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プロローグ 戦争

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 202X年。
 ロシアによるウクライナ侵攻が集結した。
 国連はロシアに対し、経済制裁を解く代わりに停戦に加えて軍縮しろと通達。
 ロシアはこれに対し国連加盟国も軍縮するならばそれに合意すると答えた。
 ロシアは断られると分かっていて無茶な要望を出したのだ。
 しかし、国連加盟国はこれに同意。
 ロシアも停戦と軍縮をせざるを得なかった。
 当初はロシアは更に条件をつけてくるだろうと思われた。
 が、ウクライナ侵攻は終結した。
 戦線は膠着し、互いに損耗も大きくなったことからもロシアは停戦に合意したのだ。
 だが、この戦争が世界にもたらした影響は大きかった。
 国連のシステムの不完全さは露見し、国連というシステムが役に立たないと気が付いたとある国連加盟国は独自に領土問題のあった地に侵攻。
 つまり、中国は台湾に侵攻した。
 ウクライナ同様にアメリカや国連加盟国は軍を直接派遣しなかった。
 更に、島であり、東洋であることから義勇軍の派遣も間に合わず台湾は抵抗虚しく併合された。
 アフリカ諸国や東南アジア等、政権が安定しない国でもこの混乱に乗じ紛争が激化。
 しかし、人的資源の少ない小国や、強力な軍を持たない国は当初、大々的に行動に出ることが出来なかった。
 そこで中小国は傭兵、民間軍事会社に目をつけた。
 ロシアによるウクライナ侵攻で注目を浴びた民間軍事会社は瞬く間に世界中に分布した。
 大小様々な民間軍事会社が国軍にかわり紛争を繰り返していた。
 そして、国軍は自国の防衛に専念していた。
 その事を憂いたアメリカは核抑止力を更に強めるべく新型核兵器の開発に着手した。
 とある日本人の協力を元に……。
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