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学園編-学園武術会
障落ち
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今の自分が不幸だ……なんて思ったことはない。
あの日、あの時……私にあの人が助けられたなんて思っていない……
ただ……私の能力が後悔《ときもどし》……
もし、取り戻せるのなら……やり直せるのなら……
結局、私が出来る事《つぐない》なんてそれくらいだろう……
壊れたっていい……間違っていたっていい……
・
・
・
何年前だ?
私がまだ……11歳だった時……
時戻しの能力も……両手に宿る闘気も……
今より、遥かに劣っていて……
それでもその頃の同い年の者からすれば、それでも私は脅威だった。
その日も、数人の男子に因縁を付けられたが、
全員を返り討ちにしてやった……
そして、決まっていつも、勝者は悪《わたし》だった……
ただ……いつも私を呼び出す、一人の教師だけは少しだけ他の奴とは違って……
「まったく……顔が傷だらけじゃないか……せっかくの美人が台無しだよ」
ひょろっとした少し頼りない男教師……
「別に……群がっていきがってる野郎をぶっとばしただけ……それに何?美人?誰が?11歳の子供《がき》捕まえて何言ってるの?」
そう目の前の教師に返す。
「……うーん、レイフィスは数年後には美人になってると僕は思うけどね……」
そう返し、少しだけ立場を弁えるように苦笑する。
「くだらない……私はただ……あいつらに負けたくないだけ……誰に頼ることなく、私を守るだけ」
そう返す。
「うん……立派だね……僕なんかよりもずっと……」
そう教師が私に返す。
障落《さわりお》ち……
あの頃は……割と頻繁に起きていたっけ……
学園の進歩……皆が自分の魔力を上手く制御できるようになり、
その後は聞かなくなるが……
何かが原因で己の能力、魔力が侵され……病に落ちる、障落ち……
最終的には化け物のような姿で己の能力に身体を乗っ取られる。
無作為に人を襲うだけの化け物……
人であったときは、その人の魔力や適正で制御されてそれほど脅威でない能力もその障落ちした者はかなりの脅威となる……
自分がきっかけとなったのかはわからない……
いつものように数人の近い年頃の男子にからまれて、返り討ちにした……
その一人が苦しむように黒い霧に覆われて……
真っ黒い球体の化け物に姿を変えた。
彼の能力は猛毒……
人であったころの彼はそれほど脅威と感じる能力では無かった……
だが……
球体は仲間であったクラスメイトを飲み込むように……
そして、その毒で彼等を侵していく……
震える……
それでも、不思議と足は動き、わたしはそいつに立ち向かう。
拳が球体に飲み込まれるように突き刺さり……
「うっ……」
一瞬で紫色に変色した自分の腕に恐怖と不快を覚える。
「戻れっ」
慌ててそう言い、当時の巻き戻せる時間は今よりも遥かに短い時間ではあったが、
変色する前の自分の腕がそこにあり、少し安堵する。
振り返り……逃げるか?
……よくわからないプライド……それに……
先ほどまで殴り合っていた相手だとはいえ……
障落ちした化け物に取り込まれた彼等を見捨てるのか……?
迷っているうちに化け物が触手のようなものを伸ばすと右手に絡みつく。
「ひっ……」
思わずそんな情けの無い悲鳴をあげる。
必死に振り払い……
「戻れっ」
毒される前の身体に戻る……
だが、すぐに新しい触手が1本、2本と迫ってくる。
恐怖に目を瞑るが、それは届くことなく……
両腕に闘気を纏った教師が立っていて……
「無事かい……?よかった」
そう、にこりと微笑む。
「闘拳……僕の拳《のうりょく》は、その魔力を拳に乗せて攻撃するのと同時に、僕の魔力を凌駕しないデバフ効果を無力化して攻撃できる」
そう自分の能力を説明する。
そう……わたしがこの人からこの先に授かる能力……
「猛毒か……随分と厄介だが……僕の能力なら」
そう教師は両腕に闘気を宿し……その球体を破壊するため目標を目視する。
「……せんせい、あの中には……」
クラスメイトが……
「……教師失格かもしれないけど……僕が今助けられる命はね、限られているんだ」
そう、私を見てさびしそうに笑った。
「過去を見捨て……今を助ける……未来《きみ》を助ける……」
そう再び、敵《ばけもの》を目視する……
「くっ!?」
触手が伸びてくる……
さすがの先生もその触手を闘気の宿った腕以外で防ぐわけにはいかない。
その両腕で伸びた触手を弾き返すが……
「きゃっ!?」
私の身体に巻きつき……化け物は私の身体を自分の身体の中に飲み込んだ。
毒の侵食があっという間に身体を侵していく。
「戻れっ」
当時の私の能力では巻き戻しで毒に侵される前に戻せても、その体内に取り込まれる前に時間を戻すことはできなく、すぐに身体は毒に侵されていく。
「戻れっ」
繰り返すように言葉を唱え続ける。
後は、私の魔力がどこまで持つか……の問題だ。
魔力が尽きれば、時間戻しができなく、毒に侵され……全てが終わる。
数分前に取り込まれただろうクラスメイト……
同じ体内に取り込まれたはず……でも息の根は聞こえてこない……
そして、数分後には私も……
その前に先生が……私ごとその拳で化け物を消滅させるだろう……
あっけない人生だった……
こんな能力……巻き戻し……
いったい何をやり直せるというのか……
「戻れっ」
「戻れっ」
それでも恐怖に怯え、泣きながらもその猛毒から身を逃れる自分に嫌気を覚える。
早く…早く……終わらせて。
先生の拳が私ごと化け物を……早く……早く。
「戻れっ」
「戻れっ」
懸命に言葉を繰り返す。
魔力の限界は近い……なのに終わりは訪れない……
そして……
球体を形どっていた触手を一枚、一枚引き剥がすように……
「見つけた……」
軟弱とさえ思っていた教師は、やはりいつものように優しく笑いそこに立っていた……。
その闘気の宿った腕で丁寧に触手を一枚、一枚引き剥がし、
そして、毒されることのなかったその両腕の右手で私の左腕を掴みあげると、その体内の外へと投げ飛ばした。
……もう、手加減の必要はない……
教師は再び唯一変色のしていない両腕に再び闘気を宿すと……
思わず魅入られるその一撃を化け物に繰り出し障落ちした生徒は消滅する……
周辺には、私を探す時に見つけたであろう、ほかのクラスメイトが地に転がっている。
もちろん、息をしているものはいない……
助かったのは……情けなく過去の自分にすがったわたしだけ……
そして……
「せんせいっ!!」
私を助けてくれた教師も体中猛毒に犯されて……その場に膝を着く……
「よかった……無事……なんだよね?」
そう……虚ろな目で……
「せんせいっ!せんせいっ!」
そう何度も叫ぶ。
「戻れっ戻れっ」
そう何度も叫ぶ……
もちろん、望んでいる事は起こらない。
彼《せんせい》の身体は元に戻らない。
私の能力の対象は私だけだ。
「……どうして……」
泣きじゃくる、私のそんな言葉に……
「過去ではなく、今を大事にしたかったから……かな……」
その教師の言葉の意味はわからなかった……
「どうして……わたしなんか……」
私より自分を……
私ごと、化け物を早々にその拳で叩き潰していたら……
「単純に……君を助けたかった……」
そう教師は言う。
「……どうして……」
その繰り返す言葉に……
「……どうして?……そうだな……単純に君は将来美人になりそうだったからかな」
そう慣れないナンパ染みた行為を恥じるように照れくさそうに笑い……
「……一つだけ……」
そう教師が何かを望むように私を見る……
「僕の能力《ちから》は……他人に伝承できるんだ……」
そう教師は残る力で私の目を見ながら……
「……もらって……欲しいんだ」
そう乞う。
「……どうして……」
どうして私なんかに……
どうして全てを奪ったわたしに……
「過去《ぼく》は見ず……今《きみ》を見たい……」
それが、今日……僕が生きていた……理由だ。
そう言って、強引に私の手を取る教師……
一人の人間が二つの能力を手に入れる……そんなことが……
もちろん、二つの能力を持つということは、
それに担うだけの魔力を要する……
「だから……僕の変わりに……君《いま》を生きて……」
がくりと私に能力の授けた腕は重力を逆らうのを止めて……
「いやだ、戻れっ戻れっ!!」
私は必死に言葉を繰り返す……
私の能力はそんな私の望みを叶える訳もなく……
託された罪《ねがい》だけが私の枷となる……
この持ち合わせた能力《わたし》の力……
この託された能力《かれ》の力……
使いこなさなくては……
あの程度の化け物に……
負けることなど二度は許されない……
過去を繰り返すな……
今を誰にも負けず生き抜くんだ……
強い…強い魔力が必要だ……
私の能力、そして託された能力……
どちらも使いこなす……
最凶……わたしは誰もが屈するそんな存在になろう……
最凶《いま》を生きろ……
・
・
・
そんな昔の記憶に……
そんな昔の人物と目の前の転入生《おとこ》を重ね合わせる……
「……今度こそ……運命……だろ……レス君、君が私の前に現れたのは……」
そう呟きながら……
「失うものか……やっとやり直せるんだっ!!」
遥か過去を目視するように、俺を見る……
通常では有り得ない……のだろう、二つ目の能力……
闘気を両腕に宿す……
闇に身体を染めてまでも使いこなす二つの能力……
「さぁっ!!」
始めよう。
脅威に満ちた目の意味も……
その闇に染めた覚悟も……
俺も、オトネも……そして、誰《キルエさえ》も知らないのだろう……
そんな決意も……今の俺は理解してやることはできない……
そして、もしそれを理解してやれたとしても……
負けてやるわけにはいかない……
オトネと共に……
文字通りのその最凶を攻略する……
オトネを英雄にするんだ……
俺を信じて……捕らえられる者がいる。
俺を信じて……自分たちの責務を全うする者がいる。
俺を信じて……学園を裏切り手を貸してくれる者がいる。
文字通りの最凶《きょうてき》だ……
今まで以上に……難解だ……
考えろ……考えろ……
てめぇの出来る事をただ……
そして助けろ……
隣でお前を信じて助っ人に来てくれた少女《オトネ》を……
そして……
目の前で過去に囚われる彼女《レイフィス》を……
それは……
きっと……その最凶《かのじょ》を打ち倒す事で証明される……
だから……逃げるな……
考えろ……それを叶える方法を……
無能《おまえ》が出来るのはそれだけだ……。
あの日、あの時……私にあの人が助けられたなんて思っていない……
ただ……私の能力が後悔《ときもどし》……
もし、取り戻せるのなら……やり直せるのなら……
結局、私が出来る事《つぐない》なんてそれくらいだろう……
壊れたっていい……間違っていたっていい……
・
・
・
何年前だ?
私がまだ……11歳だった時……
時戻しの能力も……両手に宿る闘気も……
今より、遥かに劣っていて……
それでもその頃の同い年の者からすれば、それでも私は脅威だった。
その日も、数人の男子に因縁を付けられたが、
全員を返り討ちにしてやった……
そして、決まっていつも、勝者は悪《わたし》だった……
ただ……いつも私を呼び出す、一人の教師だけは少しだけ他の奴とは違って……
「まったく……顔が傷だらけじゃないか……せっかくの美人が台無しだよ」
ひょろっとした少し頼りない男教師……
「別に……群がっていきがってる野郎をぶっとばしただけ……それに何?美人?誰が?11歳の子供《がき》捕まえて何言ってるの?」
そう目の前の教師に返す。
「……うーん、レイフィスは数年後には美人になってると僕は思うけどね……」
そう返し、少しだけ立場を弁えるように苦笑する。
「くだらない……私はただ……あいつらに負けたくないだけ……誰に頼ることなく、私を守るだけ」
そう返す。
「うん……立派だね……僕なんかよりもずっと……」
そう教師が私に返す。
障落《さわりお》ち……
あの頃は……割と頻繁に起きていたっけ……
学園の進歩……皆が自分の魔力を上手く制御できるようになり、
その後は聞かなくなるが……
何かが原因で己の能力、魔力が侵され……病に落ちる、障落ち……
最終的には化け物のような姿で己の能力に身体を乗っ取られる。
無作為に人を襲うだけの化け物……
人であったときは、その人の魔力や適正で制御されてそれほど脅威でない能力もその障落ちした者はかなりの脅威となる……
自分がきっかけとなったのかはわからない……
いつものように数人の近い年頃の男子にからまれて、返り討ちにした……
その一人が苦しむように黒い霧に覆われて……
真っ黒い球体の化け物に姿を変えた。
彼の能力は猛毒……
人であったころの彼はそれほど脅威と感じる能力では無かった……
だが……
球体は仲間であったクラスメイトを飲み込むように……
そして、その毒で彼等を侵していく……
震える……
それでも、不思議と足は動き、わたしはそいつに立ち向かう。
拳が球体に飲み込まれるように突き刺さり……
「うっ……」
一瞬で紫色に変色した自分の腕に恐怖と不快を覚える。
「戻れっ」
慌ててそう言い、当時の巻き戻せる時間は今よりも遥かに短い時間ではあったが、
変色する前の自分の腕がそこにあり、少し安堵する。
振り返り……逃げるか?
……よくわからないプライド……それに……
先ほどまで殴り合っていた相手だとはいえ……
障落ちした化け物に取り込まれた彼等を見捨てるのか……?
迷っているうちに化け物が触手のようなものを伸ばすと右手に絡みつく。
「ひっ……」
思わずそんな情けの無い悲鳴をあげる。
必死に振り払い……
「戻れっ」
毒される前の身体に戻る……
だが、すぐに新しい触手が1本、2本と迫ってくる。
恐怖に目を瞑るが、それは届くことなく……
両腕に闘気を纏った教師が立っていて……
「無事かい……?よかった」
そう、にこりと微笑む。
「闘拳……僕の拳《のうりょく》は、その魔力を拳に乗せて攻撃するのと同時に、僕の魔力を凌駕しないデバフ効果を無力化して攻撃できる」
そう自分の能力を説明する。
そう……わたしがこの人からこの先に授かる能力……
「猛毒か……随分と厄介だが……僕の能力なら」
そう教師は両腕に闘気を宿し……その球体を破壊するため目標を目視する。
「……せんせい、あの中には……」
クラスメイトが……
「……教師失格かもしれないけど……僕が今助けられる命はね、限られているんだ」
そう、私を見てさびしそうに笑った。
「過去を見捨て……今を助ける……未来《きみ》を助ける……」
そう再び、敵《ばけもの》を目視する……
「くっ!?」
触手が伸びてくる……
さすがの先生もその触手を闘気の宿った腕以外で防ぐわけにはいかない。
その両腕で伸びた触手を弾き返すが……
「きゃっ!?」
私の身体に巻きつき……化け物は私の身体を自分の身体の中に飲み込んだ。
毒の侵食があっという間に身体を侵していく。
「戻れっ」
当時の私の能力では巻き戻しで毒に侵される前に戻せても、その体内に取り込まれる前に時間を戻すことはできなく、すぐに身体は毒に侵されていく。
「戻れっ」
繰り返すように言葉を唱え続ける。
後は、私の魔力がどこまで持つか……の問題だ。
魔力が尽きれば、時間戻しができなく、毒に侵され……全てが終わる。
数分前に取り込まれただろうクラスメイト……
同じ体内に取り込まれたはず……でも息の根は聞こえてこない……
そして、数分後には私も……
その前に先生が……私ごとその拳で化け物を消滅させるだろう……
あっけない人生だった……
こんな能力……巻き戻し……
いったい何をやり直せるというのか……
「戻れっ」
「戻れっ」
それでも恐怖に怯え、泣きながらもその猛毒から身を逃れる自分に嫌気を覚える。
早く…早く……終わらせて。
先生の拳が私ごと化け物を……早く……早く。
「戻れっ」
「戻れっ」
懸命に言葉を繰り返す。
魔力の限界は近い……なのに終わりは訪れない……
そして……
球体を形どっていた触手を一枚、一枚引き剥がすように……
「見つけた……」
軟弱とさえ思っていた教師は、やはりいつものように優しく笑いそこに立っていた……。
その闘気の宿った腕で丁寧に触手を一枚、一枚引き剥がし、
そして、毒されることのなかったその両腕の右手で私の左腕を掴みあげると、その体内の外へと投げ飛ばした。
……もう、手加減の必要はない……
教師は再び唯一変色のしていない両腕に再び闘気を宿すと……
思わず魅入られるその一撃を化け物に繰り出し障落ちした生徒は消滅する……
周辺には、私を探す時に見つけたであろう、ほかのクラスメイトが地に転がっている。
もちろん、息をしているものはいない……
助かったのは……情けなく過去の自分にすがったわたしだけ……
そして……
「せんせいっ!!」
私を助けてくれた教師も体中猛毒に犯されて……その場に膝を着く……
「よかった……無事……なんだよね?」
そう……虚ろな目で……
「せんせいっ!せんせいっ!」
そう何度も叫ぶ。
「戻れっ戻れっ」
そう何度も叫ぶ……
もちろん、望んでいる事は起こらない。
彼《せんせい》の身体は元に戻らない。
私の能力の対象は私だけだ。
「……どうして……」
泣きじゃくる、私のそんな言葉に……
「過去ではなく、今を大事にしたかったから……かな……」
その教師の言葉の意味はわからなかった……
「どうして……わたしなんか……」
私より自分を……
私ごと、化け物を早々にその拳で叩き潰していたら……
「単純に……君を助けたかった……」
そう教師は言う。
「……どうして……」
その繰り返す言葉に……
「……どうして?……そうだな……単純に君は将来美人になりそうだったからかな」
そう慣れないナンパ染みた行為を恥じるように照れくさそうに笑い……
「……一つだけ……」
そう教師が何かを望むように私を見る……
「僕の能力《ちから》は……他人に伝承できるんだ……」
そう教師は残る力で私の目を見ながら……
「……もらって……欲しいんだ」
そう乞う。
「……どうして……」
どうして私なんかに……
どうして全てを奪ったわたしに……
「過去《ぼく》は見ず……今《きみ》を見たい……」
それが、今日……僕が生きていた……理由だ。
そう言って、強引に私の手を取る教師……
一人の人間が二つの能力を手に入れる……そんなことが……
もちろん、二つの能力を持つということは、
それに担うだけの魔力を要する……
「だから……僕の変わりに……君《いま》を生きて……」
がくりと私に能力の授けた腕は重力を逆らうのを止めて……
「いやだ、戻れっ戻れっ!!」
私は必死に言葉を繰り返す……
私の能力はそんな私の望みを叶える訳もなく……
託された罪《ねがい》だけが私の枷となる……
この持ち合わせた能力《わたし》の力……
この託された能力《かれ》の力……
使いこなさなくては……
あの程度の化け物に……
負けることなど二度は許されない……
過去を繰り返すな……
今を誰にも負けず生き抜くんだ……
強い…強い魔力が必要だ……
私の能力、そして託された能力……
どちらも使いこなす……
最凶……わたしは誰もが屈するそんな存在になろう……
最凶《いま》を生きろ……
・
・
・
そんな昔の記憶に……
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「……今度こそ……運命……だろ……レス君、君が私の前に現れたのは……」
そう呟きながら……
「失うものか……やっとやり直せるんだっ!!」
遥か過去を目視するように、俺を見る……
通常では有り得ない……のだろう、二つ目の能力……
闘気を両腕に宿す……
闇に身体を染めてまでも使いこなす二つの能力……
「さぁっ!!」
始めよう。
脅威に満ちた目の意味も……
その闇に染めた覚悟も……
俺も、オトネも……そして、誰《キルエさえ》も知らないのだろう……
そんな決意も……今の俺は理解してやることはできない……
そして、もしそれを理解してやれたとしても……
負けてやるわけにはいかない……
オトネと共に……
文字通りのその最凶を攻略する……
オトネを英雄にするんだ……
俺を信じて……捕らえられる者がいる。
俺を信じて……自分たちの責務を全うする者がいる。
俺を信じて……学園を裏切り手を貸してくれる者がいる。
文字通りの最凶《きょうてき》だ……
今まで以上に……難解だ……
考えろ……考えろ……
てめぇの出来る事をただ……
そして助けろ……
隣でお前を信じて助っ人に来てくれた少女《オトネ》を……
そして……
目の前で過去に囚われる彼女《レイフィス》を……
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◇◆◇◆◇◆◇◆◇
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