ありふれた日常には戻れない

ロジー

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第二章

もう1人の仲間(1)

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拠点に戻り、メンバーを集めた

「アベ申し訳ない。シシオと接触してしまった」

『!?』

「どうゆうことだ?」
アベが険しい顔で聞く

「神器の能力だと思うけど、まったく気配を感じられなかった」
「今日はとりあえず挨拶って言ってたが、シシオ本人か確かめる為にちょっと仕掛けてみた」
今の時点でシシオの神器をここで知れる事はでかいはずだ

「分かったのか?」
アベの顔はまだ険しいままだ

「あぁ、シシオの神器は切り裂きジャックだ」

「440の神器はランクA+、種類:刃物、等級:ジャック・ザ・リッパー、能力:戦慄の刃だ」

「この情報はでかい」
「向こうには鑑定された?」
アベがやっと柔らかい表情になった

「いや、鑑定を使ってたけど向こうが使ってる感じはなかったな」
「人数が多い分、余裕があるんじゃないのか?」

「話しの途中にすいません。外が騒がしいです」
珍しくサイトが話しを遮って来た
何かあったのだろう
外を警戒しながら確認する

「サダー、タクー」
「居ないのかー」

ん?ユウ?
タクが窓から顔を出す

「ユウか?」
「遅えよ....」

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ユウは俺とタクの幼馴染だ
3人は同じ施設で育った
タクとユウは5歳の時、俺は6歳の時に施設に入った
親族が居ない俺たちは同い年という事もあり、本当の兄弟のように育った

ユウは2年前農業がしたいと岩手県へ行った
いつか自分が施設を継ぐ為に農業を学びたいと言っていた
ユウはそうゆう奴だ
俺たち2人は笑顔で見送った
こんな世界になった時、必ずあいつなら生きていると2人で信じる事にした

そしてクラン名をハイライトと名付けたのは中学になって多少荒れ始めた時、タバコの銘柄は兄弟なんだから3人で揃えようとユウが言った
その銘柄がハイライトだった
なぜ揃えたかったのは恥ずかしく聞けなかったのを覚えている
この話しはメンバーみんなが知ってる事だった
ユウが来た時に、俺たちのクランが分かるようにとアイが決めたのだ

やっと全員揃う事が出来た
とりあえず言わなきゃいけない事がある

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『おかえり、ユウ』

「ただいま」
ユウは満面の笑顔で答える

「早く入れよ」
タクは嬉しそうだし、恥ずかしそうだ

ユウはここまで経緯を話し始めた
最初は岩手で蟲と戦っていたこと
農業の師匠に仲間の所へ戻れと言われた事
最初は畑を守る為に蟲と戦っていたが、戦える神器を持っていたのがユウだけだったこともあり、バッタ系の蟲が現れてからどうしようもなかったようだ

畑が完全に荒らせれたことをキッカケに師匠夫婦はクランに保護してもらう決心をしたらしい
最初はユウも一緒に行く気だったようだが、師匠が反対した

「ユウ、ここにお前が来た時言ってたよな。兄弟みたいに育った2人が笑顔で送ってくれたって」
「今度はお前が笑顔で帰れ。心配なんだろ?俺たちは大丈夫だ」
「な?」

「ユウくん、この世界が元のように暮らせるようになったら仲間を連れてまたおいでね」

本当にいい人達の所で暮らしていたんだと思える話しだった
いつか会ってみたいと本気で思った





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