お隣さんはセックスフレンド

えつこ

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2-1.好きにして

4 *

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「今日の佐季、しつこい」
「好きにしていいんだろ?」
「言ったけど…っ…」
 遼が王輝の太ももの内側を舐めると、王輝の息が弾む。遼の舌は王輝自身の根元ぎりぎりまで舌を這わせながらも、性器には触れず、そのまま腹へと移動した。うっすらと筋肉がついた腹にちゅ、ちゅとキスを落とす。王輝自身は勃ちあがって、とろとろと先走りを流していた。
 ベッドに移動した二人は、久々のセックスを喜びあうように、深いキスを交わした。「今日は俺の好きするから」と優しい顔で言った遼に、王輝は嫌な予感がした。それは的中し、さきほどから全身を愛撫され、あらゆるところにキスをされていたが、肝心の性器や後孔に触ってくれない。王輝の身体にはじれったい快感だけが溜まっていき、頭の中が痺れるようだった。後孔をすでに解していた王輝は、中が疼いて仕方ない。早く挿れて欲しい、奥をがつがつと突いて欲しい、王輝はそれしか考えられなかった。王輝が自身へと手を伸ばそうとすると、その手を遼に阻まれてしまう。
「だめ」
 子供を叱るような口調で、遼は王輝を窘めた。いつもなら早急に挿れているところだが、今日はゆっくりセックスをして、王輝を甘やかそうと遼は考えていた。先ほど話してくれなかった腹いせも、少しだけ含まれていた。
遼は王輝の滑らかな肌を味わうように、腹から胸へと舌を這わせ、胸の突起を口に含む。舌で転がすように舐めると、王輝は熱い息を吐いた。
 遼は次に鎖骨にキスを落とし、首筋に舌を這わせた。白い肌を跡がつかないように軽く吸い上げると、王輝は小さく鳴いた。額や頬に軽くキスをして、形のいい王輝の唇に口づける。遼が王輝の柔らかい耳朶を揉み、耳の裏を優しく撫でると、王輝はくすぐったそうに身体を捩った。
 情欲で潤んだ王輝の瞳に気づきながらも、遼は愛撫を続ける。太ももから腰を撫で上げ、乳首の周囲に指を走らせる。王輝の口内へ舌を滑りこませ、舌を絡ませる。遼は存分に王輝の口内を味わい、唾液で濡れそぼった王輝の唇を食むように噛む。名残惜しそうに遼が唇を離すと、唾液の糸が二人を繋げた。
 じわじわと攻めたてられた王輝は、身体の中に溜まり続ける熱に、頭がおかしくなりそうだった。王輝のものは触れられることなく、切なげに先走りを零している。気持ちいいが、物足りない。
 王輝は片方の手で遼に抱き着き、下着の中で窮屈そうにしている遼自身にもう片方の手を伸ばす。下着の上から遼自身をぐにぐにと揉むと、遼は息を詰まらせた。遼が拒絶しないので、反撃とばかりに王輝は下着から遼自身を取り出し、直に触れた。硬く反りあがった遼自身は熱く、王輝は手のひらで遼の鼓動を感じる。先走りでしっとりと濡れた肉棒を可愛がるように上下に扱いた。
「っは…っ……」
遼は熱い息を吐いた。王輝の細い指が竿に絡まり、先端を指の腹で撫でられ、遼はびくびくと腰を揺らす。王輝の手淫にこのまま浸っていたい気持ちを抑え、王輝から腰を引いた。遼が上体をおこすと、不満そうな顔をした王輝と目が合う。王輝をなだめるために、ついばむようなキスをして、遼はベッドサイドに置いてあったローションのボトルを手に取った。ローションを指にとり、王輝の後孔へと手を伸ばす。ローションを塗りこみながら、優しく指を一本入れると、つぷりと中へ吸い込まれていった。縁をなぞり、熱い内壁を優しく撫でると、王輝の後孔はひくひくと蠢いた。遼は指を二本に増やし、中を広げるために円を描くように指を動かす。ローションを足しつつ、負担をかけないように指を出し入れすると、ぐちゅぐちゅと淫らな水音が響いた。三本、四本と徐々に指の本数を増やしていく。
「もう、やだっ……」
王輝は我慢できずに、遼に泣きついた。ようやく中を触ってくれて喜んだが、与えられるのはぬるい刺激ばかりで、苦しさだけが募っていく。
「佐季の欲しいから、っ……もう入れて、お願い……」
 王輝の潤んだ瞳が遼を見つめる。切なげで、泣きそうな王輝の表情に、遼は興奮してしまう。王輝に求められている実感、そして支配欲のような感情が心に浮かび、無意識に頬が緩んだ。
 遼は自身に手早くゴムつけて、先端を王輝の後孔にあてがう。ぐっと力を入れると、亀頭の部分がぐぽりと入りこんだ。念入りに解したおかげで、竿はスムーズに王輝の中に飲みこまれていく。遼は腰骨と王輝の尻が触れるまで、ゆっくりと腰を進めた後、動かずに中が馴染むのを待つ。王輝の中は、熱く柔らかく、ぎゅうぎゅうと遼自身を締めつけてくる。気持ちよさに思わず遼は熱い声を漏らした。
 熱い塊が押し入ってくる感覚に、王輝は大きく呼吸をした。指とは違う質量に、少しの苦しさを覚える。身体の力を抜くが、うまくいかずに、余計に遼自身の存在を中に感じてしまう。久しぶりの挿入の感覚に打ちひしがれ、そして散々焦らされたこともあり、王輝の身体は敏感に反応した。
「まって、だめ…、っあ、イく…っ……」
 急にせりあがってくる射精感に、王輝は反射的に遼の身体にぎゅっとしがみついた。遼の温かい体温を感じながら、びくびくと身体を震わせて射精した。精液が王輝自身の腹を汚す。
 内壁が遼自身を搾り取るように蠢き、遼は思わず達しそうになるのを我慢した。
「今ヶ瀬、中、っ…締まって…」
「っは……あっ、きもちっ、いい…」
 王輝は全身にじんわりと広がる快感の波に浸っていた。挿れただけでイってしまったことに恥ずかしさを覚えたが、快感のほうが上回った。ようやく射精できた解放感が心地よさにしばらく放心する。

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