​『支配者の美学―女たちの「誠意」を査定する男―』

まさき

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​基盤の解体(ファウンデーション・リセット)

第4.5話:【幕間】―ポートフォリオの再編―

第4.5話:【幕間】―ポートフォリオの再編―

深夜。室内の明かりを落とした書斎で、端末のブルーライトが彼の無機質な横顔を照らしていた。

画面には、独自の暗号化が施されたファイルが並んでいる。
彼は今日「査定」を終えたばかりのアスリートの項目を更新し、これまでの4人を一つのフォルダにまとめ上げた。管理名は「PHASE 1」。

彼は、手に入れた4つの「成果」を眺め、その本質的な価値を反芻する。

1. 営業部長(経済):
「資金の蛇口」。企業の動脈を押さえ、逆らう者を干上がらせる力。
2. 新人議員(政治):
「ルールの裁定」。自社に有利な法律を作り、敵を合法的に排除する力。
3. 保育士(教育):
「情報の源流」。全家庭のプライバシーを握り、次世代の思想を根底から管理する力。
4. アスリート(文化):
「民衆の盲信」。理屈ではなく感情で大衆を動かし、熱狂という名の盾を作る力。

「カネ、法、情報、そして熱狂……。この国を形作る『ハード面』の基盤(ファウンデーション)は、すべて揃った」

この4つは、社会を外側から動かすための骨組みだ。この骨組みを完全に私物化したことで、もはやこの国の表層は彼の意のままに動き始めている。盤面の中央に座る「王(キング)」――あの女性総理を孤立させ、逃げ場を奪うための包囲網は、すでに完成していた。

「だが、まだ足りない」

彼は再び端末を操作し、次なる「PHASE 2」の資料を展開した。
画面には、新たにリストアップされた4枚の写真が無機質に並んでいる。

前の4人が社会を外側から縛るための「実権」だったのに対し、今度の4人が司るものは、より人間の深淵に触れる別の何かだ。

彼女たちが何者なのか。そして、この新たな4人を支配した時、社会に何が起こるのか。
彼はその「答え」を口にすることなく、冷たい笑みを浮かべて画面を閉じた。

「まずは、この女からだ」

彼はジャケットを羽織り、深夜の静寂に革靴の音を響かせながら、次なる査定地へと向かった。
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