​『支配者の美学―女たちの「誠意」を査定する男―』

まさき

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第9話:【終焉の序曲】―跪く八色の駒と、絶対零度の指令―

第9話:【終焉の序曲】―跪く八色の駒と、絶対零度の指令―


​深夜、都心の超高層ビルの最上階。一般の入居者が立ち入ることのできない、完全防音のプライベート・サロン。
窓の外には、まるで支配者を祝福するかのように、数百万の民が眠る東京の夜景が広がっている。しかし、この室内にあるのは、その煌めきとは対照的な、澱んだ沈黙と、濃密な雌の匂い、そして絶対的な服従の気配だった。
​部屋の中央、広大なリビングの床には、この国の各界を代表する「顔」たちが、一様に跪いていた。
​営業元エース、地方議員、保育園の先生、美女アスリート。
そして、教祖、バイオリニスト、旅館の若女将、ニュースキャスター。
​かつては誰もが羨望し、あるいは畏敬の念を抱いた、高潔で高慢な8人の女たち。だが今、彼女たちは一糸まとわぬ姿、あるいは僕に命じられた屈辱的な装いで、四つん這いになり、その誇り高き臀部を僕の方へと突き出していた。
​「……壮観だな」
​僕はソファに深く腰掛け、手にしたグラスの琥珀色の液体を揺らした。
8人の女たちが、示し合わせたかのように、僕の足元で列をなして頭(こうべ)を垂れている。彼女たちの肢体には、これまでの「査定」で僕が刻み込んだ所有印――目に見えない支配の痕跡が、今もなお疼いているはずだ。
​僕はゆっくりと立ち上がり、端に位置する営業元エースの背後に立った。
「さて、お前たちをここに集めたのは、他でもない。今日この時から、お前たちは僕の『道具』として、この国の真の支配者たち……あの女性総理を取り囲む上位層を、一人残らず食い荒らしてもらうためだ」
​僕は彼女たちの突き出された「弱点」へ、順に指を這わせた。
震える肉体、漏れる吐息。指先で執拗に粘膜を弄り、かつて僕が教え込んだ快楽の記憶を再燃させていく。
​「営業エース、お前は経済界の重鎮どもを。議員、お前は党内の長老たちを。保育士、お前は彼らの家庭を内側から壊せ。アスリート、お前の熱狂を総理の政敵へと向けろ」
​指が次々と、彼女たちの「聖域」を侵食していく。教祖が悦楽に身をよじり、バイオリニストが楽器を奏でるような高い喘ぎを上げ、若女将が涙を流して畳を掴み、ニュースキャスターが放送では出せない歪んだ顔で僕を見上げる。
​「教祖、お前の信者を工作員として政界に潜り込ませろ。バイオリニスト、お前の旋律で大臣たちの理性を溶かせ。若女将、お前の奥座敷ですべての密談を録音しろ。キャスター、お前の報道で、僕の敵を一人残らず社会的に抹殺しろ」
​8人の穴という穴に、僕の指が、そして僕の意思が深く突き刺さる。
彼女たちは、その指による「調教」の刺激を受けるたびに、快楽の波に襲われながらも、必死に僕の命令を脳に刻み込んでいた。
​「わかったか。お前たちの価値は、ターゲットの弱みを握り、僕の足元に差し出すことだけに集約される。失敗は許さない。もし僕を失望させれば……お前たちが守りたかったその地位も、名誉も、そしてこの調教された身体も、すべてを無残に叩き潰してやる」
​「……は、はい……マスター……」
「おっしゃる、通りに……っ、あ、あぁ……っ!」
​8人の女たちの声が、重なり合い、不気味な合唱(コーラス)となって室内に響き渡る。
彼女たちは自ら僕の指を求め、さらなる辱めを請うようにして、その秘部を僕の方へと突き出し、貪欲に震えていた。
​「いい鳴き声だ。……さあ、行け。この国を、僕の色に塗り替えてこい」
​僕は最後の一人を強く突き放し、再びソファに座った。
8人の駒は、濡れた肢体を震わせながらも、獲物を狙う獣のような鋭い瞳を宿し、夜の闇へと散っていった。
​この国の心臓部へ。女性総理の喉元へ。
僕の放った「8つの毒」が、静かに、しかし確実に、日本の土台を腐らせ始めていた。

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