砂国女王記

苺魏

文字の大きさ
上 下
5 / 11

5話

しおりを挟む
「まぁとにかく、ここは君の家だし。中まで入ろうよ」

と、中まで誘導されてらされた。3人は私の目の前に座った。
ちょうど私と彼らが向き合って座っていることになる。

ちなみに落ち着いてから改めて3人を見ると、マスクを外していてかなりの美形であることが分かった。

リーヴィは金色の髪を肩ほどまでのばしていて、顔も中性的ではあるものの袖から見える腕には細身ながら筋肉がついている。言うなれば細マッチョ美少年だろうか。

ヒュージスは彫りが深いタイプの顔で身長もある上筋肉もしっかりある。ワイルド系イケメンだ。ちょっと目付きが悪めかも。

シュージェは優しそうだけど、腹黒そうだしなんか軽そう。ホストみたいな。
「ちなみに俺達何歳くらいに見える?」
「え?」
「シュージェの趣味みたいなものだ。気にしないでくれ」

ヒュージスがそう説明する。なるほど?変な趣味ね。
「俺が一番歳上なんだけどさ~」
「で、何歳なの?」
「俺が21で、ヒュージスは18でリーヴィは17なんだ」
「へぇ」

シュージェは少しばかり若作りかもしれないな。20代には見えなかった。
「てか、探し人がいるんでしょ?大丈夫なの?私に構ってて」
「大丈夫だよ。見つけたからね」
「はぁ」

と、くすくす笑いながらシュージェは言った。
見つかった?どういうこと?

まぁ、私には関係ない事だし…。

突然、シュージェがヘラヘラ笑うのを止め真剣な顔になった。まるでさっきの笑っていたのが演技だったかのようだ。
「アリーヤちゃん、この国はこの先どうなると思う?」
「そうね、内情とか詳しいことはこんな田舎の小娘に分からないけど、このままだとこの国は崩壊すると思う。どんな形かは置いといてね」

彼は何故そんなことを私に聞くんだろう。さっぱり分からない。私にはこの国を救う力も変える力もないというのに。

「それは何故?」
「作物が育ちにくい土地、それが一番の難点ね。それを改善する策もないし。すると食料を輸入に頼るしかない。その他にも腐るほど原因があると思う」
「こりゃたまげたね」

シュージェは目を見開き、驚いたようにそう言った。

あ、やってしまった…。
この国には学校なんてないから国の事情なんて知らないのだ。考える余裕すら無いのだから。

餓死ギリギリの生活をしていると言っても過言ではないし。
みんな生きるのに必死なのだ。

でも私、アリャンはひもじいと思いをしながらも、色々なことを考えてたみたいだけど。しがないただの村娘の枠には入らないのかも。
しおりを挟む

処理中です...