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異世界
異世界と修行
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目が覚めた。僕は、女神様に言われた通り赤ん坊になっていた。
そして、木造の家の中にいた。
バチッ
どこかで薪が燃えている音が聞こえる。どこかに暖炉でもあるのだろうか?
そして明かりがついているが、よく見ると電気ではなく光る石のようなものが電気の代わりになっていた。
せっかく目が覚めたし、誰かいないか喋ろうとした。
「あーー、うぉいーーーー、うーーー」
だがろれつが回らず全然、喋れなかった。また手足も短いのでほとんど動くことができず、寝返るか、上下に動くことしかできなかった。
赤ちゃんになって思ったが、ヤバイ、手がめちゃくちゃ気持ちいい。自分のことだがやっぱり赤ちゃんは、可愛い。
あまりに気持ちよくて、しばらくあらゆる所を触っていた。
始めは自分が赤ん坊になったから楽しんでいたが、冷静になると本当に異世界に来たと実感した。
日本にあったものがほとんどない。例えば、文字。
この部屋にはそんなものなく、家具もほとんど木によって作られている。なんだか田舎って感じで、とても落ち着く。
ガチャ
ドアが開いた。
すると僕と同じような黒髪の女性が入ってきた。年齢は、二十代くらいの人だ。美人な顔立ちをしているのだが、服がすこし小汚て、全体の印象が悪くなっていた。もっと綺麗な服を着たらいいのに…
なんか残念だ。
「ーーーーーーーー、・・・・ーーーーーー」
その女性は何かを言って、僕の頭を優しく撫ぜた。久しぶりにこんなことをされた。
抱擁感があって安心する。
それにしても、なんて言っているのだろう?
すると、はっと何か思い出したようで、すぐにどこかへ行ってしまった。
またドアが開いた。今度は何か持っていたのか、静かにドアが開いた。
何を持っているのだろう、と注意深く見ると、僕と同じくらいの赤ん坊を抱えていた。
青髪で、女の子なのか髪の毛が僕よりもたくさん生えていた・・・・・
女神様!?
僕と目を合わせると、赤ん坊は、にっこりと笑った。やっぱり女神様だ。正直こんなに早く会えるとは思わず、びっくりした。
そうなると、多分この二十代くらいの女性は僕のお母さんになるのかな?
考えてみると、確かに僕と似ている。髪の色や、目が………
いつのまにか、僕の隣に女神様を置いて、また話し出した。
「ーーーーーー・・・・ーーーー、~~~」
まだこの国の言葉について知らないので、なんて言っているのかわからない。
でも女神様が横にいて、ちゃんと設定通りになっていた。
地味にすごいな。
女神様を僕の隣につれてきたから多分、これがあなたの家族だよ、と言っていると思う。
隣を見ると、赤ん坊になった女神様がいる。改めて異世界に来たのか確かめるため、頬を引っ張る。やはりちゃんと痛みがあった。
これから色々あると思うが、一人じゃないし、それなりに頑張って行こうと思った。
今は赤ん坊だから何もできないんだけどね!
一か月の月日が流れた。
はぁーー。
めちゃくちゃ暇!
前世の記憶があるから、今の生活がしんどい。できることは、寝ることか、簡単に体を動かすことくらいしか…
それにミルク。ご飯がミルクだけというのはさすがに飽きた。
早く普通の食事を食べたいものだ・・・
思ってた以上に異世界での滑り出しは苦しんだな。
それに神様と話したいことがあるのに、まだろれつが回らなくて喋れない。
はぁ・・・
一か月間、暮らしていて思ったが僕の家庭は、衣、食、住がちゃんと揃っていて、ごく平凡な家庭に生まれたと思う。まず、家は木が新しくて新築のように見える。2LDKくらいかな?
多分、結婚祝いか何かで買ったのだろう。そして、ご飯は栄養の取れるしっかりとしたものを食べていた。服はすこし汚なかったが、ちゃんとある。普通のところでよかった!
今は、出来るだけ早くこの国の言語を理解しようとしている。でも難しい。昔からリスニングとか苦手だったしなー。
最近は、いつも神様と母と一緒に三人で寝ている。また寝る前には本を読んでくれた。でも本は高いのか、2冊だけこの家にある。
絵から想像してだけど、一つは男の子が好きそうな英雄談で、もう一つは女の子が好きそうなお姫様がでてくるお話だ。
僕たちのために買ってくれたのなら、とても嬉しい。
3人で幸せに暮らしているが、父親らしき姿はまだ見ていない。
出稼ぎに行っていると思う。
でも、もしかすると僕の想像している以上に複雑な家庭だったりして・・・
そんなことはおいといて。
今日は母の機嫌がやけに良かった。
何かあるのかなと、思いながら見ていると、僕を背中に背負って紐のようなものでくくり、神様を抱っこしていた。そして右手に何かを入れるためなのか大きな瓶を持っていた。
どこにいくのだろう?
ガチャ
準備が終わったのか、ドアを開けて外に出た。
光がとても眩しくて、目が痛い。
今日は太陽が照っていて、とてもいい天気だった。
今思うと初めて外に出たなあ。
光が強くて目を開けにくかったが、しばらくするとその光にも慣れて開けることができた。
そして目の前の景色を見ると、僕は素直に驚きが声となって出ていた。
家の中に窓がなかったから外は見れなかったけど、こんなにのどかな景色が見られるとは思ってもみなかった。
「うーーーぁーーーー」
外は、ちょっとした丘の上にこの家があったからか、周りを一望できた。畑や山に囲まれていた。綺麗な水の川も近くで流れていてとても美しい。
そして何よりも、空気がおいしい!
神様もこの景色を見て驚いていた。
ここまでのことは、想定していなかったのだろうか。
しばらく僕たちは、母に抱かれながら散歩をした。その時に僕たちに何か話していたのだが、やっぱり聞き取れずなんだか、悲しい。
母は、坂の緩い山に登っていた。その道中、色々なものを見た。ウサギや青い鳥、そして見たこともないような生物もいた。まるで動物園に来ているかのようで、面白かった。
たくさんの生物がいて、この世界のことをすこしでも知れたのでよかった。
「フーーーーーー」
母はため息をついて、足を止めていた。
ようやく着いたのだろうか。
また光が眩しくて、目をつぶっていた。
しかし目を開けるとさっきとは、比較にならないほどの美しい景色が広がっていた。
「はぁーーーーーーー!」
「ふぇーーー!」
「うぁーーーーーー!」
いつの間にか、みんなの声が揃っていた。
多分、この景色を見るためにここに来たんだろう。確かにうきうきしていた理由がわかる。最近は、僕たちの世話で精一杯だったから、息抜きのためにでもあるだろう。
いつもお疲れ様。
そんなことを言いたいが、まだ言葉が分からないから言えない・・・・
悔しいな。
迷惑をかけないようにしたいな。
母は紐を解いて僕と神様を強く抱きしめ、そして満面の笑みを向けていた。
「ーーーーー・・・・ーー・・・ーー、ーーー、~~~!!」
母の抱擁はとても温かかった。
チョロチョロチョロ
近くに水の音がした。
石と石の間から湧き水が出ていた。
すると母は、持っていた瓶でその水を入れて、大事そうに持っていた。
何か特別なことでもあるのかな。
ともあれ、今日の1日は、とても楽しかった。この平和な日々がいつまでも続くといいな!
それから約半年がたった。
これくらい経つと、すこし言葉もわかってきた。やはり外国語をずっと聞いていると、いつのまにか身につくようになるのだな。
それとも、赤ん坊は一番の成長期だから、こういう物覚えが簡単にできてしまうのかな。まだ聞き取れても話すことができないから、神様と話す時は、日本語で話している。
母から見ると、小さい子が言葉を話せてないけど会話している、というようにこの年だと見えるから問題はないと思う。
まだ舌がしっかりしていないからはっきりと喋れないが・・・・
それでも聞き取れるだけで、一歩この世界を生きるために成長しているからよかった。
そして僕は、ハイハイできるようになった。
長かったごろ寝生活からの卒業だ。
動ける方が僕はいい。
でも外にはまだ出れないから、母が家事をしているところを見たり、家の探検をしている。
まあ、この家は、そこまで広くないからもう隅々まで探検したんだけどね。
何より暇だから、そんなことを何回もしていた。神様も何もできないから基本、僕に着いてくるか、母に甘えていた。
そうだ!
この姿でもできる遊びを思いついた。
それは鬼ごっこだ。
ハイハイだけど運動にもなるし、いいと思った。
「あのねーー、鬼ごっこー、しよう!」
「暇だからー、そうしよっかーー。
じゃあーー、始めーはあなたが鬼をやってくれなーーい?」
神様がこういう遊びに付き合ってくれて驚いた。
「子どもっぽい」とか言われてて断られるかと思っていた。
優しい人でよかった。
そして鬼は僕になった。こんな姿だけど、昔から足はすこし速かった。
すぐに捕まえてやる。
「よーい・・・ スタート!」
僕は、始まりと同時にすぐに追いかける。意外に体は動いた。
これなら簡単に捕まえられる!
そう思い、あっという間に神様に追いついた。
よし、あと少し。あと少しで・・・・
そして僕が手を伸ばす。
「捕まえたーーーー」
そう叫んで、つかもうとした瞬間、一気に神様のハイハイするスピードが上がった。
「フフフフフー、ハッハハハハ。君は、私のー、すばしっこさーを忘れたのかーな?」
はっ!!
そう思えば・・・
転生するときのウサギの人形、とても速い動きをしていたな。
まさかあの動きを本当にできるのか!
神様は、あのウサギのように速く逃げた。それでも、僕は諦めず追いかけ続ける。
「待てーーーー!」
やっと追いついた、と思っても急カーブをして、僕が捕まえるのを阻止する。
やり続けていると、足の速さでは勝てないと思い、どうにか頭で考えて、捕まえようとした。
何かいいアイデアはないかと考えながら、周りを見渡してみた。すると簡単に誘い込めそうな角を見つけた。
ここに追いつめると捕まえられる。そう思い実行した。
そして僕は、やっとの思いで角に追いつめた。
「フフフフ、こーれで終わりーですよ」
僕は、考える暇を与えないように、全力でハイハイをした。だが迫った時に右にすこしだけ隙間を作ってしまった。
神様はその隙を逃さず、そこに向かって進んだ。
「よし、神様まぁぁーーー、捕まえたぁーーーー、ってあれーーーー」
ゴンッ
「痛ったぁぁぁぁーーーーー」
結局、捕まえられず、横に逃げ切られた。神様はドヤ顔をしてこちらを向いている。
そして僕は、全力でハイハイしたせいで勢いを止められず壁に頭からぶつかってしまった。
すごく痛い。
久しぶりに怪我をした。
あぁ頭がズキズキする。
それに捕まえれなくて、悔しい。
叫び声を聞いて母は、大急ぎで僕の方にやってきた。
顔を見ると真っ青になっていた。
軽い怪我だから落ち着いて、と言いたい。
「トモヤ! 大丈夫?」
すぐに僕を抱き上げて、どんな怪我をしたのか注意深く観察していた。
軽いものだとわかった瞬間、いつもの優しい顔に戻っていた。
「よかった、大丈夫そうね」
安心はしていたが、傷痕がないかなどしばらく僕の頭を見て、とても心配してくれた。
だが僕が泣かなかったことが不思議だったようで、目が丸くなっていた。
正直な話、僕、十五歳ですからこれくらいでは泣きませんよ。
「泣かなかったんだね、偉い偉い。トモヤは、強くなるね」
そんなことを言われながら頭を撫ぜられていた。母の温もりを知らなかったから心の中で感動していた。
最後に僕の頭にてをあてて、
「念のためにやっておこっかな」
深呼吸をして気持ちを落ち着かせようとしていた。
何をするんだろう?
「水魔法、回復の聖水」
ん?
手から光が発生した。
そこから霧のような青い粒がでてきて、僕の頭に触れた。
水しぶきがかかるような感触だった。
だんだん冷えてきて気持ちいい。
気づいた時にはもう頭の痛みは消えていた。
すごい。これが魔法!
初めての魔法に感動していた。早く僕も操れるようになりたい。
神様はこの治し方が当たり前なのか普通だった。
何より、異世界での醍醐味である魔法が見れた。ああ、とてもいい経験ができた。
魔法とは素晴らしいものだと思う。
3歳に僕たちはなった。
最近になってだが、やっと親の名前が分かった。
母は、ハンナ・フローレス
ということは名字が、フレーレスだから、僕の名前は、トモヤ・フローレス
神様は、セクアナ・フローレス、となった。
僕の暮らしている町にも名前があった。
ハージ村だ。
人口が少ないせいか、他と比べると広いらしい。
そこまで凶悪なモンスターがいるわけではないし、駆け出しの村みたいだ。
そして、完璧にここの国の言語を習得できた!
ちゃんと二足歩行で歩くこともできるし、前世と同じように、普段と変わらないように生活ができるようになった。
今日は、みんなでご飯を作った。
今の季節は冬。寒いから体が温めるために、シチューを食べた。
「今日は手伝ってくれてありがとう。お母さん助かったよ」
「今日のシチューは、みんなで作ったから美味しいね! でも君は、料理が全然できないから野菜を洗う仕事しか、してないけどね。もっと頑張ってよ」
そんなことを言いながら神様は、僕をからかった。
「侵害だな。それを言うならあなただって、包丁でちゃんと野菜を切れてないじゃないでか。ほら、何ですかこの大きさがバラバラなのは。料理、下手くそでしょ」
そういいながら、シチューで大きさがバラバラなのを見つけて、神様の目の前に見せつけた。
悔しそうな顔をして僕の方を見つめていた。
追い討ちのために僕は、すこしうざい口調で、
「はぁー。わかってないな。僕は冷たい水に耐えながら、頑張って野菜を洗っていたのに」
「言ったなー」
両手を机に叩きつけて神様は、怒ってしまった。
たまにこんな喧嘩をしている。
そうしていると大体、母が喧嘩をやめさせようと、僕たちの間に入ってきてくれる。
普通なら対抗しないけど、今は幼児のせいで気持ちを抑えられないことがよくある。
こういう気持ちは、もう少し大きくなると収まるかな……
「喧嘩しないで。二人のおかげでちゃんととできたんだから、味わって食べましょう」
そう言って僕たちの気持ちを落ち着かせてくれた。
毎回、母の一言で喧嘩が終わって、静かになる。
母の力はすごいな。
「さあ、もう食べ終わったし寝る準備をしておいで」
「はーい」
歯磨きやトイレなどをして、そろそろ寝ようとしていた。
この世界に来てからのんびりした生活をしてるな。毎日暗くなるとすぐにご飯を食べて、あまりやることもないから多分8時、9時くらいに寝ているのだろう。
まぁ、まだ3歳だからしょうがないのかな。
「ちょっといい?」
神様は、そんなことを言いながら、僕の腕を掴んであまり使わない、部屋に連れて行かれた。
「話したいことがあります」
そう言いながら、僕の方を向いた。
今まで子どもとして過ごした時の顔ではなく、初めて会った時の真面目な女神様の表情をしていた。
「まず、その・・・ 一応、私達は兄弟なのでせめて名前で呼び合いませんか?」
「・・・・・・あっ!」
本当だ。今考えると、名前で呼んだことはなかったな。たまに僕が神様と呼んでいて、それ以外は熟年の夫婦みたいに、あなたや君などと呼んでいた。
「えっ、でも女神様は神様じゃないですか。僕なんかがそんな軽々しく名前なんか・・・」
「もう私は女神でも神でもありません。そんなものはもう捨てました。ここにいるのは、ただのセクアナです。
ハンナお母さんに育ててもらっている普通の子どもです」
「でも、い、いきなりそれは馴れ馴れしくないですか? ま、まずはみ、名字から・・・」
いきなり異性を名前で呼ぶのは照れる。
「フフフ、照れてるんですか? それに名字、同じですよ!」
「あっ」
「まぁ、いきなりってことじゃないからいいけど、私はもう女神様じゃないよ。普通の人間。
それくらいの覚悟で来てるんだからね!」
「す、すいません・・・」
そうだ。神様はそれくらいの覚悟できてるんだ。僕もそれに答えないと。
「う、うん」と咳払いをして空気を変えようとした。
そしてまっすぐ前を見た。
「では、改めて僕はトモヤです。そのままトモヤと呼んでください」
「はい! 私の名前は知っていると思いますが、セクアナです。トモヤ、これからもよろしくお願いします」
名前で呼ぶようになるだけだが、何だか一気に距離が近づいた気がした。
一つ目の話が終わり、大事な話は続く。
「あまり私たちが入らない部屋で、話をしようとしたのは、理由があります」
すると僕の方にだんだん近づいててきた。
トン。
両手を僕の肩の上にのせた。
「私たちは、サタンを倒すためにこの世界に来ました。そろそろ強くならないといけません。だから明日から魔法を一緒に学びましょう。いや、魔法以外でも色々なことを修行して強くなりましょう」
「やっとですね!」
待ってました、と言わんばかりに、笑顔になった。
この3年間、のんびり過ごしていたせいで、本当の目的を忘れていた。
やっと魔法か。
明日から修行。
とうとう雷魔法が使えるのかな!
そう考えると僕の体は熱くなり、とても興奮してきた。
この日の夜、修行のことが楽しみすぎて眠りにくかった。
次の日、初めての修行ということで朝早く起きた。
いつも僕たちは朝の8時くらいに起きているので母は、驚いていた。
「どうしたの? めずらしいね」
「僕達は将来強くなるために、今から修行してくる!」
僕が自信たっぷりにそんなことを言うと、母は子どもの成長を微笑ましく感じているような表情をしていた。
本に出てくる英雄に憧れて強くなろうとしている、と思われているようだ。
確かにまだ幼いからそんなふうに思われるかもしれないな。
「そうなんだ。頑張りなさいよ」
明るく見送ってくれた。
外に出るとちょうど太陽が昇ってきて、程よい明るさになっていた。
「ふっ、あぁぁーーー」
セクアナは大きなあくびをしながら、背伸びしていた。この人は意外に朝が弱いのか、まだ目がしっかり開かず、眠そうだった。
初めて早起きしたから眠いのも、当たり前か。のんびり暮らすのにすこし慣れていたからな。
「さーて、修行を始めまーーす。まずは、準備体操をしまーす」
そんなことを言いながら頭がかくかくと揺れていた。
本当に眠そうだ。
これではなかなか始めれないと思い、もう一度家に入って冷たい水で顔を洗ってもらった。
ここまでしてやっと目を覚ましてくれた。
「おはようございます。やっと目が覚めました。では、改めて体操をしましょう!」
いつものテンションに戻ったのでやっと修行が始まった。
軽く体操した後、まず魔法について教えてもらった。
「魔法は色々な属性があります。簡単に分けると、3種類で召喚魔法、変身魔法、そして自然魔法です。
自然魔法は火、土、水、風の4種類が起源で、最近は、ここから様々な種類が遺伝によってできています。
大体この中で一種類だけ私達は、操ることができます。滅多にないことですが、2種類の魔法を操れる人もいます。
まぁ私は、水の女神だったので自然魔法の水属性ですね。あなたは設定によって雷魔法ですが…」
「あの・・・ ずっと聞きたかったんですけど何で雷魔法が最弱なんですか?」
「それは、2つの理由があります。まず電気というものがこの世界では見られないからです。家の光は、すべて魔石によって明るくなっているし、電気を見るのは自然災害として起こる雷くらいです。それによって魔法で一番大切なイメージができず、操れないんです。
そしてもう1つは、雷魔法を授かった人が数人くらいしかいないことです。召喚魔法や変身魔法は簡単に制御できますが、自然魔法は制御するのがとても難しいのです。だから、昔の人は研究をして詠唱などによって制御できるようになり、今では、先生や本があります。
しかし雷魔法は、数人しか授かっておらず研究も進んでいないので、操れても体の周りに電気を出すくらいだけです。それに電気を出し続けるのはとても魔力を使います。そして放出することができないこともあり、最弱になってしまったのです」
長い説明が終わると、僕の方を気の毒そうに見つめていた。
「そんな顔しないでください。自分の意思で転生したんですから。ちゃんと制御できるようにします」
心配させないように、笑顔で答えた。
セクアナもいつものように戻り、やっと魔法の修行が開始された。
「さて、まずは自分の魔法、トモヤなら電気をだしてみよう! ……どうぞ」
「……? どうやって?」
「普通にだよ、普通に」
「………? だからどうやって?」
もしかしてこの人、感覚で教える人かな。
やばいよ。
そんな教え方なら僕、このまま最弱で人生終わってしまうよ。
セクアナも、意味がわからなかったのか首を傾げていた。
「あっ、そうかごめん。この世界の常識なんて知らないよね。えっと、まず深呼吸をして心を落ち着かせましょう」
「スゥー……ハァーー」
「そして、自分の手のひらをじっと見つめて、体の中から雷を出すようにイメージをしましょう。あとは魔法を出すことだけに集中して!」
この練習は一番しんどいらしい。なかなか魔法を具現化できなくて、精神的に辛いからだ。それでも、魔法を使うためには誰もが通る道らしい。
これさえできれば少しは楽になるかも。
まぁ、僕は最弱の魔法だから他の人よりもっと頑張らないといけないけどね。
「ぐぬぬぬぬ・・・」
「ふーーー・・・」
「はぁぁぁーーー・・・・」
「あっ、蝶々! 待ってー」
「・・・・・・・」
「こっち、こっち、 来ーい」
「雷・・・ 出てこい・・・・・」
「あっ、止まった!」
「・・・・・・あーーー、もう、うるさいーーーーい!」
僕の大声にセクアナは、肩を震わせて驚いていた。少し怖がってこちらをむいていた。
「セクアナ! ていうか、神様!? 集中しているんだから乱さないでください」
結構大きな声で怒ったので、少し涙を浮かべて反省していた。
「すいません。あまりに綺麗蝶々が飛んできたので」
「全く、反省したならいいです」
腕を組みながらそう言った。
「セクアナは練習しなくていいの? 魔法、使えないでしょ」
「何言っているんですか。私はもとから使えますよ。ほら、初めて会った時、ウサギの人形を動かしていたじゃないですか」
そういえば、人形が動いていたな。
あれって魔法だったんだ。不思議な空間だったから勝手に行動していると思っていた。
セクアナは手のひらを出していた。
「見ていてくださいね」
深呼吸をして気持ちを落ち着かせて、手のひらに集中していた。しばらくは、静かで何も起こらなかったがすぐに小さな水滴が集まって、こぶし大の水の球ができていた。
「うわぁーーー!」
パシャン。
見せ終わったら、すぐにつぶれた。
多分、とても集中力がいるのだろう。
「どうでした? 本当はもっと使えたんですが、子どもの姿になると、どうも魔力が弱くなってしまうんですよね」
僕と同じレベルだと思っていたから少し悔しい。僕も負けないように、再び練習しようとしていた。
「本当は、5歳くらいからこの練習をするんですが、やっぱり早い方がいいかなと思って。まぁ、私も今から頑張りますのでまずはこれをできるようになってください」
「放出することはできますか? ぜひイメージのためにもできるなら見してほしんですけど」
「えっ。放出ですか… 一応頑張ってみます。スーーー、ハァーー」
さっきと同じように、こぶし大の水の球ができた。
「スーーー、ハァーー・・・・・・・
はっ! アクアボール」
その声と同時に高速で水弾が飛んで行った。
「おお。出た!」
ガシャン
上手に魔法を放出できたのだが、その水弾は母が大切そうに育てていた植物の植木にあたってしまった。
「あっ!?」
「うわぁ!」
「やばいよセクアナ」
「どうしよう、どうしたらいいかな?」
一度、これを壊してとっても怒られたことがあったからとても焦った。今までで、その時の母の顔が一番怖かった。
「こほん……」
「……」
「……」
気がつくと後ろには、母が立っていた。
僕たちは、顔が真っ青になりながらもゆっくりと振り向いた。
母は笑っていた。だが、目だけは笑っているように見えない。絶対すごく怒ってる。
「魔法の修行か・・・ 練習するのはいいけれど、大切な植物に向けてやるのはやめなさいよ。次やったら・・・・どうなるかわかるわよね」
「・・・すいませんでした!!」
同時に、僕とセクアナは深々と頭を下げて土下座をした。
今回は、そこまで怒鳴られなかったから安心した。
それにしても怖かった。
「今日は、もう魔法の練習はやめましょう…」
よほど母が怖かったのか、今日は魔法の修行は終わった。
まだセクアナの声は、怯えているように聞こえた。
「さて、気を取り直して次は鍛錬をしましょう。鍛錬をすることによって体力や集中力、筋力がつくので結果的に魔法の力も伸びます。きついことですが、まぁ頑張りましょう」
「えっと、まず何をすんですか?」
「そうですね。簡単にいうと筋トレ、走り込みなどなど、基本的に体作りをします」
「分かりました。あの・・・ 剣術とかってありますか?」
「一応ありますが、私達の体では筋力がないのでまずは、筋トレですね」
そう言いながら、体作りのために筋トレを行った。
ただ、実際にやってみると腕立てや腹筋が全然できない。あぁ、今まで怠けていたことや、子どものせいで一、二回できて限界がきた。
セクアナは、頑張っているが腕立ては、全滅状態で一回すらできずに崩れていた。無駄に足には筋力があるのにな。
だんだんやってくると前世の感覚もあり10回はできるようになった。改めてセクアナを見ると、2回くらいしかできていない。脚力で負けていたから悔しかったが、腕がプルプル震えているところを見ると面白かった。初めて女神様に勝てる要素を見つけれて、すこしうれしかった。
修行をしていると正午くらいになっていたから、疲れも出てきたので昼食を食べて休憩することにした。
家に入ると、母はカレーを作ってくれていた。
「お母さん。昼はカレー?」
「そうだよ」
まだ植物のことで怒っているのか顔を合わせてくれなかった。けど、疲れた時にスタミナがたくさん取れるカレーを作ってくれて、母の愛情がとても伝わってきた。
本当、大事に育てていた植物を壊してしまいすみませんでした!?
昼からは、ランニングをした。
「できるだけ私のペースにあわしてよ! そうじゃないと体力つかないから」
そう言われ、できるだけ頑張った。
でもセクアナは、足が速いので僕の力では追いつけなかった。途中でペースを合わせてくれたから最後まで走り切りたいと思う。
大体のコースは畑がある広いところの道や、赤ん坊の頃、たまに母が連れて行ってくれた山を登ったりした。
ここは田舎だから自然が豊かで景色が良く、走っていても飽きない。それにたくさんの動物とも出会えて、とても楽しい。たまに小型の動物を見つけると休憩して、もふもふの毛並みを触って癒されている。
「さぁ、今日は山に登って・・・あれ? トモヤ・・・」
さっきまで近くにいたトモヤの姿がなかった。
しばらく近くを探してみると、結構距離の離れたところにいた。
「おーい、トモヤ! どこ行ってたの?」
「え? すぐそばにいたんですけど・・・」
不思議そうに首を傾げていた。
「もしかしたら、すこし方向音痴だからそのせいかも!」
「ふーん、そうなんだ。これからは気をつけてよ!」
「うん!」
「じゃあ、今日は最後に山登り」
「いいですね」
セクアナはこの時、何とも思わなかったが、これから何度もトモヤの方向音痴に悩まされるのであった。
そして今日の最後の修行メニュー。
山の頂上に着いた。
「うぁわーーー」
「ふーーー」
何回ここにきても素晴らしい景色に感動する。そしてその近くで流れる川の水は美味しい。疲れが全て吹っ飛ぶようだ。
太陽が山に沈む頃、僕たちは家に帰ってきた。
あまりに疲れたのでご飯を食べたらすぐにベットで寝ていた。
今日は疲れたな。
魔法のイメージが少し分かったから、次から使えるといい。
それから五か月くらいたった。
大体、修行は週に2回くらい休みがあり、学校と同じ感じだ。
ランニングや、筋トレに慣れてきて体力がしっかりついた。この頃から剣術の練習が始まった。剣はランニング中、森などでいい大きさの枝を見つけて、ナイフで形を作った自家製の木刀で練習した。
意外に持ってみると重たかった。
慣れるまでに時間がかかりそうだな。
そんなことよりも僕は、とても不安に思っていることがある。それは魔法だ。ずっと電気を出すことを意識していたが全然だせない。
どうしたらいんだろう?
早く操りたい。
剣の修行は、素振りから始まった。
「えいっ、やぁ、とう」
一応、声を出す方が力は入るので出した。しかし剣が重いことや、慣れていないから真っ直ぐ振ることができなかった。
だいたい100回くらい素振りはやった。
「セクアナ! 剣術は他にどんなことをやるの?」
そう聞いたが、困った顔をしていた。
「その・・・・ 剣術のことなんですど、本当は型とかありますがそういうのを知らなくて、いきなり実戦形式でやりません?」
「いきなりですね。確かに、女神様でも知らないことはありますよね。すみません、僕も最近、セクアナの言うことに頼りすぎていたかもしれません。実戦の方が早く、強くなれると思うし、じゃあ、そうしよ!」
「あっ。でもこの木刀のままだと怪我をしてしまうからこうしよ」
そう言って僕は、衝撃を和らげるために、木刀を布でぐるぐる巻にした。
そして木刀も出来上がり、実戦形式で練習をした。
「では行きますよ。よーい・・・・・」
「はじめ!」
合図と同時にお互いが踏み込んだ。
カツン
僕とセクアナの剣がぶつかり、静止した。こうなったら腕の力が強い僕の方が有利になり、このまま押し勝てると思った。しかしセクアナは、足の力が強いので、後ろにジャンプして下がり攻めきれそうだった間合いが開いた。
お互いに得意な力を生かせたので同じ強さだった。
最終的に、僕がおもいっきし振った剣をセクアナは受け止めきれず剣を離してしまい、始めの勝負は勝った。
2戦目は、セクアナのすばしっこく、動いてその動きに対応できず、一本取られた。
結果ほぼ引き分けで終わった。初めてだが色々反省点も見つかりいい経験になった。
修行も終わり、疲れたので木の影に入って昼寝をしようとしていた。
正直、今は剣術より電気を出せず、不安だった。だから暇な時間があれば練習していた。今は疲れているし、手のひらを出していると電気が出ないかな、と淡い期待を持ちながら寝転がった。
そんなことをしていると発電工場のみんなのことを思い出していた。
どんな暮らしをしているのだろう。
今の自分の姿をみてほしいな。
確か発電は、蒸気の力によって羽を回してそれを発電機によって電気を作っていたなぁ。それを放出するイメージを持つと電気が発生するかな?
軽くそんなことを考えていた。すると。
ビリッ、ビリビリッ
手のひらを見ると青い電気が発生していた・・・・・・
「やったぁぁぁぁーーーーー!!!」
僕は今日、やっとの事でスタート地点に立った。
セクアナもその光景を見ていた。そしてとても驚いていた。
「えっ・・・・ もう魔法を使えたんですか? すごい。私、初めてトモヤとこの世界に来て良かったって思ったよ」
「初めて思ったんですか! 結構心に刺さる言葉なんですけど」
そんな冗談を言いながらも、本当に電気を出せた。
まだまだ、セクアナには追いつけないが、今は素直に喜んだ。
それにしても、嬉しい。夢が叶って本当に嬉しい。もっと使えるようになりたい。今日のことで不安な気持ちは、すでになくなっていた。
次の日も挑戦した。昨日の感覚がすこしあり、今日も出せた。
何回もやっていると本当にイメージが大切と言うことがわかる。それによって発生する雷に差があるからだ。
イメージをちゃんとできなかったら静電気のような微小なものしか出ず、しっかりできていると大きな電気が発生した。
そして色々な発電をイメージして、一番強く電気が発生したのは水力発電だった。
多分今、僕が暮らしているところが田舎で、近くに川も流れているから一番イメージしやすかったのだろう。
数日、この水力発電をイメージして雷を何回も発生させた。するとだんだん慣れてきたのか、魔力量が増えたのかわからないが、ようやく体の周囲に電気を集めるくらいに成長した。
「成長が早いね。もうそれくらい集めることができたなら、放出の練習をしたら? 十分な魔力量だと思うよ」
「そうですか? じゃあやってみます」
「まぁ、そんな簡単に放出はできないよ。もしかしたら何十年もこの練習に苦戦するかもしれないけど頑張れ」
絶対に放出はできないと、舐めているような口調で言われた。
舐めんなよ。絶対すぐに成功してやるからな。
すこし落ち着いてから、放出できるようにイメージを考えた。
確か、雷にはプラス極とマイナス極があって、お互いに引きつけあって雷が地上に落ちていたな。
じゃあ、どちらかの極を狙っているものに向けるイメージをすると放出できるのでは?
そう考え、僕は頭の中でプラス極を狙っているものに集めてマイナス極を自分の方に集めるイメージを作った。
よし、イメージはかたまった。あとは雷が一気に落ちてくることを想像して・・・・・・ 今だ!
「はっ!」
その声を上げると同時に、僕の手から電撃が放出された。
「・・・・・・・えっ!?」
セクアナは、何が起きたかわからずしばらく固まっていた。
「うぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーー!!」
喜びのあまりとても大きな声で叫んでいた。
まさかの一発成功。
「やったぁぁぁーー」
ガッツポーズをして大きく空の上に突き出していた。
「ウソ・・・・ 嘘だ。こんな、こんなに早く雷を放出するなんて、あぁ・・
今まで何百年と頑張ってきた人たちがいるのに」
セクアナは頭を抱えて、ひとりで静かにそんなことを言っていた。
「嘘だ。そんなこと・・・」
ここまで落ち込んでいるのはみたことがなかった。
僕が雷を放出できたのに、喜ぶどころか落ち込んでいるセクアナを見て、ムッとしてしまう。
すごいことをしたから褒めて欲しかった。
ガシャン、ガシャン・・・・・
ん?
何かが壊れた音がした。そしてよく見ると、また母が大切に育てていた植木が潰れている。
・・・・・・やばい!
僕とセクアナの体から冷や汗がドバドバと出る。
「やったなーーー」
恐る恐る後ろを振り向く。
母がドアから覗き込むように顔を出していた。
始めは怒っているように見えたけど、途中から驚きの顔になっていた。
あれ、どうしたのかな?
「トモヤ・・・・・ その魔法は、もしかして雷?」
まだ、電気を腕の先にすこしだけ出していた。
そう思えば、初めて自分の魔法を母に見せる。
驚いてくれるかなと期待していたが、セクアナと同じ様に、僕をかわいそうな目で見ていた。
はぁーーー。やっぱりみんなそんな表情をするんだな。子どもが成長したから笑ってほしいかったのになぁ。
悲しい気持ちもあったが、植木を壊してしまったので怒られると思って、すこし緊張していた。
「はいっ、その通りです。すみません、植木を壊して・・・・」
バサッ
僕は暖かい何かに包まれていた。気がつくと母にハグをされていた。
いきなりのことで頭が混乱していた。
何これ?
新手の説教?
まだ何をされるかわからず怯えていた。
すると、
「なにがあっても私はトモヤのことを守るから安心して」
「・・・・?」
優しい声でそんなことを言われた。その言葉を聞いて僕を励ましてくれていることがわかった。
そんなにこの世界で雷魔法は、生きにくいのかな?
何よりも母のハグはとても温かい気持ちになった。
近くにいたセクアナも近づいてきて、頭をぽんぽんと撫でくれた。そして耳元に顔を近づけて、
「大丈夫!」
と小さく呟いてくれた。
この世界で雷魔法を操って暮らすのはどれだけ大変か今はわからないわからない。
しかしそれでも、この二人の笑顔を守るためにこれからも修行をして、力強く生きようと、誓った。
そして、木造の家の中にいた。
バチッ
どこかで薪が燃えている音が聞こえる。どこかに暖炉でもあるのだろうか?
そして明かりがついているが、よく見ると電気ではなく光る石のようなものが電気の代わりになっていた。
せっかく目が覚めたし、誰かいないか喋ろうとした。
「あーー、うぉいーーーー、うーーー」
だがろれつが回らず全然、喋れなかった。また手足も短いのでほとんど動くことができず、寝返るか、上下に動くことしかできなかった。
赤ちゃんになって思ったが、ヤバイ、手がめちゃくちゃ気持ちいい。自分のことだがやっぱり赤ちゃんは、可愛い。
あまりに気持ちよくて、しばらくあらゆる所を触っていた。
始めは自分が赤ん坊になったから楽しんでいたが、冷静になると本当に異世界に来たと実感した。
日本にあったものがほとんどない。例えば、文字。
この部屋にはそんなものなく、家具もほとんど木によって作られている。なんだか田舎って感じで、とても落ち着く。
ガチャ
ドアが開いた。
すると僕と同じような黒髪の女性が入ってきた。年齢は、二十代くらいの人だ。美人な顔立ちをしているのだが、服がすこし小汚て、全体の印象が悪くなっていた。もっと綺麗な服を着たらいいのに…
なんか残念だ。
「ーーーーーーーー、・・・・ーーーーーー」
その女性は何かを言って、僕の頭を優しく撫ぜた。久しぶりにこんなことをされた。
抱擁感があって安心する。
それにしても、なんて言っているのだろう?
すると、はっと何か思い出したようで、すぐにどこかへ行ってしまった。
またドアが開いた。今度は何か持っていたのか、静かにドアが開いた。
何を持っているのだろう、と注意深く見ると、僕と同じくらいの赤ん坊を抱えていた。
青髪で、女の子なのか髪の毛が僕よりもたくさん生えていた・・・・・
女神様!?
僕と目を合わせると、赤ん坊は、にっこりと笑った。やっぱり女神様だ。正直こんなに早く会えるとは思わず、びっくりした。
そうなると、多分この二十代くらいの女性は僕のお母さんになるのかな?
考えてみると、確かに僕と似ている。髪の色や、目が………
いつのまにか、僕の隣に女神様を置いて、また話し出した。
「ーーーーーー・・・・ーーーー、~~~」
まだこの国の言葉について知らないので、なんて言っているのかわからない。
でも女神様が横にいて、ちゃんと設定通りになっていた。
地味にすごいな。
女神様を僕の隣につれてきたから多分、これがあなたの家族だよ、と言っていると思う。
隣を見ると、赤ん坊になった女神様がいる。改めて異世界に来たのか確かめるため、頬を引っ張る。やはりちゃんと痛みがあった。
これから色々あると思うが、一人じゃないし、それなりに頑張って行こうと思った。
今は赤ん坊だから何もできないんだけどね!
一か月の月日が流れた。
はぁーー。
めちゃくちゃ暇!
前世の記憶があるから、今の生活がしんどい。できることは、寝ることか、簡単に体を動かすことくらいしか…
それにミルク。ご飯がミルクだけというのはさすがに飽きた。
早く普通の食事を食べたいものだ・・・
思ってた以上に異世界での滑り出しは苦しんだな。
それに神様と話したいことがあるのに、まだろれつが回らなくて喋れない。
はぁ・・・
一か月間、暮らしていて思ったが僕の家庭は、衣、食、住がちゃんと揃っていて、ごく平凡な家庭に生まれたと思う。まず、家は木が新しくて新築のように見える。2LDKくらいかな?
多分、結婚祝いか何かで買ったのだろう。そして、ご飯は栄養の取れるしっかりとしたものを食べていた。服はすこし汚なかったが、ちゃんとある。普通のところでよかった!
今は、出来るだけ早くこの国の言語を理解しようとしている。でも難しい。昔からリスニングとか苦手だったしなー。
最近は、いつも神様と母と一緒に三人で寝ている。また寝る前には本を読んでくれた。でも本は高いのか、2冊だけこの家にある。
絵から想像してだけど、一つは男の子が好きそうな英雄談で、もう一つは女の子が好きそうなお姫様がでてくるお話だ。
僕たちのために買ってくれたのなら、とても嬉しい。
3人で幸せに暮らしているが、父親らしき姿はまだ見ていない。
出稼ぎに行っていると思う。
でも、もしかすると僕の想像している以上に複雑な家庭だったりして・・・
そんなことはおいといて。
今日は母の機嫌がやけに良かった。
何かあるのかなと、思いながら見ていると、僕を背中に背負って紐のようなものでくくり、神様を抱っこしていた。そして右手に何かを入れるためなのか大きな瓶を持っていた。
どこにいくのだろう?
ガチャ
準備が終わったのか、ドアを開けて外に出た。
光がとても眩しくて、目が痛い。
今日は太陽が照っていて、とてもいい天気だった。
今思うと初めて外に出たなあ。
光が強くて目を開けにくかったが、しばらくするとその光にも慣れて開けることができた。
そして目の前の景色を見ると、僕は素直に驚きが声となって出ていた。
家の中に窓がなかったから外は見れなかったけど、こんなにのどかな景色が見られるとは思ってもみなかった。
「うーーーぁーーーー」
外は、ちょっとした丘の上にこの家があったからか、周りを一望できた。畑や山に囲まれていた。綺麗な水の川も近くで流れていてとても美しい。
そして何よりも、空気がおいしい!
神様もこの景色を見て驚いていた。
ここまでのことは、想定していなかったのだろうか。
しばらく僕たちは、母に抱かれながら散歩をした。その時に僕たちに何か話していたのだが、やっぱり聞き取れずなんだか、悲しい。
母は、坂の緩い山に登っていた。その道中、色々なものを見た。ウサギや青い鳥、そして見たこともないような生物もいた。まるで動物園に来ているかのようで、面白かった。
たくさんの生物がいて、この世界のことをすこしでも知れたのでよかった。
「フーーーーーー」
母はため息をついて、足を止めていた。
ようやく着いたのだろうか。
また光が眩しくて、目をつぶっていた。
しかし目を開けるとさっきとは、比較にならないほどの美しい景色が広がっていた。
「はぁーーーーーーー!」
「ふぇーーー!」
「うぁーーーーーー!」
いつの間にか、みんなの声が揃っていた。
多分、この景色を見るためにここに来たんだろう。確かにうきうきしていた理由がわかる。最近は、僕たちの世話で精一杯だったから、息抜きのためにでもあるだろう。
いつもお疲れ様。
そんなことを言いたいが、まだ言葉が分からないから言えない・・・・
悔しいな。
迷惑をかけないようにしたいな。
母は紐を解いて僕と神様を強く抱きしめ、そして満面の笑みを向けていた。
「ーーーーー・・・・ーー・・・ーー、ーーー、~~~!!」
母の抱擁はとても温かかった。
チョロチョロチョロ
近くに水の音がした。
石と石の間から湧き水が出ていた。
すると母は、持っていた瓶でその水を入れて、大事そうに持っていた。
何か特別なことでもあるのかな。
ともあれ、今日の1日は、とても楽しかった。この平和な日々がいつまでも続くといいな!
それから約半年がたった。
これくらい経つと、すこし言葉もわかってきた。やはり外国語をずっと聞いていると、いつのまにか身につくようになるのだな。
それとも、赤ん坊は一番の成長期だから、こういう物覚えが簡単にできてしまうのかな。まだ聞き取れても話すことができないから、神様と話す時は、日本語で話している。
母から見ると、小さい子が言葉を話せてないけど会話している、というようにこの年だと見えるから問題はないと思う。
まだ舌がしっかりしていないからはっきりと喋れないが・・・・
それでも聞き取れるだけで、一歩この世界を生きるために成長しているからよかった。
そして僕は、ハイハイできるようになった。
長かったごろ寝生活からの卒業だ。
動ける方が僕はいい。
でも外にはまだ出れないから、母が家事をしているところを見たり、家の探検をしている。
まあ、この家は、そこまで広くないからもう隅々まで探検したんだけどね。
何より暇だから、そんなことを何回もしていた。神様も何もできないから基本、僕に着いてくるか、母に甘えていた。
そうだ!
この姿でもできる遊びを思いついた。
それは鬼ごっこだ。
ハイハイだけど運動にもなるし、いいと思った。
「あのねーー、鬼ごっこー、しよう!」
「暇だからー、そうしよっかーー。
じゃあーー、始めーはあなたが鬼をやってくれなーーい?」
神様がこういう遊びに付き合ってくれて驚いた。
「子どもっぽい」とか言われてて断られるかと思っていた。
優しい人でよかった。
そして鬼は僕になった。こんな姿だけど、昔から足はすこし速かった。
すぐに捕まえてやる。
「よーい・・・ スタート!」
僕は、始まりと同時にすぐに追いかける。意外に体は動いた。
これなら簡単に捕まえられる!
そう思い、あっという間に神様に追いついた。
よし、あと少し。あと少しで・・・・
そして僕が手を伸ばす。
「捕まえたーーーー」
そう叫んで、つかもうとした瞬間、一気に神様のハイハイするスピードが上がった。
「フフフフフー、ハッハハハハ。君は、私のー、すばしっこさーを忘れたのかーな?」
はっ!!
そう思えば・・・
転生するときのウサギの人形、とても速い動きをしていたな。
まさかあの動きを本当にできるのか!
神様は、あのウサギのように速く逃げた。それでも、僕は諦めず追いかけ続ける。
「待てーーーー!」
やっと追いついた、と思っても急カーブをして、僕が捕まえるのを阻止する。
やり続けていると、足の速さでは勝てないと思い、どうにか頭で考えて、捕まえようとした。
何かいいアイデアはないかと考えながら、周りを見渡してみた。すると簡単に誘い込めそうな角を見つけた。
ここに追いつめると捕まえられる。そう思い実行した。
そして僕は、やっとの思いで角に追いつめた。
「フフフフ、こーれで終わりーですよ」
僕は、考える暇を与えないように、全力でハイハイをした。だが迫った時に右にすこしだけ隙間を作ってしまった。
神様はその隙を逃さず、そこに向かって進んだ。
「よし、神様まぁぁーーー、捕まえたぁーーーー、ってあれーーーー」
ゴンッ
「痛ったぁぁぁぁーーーーー」
結局、捕まえられず、横に逃げ切られた。神様はドヤ顔をしてこちらを向いている。
そして僕は、全力でハイハイしたせいで勢いを止められず壁に頭からぶつかってしまった。
すごく痛い。
久しぶりに怪我をした。
あぁ頭がズキズキする。
それに捕まえれなくて、悔しい。
叫び声を聞いて母は、大急ぎで僕の方にやってきた。
顔を見ると真っ青になっていた。
軽い怪我だから落ち着いて、と言いたい。
「トモヤ! 大丈夫?」
すぐに僕を抱き上げて、どんな怪我をしたのか注意深く観察していた。
軽いものだとわかった瞬間、いつもの優しい顔に戻っていた。
「よかった、大丈夫そうね」
安心はしていたが、傷痕がないかなどしばらく僕の頭を見て、とても心配してくれた。
だが僕が泣かなかったことが不思議だったようで、目が丸くなっていた。
正直な話、僕、十五歳ですからこれくらいでは泣きませんよ。
「泣かなかったんだね、偉い偉い。トモヤは、強くなるね」
そんなことを言われながら頭を撫ぜられていた。母の温もりを知らなかったから心の中で感動していた。
最後に僕の頭にてをあてて、
「念のためにやっておこっかな」
深呼吸をして気持ちを落ち着かせようとしていた。
何をするんだろう?
「水魔法、回復の聖水」
ん?
手から光が発生した。
そこから霧のような青い粒がでてきて、僕の頭に触れた。
水しぶきがかかるような感触だった。
だんだん冷えてきて気持ちいい。
気づいた時にはもう頭の痛みは消えていた。
すごい。これが魔法!
初めての魔法に感動していた。早く僕も操れるようになりたい。
神様はこの治し方が当たり前なのか普通だった。
何より、異世界での醍醐味である魔法が見れた。ああ、とてもいい経験ができた。
魔法とは素晴らしいものだと思う。
3歳に僕たちはなった。
最近になってだが、やっと親の名前が分かった。
母は、ハンナ・フローレス
ということは名字が、フレーレスだから、僕の名前は、トモヤ・フローレス
神様は、セクアナ・フローレス、となった。
僕の暮らしている町にも名前があった。
ハージ村だ。
人口が少ないせいか、他と比べると広いらしい。
そこまで凶悪なモンスターがいるわけではないし、駆け出しの村みたいだ。
そして、完璧にここの国の言語を習得できた!
ちゃんと二足歩行で歩くこともできるし、前世と同じように、普段と変わらないように生活ができるようになった。
今日は、みんなでご飯を作った。
今の季節は冬。寒いから体が温めるために、シチューを食べた。
「今日は手伝ってくれてありがとう。お母さん助かったよ」
「今日のシチューは、みんなで作ったから美味しいね! でも君は、料理が全然できないから野菜を洗う仕事しか、してないけどね。もっと頑張ってよ」
そんなことを言いながら神様は、僕をからかった。
「侵害だな。それを言うならあなただって、包丁でちゃんと野菜を切れてないじゃないでか。ほら、何ですかこの大きさがバラバラなのは。料理、下手くそでしょ」
そういいながら、シチューで大きさがバラバラなのを見つけて、神様の目の前に見せつけた。
悔しそうな顔をして僕の方を見つめていた。
追い討ちのために僕は、すこしうざい口調で、
「はぁー。わかってないな。僕は冷たい水に耐えながら、頑張って野菜を洗っていたのに」
「言ったなー」
両手を机に叩きつけて神様は、怒ってしまった。
たまにこんな喧嘩をしている。
そうしていると大体、母が喧嘩をやめさせようと、僕たちの間に入ってきてくれる。
普通なら対抗しないけど、今は幼児のせいで気持ちを抑えられないことがよくある。
こういう気持ちは、もう少し大きくなると収まるかな……
「喧嘩しないで。二人のおかげでちゃんととできたんだから、味わって食べましょう」
そう言って僕たちの気持ちを落ち着かせてくれた。
毎回、母の一言で喧嘩が終わって、静かになる。
母の力はすごいな。
「さあ、もう食べ終わったし寝る準備をしておいで」
「はーい」
歯磨きやトイレなどをして、そろそろ寝ようとしていた。
この世界に来てからのんびりした生活をしてるな。毎日暗くなるとすぐにご飯を食べて、あまりやることもないから多分8時、9時くらいに寝ているのだろう。
まぁ、まだ3歳だからしょうがないのかな。
「ちょっといい?」
神様は、そんなことを言いながら、僕の腕を掴んであまり使わない、部屋に連れて行かれた。
「話したいことがあります」
そう言いながら、僕の方を向いた。
今まで子どもとして過ごした時の顔ではなく、初めて会った時の真面目な女神様の表情をしていた。
「まず、その・・・ 一応、私達は兄弟なのでせめて名前で呼び合いませんか?」
「・・・・・・あっ!」
本当だ。今考えると、名前で呼んだことはなかったな。たまに僕が神様と呼んでいて、それ以外は熟年の夫婦みたいに、あなたや君などと呼んでいた。
「えっ、でも女神様は神様じゃないですか。僕なんかがそんな軽々しく名前なんか・・・」
「もう私は女神でも神でもありません。そんなものはもう捨てました。ここにいるのは、ただのセクアナです。
ハンナお母さんに育ててもらっている普通の子どもです」
「でも、い、いきなりそれは馴れ馴れしくないですか? ま、まずはみ、名字から・・・」
いきなり異性を名前で呼ぶのは照れる。
「フフフ、照れてるんですか? それに名字、同じですよ!」
「あっ」
「まぁ、いきなりってことじゃないからいいけど、私はもう女神様じゃないよ。普通の人間。
それくらいの覚悟で来てるんだからね!」
「す、すいません・・・」
そうだ。神様はそれくらいの覚悟できてるんだ。僕もそれに答えないと。
「う、うん」と咳払いをして空気を変えようとした。
そしてまっすぐ前を見た。
「では、改めて僕はトモヤです。そのままトモヤと呼んでください」
「はい! 私の名前は知っていると思いますが、セクアナです。トモヤ、これからもよろしくお願いします」
名前で呼ぶようになるだけだが、何だか一気に距離が近づいた気がした。
一つ目の話が終わり、大事な話は続く。
「あまり私たちが入らない部屋で、話をしようとしたのは、理由があります」
すると僕の方にだんだん近づいててきた。
トン。
両手を僕の肩の上にのせた。
「私たちは、サタンを倒すためにこの世界に来ました。そろそろ強くならないといけません。だから明日から魔法を一緒に学びましょう。いや、魔法以外でも色々なことを修行して強くなりましょう」
「やっとですね!」
待ってました、と言わんばかりに、笑顔になった。
この3年間、のんびり過ごしていたせいで、本当の目的を忘れていた。
やっと魔法か。
明日から修行。
とうとう雷魔法が使えるのかな!
そう考えると僕の体は熱くなり、とても興奮してきた。
この日の夜、修行のことが楽しみすぎて眠りにくかった。
次の日、初めての修行ということで朝早く起きた。
いつも僕たちは朝の8時くらいに起きているので母は、驚いていた。
「どうしたの? めずらしいね」
「僕達は将来強くなるために、今から修行してくる!」
僕が自信たっぷりにそんなことを言うと、母は子どもの成長を微笑ましく感じているような表情をしていた。
本に出てくる英雄に憧れて強くなろうとしている、と思われているようだ。
確かにまだ幼いからそんなふうに思われるかもしれないな。
「そうなんだ。頑張りなさいよ」
明るく見送ってくれた。
外に出るとちょうど太陽が昇ってきて、程よい明るさになっていた。
「ふっ、あぁぁーーー」
セクアナは大きなあくびをしながら、背伸びしていた。この人は意外に朝が弱いのか、まだ目がしっかり開かず、眠そうだった。
初めて早起きしたから眠いのも、当たり前か。のんびり暮らすのにすこし慣れていたからな。
「さーて、修行を始めまーーす。まずは、準備体操をしまーす」
そんなことを言いながら頭がかくかくと揺れていた。
本当に眠そうだ。
これではなかなか始めれないと思い、もう一度家に入って冷たい水で顔を洗ってもらった。
ここまでしてやっと目を覚ましてくれた。
「おはようございます。やっと目が覚めました。では、改めて体操をしましょう!」
いつものテンションに戻ったのでやっと修行が始まった。
軽く体操した後、まず魔法について教えてもらった。
「魔法は色々な属性があります。簡単に分けると、3種類で召喚魔法、変身魔法、そして自然魔法です。
自然魔法は火、土、水、風の4種類が起源で、最近は、ここから様々な種類が遺伝によってできています。
大体この中で一種類だけ私達は、操ることができます。滅多にないことですが、2種類の魔法を操れる人もいます。
まぁ私は、水の女神だったので自然魔法の水属性ですね。あなたは設定によって雷魔法ですが…」
「あの・・・ ずっと聞きたかったんですけど何で雷魔法が最弱なんですか?」
「それは、2つの理由があります。まず電気というものがこの世界では見られないからです。家の光は、すべて魔石によって明るくなっているし、電気を見るのは自然災害として起こる雷くらいです。それによって魔法で一番大切なイメージができず、操れないんです。
そしてもう1つは、雷魔法を授かった人が数人くらいしかいないことです。召喚魔法や変身魔法は簡単に制御できますが、自然魔法は制御するのがとても難しいのです。だから、昔の人は研究をして詠唱などによって制御できるようになり、今では、先生や本があります。
しかし雷魔法は、数人しか授かっておらず研究も進んでいないので、操れても体の周りに電気を出すくらいだけです。それに電気を出し続けるのはとても魔力を使います。そして放出することができないこともあり、最弱になってしまったのです」
長い説明が終わると、僕の方を気の毒そうに見つめていた。
「そんな顔しないでください。自分の意思で転生したんですから。ちゃんと制御できるようにします」
心配させないように、笑顔で答えた。
セクアナもいつものように戻り、やっと魔法の修行が開始された。
「さて、まずは自分の魔法、トモヤなら電気をだしてみよう! ……どうぞ」
「……? どうやって?」
「普通にだよ、普通に」
「………? だからどうやって?」
もしかしてこの人、感覚で教える人かな。
やばいよ。
そんな教え方なら僕、このまま最弱で人生終わってしまうよ。
セクアナも、意味がわからなかったのか首を傾げていた。
「あっ、そうかごめん。この世界の常識なんて知らないよね。えっと、まず深呼吸をして心を落ち着かせましょう」
「スゥー……ハァーー」
「そして、自分の手のひらをじっと見つめて、体の中から雷を出すようにイメージをしましょう。あとは魔法を出すことだけに集中して!」
この練習は一番しんどいらしい。なかなか魔法を具現化できなくて、精神的に辛いからだ。それでも、魔法を使うためには誰もが通る道らしい。
これさえできれば少しは楽になるかも。
まぁ、僕は最弱の魔法だから他の人よりもっと頑張らないといけないけどね。
「ぐぬぬぬぬ・・・」
「ふーーー・・・」
「はぁぁぁーーー・・・・」
「あっ、蝶々! 待ってー」
「・・・・・・・」
「こっち、こっち、 来ーい」
「雷・・・ 出てこい・・・・・」
「あっ、止まった!」
「・・・・・・あーーー、もう、うるさいーーーーい!」
僕の大声にセクアナは、肩を震わせて驚いていた。少し怖がってこちらをむいていた。
「セクアナ! ていうか、神様!? 集中しているんだから乱さないでください」
結構大きな声で怒ったので、少し涙を浮かべて反省していた。
「すいません。あまりに綺麗蝶々が飛んできたので」
「全く、反省したならいいです」
腕を組みながらそう言った。
「セクアナは練習しなくていいの? 魔法、使えないでしょ」
「何言っているんですか。私はもとから使えますよ。ほら、初めて会った時、ウサギの人形を動かしていたじゃないですか」
そういえば、人形が動いていたな。
あれって魔法だったんだ。不思議な空間だったから勝手に行動していると思っていた。
セクアナは手のひらを出していた。
「見ていてくださいね」
深呼吸をして気持ちを落ち着かせて、手のひらに集中していた。しばらくは、静かで何も起こらなかったがすぐに小さな水滴が集まって、こぶし大の水の球ができていた。
「うわぁーーー!」
パシャン。
見せ終わったら、すぐにつぶれた。
多分、とても集中力がいるのだろう。
「どうでした? 本当はもっと使えたんですが、子どもの姿になると、どうも魔力が弱くなってしまうんですよね」
僕と同じレベルだと思っていたから少し悔しい。僕も負けないように、再び練習しようとしていた。
「本当は、5歳くらいからこの練習をするんですが、やっぱり早い方がいいかなと思って。まぁ、私も今から頑張りますのでまずはこれをできるようになってください」
「放出することはできますか? ぜひイメージのためにもできるなら見してほしんですけど」
「えっ。放出ですか… 一応頑張ってみます。スーーー、ハァーー」
さっきと同じように、こぶし大の水の球ができた。
「スーーー、ハァーー・・・・・・・
はっ! アクアボール」
その声と同時に高速で水弾が飛んで行った。
「おお。出た!」
ガシャン
上手に魔法を放出できたのだが、その水弾は母が大切そうに育てていた植物の植木にあたってしまった。
「あっ!?」
「うわぁ!」
「やばいよセクアナ」
「どうしよう、どうしたらいいかな?」
一度、これを壊してとっても怒られたことがあったからとても焦った。今までで、その時の母の顔が一番怖かった。
「こほん……」
「……」
「……」
気がつくと後ろには、母が立っていた。
僕たちは、顔が真っ青になりながらもゆっくりと振り向いた。
母は笑っていた。だが、目だけは笑っているように見えない。絶対すごく怒ってる。
「魔法の修行か・・・ 練習するのはいいけれど、大切な植物に向けてやるのはやめなさいよ。次やったら・・・・どうなるかわかるわよね」
「・・・すいませんでした!!」
同時に、僕とセクアナは深々と頭を下げて土下座をした。
今回は、そこまで怒鳴られなかったから安心した。
それにしても怖かった。
「今日は、もう魔法の練習はやめましょう…」
よほど母が怖かったのか、今日は魔法の修行は終わった。
まだセクアナの声は、怯えているように聞こえた。
「さて、気を取り直して次は鍛錬をしましょう。鍛錬をすることによって体力や集中力、筋力がつくので結果的に魔法の力も伸びます。きついことですが、まぁ頑張りましょう」
「えっと、まず何をすんですか?」
「そうですね。簡単にいうと筋トレ、走り込みなどなど、基本的に体作りをします」
「分かりました。あの・・・ 剣術とかってありますか?」
「一応ありますが、私達の体では筋力がないのでまずは、筋トレですね」
そう言いながら、体作りのために筋トレを行った。
ただ、実際にやってみると腕立てや腹筋が全然できない。あぁ、今まで怠けていたことや、子どものせいで一、二回できて限界がきた。
セクアナは、頑張っているが腕立ては、全滅状態で一回すらできずに崩れていた。無駄に足には筋力があるのにな。
だんだんやってくると前世の感覚もあり10回はできるようになった。改めてセクアナを見ると、2回くらいしかできていない。脚力で負けていたから悔しかったが、腕がプルプル震えているところを見ると面白かった。初めて女神様に勝てる要素を見つけれて、すこしうれしかった。
修行をしていると正午くらいになっていたから、疲れも出てきたので昼食を食べて休憩することにした。
家に入ると、母はカレーを作ってくれていた。
「お母さん。昼はカレー?」
「そうだよ」
まだ植物のことで怒っているのか顔を合わせてくれなかった。けど、疲れた時にスタミナがたくさん取れるカレーを作ってくれて、母の愛情がとても伝わってきた。
本当、大事に育てていた植物を壊してしまいすみませんでした!?
昼からは、ランニングをした。
「できるだけ私のペースにあわしてよ! そうじゃないと体力つかないから」
そう言われ、できるだけ頑張った。
でもセクアナは、足が速いので僕の力では追いつけなかった。途中でペースを合わせてくれたから最後まで走り切りたいと思う。
大体のコースは畑がある広いところの道や、赤ん坊の頃、たまに母が連れて行ってくれた山を登ったりした。
ここは田舎だから自然が豊かで景色が良く、走っていても飽きない。それにたくさんの動物とも出会えて、とても楽しい。たまに小型の動物を見つけると休憩して、もふもふの毛並みを触って癒されている。
「さぁ、今日は山に登って・・・あれ? トモヤ・・・」
さっきまで近くにいたトモヤの姿がなかった。
しばらく近くを探してみると、結構距離の離れたところにいた。
「おーい、トモヤ! どこ行ってたの?」
「え? すぐそばにいたんですけど・・・」
不思議そうに首を傾げていた。
「もしかしたら、すこし方向音痴だからそのせいかも!」
「ふーん、そうなんだ。これからは気をつけてよ!」
「うん!」
「じゃあ、今日は最後に山登り」
「いいですね」
セクアナはこの時、何とも思わなかったが、これから何度もトモヤの方向音痴に悩まされるのであった。
そして今日の最後の修行メニュー。
山の頂上に着いた。
「うぁわーーー」
「ふーーー」
何回ここにきても素晴らしい景色に感動する。そしてその近くで流れる川の水は美味しい。疲れが全て吹っ飛ぶようだ。
太陽が山に沈む頃、僕たちは家に帰ってきた。
あまりに疲れたのでご飯を食べたらすぐにベットで寝ていた。
今日は疲れたな。
魔法のイメージが少し分かったから、次から使えるといい。
それから五か月くらいたった。
大体、修行は週に2回くらい休みがあり、学校と同じ感じだ。
ランニングや、筋トレに慣れてきて体力がしっかりついた。この頃から剣術の練習が始まった。剣はランニング中、森などでいい大きさの枝を見つけて、ナイフで形を作った自家製の木刀で練習した。
意外に持ってみると重たかった。
慣れるまでに時間がかかりそうだな。
そんなことよりも僕は、とても不安に思っていることがある。それは魔法だ。ずっと電気を出すことを意識していたが全然だせない。
どうしたらいんだろう?
早く操りたい。
剣の修行は、素振りから始まった。
「えいっ、やぁ、とう」
一応、声を出す方が力は入るので出した。しかし剣が重いことや、慣れていないから真っ直ぐ振ることができなかった。
だいたい100回くらい素振りはやった。
「セクアナ! 剣術は他にどんなことをやるの?」
そう聞いたが、困った顔をしていた。
「その・・・・ 剣術のことなんですど、本当は型とかありますがそういうのを知らなくて、いきなり実戦形式でやりません?」
「いきなりですね。確かに、女神様でも知らないことはありますよね。すみません、僕も最近、セクアナの言うことに頼りすぎていたかもしれません。実戦の方が早く、強くなれると思うし、じゃあ、そうしよ!」
「あっ。でもこの木刀のままだと怪我をしてしまうからこうしよ」
そう言って僕は、衝撃を和らげるために、木刀を布でぐるぐる巻にした。
そして木刀も出来上がり、実戦形式で練習をした。
「では行きますよ。よーい・・・・・」
「はじめ!」
合図と同時にお互いが踏み込んだ。
カツン
僕とセクアナの剣がぶつかり、静止した。こうなったら腕の力が強い僕の方が有利になり、このまま押し勝てると思った。しかしセクアナは、足の力が強いので、後ろにジャンプして下がり攻めきれそうだった間合いが開いた。
お互いに得意な力を生かせたので同じ強さだった。
最終的に、僕がおもいっきし振った剣をセクアナは受け止めきれず剣を離してしまい、始めの勝負は勝った。
2戦目は、セクアナのすばしっこく、動いてその動きに対応できず、一本取られた。
結果ほぼ引き分けで終わった。初めてだが色々反省点も見つかりいい経験になった。
修行も終わり、疲れたので木の影に入って昼寝をしようとしていた。
正直、今は剣術より電気を出せず、不安だった。だから暇な時間があれば練習していた。今は疲れているし、手のひらを出していると電気が出ないかな、と淡い期待を持ちながら寝転がった。
そんなことをしていると発電工場のみんなのことを思い出していた。
どんな暮らしをしているのだろう。
今の自分の姿をみてほしいな。
確か発電は、蒸気の力によって羽を回してそれを発電機によって電気を作っていたなぁ。それを放出するイメージを持つと電気が発生するかな?
軽くそんなことを考えていた。すると。
ビリッ、ビリビリッ
手のひらを見ると青い電気が発生していた・・・・・・
「やったぁぁぁぁーーーーー!!!」
僕は今日、やっとの事でスタート地点に立った。
セクアナもその光景を見ていた。そしてとても驚いていた。
「えっ・・・・ もう魔法を使えたんですか? すごい。私、初めてトモヤとこの世界に来て良かったって思ったよ」
「初めて思ったんですか! 結構心に刺さる言葉なんですけど」
そんな冗談を言いながらも、本当に電気を出せた。
まだまだ、セクアナには追いつけないが、今は素直に喜んだ。
それにしても、嬉しい。夢が叶って本当に嬉しい。もっと使えるようになりたい。今日のことで不安な気持ちは、すでになくなっていた。
次の日も挑戦した。昨日の感覚がすこしあり、今日も出せた。
何回もやっていると本当にイメージが大切と言うことがわかる。それによって発生する雷に差があるからだ。
イメージをちゃんとできなかったら静電気のような微小なものしか出ず、しっかりできていると大きな電気が発生した。
そして色々な発電をイメージして、一番強く電気が発生したのは水力発電だった。
多分今、僕が暮らしているところが田舎で、近くに川も流れているから一番イメージしやすかったのだろう。
数日、この水力発電をイメージして雷を何回も発生させた。するとだんだん慣れてきたのか、魔力量が増えたのかわからないが、ようやく体の周囲に電気を集めるくらいに成長した。
「成長が早いね。もうそれくらい集めることができたなら、放出の練習をしたら? 十分な魔力量だと思うよ」
「そうですか? じゃあやってみます」
「まぁ、そんな簡単に放出はできないよ。もしかしたら何十年もこの練習に苦戦するかもしれないけど頑張れ」
絶対に放出はできないと、舐めているような口調で言われた。
舐めんなよ。絶対すぐに成功してやるからな。
すこし落ち着いてから、放出できるようにイメージを考えた。
確か、雷にはプラス極とマイナス極があって、お互いに引きつけあって雷が地上に落ちていたな。
じゃあ、どちらかの極を狙っているものに向けるイメージをすると放出できるのでは?
そう考え、僕は頭の中でプラス極を狙っているものに集めてマイナス極を自分の方に集めるイメージを作った。
よし、イメージはかたまった。あとは雷が一気に落ちてくることを想像して・・・・・・ 今だ!
「はっ!」
その声を上げると同時に、僕の手から電撃が放出された。
「・・・・・・・えっ!?」
セクアナは、何が起きたかわからずしばらく固まっていた。
「うぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーー!!」
喜びのあまりとても大きな声で叫んでいた。
まさかの一発成功。
「やったぁぁぁーー」
ガッツポーズをして大きく空の上に突き出していた。
「ウソ・・・・ 嘘だ。こんな、こんなに早く雷を放出するなんて、あぁ・・
今まで何百年と頑張ってきた人たちがいるのに」
セクアナは頭を抱えて、ひとりで静かにそんなことを言っていた。
「嘘だ。そんなこと・・・」
ここまで落ち込んでいるのはみたことがなかった。
僕が雷を放出できたのに、喜ぶどころか落ち込んでいるセクアナを見て、ムッとしてしまう。
すごいことをしたから褒めて欲しかった。
ガシャン、ガシャン・・・・・
ん?
何かが壊れた音がした。そしてよく見ると、また母が大切に育てていた植木が潰れている。
・・・・・・やばい!
僕とセクアナの体から冷や汗がドバドバと出る。
「やったなーーー」
恐る恐る後ろを振り向く。
母がドアから覗き込むように顔を出していた。
始めは怒っているように見えたけど、途中から驚きの顔になっていた。
あれ、どうしたのかな?
「トモヤ・・・・・ その魔法は、もしかして雷?」
まだ、電気を腕の先にすこしだけ出していた。
そう思えば、初めて自分の魔法を母に見せる。
驚いてくれるかなと期待していたが、セクアナと同じ様に、僕をかわいそうな目で見ていた。
はぁーーー。やっぱりみんなそんな表情をするんだな。子どもが成長したから笑ってほしいかったのになぁ。
悲しい気持ちもあったが、植木を壊してしまったので怒られると思って、すこし緊張していた。
「はいっ、その通りです。すみません、植木を壊して・・・・」
バサッ
僕は暖かい何かに包まれていた。気がつくと母にハグをされていた。
いきなりのことで頭が混乱していた。
何これ?
新手の説教?
まだ何をされるかわからず怯えていた。
すると、
「なにがあっても私はトモヤのことを守るから安心して」
「・・・・?」
優しい声でそんなことを言われた。その言葉を聞いて僕を励ましてくれていることがわかった。
そんなにこの世界で雷魔法は、生きにくいのかな?
何よりも母のハグはとても温かい気持ちになった。
近くにいたセクアナも近づいてきて、頭をぽんぽんと撫でくれた。そして耳元に顔を近づけて、
「大丈夫!」
と小さく呟いてくれた。
この世界で雷魔法を操って暮らすのはどれだけ大変か今はわからないわからない。
しかしそれでも、この二人の笑顔を守るためにこれからも修行をして、力強く生きようと、誓った。
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