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第10話 夕食

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その後、作り方を教えながら、本日の夕食が出来上がった。料理人の方々は美味しいという反応だったけど、家族はどうかなぁ。口に合うかなぁ。ドキドキ。

料理長自ら、給仕していた。

「本日の夕食はアイリお嬢さまに指導を受けながら作りました。私どもはこれほど美味しい料理を作れたことを感謝しています。 

では、本日のメニューは
・サラダとポテトサラダ 
・ドレッシングはフレンチドレッシング
フレンチドレッシングは酸っぱいと感じると思うので、酸っぱみが少ないものから、通常のものまで用意いたしました。お好みでお掛けください。

・スティック野菜とマヨネーズ
マヨネーズというドレッシングにつけて食べてください。もちろんサラダの方にかけても大丈夫です。
こちらは卵を使用してますが、浄化をしておりますので、安心してください。

・スープはシンプルなブイオンを使用した琥珀スープ

・牛肉のグレイビーソースがけ

・黒パン

・デザート プリン

以上でございます。」

「アイリが指導した?だって。今まで、みたことがない料理ばかりだな。それではいただこうか」

うわぁわ、ドキドキする。

「この黄色っぽい塊はなんだね」

「そちらはポテトサラダです。ジャガを潰して作ったサラダです。ジャガは家畜の餌としていましたが、色々な料理に使えるということを初めて知りました。そして美味しいです」

「なんだって、家畜の餌のジャガなのか。」

「おとうさま、ジャガイモは色々な料理に使える万能な野菜です。それに、もし飢饉などがあった場合、食料として優秀な素材です。家畜の餌なんて言ってはいけません。本当に色々な料理ができるのです」
と、じゃがいもの万能性を力説しましたよ。

「す、すまん。では、た、食べてみるか」
恐る恐る口に入れたお父さま。

「う、うまい。これがあの家畜の餌だったものなのか。うまいじゃないか」

「本当に美味しいわ。このマヨネーズというのにつける野菜もいっぱい食べられそう」

「うまい、なんで柔らかいんだ。これが肉か?」

「お兄さま、それはお肉に一手間かけて焼いたので、柔らかいと思います。ソースも美味しくできたと思ってます。このソースをパンにつけても美味しいと思います」

「アイリ、うまいよ。本当に全てうまい。ジャガは飢饉の時に役に立つのか」

「そうです。寒い地域でも育つことができる万能な野菜なのです」

「寒い地域でも作れるのか。これは国に進言した方が良いのではないか。食糧部に伝えるべきだな」

「ジャガはレパートリー、あ、いえ、料理の種類が豊富にあるのです。寒冷地でも作れます。飢饉の時には腹持ちが良いです。蒸して塩バターで食べても美味しいし、今のように潰してマヨネーズで和えても美味しいし、グラタン、ジャーマンポテト、シチューなど色々使えるのです。まだまだ料理があるのです」

「ジャガはすごいのだな。よし、アイリ、料理を作って持っていっても良いか。食べさせてみて、進言しようと思う」

「そうですね、現在家畜の餌としているものを食するなんて、と、嫌がる人はかなりいると思います。料理を持って行って食べてもらうのが早いですね。ダン料理長、その時は手伝ってくださいね」

「もちろんでございます。我々、一緒に作らされていただきます。こちらこそ、こちらこそよろしくお願いします」

「アイリちゃん。すごいわね。ジャガもすごく美味しいけど、このスープ、シンプルだけど、深みのある美味しいスープだわ。いつものスープとは全く違うわ。美味しいわ」

「お母さま、これは野菜の旨みが凝縮したスープです。ここにお肉の旨みも足したら、もっと美味しくなるけど、今回はスープのみの旨み凝縮スープよ。」

「アイリお嬢さま、それらも教えてください。お願いします」

「ダン料理長、これからもいろいろ作っていきましょう。よろしくお願いします」

「もちろんでございます。我々もこんな美味しい料理に携われたことを誇りに思います」
いや、そこまで思わなくても、別に高級料理でとないんだけどなぁ。

「このあと、デザートのプリンをご用意しております。こちらも卵を使用しております。」

「「「これがプリン?というデザートか」」」

一口入れて、みんなびっくりした。

「「「美味しい。」」」

「アイリちゃん、美味しいわ。このプルプルしているのに、口の中で、すぐなくなってしまう。それにこの茶色いソースが、少し苦味があるのに甘味と絡まって美味しいわ」

「本当にアイリ、これうまいぞ」

「いや、今日の料理はうますぎる。今までのものが食べられなくなるぞ。参ったな」

「それならお昼にお弁当作りましょうか」

「お弁当?お弁当とはなんだね、アイリ。」

「ここで料理を作って、持っていくことです。この前作った袋に入れていけばいいと思うのですが」

「なるほど、ダン料理長、負担になってしまうが、アイリと協力して、昼食も作ってもらえないだろうか」

「それはかまいません。喜んで作らさせていただきます。まだ、アイリお嬢さまの料理を習得できるのですから、喜んで作ります」

「お父さま、料理を作るのに魔道具を作って欲しいのですが、相談に乗っていただけますか?」

「魔道具だと。いいぞ、このあと、お茶を飲みながら話を聞こう。ジェラード、執務室にお茶を用意を頼む」

「かしこまりました」

「父上、私も同席して良いですか」

「ああ、アレクセイ、いいぞ」

お父さまの執務室に移動した。色々と積み重なった書類たち。お父さまの執務室はこんなかんじか。忙しそうだね。

「アイリどういった魔道具が欲しいのだ。」

「今日マヨネーズとか作りましたが、かき混ぜるのが大変なのです。他にもお菓子で使用したいので、こういった魔道具が欲しいのですが」
とハンドミキサーの絵を見せ、小さい泡立て器を2つ装着して、自動で、回るように作って欲しいと懇願した。他にもハンドブレンダータイプのものでも良いことを伝えた。
 欲しいものを次々に言ってみた。ドライヤー、シャワー、簡易コンロ。
「アイリ、すごいな。いろいろ魔道具にして欲しいものが出てくるなんて」

「これ、全部前世で使用していた機械なので、便利なものは使いたい。もちろん自分の魔法でできるものもあるけど、魔道具にした方が平民も使えるし、料理が楽しくなると思うのよ」

「そうだな、料理でも、この魔道具があれば、作ることが簡単にできるのだから、作ってみる価値はあると思う。よし、頑張ってみよう」

「父上、私も魔道具作りに協力したいです。

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