はきだめで歌うラブソングを君に

えつこ

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3.これから先の話をしよう

12 *

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「このまま、乳首だけでイケる?」
「むり、あっ、ああっ、むりですっ」
 俺は首を横に振るが、音さんの舌と指の動きは止まらない。指でぎゅっと乳首を圧し潰され、甘噛みされ、その熱が全身に甘く響く。先ほどから積み重なった快感のせいで、絶頂に一気に押し上げられた。
「おとさ、んっ、やだ、あ、っああ」
 音さんと繋いだ手と反対側の手で、音さんの胸板を押し返すが、びくともしない。それどころか、いきなり腰を突き上げられ、思わず音さんの肩に縋ってしまう。乱暴に奥の肉壁をノックされる。
「まって、おと、さんっ、あ、ひぁっ、あっ」
「ハルタ、イけよ」
 音さんは俺を見上げて、熱っぽく囁いた。その瞬間、ぞわりと快感の波が大きくなる。
「あ、きもちいっ、あっ、おとさ、ああっ、イ、くっ、あああっ」
 乳首を甘く噛まれ、爪を立てられ、奥を抉るように突き上げられ、俺は達した。俺自身からはびゅくっと白濁が吐き出される。俺は音さんの肩口に額を当て、快感の余韻に身体を揺らした。全身が熱く、頭がくらくらとする。
「ハルタ、俺に掴まって」
 耳元で音さんの声がする。俺は朦朧としたまま音さんの身体に抱き着く。繋いでいた手は、いつの間にか離れていた。徐々に意識を取り戻し、俺の中に入った音さんの性器は、まだ硬いままだと気づく。その瞬間、ぐんっと下から突き上げられた。
「あああっ、っ、あ、あっ……」
 視界がちかちかと瞬く。強烈な中イキに、無意識に背中が反って、天井を見上げた。案外ラブホテルの天井は安っぽいと思考が逸れていると、もう一度突き上げられる。俺は音さんにしがみついて、喘ぐしかできない。音さんは俺の腰と尻を支え、抽挿を繰り返す。
「っあ、おとさっ、あ、っイく、イってる、ああっ」
「中、すごい締まるし、熱い」
「ああっ、あ、奥まで、おとさんで、いっぱいっ、うれしっ」
「可愛い、ハルタ」
「あ、おとさんっ、ああ、おくっ、すごいっ、あっ」
 奥をごりごりと抉られ、前立腺を圧し潰され、視界がスパークする。呼吸する間もなく、何度も突き上げられ、俺はだらしなく口を開けた。俺自身はとろとろと精液を垂れ流し、突き上げられるたびに揺れている。よだれが顎を伝い、汗が額から落ちてくる。
「おとさんっ、すき、ですっ、あっ、もっと、ああっ」
 俺の思考はすっかり馬鹿になって、発する言葉を制御できなかった。ただ嬉しくて幸せで気持ちよくてたまらない。ベッドはぎしぎしと軋み、ぐちゅぐちゅと結合部は音を立て、皮膚同士がぱんぱんと当たり、俺たちの荒い息が部屋に響く。
「っあ、ああ、きもちいっ、あ、おとさんっ、すき、すきっ」
「ハルタ、俺も好き」
「うれしっ、すきぃ、おと、さん、すきっ、です」
「伝わってるよ、ハルタ」
「すき、ああっ、おとさんっ、あ、っ、ああ、ああああっ」
 快感の波が重なり、波が一番大きくなり、俺を襲う。俺は音さんにぎゅっと抱きつきながら、絶頂に達した。全身を快感が駆け巡り、脳内は蕩けて、何も考えられない。気持ちいい。身体が熱い。呼吸しているのに息苦しい。
「ハルタ、好きだ」
 最後に聞いたのは、音さんの優しい声だった。俺の意識は急速に遠のく。
 そういえば、音さんとのセックスはいつもこんな風に激しかった。一年前のことを思い出しながら、俺は意識を手放した。




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