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第十話「その手は、何かをしている」
第十話「その手は、何かをしている」
一週間が経った。
リーナは毎朝八時にギルドに来て、夕方まで働いた。薬草の仕分け、乾燥の管理、瓶詰め、在庫の記録——覚えることは多かったが、手を動かしていれば自然と身についていった。
ミナは「飲み込みが早い」と言った。
フェルクは何も言わなかった。
でも作業を確認するとき、リーナの手元を見る時間が、少しずつ長くなっている気がした。
◇
その日の午前中、リーナはラベンダーの乾燥束をほぐして瓶に詰める作業をしていた。
細かい作業だ。花びらを傷つけないよう、でも素早く、均等に詰めていく。リーナは無心でそれをやっていた。
ふと、気づいた。
手のひらが、温かい。
いつもより、少し強い気がする。ギルドに来てからも毎日感じていたが、今日は特にはっきりしている。なぜだろう、とリーナは思った。
そのとき、フェルクが作業場に入ってきた。
「レナさん」
「はい」
「少しいいですか」
フェルクはリーナの手元を見た。瓶に詰められたラベンダーを手に取って、しばらく眺めた。
「これを詰めるとき、何か意識していましたか」
リーナは少し考えた。
「傷つけないように、とは思っていましたが。それだけです」
「触れているとき、手が温かくなりませんか」
リーナは、止まった。
この人は——気づいているのか。
「……なります」
正直に答えた。隠す理由がわからなかった。
「やはり」
フェルクは瓶をそっと棚に戻した。
「実はここ数日、気になっていたことがあって」
◇
「レナさんが作業した薬草と、他のスタッフが作業した薬草を比べると、質が違う」
フェルクは静かに言った。
「乾燥の仕上がりが均一で、香りが長持ちする。調合したものの効き目が、少し安定している気がする」
「それは、私の作業の丁寧さではないですか」
「丁寧さだけでは説明できないことがある」
フェルクはリーナを真っすぐ見た。
「あなたの手に、何かある。私にはそれが何かわからないが、薬草に良い影響を与えているのは確かです」
リーナは黙っていた。
父の言葉が、頭の中で響いた。
「お前の手は、静かに誰かを守る手だ」
「私にも、よくわからないんです」
リーナは正直に言った。
「子供の頃から、手が温かくなることがあって。誰かのそばにいると、その人の体の調子がよくなる気がして。でも、はっきりとした根拠はなくて」
「以前いた屋敷でも、そういうことはありましたか」
リーナは少し間を置いた。
「……使用人の方の膝の痛みが、いつの間にか楽になっていました。庭の花がよく育つようになった、と庭師が言っていました。料理番のパンの発酵がうまくいくようになった、とも」
フェルクはそれを聞いて、少し目を細めた。
「『静寂の手』という言葉を聞いたことはありますか」
リーナは顔を上げた。
「……父が、似たようなことを言っていました。『静かに誰かを守る手だ』と」
「やはりそうか」
◇
フェルクは作業台の端に腰かけて、静かに話し始めた。
「古い文献に記録がある。百年に一人か二人、生まれてくる特殊な素質だ。魔術とは少し違う。呪文も触媒も要らない。ただそばにいるだけで、生命力を持つものに良い影響を与える。薬草、植物、動物、人——何であれ、その手が触れたものは健やかになる傾向がある」
「それが、静寂の手」
「そう呼ばれている。派手な力ではないから、気づかれにくい。本人も気づかないことが多い」
リーナは手のひらを見た。
何も光っていない。何も見えない。
でも、温かい。
「父は学者でした。古い文献を読む人でした」
「だから知っていたんでしょう。娘にその素質があることを」
そうか、とリーナは思った。
父はずっと知っていた。だから「静かに誰かを守る手だ」と言ったのだ。呪いでも病でもなく、守る力だと、最初から教えてくれていた。
胸の奥が、静かに温かくなった。
泣くつもりはなかった。でも、目の奥が少し熱くなった。
「……知らなかった」
「知らなくても、ずっと使っていたんでしょう。無意識に」
「そうかもしれません」
◇
フェルクは立ち上がって、棚からひとつの瓶を取り出した。
「正式に雇用したいと思います」
「試用期間は一週間では」
「必要な確認はできました」
単刀直入だ、とリーナは思った。この人はいつもそうだ。
「うちで調合する薬の品質が上がるなら、ギルドにとっても患者にとっても、良いことです。あなたの素質を正当に評価した上で雇いたい。給金も、見習いの額ではなく、正式な職人の額を出します」
「……本当ですか」
「嘘をつく理由がない」
リーナは、フェルクを見た。
静かな目をしている。値踏みではなく、ただ事実を見ている目だ。
「ありがとうございます」
「礼には及ばない。こちらも必要だから雇うんです」
フェルクはそれだけ言って、瓶を棚に戻した。
「明日からも、同じ時間に来てください」
「はい」
◇
その日の夕方、リーナはギルドを出て、少し遠回りをして宿に戻った。
夕暮れの街を歩きながら、手のひらを見た。
温かい。
父が言っていた意味が、今日初めて全部わかった気がした。
静かに誰かを守る手。薬草を通じて、薬を通じて、誰かの体を守ることができる。それがリーナの手の力だ。
三年間、誰にも気づかれなかった。
屋敷の人間は、この力の恩恵を受けながら、リーナの存在すら見ていなかった。
でも今日、フェルクは見た。
ちゃんと、見た。
それが、嬉しかった。
嬉しい、という感情を、リーナはしばらくぶりに、はっきりと感じた。
怒りでも悲しみでもない。ただ、静かで、確かな、嬉しさだ。
空が茜色から紫に変わっていく。
リーナは空を見上げながら、静かに思った。
この手の価値を、最初に教えてくれたのは父だった。
それを、初めて正当に見てくれたのは——この街の、この人だった。
手のひらの温かさが、今夜は少しだけ強かった。
一週間が経った。
リーナは毎朝八時にギルドに来て、夕方まで働いた。薬草の仕分け、乾燥の管理、瓶詰め、在庫の記録——覚えることは多かったが、手を動かしていれば自然と身についていった。
ミナは「飲み込みが早い」と言った。
フェルクは何も言わなかった。
でも作業を確認するとき、リーナの手元を見る時間が、少しずつ長くなっている気がした。
◇
その日の午前中、リーナはラベンダーの乾燥束をほぐして瓶に詰める作業をしていた。
細かい作業だ。花びらを傷つけないよう、でも素早く、均等に詰めていく。リーナは無心でそれをやっていた。
ふと、気づいた。
手のひらが、温かい。
いつもより、少し強い気がする。ギルドに来てからも毎日感じていたが、今日は特にはっきりしている。なぜだろう、とリーナは思った。
そのとき、フェルクが作業場に入ってきた。
「レナさん」
「はい」
「少しいいですか」
フェルクはリーナの手元を見た。瓶に詰められたラベンダーを手に取って、しばらく眺めた。
「これを詰めるとき、何か意識していましたか」
リーナは少し考えた。
「傷つけないように、とは思っていましたが。それだけです」
「触れているとき、手が温かくなりませんか」
リーナは、止まった。
この人は——気づいているのか。
「……なります」
正直に答えた。隠す理由がわからなかった。
「やはり」
フェルクは瓶をそっと棚に戻した。
「実はここ数日、気になっていたことがあって」
◇
「レナさんが作業した薬草と、他のスタッフが作業した薬草を比べると、質が違う」
フェルクは静かに言った。
「乾燥の仕上がりが均一で、香りが長持ちする。調合したものの効き目が、少し安定している気がする」
「それは、私の作業の丁寧さではないですか」
「丁寧さだけでは説明できないことがある」
フェルクはリーナを真っすぐ見た。
「あなたの手に、何かある。私にはそれが何かわからないが、薬草に良い影響を与えているのは確かです」
リーナは黙っていた。
父の言葉が、頭の中で響いた。
「お前の手は、静かに誰かを守る手だ」
「私にも、よくわからないんです」
リーナは正直に言った。
「子供の頃から、手が温かくなることがあって。誰かのそばにいると、その人の体の調子がよくなる気がして。でも、はっきりとした根拠はなくて」
「以前いた屋敷でも、そういうことはありましたか」
リーナは少し間を置いた。
「……使用人の方の膝の痛みが、いつの間にか楽になっていました。庭の花がよく育つようになった、と庭師が言っていました。料理番のパンの発酵がうまくいくようになった、とも」
フェルクはそれを聞いて、少し目を細めた。
「『静寂の手』という言葉を聞いたことはありますか」
リーナは顔を上げた。
「……父が、似たようなことを言っていました。『静かに誰かを守る手だ』と」
「やはりそうか」
◇
フェルクは作業台の端に腰かけて、静かに話し始めた。
「古い文献に記録がある。百年に一人か二人、生まれてくる特殊な素質だ。魔術とは少し違う。呪文も触媒も要らない。ただそばにいるだけで、生命力を持つものに良い影響を与える。薬草、植物、動物、人——何であれ、その手が触れたものは健やかになる傾向がある」
「それが、静寂の手」
「そう呼ばれている。派手な力ではないから、気づかれにくい。本人も気づかないことが多い」
リーナは手のひらを見た。
何も光っていない。何も見えない。
でも、温かい。
「父は学者でした。古い文献を読む人でした」
「だから知っていたんでしょう。娘にその素質があることを」
そうか、とリーナは思った。
父はずっと知っていた。だから「静かに誰かを守る手だ」と言ったのだ。呪いでも病でもなく、守る力だと、最初から教えてくれていた。
胸の奥が、静かに温かくなった。
泣くつもりはなかった。でも、目の奥が少し熱くなった。
「……知らなかった」
「知らなくても、ずっと使っていたんでしょう。無意識に」
「そうかもしれません」
◇
フェルクは立ち上がって、棚からひとつの瓶を取り出した。
「正式に雇用したいと思います」
「試用期間は一週間では」
「必要な確認はできました」
単刀直入だ、とリーナは思った。この人はいつもそうだ。
「うちで調合する薬の品質が上がるなら、ギルドにとっても患者にとっても、良いことです。あなたの素質を正当に評価した上で雇いたい。給金も、見習いの額ではなく、正式な職人の額を出します」
「……本当ですか」
「嘘をつく理由がない」
リーナは、フェルクを見た。
静かな目をしている。値踏みではなく、ただ事実を見ている目だ。
「ありがとうございます」
「礼には及ばない。こちらも必要だから雇うんです」
フェルクはそれだけ言って、瓶を棚に戻した。
「明日からも、同じ時間に来てください」
「はい」
◇
その日の夕方、リーナはギルドを出て、少し遠回りをして宿に戻った。
夕暮れの街を歩きながら、手のひらを見た。
温かい。
父が言っていた意味が、今日初めて全部わかった気がした。
静かに誰かを守る手。薬草を通じて、薬を通じて、誰かの体を守ることができる。それがリーナの手の力だ。
三年間、誰にも気づかれなかった。
屋敷の人間は、この力の恩恵を受けながら、リーナの存在すら見ていなかった。
でも今日、フェルクは見た。
ちゃんと、見た。
それが、嬉しかった。
嬉しい、という感情を、リーナはしばらくぶりに、はっきりと感じた。
怒りでも悲しみでもない。ただ、静かで、確かな、嬉しさだ。
空が茜色から紫に変わっていく。
リーナは空を見上げながら、静かに思った。
この手の価値を、最初に教えてくれたのは父だった。
それを、初めて正当に見てくれたのは——この街の、この人だった。
手のひらの温かさが、今夜は少しだけ強かった。
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