異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。

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異世界編ー創造者

父親

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 「一度ならず二度……恥《なさけ》をかけるか……」
 ゆっくりと体制を整えるとこちらを睨みつける。

 「わかったよ……ライト……一切の手加減は捨てる」
 魔力の剣が荒ぶるように……
 チリチリと火花のような魔力の線が散っている。

 じっとその姿をライトが瞬きもせずに見ているが……

 「なっ!?」
 俺、そしてライトさえも一瞬でその姿を見失う。
 
 「ぐっ」
 突如目の前に現れたリエンが聖剣を横に払うように、
 ライトの腹部をとらえると斬撃が衝撃に変換され、
 ライトの身体が後方に吹き飛ばされる。

 「ちぃ」
 俺は咄嗟に結界で吹き飛ばされるライトの身体を受け止める。
 とはいえ、結界に衝突するように止める形だ、あまり紳士的とも言えないが……

 そんな心配をしていたが……

 一瞬でリエンの身体が俺の前に現れる。
 
 「……っ!?」
 同じように腹部にその一撃を入れられ、後ろに吹き飛ぶ。

 「レスッ!!」
 そう心配するように叫ぶライトの声。

 「なっ!?」
 そして、目の前にはリエンの姿はなく……
 目に魔力を送る……
 自分の右側にかすかに人の気配を読み取り……
 右腕に結界の魔力を宿すとその一撃を受け止める。

 が、すぐに刃を引き、距離を取ると
 再び姿を消す。

 「……レス」
 そんな、俺とリエンの間に入り込むとその一撃をライトが防ぐ。

 再び……リエンが俺たちと距離を取る。
 その驚異的なスピードと剣捌き……
 素直に恐怖を覚えながらも……

 そんな父《すがた》を冷静に見るライトの能力《ひとみ》……
 
 リエンとライトの姿が同時に消える。
 そして、突然互いの刃を交えるように姿を見せては再び消え、
 離れた場所で再び刃を交えるように現れる。
 緑《まりょく》の目を持ってしてもやっと追えるレベル。

 だが……最後はその父の魔力《つるぎ》に競り負けるように、
 ぐらりと体制を崩し俺の前に来る。

 「魔力に乱れがある……魔法剣《まりょく》がうまく形をなしていない」
 そう、リエンがライトの魔力の剣を見て言う。

 「……っ」
 そんなことは自分も知っていると、自分の剣を力強く握りなおすが……
 再び、二人の刃がぶつかると、ライトの剣が競り負けるように消滅する。

 ライトがすぐに新しい魔法剣を作り出そうと右手を右下に突き出すように構える。
 その右の手の甲に触れる。

 「……ライト……あれに勝つ魔法剣《イメージ》はあるか?」
 そうライトに問う。

 「イメージ?」
 そう少し疑問に……

 「俺の結界《まりょく》で形が乱れないよう形とる……後はライトが魔力でそれを形にすればいい……足りなければ俺の魔力も使ってくれ……」
 結界に宿した魔力をそのまま、ライトの創り出す魔法剣の一部にする。

 「……レス、やはり君は……私の……」
 魔法剣に二人《おれたち》の魔力が流れていく。

 「私は……自分のこの瞳《のうりょく》について行くだけの身体能力も剣の腕も無い……」
 全てを見切れる能力……でもそれには今以上に運動能力も剣術も鍛えなければその真の能力を発揮できない……

 「……そして、これからも私よりも能力《それ》が上の者など、いくらでも現れる……レス……それでも、君と二人ならば私はどんな困難にも立ち向かえる……」
 剣の形をかたちどった黄色の激しい炎のような魔力の塊を握る。

 「聖者剣《ライトオブハート》っ……」
 学園最強がイメージする今、実現できる最強の武器……

 「……勇者以上《せいじゃ》を語るか……」
 リエンがその姿を見ながら…… 

 「知っているよ、君には私以外にも守るものはたくさんあるのだろ?……誰かを気に入ったのは……初めてだったんだ……私は君を諦めない……そのことに諦めてくれ」
 そうライトは構えるリエンに……地面を強く蹴り飛ばし立ち向かう。

 両者が剣を横に持ち両手を目の前に付け出すような姿勢で、
 両者の立ち居地が入れ替わるように互いに背を向け立っている。

 「……見事だ」
 父は実に不快そうに……そしてその娘の成長を嬉しそうに……
 前のめりに倒れる。

 「お父様……」
 そんな倒れる父の体をライトが支える。

 「……レスくん……残念だが、私一人を止めたところで……何も変えられない……器《ともだち》は守れない……」
 そう……先ほどからそんな父娘《ゆうしゃ》の争いなどに目もくれずに山を登っていく人影に……

 「……敵である君に送る言葉じゃないけど……急いだ方がいいのでは……?」
 そう……俺に告げる。

 

 ・
 ・
 ・


 離れ過ぎるのは不安だったが、
 余り近くで見張っていたのでは、器《もくてき》の場所を教えるようなものだ。

 それに……その連中に偶然にも出くわせたのは、最悪で幸いだった……

 かつて、自分と共に学園に送り込まれた、
 国の特殊部隊……
 その中にはかつて、私が裏切ったことにより犠牲となった者もいる。

 特殊部隊でも最優であった……
 それでも、この消耗した身体と……その元同僚《てき》の数……


 ・・・


 「かはっ……」
 フレアの身体が吹き飛ばされ、地面を転げまわる。

 「簡単に伸びるんじゃねーよ、俺たちがてめぇのせいでどんな目にあったと思ってる」
 そう男が一人、転がるフレアのそばによると……

 「がっ……」
 その腹部に容赦なく蹴りを叩き込む。

 6人にもなる人間……特殊部隊を名乗る能力者たち。

 フレアは成すすべも無く……ただその暴力《うらみ》をその身で受ける。

 「弐の型……火炎弾《ロケットパンチ》っ」
 その攻撃を特殊部隊がすぐに気づき、回避する。

 「……ヴァニ……それとリヴァー?」
 かすかに写るその二人の姿と……かすかに出る声で……

 「リヴァーの能力でレスと合流するつもりだったけど……」
 どういう状況だ……

 「……ヴァニさん、後ろですっ!」
 そうリヴァーがヴァニに告げる。

 「炎舞……炎壁《えんへき》っ」
 手甲を装着する右腕を背の地面を叩くように振り下ろすと、
 手甲が激しく燃え上がり、迫った敵の動きを遮る。

 「壱の型……」
 振り返るヴァニが……

 「爆撃拳《ショットガン》っ」
 その身体を捕らえ、その一人を吹っ飛ばす。

 「止まれっ」
 フレアの身体が転がっていた場所から別の声がする。

 ヴァニとリヴァーがその光景に……

 「武装を解け……」
 フレアの首筋に短剣《のうりょく》を突きつけた一人がそうヴァニに言う。

 ヴァニがその男を冷たく睨みながらも……
 武装を解除する。

 たったいま、ヴァニに殴り飛ばされた男が起き上がると、
 ヴァニの頬を殴り飛ばす。

 踏みとどまり、耐えるヴァニの頬を再び殴り飛ばす。
 地面に転がるヴァニの腹部を蹴り飛ばし、

 「糞ガキがっ!!」
 感情的に何度も蹴り飛ばす。

 「やめろっ」
 一人がそんな男の行為を止め……

 「まだ、壊すな……利用できるものは全て利用する」
 そう言い……

 「お前、面白い能力を持っているな」
 そうリヴァーを見る。

 「……器《さがしもの》の場所《ところ》まで案内しろ」
 そう人質を盾に男がリヴァーに言う。

 「やめろっ!」
 そうヴァニが止めるが……

 「ぐっ……」
 余計な事を言うなと腹に蹴りを再び入れられる。

 リヴァーは悔しそうな顔をしながらも……
 今はそれに従うしかなかった……。 
 
 
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