貴方なんか興味ありませんわ

curosu

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スティーの話

スティーは席を近づけた後、私の髪を持ち上げ、指にくるくると巻き付けて遊ぶ。

「シメリア、冷たいなー...。とりあえずお仕置きは後でな。それよりも、俺はなかなかシメリアに会えなくって寂しくってさー。早く帰ってきてほしいが、仕方ないんだよなー...。はぁ...辛い...。」

指に巻き付けた髪を頬にスリスリしたり、髪にキスしたり遊び始めた。

「私の代わりに色々やってくれていることは知っているし感謝しているわ。貴方が居なかったら...私は自由にこの旅を楽しむことが出来なかったでしょうね。」

普段の公務も旅先に運んでもらってやってはいるけれど、私の決裁が必要な物だけで、他はスティー含めた側近達にやってもらっている。

有能な側近達だけど、スティーは誰よりも私の考え方や思考を分かってくれていて、私の考え方に沿って決裁してくれるから...他の側近達よりも負担が掛かっているのよね。

しかも、私の決裁が必要な物といっても旅の間に来る物は本当に少ない。

私の負担を考えて、スティーが多くやってくれているのだ。


これまでのことと旅が終わった後を考えて少しボーッとしていたら、スティーが興奮し始めたみたい。

目を閉じハァハァと息荒くしながら、私の髪で遊んでいるわ。

「スティー、落ち着きなさい。」

ため息をつきつつ言うと、スティーはゆっくりと深呼吸を繰り返した後に私の髪を離した。


「シメリア...。」

寂しそうな声を出しつつこっちをチラッとみるスティー。

「仕方ないわね、はい。」

私はそんな弱っているスティーに手を差し出し、手を繋ぐ。

そして、反対の手はスティーの頭を撫でた。

ふわふわでスルスルと指通りが心地良い髪に思わず笑みが浮かぶ。


スティーが連絡してくる場合は忙しすぎた時か、何かあって精神的に弱っている時か、どうしようもない時か...等理由があって、どうしても慰めてほしかったり甘えたい時が多い。

もちろん、表向きは仕事の報告だけど。

今回は私のせいでもあるから、たくさん甘やかしてあげないとね。


スティーは私の側近だけれど、王太子候補でもある。

学園を卒業した後の王太子候補は、どこか重要な役職の部下になって色々学ぶことになっている。

勿論その役職が気に入って王太子候補を辞める人も出てくるし、いくつか他の役職を幅広く学ぶ候補もいる。

そんな候補の一人でもあるスティーは、当時人手が欲しかった私の勧誘もあって側近になってくれた。

優秀で有能だからこそ、スティーは王太子候補の中でも有力候補になっている。


でも、スティーは最初王太子になる気は無かった。

適当にどこか役職に就いて程ほどに生きようとしていたらしい。

でも私の側近になって、私を知って、私を理解してくれて、王太子という役職を考え始めたらしい。

私が欲しいからこそ、王太子になっても良いと思ったみたい。

それを陛下からコソコソと耳打ちで聞かされた私の身にもなってほしい。

内緒だってスティーから陛下に言ったらしいけど、陛下はお茶目な所があるから...。

有能で私を助けてくれているからこそ、こうやってスキンシップを許してあげているのだけれどもね。
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