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脱出計画
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あの後、こちらの持つ勇者のスキルの情報を教え、反対に宿を教えてもらい、詳しい話はまた今度とその日は解散した。
フィアナと二人、あまりにも大き過ぎるネタを抱えて仲間達の下に戻り、情報を共有した。
サナンを始めとした仲間達は皆驚いていたが、一先ず状況を理解し納得してもらうのであった。
とりあえず、その日は教えてもらった宿で一日を過ごした。
そして、後日。
「カルラに用がある」
「……ついて来い」
俺はフィアナの他にサナンを連れて三人で再度ハンザの下へ訪れる。
そして、例の通りに娼館へ案内され、カルラの登場を待たされる。
「よし、早速来たね」
カルラはすぐさま物置に入ってきて座り、話し始める。
サナンの事は特に驚いたりもしておらず、予想はしていたようだ。
「まず、私達の魔王領脱出計画だが、まだまだ先の予定なんだ」
「……地下の抜け道が完成してないとか?」
「いいや、抜け道は完成して、出口も上手く隠してある。そもそも魔王領に通じてるから隠す必要もないがね」
カルラはサナンの質問にすぐさま返し、淡々と説明を続ける。
「魔王軍側とも既に話はつけていて、魔王軍がファレスを攻める時に私達の脱出計画も始動する予定だった。娼館に火を放って軍がその騒ぎの収束に労力を割いている間に攻め落とす計画だ」
「……だった、というのは?」
カルラの言葉にフィアナが反応する。
「そう。あんた達も関係している、魔王討伐軍さ。それが来るって言うんで、魔王軍のファレス攻略作戦は延期にされちまった。次はいつになるかはまだ分からない。だから、私達も困ってたんだが……」
カルラはキセルで俺の事を指してくる。
「あんたがいる」
「……俺?」
「あぁ。そうだ。フィアナ嬢ちゃんとも合わせればその知略を用いて討伐軍を逆に撃退することも可能だろう。あ、因みに魔王軍の侵攻が無いのに私達が脱出するってのは無しだ。それじゃあスキルを持てない魔王軍がここを攻略出来るはずが無い」
カルラはそのまま続ける。
「つまり、あんた達魔王派を地下道を使って魔王領へ逃がす。……いや、魔王軍へ増援を送る。そして、あんたらは魔王軍とともに討伐軍を撃退。その勢いでここを攻めてくれ。そうすれば、あたしらが例の作戦通りに内側から支援してやるからさ」
そのカルラの申し出に、頷く。
「……分かった。難しい事ではあるが……当初の目的と然程ズレてもいない。やってみようじゃないか」
「……良いのですか?」
「あぁ。一筋縄じゃ行かないが、どの道魔王領へ抜けるにはそれしか無いだろう。サナンも、それで良いな?」
サナンも頷く。
「よし。だったら決まりだ。早速その準備をしよう。作戦の詳細を教えてくれ。魔王領のどこにつながってるか、何処で魔王軍とやりとりしているか、それらの情報が無ければ、ろくに準備もできないからな」
「あぁ。あんまりモタモタしてたら討伐軍もすぐに到達するだろう。早速作戦会議と行こうか。フィアナ嬢ちゃんも、いざとなったらあんたが軍師の副官だ。佐切から学べる所は学んで行くんだよ」
「は、はい!」
そして、魔王軍との接触に向けて動き出すのであった。
フィアナと二人、あまりにも大き過ぎるネタを抱えて仲間達の下に戻り、情報を共有した。
サナンを始めとした仲間達は皆驚いていたが、一先ず状況を理解し納得してもらうのであった。
とりあえず、その日は教えてもらった宿で一日を過ごした。
そして、後日。
「カルラに用がある」
「……ついて来い」
俺はフィアナの他にサナンを連れて三人で再度ハンザの下へ訪れる。
そして、例の通りに娼館へ案内され、カルラの登場を待たされる。
「よし、早速来たね」
カルラはすぐさま物置に入ってきて座り、話し始める。
サナンの事は特に驚いたりもしておらず、予想はしていたようだ。
「まず、私達の魔王領脱出計画だが、まだまだ先の予定なんだ」
「……地下の抜け道が完成してないとか?」
「いいや、抜け道は完成して、出口も上手く隠してある。そもそも魔王領に通じてるから隠す必要もないがね」
カルラはサナンの質問にすぐさま返し、淡々と説明を続ける。
「魔王軍側とも既に話はつけていて、魔王軍がファレスを攻める時に私達の脱出計画も始動する予定だった。娼館に火を放って軍がその騒ぎの収束に労力を割いている間に攻め落とす計画だ」
「……だった、というのは?」
カルラの言葉にフィアナが反応する。
「そう。あんた達も関係している、魔王討伐軍さ。それが来るって言うんで、魔王軍のファレス攻略作戦は延期にされちまった。次はいつになるかはまだ分からない。だから、私達も困ってたんだが……」
カルラはキセルで俺の事を指してくる。
「あんたがいる」
「……俺?」
「あぁ。そうだ。フィアナ嬢ちゃんとも合わせればその知略を用いて討伐軍を逆に撃退することも可能だろう。あ、因みに魔王軍の侵攻が無いのに私達が脱出するってのは無しだ。それじゃあスキルを持てない魔王軍がここを攻略出来るはずが無い」
カルラはそのまま続ける。
「つまり、あんた達魔王派を地下道を使って魔王領へ逃がす。……いや、魔王軍へ増援を送る。そして、あんたらは魔王軍とともに討伐軍を撃退。その勢いでここを攻めてくれ。そうすれば、あたしらが例の作戦通りに内側から支援してやるからさ」
そのカルラの申し出に、頷く。
「……分かった。難しい事ではあるが……当初の目的と然程ズレてもいない。やってみようじゃないか」
「……良いのですか?」
「あぁ。一筋縄じゃ行かないが、どの道魔王領へ抜けるにはそれしか無いだろう。サナンも、それで良いな?」
サナンも頷く。
「よし。だったら決まりだ。早速その準備をしよう。作戦の詳細を教えてくれ。魔王領のどこにつながってるか、何処で魔王軍とやりとりしているか、それらの情報が無ければ、ろくに準備もできないからな」
「あぁ。あんまりモタモタしてたら討伐軍もすぐに到達するだろう。早速作戦会議と行こうか。フィアナ嬢ちゃんも、いざとなったらあんたが軍師の副官だ。佐切から学べる所は学んで行くんだよ」
「は、はい!」
そして、魔王軍との接触に向けて動き出すのであった。
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