【完結済】私の夫は闇の精霊王

目覚める

ふと...目が覚めたような、何もかもが見えるようになったような...
不思議な感覚がした。

ああ、私は何回も転生してきたんだと自覚すると同時にあの人の顔が次々に思い浮かんだ。

いつでも私の隣にいて、笑顔や泣き顔、嫉妬してる顔に意地悪そうな顔...
たくさんの表情を見せてくれたあの人。

思い出した途端に想いが溢れて仕方なかった。


【あの人に逢いたい】


でも、いまの私の状況を思い返して考えてまだその時じゃないと無理矢理諦める。

そう、いま私はまだ4歳の公爵令嬢で、5歳から魔法を習うことが決まってる。

この世界で5歳からじゃないと習うことが出来ないのは、魔力の問題でそう決められている。

それに、将来宮廷魔法師になるのだったら...
年に1回行われる王家主催のパーティーでの魔法発表会に参加しなければならない。

だったら、そこまで我慢するしかないだろう。

大丈夫、あの人が居ないときもあったし寂しかったけどちゃんとその後呼ぶことが出来たもの。

それまでに出来ることをしなければ。