56 / 141
本編
第54話 ドリガン親方に作ってもらおう
しおりを挟む
薬師ギルドを後にし、今度はドリガン親方のところへやってきた。久しぶりに親方の工房に方が、工房が大きくなっている?
「お兄さま、私の目の錯覚でなければ、工房が大きいのですが」
「何言っているのだ、アイリ。いまや、馬車のサスペンションやスプリングを使用した製品を作るのに大忙しだ。アイリがバネを使用した製品を色々教えてくれただろう。お前は適当にこういうのが欲しいなぁ、なんて言っているが、こちらはそれを試案し、作り出し、展示室に展示し、それが売れるかどうか試しているのだよ。ちなみに美容部門も忙しいよ。テオドール殿もアイリのデビュタントのドレスを作成しながら、こなしているようだ。信頼できる人を何人か追加できればと考えている。それなのに、アイリ,また新しいものを作り出そうとしているのだよ。体がいくつあっても足りない状態だ。でも、本当にアイリにはものすごく感謝しているよ」
優しい微笑みで、久々の頭を撫で撫でされた。
「ごめんなさい,お兄さま。ネイルはやりたいと思います。でも、そのほかのことは、またこういうのがあれば便利だなぁと思うものをドリガン親方に作ってもらおうと思ったのです。今回はやめておきましょうか?」
「いや、もうすでに行くことを伝えてある。アイリが帰ってきた時はドリル殿の手紙と馬車の方に意識がいっていて、少ししか喋らなかったから、今日くることを楽しみにしていたよ。まぁた、何を作らせるのだー、なんて言って喜んでいたからな。大丈夫だよ」
ほんと帰ってきた時は、みんなが男のロマン化していたよね。今回のは別に大騒ぎすることでもないし、急いで作るようなものではない。ゆとりがあるはず。
「アイリ、今日お願いしようとしていたものは、蒸留機というものだったね。エッセンシャルオイル?や香りの蒸溜水だったね」
「そうです。これはできる時でいいので、ゆっくり作って貰えばと考えています。一応原理の絵を描いてきた」
「ほー、銅製で、底を熱し、水蒸気を冷やせば水になる。これが蒸留水か。そして精油もできるのか。なるほど。そうだな、急ぐことはないからと伝えよう」
「ドリガン親方、お久しぶりです。なんだか建物がとても大きいですね」
「なんだい、嬢ちゃん。作るのにはこのぐらいないと作れなくなってきたのだよ。で、また、何か作って欲しいのかい」
「ドリガン殿、いつも早急にという受注を受けて申し訳ない。やんごとなき方々なので、すいません」
「いやいやいや、アレクセイ殿。やらなければならないのと、納期までという余裕をもった期間を提示してくれるのでありがたいよ。ところでなんだね、つくってほしーのは」
「ドリガン親方、絵を描いてきたのでお渡しします。こんな感じで密封された缶⁈の中に浄化した水を入れ、そこに、香りの良い草花や木などを入れ、蒸留させて水蒸気とさせるのです。それご管を通る間、冷やされ、香りのついた水分とオイルができるというわけです」
「ほー、美容関係の機械か、なるほどな」
「美容関係でもあるのですが、工法を変えればお酒ができるので「アイリ!ちょっと待て」お兄さま??」
「酒だって!これで酒もできるのか!どんな酒だ!」
「アイリー、そんなこと言ってなかったじゃないか!お酒ができる機械なのか?前もって言ってくれてよ。ドリガン親方の目が違うだろー」
「嬢ちゃん、こ、これで、これで酒ができるのか?え!酒ができるのだな!よーし、やるぞ」
「ドリガン親方違う、まずはフレグランス水やエッセンシャルオイルが先よ。お酒は、美味しいものだと30年とか寝かせれば寝かせるだけ美味しくなるから、寝かせないといけないのよ。年数が若いと深みが違うのよ。焼酎なら寝かせなくてもいいかもしれないけど。ドリガン親方、今はお酒ではないのよ」
私は腕組みして、ダメ出しした。お酒なんてあとよ。
「それに、それらのお酒を作るためには、大麦が必要だけど、大麦は私のビールのための大麦だから、ウィスキーや焼酎のためにあげないわよ」
ビシッと言ってあげた。
「アイリ、やたら小麦ではなく大麦を大事に栽培していたのは、アイリお前、酒を作ろうとしていたのか?」
お兄さまが呆れ顔をしている。
「そ、そうよ。あの大麦は自分のための大麦よ。私、ウイスキーとか飲めないから、ウイスキーや焼酎のために大麦は渡せないわよ」
さらに呆れ顔のお兄さま。しょっぱい顔してますねぇ。
「嬢ちゃん、た、試しに作ってくれないか。若い味と言ってどんな味になるのか知りたいぞ。そうすれば活力にもなるし、なんでも作れそうな気がする。嬢ちゃん頼むよ」
ドリガン親方に頼み込まれてしまった。いつも作ってもらっているし、本当にありがたいと思うし、うーん、今回だけ、あの大麦はそちらに使おうかなぁ。うまくいくとも限らないしなぁ。ビールもウイスキーも工程は途中まで一緒だから、蒸留するか貯蔵するか。
「ただ、工程が麦芽したら、粉砕したら工程があるので、そこを魔道具で解決できないかとお兄さまよろしくお願いします」
「魔道具もか。まぁ、しょうがない、父上と考えるよ」
「やったぞ、楽しみだ。そうと決まったら作るぞ」
みんな待ってちゃうだい!お酒がメインじゃないのよ、わかっているのかしら?私のエッシェンシャルオイルなどが先だからね。なのに,お兄さままで、魔道具に乗り気なのよ。
「ドリガン親方、私の方が先よ。お酒は大麦が収穫できてからよ。もうすぐ収穫よ。はっ、領地に帰らなくては」
もうすぐの収穫よ。領地に早く帰らなくては。ドレスはもうテッシーが作ってくれるから、あとはデビュタント当日を待つだけだわ。お兄さま、早く魔道具作ってください。お願いします」
急展開。領地に帰らないと。大麦と小麦の収穫時期よ。その後夏に夏野菜を植えないと。忙しいわ。
「アイリ、家に帰ったら父上を交えて詳しく教えて欲しい。勝手には作れないし、父上を巻き込んだほうが早い」
「では,ドリガン親方、フレグランス用にまず作成をよろしくお願いします。試験実施なので、小さめでいいです」
「おお、これは私が直々に作る。叔父も交えよう。そうと決まったら、この蒸留機を成功させるぞ」
なぜ、そうなった。私はネイルの色を探して、様々な植物をギルドでもらい、色もそうだけど、エッセンシャルオイルなど蒸留機で作ろうと思っただけなのに、お酒が目的ではない。ゆくゆくは考えていた。大麦は多く作っていたし、品質の良い麦は、良質なお酒を作ると思い、ロイドに大事に育てるようにと伝えていたけど、ウイスキーや,焼酎を作ろうとしたわけではないのよ。
まだまだデビュタント気分ではない。まだ先だからいいかな。
一度領地に帰らないとね。
「お兄さま、私の目の錯覚でなければ、工房が大きいのですが」
「何言っているのだ、アイリ。いまや、馬車のサスペンションやスプリングを使用した製品を作るのに大忙しだ。アイリがバネを使用した製品を色々教えてくれただろう。お前は適当にこういうのが欲しいなぁ、なんて言っているが、こちらはそれを試案し、作り出し、展示室に展示し、それが売れるかどうか試しているのだよ。ちなみに美容部門も忙しいよ。テオドール殿もアイリのデビュタントのドレスを作成しながら、こなしているようだ。信頼できる人を何人か追加できればと考えている。それなのに、アイリ,また新しいものを作り出そうとしているのだよ。体がいくつあっても足りない状態だ。でも、本当にアイリにはものすごく感謝しているよ」
優しい微笑みで、久々の頭を撫で撫でされた。
「ごめんなさい,お兄さま。ネイルはやりたいと思います。でも、そのほかのことは、またこういうのがあれば便利だなぁと思うものをドリガン親方に作ってもらおうと思ったのです。今回はやめておきましょうか?」
「いや、もうすでに行くことを伝えてある。アイリが帰ってきた時はドリル殿の手紙と馬車の方に意識がいっていて、少ししか喋らなかったから、今日くることを楽しみにしていたよ。まぁた、何を作らせるのだー、なんて言って喜んでいたからな。大丈夫だよ」
ほんと帰ってきた時は、みんなが男のロマン化していたよね。今回のは別に大騒ぎすることでもないし、急いで作るようなものではない。ゆとりがあるはず。
「アイリ、今日お願いしようとしていたものは、蒸留機というものだったね。エッセンシャルオイル?や香りの蒸溜水だったね」
「そうです。これはできる時でいいので、ゆっくり作って貰えばと考えています。一応原理の絵を描いてきた」
「ほー、銅製で、底を熱し、水蒸気を冷やせば水になる。これが蒸留水か。そして精油もできるのか。なるほど。そうだな、急ぐことはないからと伝えよう」
「ドリガン親方、お久しぶりです。なんだか建物がとても大きいですね」
「なんだい、嬢ちゃん。作るのにはこのぐらいないと作れなくなってきたのだよ。で、また、何か作って欲しいのかい」
「ドリガン殿、いつも早急にという受注を受けて申し訳ない。やんごとなき方々なので、すいません」
「いやいやいや、アレクセイ殿。やらなければならないのと、納期までという余裕をもった期間を提示してくれるのでありがたいよ。ところでなんだね、つくってほしーのは」
「ドリガン親方、絵を描いてきたのでお渡しします。こんな感じで密封された缶⁈の中に浄化した水を入れ、そこに、香りの良い草花や木などを入れ、蒸留させて水蒸気とさせるのです。それご管を通る間、冷やされ、香りのついた水分とオイルができるというわけです」
「ほー、美容関係の機械か、なるほどな」
「美容関係でもあるのですが、工法を変えればお酒ができるので「アイリ!ちょっと待て」お兄さま??」
「酒だって!これで酒もできるのか!どんな酒だ!」
「アイリー、そんなこと言ってなかったじゃないか!お酒ができる機械なのか?前もって言ってくれてよ。ドリガン親方の目が違うだろー」
「嬢ちゃん、こ、これで、これで酒ができるのか?え!酒ができるのだな!よーし、やるぞ」
「ドリガン親方違う、まずはフレグランス水やエッセンシャルオイルが先よ。お酒は、美味しいものだと30年とか寝かせれば寝かせるだけ美味しくなるから、寝かせないといけないのよ。年数が若いと深みが違うのよ。焼酎なら寝かせなくてもいいかもしれないけど。ドリガン親方、今はお酒ではないのよ」
私は腕組みして、ダメ出しした。お酒なんてあとよ。
「それに、それらのお酒を作るためには、大麦が必要だけど、大麦は私のビールのための大麦だから、ウィスキーや焼酎のためにあげないわよ」
ビシッと言ってあげた。
「アイリ、やたら小麦ではなく大麦を大事に栽培していたのは、アイリお前、酒を作ろうとしていたのか?」
お兄さまが呆れ顔をしている。
「そ、そうよ。あの大麦は自分のための大麦よ。私、ウイスキーとか飲めないから、ウイスキーや焼酎のために大麦は渡せないわよ」
さらに呆れ顔のお兄さま。しょっぱい顔してますねぇ。
「嬢ちゃん、た、試しに作ってくれないか。若い味と言ってどんな味になるのか知りたいぞ。そうすれば活力にもなるし、なんでも作れそうな気がする。嬢ちゃん頼むよ」
ドリガン親方に頼み込まれてしまった。いつも作ってもらっているし、本当にありがたいと思うし、うーん、今回だけ、あの大麦はそちらに使おうかなぁ。うまくいくとも限らないしなぁ。ビールもウイスキーも工程は途中まで一緒だから、蒸留するか貯蔵するか。
「ただ、工程が麦芽したら、粉砕したら工程があるので、そこを魔道具で解決できないかとお兄さまよろしくお願いします」
「魔道具もか。まぁ、しょうがない、父上と考えるよ」
「やったぞ、楽しみだ。そうと決まったら作るぞ」
みんな待ってちゃうだい!お酒がメインじゃないのよ、わかっているのかしら?私のエッシェンシャルオイルなどが先だからね。なのに,お兄さままで、魔道具に乗り気なのよ。
「ドリガン親方、私の方が先よ。お酒は大麦が収穫できてからよ。もうすぐ収穫よ。はっ、領地に帰らなくては」
もうすぐの収穫よ。領地に早く帰らなくては。ドレスはもうテッシーが作ってくれるから、あとはデビュタント当日を待つだけだわ。お兄さま、早く魔道具作ってください。お願いします」
急展開。領地に帰らないと。大麦と小麦の収穫時期よ。その後夏に夏野菜を植えないと。忙しいわ。
「アイリ、家に帰ったら父上を交えて詳しく教えて欲しい。勝手には作れないし、父上を巻き込んだほうが早い」
「では,ドリガン親方、フレグランス用にまず作成をよろしくお願いします。試験実施なので、小さめでいいです」
「おお、これは私が直々に作る。叔父も交えよう。そうと決まったら、この蒸留機を成功させるぞ」
なぜ、そうなった。私はネイルの色を探して、様々な植物をギルドでもらい、色もそうだけど、エッセンシャルオイルなど蒸留機で作ろうと思っただけなのに、お酒が目的ではない。ゆくゆくは考えていた。大麦は多く作っていたし、品質の良い麦は、良質なお酒を作ると思い、ロイドに大事に育てるようにと伝えていたけど、ウイスキーや,焼酎を作ろうとしたわけではないのよ。
まだまだデビュタント気分ではない。まだ先だからいいかな。
一度領地に帰らないとね。
1,376
あなたにおすすめの小説
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる