魂を削るような葛藤を見せている。
僕は、そんな彼女の横顔を無機質な、検品でもするかのような冷徹な視線で見つめ続けた。
「……っ……ぁ……」
やがて、摩擦音を立ててスカートがたくし上げられた。
漆黒のストッキングに包まれた太腿が露わになり、その最奥から、眩いばかりの「白」が溢れ出した。
清楚なレースが細かく施された、汚れ一つない真っ白な下着。
普段、隙のない黒のスーツで武装している彼女が、その下にこれほどまでに可憐で、無防備な色を隠し持っていたという事実。
黒と白。ストッキングの人工的な光沢と、彼女自身の意志で晒し出されたレースの柔らかな質感。その対比は、直視できないほど背徳的だった。
「……っ……これで、いい、ですか……?」
彼女は、自らの手で恥部を晒している屈辱に耐えかね、顔を真っ赤にして俯いている。
「いいよ。とても綺麗な『誠意』だ」
「……続きは、夜にしよう。19時に、駅前の居酒屋の個室を予約しておく。商談の続きがしたいなら、そこにおいで。……待っているよ」
僕はそれ以上彼女に触れることはせず、ただ冷徹な瞳で、その晒された「白」を見つめ直した。
彼女は、自分の手でめくり上げたスカートの裾を握りしめたまま、蒼白な顔で沈黙している。その場での即答は、彼女に残された最後のプライドが許さなかった。
「じゃあ、僕は昼食に行ってくるよ。そんな顔で、午後の業務が務まるといいけれど」
僕は身支度を整え、呆然とする彼女を一人会議室に残して席を立った。
扉を開けると、ランチへ向かう社員たちの賑やかな声が廊下に溢れている。
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