【完結済】私の夫は闇の精霊王

召喚

私の召喚呪文はこの世界のものではない。

他の世界で住んでいた前世の中で習ったもので、まるで歌のように詠うのだ。

イメージが大事なのはどの世界にも共通、この世界は小説みたいに「炎よ」とか言えば良い。

違いがあるなら、あの世界は無詠唱も可能だ。

だけど、私がいまからやる召喚呪文だけは違うのだ。


召喚呪文だけは自分で作らないといけない。

旋律も呪文も全てがオリジナルであり、自分だけしか使えない。

そして、歌を聴いて気に入った召喚動物や妖精などが召喚に応じてくれる。


私が作った召喚呪文は...はっきり言えば黒歴史なのだ...。

私は歌が好きで合唱によく参加してたし、そういう集まりにも参加してた。

その集まりはそこそこ宗教曲みたいな曲を練習することもあって、召喚呪文を宗教曲みたいに仕立てあげてしまったのだ。


召喚するときの雰囲気は似てるし...
良いかなってちょっと思ってたりする。

宗教曲のイメージといえば、神聖で清廉で厳格的で退廃的で神秘的で...
まぁ色々出てくるわね。

曲によって全く違うしね。


でも、私が作った召喚呪文は...
天使が歌ってるような...
聴いてると魂まで浄化されて、とても温かい光のなかにいるような...
神秘的な感じにしちゃった。

だから、結構気に入って召喚に応じる上位の者が多いし、契約してくれって迫ってくる者もいるのだ。

正直何体も契約は出来ないんだけどね...。

魔力量の問題とかあるし、契約してもなかなか召喚してあげれないから、それでいいならって説明をした上で仮契約や契約している。

だけど、あの人が嫉妬深いから女性的な精霊とかだけにしてもらってる。

召喚に応じてくれる精霊達も、私の愛する人が嫉妬深いというのは有名で分かってくれてるから助かっている...
ありがたい。




さぁ、愛するあの人と友人達を呼ぼう。

私は目を閉じ、手を胸の前で祈るように組み...

歌う...詠う...

想いを込めて...

会いたい...

逢いたい...

抱き締めてほしい...

一緒に喋りたい...

笑って穏やかに過ごしたい...

貴方が...貴女達が必要なの...

私の所に来て...

お願い...


【【呼び掛けに応じよう】】