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第1部『旅の魔法使いと水神の巫女』
遺跡の『扉』
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◇◇◇◇◇◇
そして翌日、私達はネクシアと彼女が連れてきた『水神の杖』の一団と合流した。
神官服を着てる男性が多い、見た目は戦える感じがしないが実際は中々の手練れだと分かった。
その手練れ達で何をするつもりなのかねぇ~、そしてイオリアは1人で来た、少しぎこちない感じが見て取れるが余計な詮索はしない。
私の方のパーティーはユーリを杖にして装備、そしてザンクスとエサクは姿を消してもらっている。
普通についてく来てるのはリエリだけである。
まあこちらのパーティーメンバーについては何かしら掴んではいると思うのだが、それでもお互いに信頼とか出来る間柄でもないしな。ここはそれぞれ動きやすいスタイルでいきましょうって話だ。
「おはようございます、アオノ様、イオリア様」
「おはようございます」
「おっおはようございます」
「あちらに馬車を用意させていますのでどうぞついてきて下さい」
ネクシアの後をついていく私達、するとこれまた中々に豪華な馬車が現れた。
引いてる馬は2頭、馬車本体もしっかりした作りをしている、私が知る木だけで組み上げた馬車とは違って装飾とかも凝っていた。
『水神の杖』、やっぱりお金持ちなんだな。まあ私は乗り物は馬車よりも車やせめて自転車の方が遥かに良いことを知ってる日本人なのだが。
お尻が痛くない事を祈ろう。
そして馬車に乗り込む、ネクシア、イオリア、リエリに私の4人で丁度良い人数である。
そして馬を操るおっさんが馬車を発進、私達は移動を開始した。
当然その『水神の杖』が管理する遺跡とやらまでは暇なので会話が始まる。
「あの、リエリさんはいつ頃アオノさんのパーティーに入ったんですか?」
「私はアオノさんがアルゴ島に来る前から一緒にいるわよ?貴女が彼に会った時はたまたま別行動をしていたのよ」
「なるほど、そうだったんですね」
リエリとイオリアは普通に世間話をしている、しかしイオリアはどこか他にも聞きたい事がある様に見えるのは私だけだろうか?。
「私達『水神の杖』は古くからこのアルゴ島の神事を司ってきた一族の末裔です。そしてその神事とは…」
「へぇ、そうなんですね」
一方の私はネクシアから『水神の杖』の歴史について色々と聞いている。お勉強タイムだな、暇なので適当に話をし出したらネクシアが止まらなくなってしまった。
しかしよくもスラスラと説明が口から出てくるものだ、日頃から組織について学んでいるんだね、まだ女子中学生くらいの年齢なのに大した子である。
そんな感じで時間的には2時間くらいだろうか?。かなりゆったりとした時間が流れた、そして馬車が止まる。そして馬車の外から神官服らしき男の声が。
「ネクシア様、遺跡に到着しました」
「分かりました、それでは皆さん。外に出ましょう」
返事をして馬車から降りる。
馬車から降りた先は島の一部が凹んでいた、その凹んだ場所にこれまた歴史を感じさせる遺跡があった。
「こちらです。ついてきて下さい」
ネクシアの進む方を見ると、下に降りる為の道があった、道幅は二メートルくらい、これは馬車ではいけないな。
その道をネクシアは神官服を大量に連れてゾロゾロ進む、片方は壁だがもう片方は断崖絶壁、落ちたら怖いので壁よりに進もう。まあ魔法で飛べるから落ちても平気なんですけど。
そして徒歩による移動も2時間くらいかかった、もう魔法で一気に遺跡まで移動したくなった。
けど他の人達も転移とかしないで黙って歩いて行くので仕方なくついて行くしかないのだ。
日本人の特長、協調性を重んじるが発動した。
しかし足がツラい。他人の顔色を窺うのって本当に大変な作業である、帰りは魔法で一瞬で帰ろうと心に決めた。
そして遺跡が目の前に来るまで歩く、ふむふむなるほど~~、中々荘厳さと神話と歴史と浪漫を感じさせる遺跡である。
ネクシアの一団が中に入ったので私達も入る。
中に神官服ではなく、ファンタジーゲームとかに出てくる様な騎士みたいに鎧と盾と剣を装備した連中が待っていた。
その騎士団、基本はフルフェイスで顔が見えないのだが先頭の1人は違った。
余程顔面偏差値に自信があるのだろう、イケメンは顔出し状態で立っていた。
確かカインだっけ?以前ネクシアの隣にいたイケメンだ。
「ネクシア、よくぞ客人達を案内してくれた。僕はカイン・シアンロード『水神の杖』ではネクシアの盾となる者だ」
「私は青野と言います」
「イッイオリア、マナスクラブです。よろしく」
堂々とした態度のイケメンである、しかも既にネクシアと同じ姓を名乗るとは、最早将来は確定していると?なんか羨ましいな。なんか酷い目にあえイケメンめ!。
「遺跡の案内は僕とネクシアが行う、ついてきてくれ……」
今度はイケメンについて行く、遺跡の中は結構広く天井も高い石造りの建造物だ。
モンスターとか普通に出てきそうだが、不思議と何も出て来なかった。
そのまま遺跡を進むと………おっ何か見えてきた。
「アレが僕達『水神の杖』がこの遺跡で守っているモノだよ」
私達が案内された広間、その一番奥にかなり大きな『扉』があった。
これもまた石造り、しかし高さは十メートル、横幅も四メートルはあるサイズだ。
一体どんだけ大きなヤツが通る様に作られたのか、少し興味が出て来た私だ。
「それではこれより、この『扉』を開きますので準備を……」
ネクシアがそう言って私達の先頭に立つ、私もその後について行く。
彼女が宝玉を手にした。そしてもう片方の手に持つ大海の杖とやらをかざす。
私も2つの宝玉を手に持って待機する。
ネクシアがかざした杖が光る。大海の杖には3つの穴が空いているのだがその3つの穴から光が発せられていた。
その光が『扉』に向かって伸びる、すると私とネクシアの手に持つ宝玉が扉に向かって飛んでいった。
3つの宝玉は杖の光が当たる場所にまで飛んでいくとそこから扉と一体化する様に消えてしまった。
ズズズッと音がする。扉が開き始めた。
ゆっくりと扉が開く、開いた先は青い光の渦が渦巻いていた。
アレは転移ゲートだな。アレを使ってでしか行けない特殊な異空間に繋がる特殊な転移魔法を再現する為に造られた扉だったようだ。
さてっそれでは早速出発ですな。
「…………」
と思ったら、囲まれましたよ。
囲んだのは当然『水神の杖』の連中、神官服と騎士なヤツらだ。やっぱりこの人数、私達を通せんぼする為に用意したんですか。
「ネクシアさん、カインさん」
「──すみませんアオノさん」
「すまないね少年。ここからは神聖な場所なんだ。子供が好奇心で入って良い場所ではないんだよ、少しわきまえるんだ」
スゴいね、自分達の力じゃ1個しかゲット出来なかった宝玉を2つゲットした相手に向かってとんでもない上から発言だ。
流石はイケメン、元アラサーを簡単にイラッとさせる天才だわ。魔法で一気にお掃除したくなってくる。
(アオノさん、今は我慢よ)
(リエリ?)
リエリからストップがかかる、彼女は女神だ。私よりもこれから先の展開について知っている。
つまりここは自由にさせるべきだと?。
仕方ないなぁ~~私は姿を消したザンクスとエサク、それと杖になってるユーリに念話で待機をするようにと告げた。
イオリアにも伝える。
「アオノさん」
「イオリアさん。ここは争う事はしません」
「───分かりました、その意見に従います」
私達の話を聞いたネクシアとカインは十数名の騎士と神官服を連れて『扉』をくぐり抜け何処かに消えた。
それを見送った私達、すると神官服と騎士が動いた。
「もうコイツらに用はない!始末するぞ!」
「「「「おおうっ!」」」」
「─────リエリ?」
「ええっここまでも想定内よ、私が片付けるわ」
頼むよ本当に、今の私ならこの阿呆共を半殺しにするくらいはしそうだから君に任せるわ。
そして翌日、私達はネクシアと彼女が連れてきた『水神の杖』の一団と合流した。
神官服を着てる男性が多い、見た目は戦える感じがしないが実際は中々の手練れだと分かった。
その手練れ達で何をするつもりなのかねぇ~、そしてイオリアは1人で来た、少しぎこちない感じが見て取れるが余計な詮索はしない。
私の方のパーティーはユーリを杖にして装備、そしてザンクスとエサクは姿を消してもらっている。
普通についてく来てるのはリエリだけである。
まあこちらのパーティーメンバーについては何かしら掴んではいると思うのだが、それでもお互いに信頼とか出来る間柄でもないしな。ここはそれぞれ動きやすいスタイルでいきましょうって話だ。
「おはようございます、アオノ様、イオリア様」
「おはようございます」
「おっおはようございます」
「あちらに馬車を用意させていますのでどうぞついてきて下さい」
ネクシアの後をついていく私達、するとこれまた中々に豪華な馬車が現れた。
引いてる馬は2頭、馬車本体もしっかりした作りをしている、私が知る木だけで組み上げた馬車とは違って装飾とかも凝っていた。
『水神の杖』、やっぱりお金持ちなんだな。まあ私は乗り物は馬車よりも車やせめて自転車の方が遥かに良いことを知ってる日本人なのだが。
お尻が痛くない事を祈ろう。
そして馬車に乗り込む、ネクシア、イオリア、リエリに私の4人で丁度良い人数である。
そして馬を操るおっさんが馬車を発進、私達は移動を開始した。
当然その『水神の杖』が管理する遺跡とやらまでは暇なので会話が始まる。
「あの、リエリさんはいつ頃アオノさんのパーティーに入ったんですか?」
「私はアオノさんがアルゴ島に来る前から一緒にいるわよ?貴女が彼に会った時はたまたま別行動をしていたのよ」
「なるほど、そうだったんですね」
リエリとイオリアは普通に世間話をしている、しかしイオリアはどこか他にも聞きたい事がある様に見えるのは私だけだろうか?。
「私達『水神の杖』は古くからこのアルゴ島の神事を司ってきた一族の末裔です。そしてその神事とは…」
「へぇ、そうなんですね」
一方の私はネクシアから『水神の杖』の歴史について色々と聞いている。お勉強タイムだな、暇なので適当に話をし出したらネクシアが止まらなくなってしまった。
しかしよくもスラスラと説明が口から出てくるものだ、日頃から組織について学んでいるんだね、まだ女子中学生くらいの年齢なのに大した子である。
そんな感じで時間的には2時間くらいだろうか?。かなりゆったりとした時間が流れた、そして馬車が止まる。そして馬車の外から神官服らしき男の声が。
「ネクシア様、遺跡に到着しました」
「分かりました、それでは皆さん。外に出ましょう」
返事をして馬車から降りる。
馬車から降りた先は島の一部が凹んでいた、その凹んだ場所にこれまた歴史を感じさせる遺跡があった。
「こちらです。ついてきて下さい」
ネクシアの進む方を見ると、下に降りる為の道があった、道幅は二メートルくらい、これは馬車ではいけないな。
その道をネクシアは神官服を大量に連れてゾロゾロ進む、片方は壁だがもう片方は断崖絶壁、落ちたら怖いので壁よりに進もう。まあ魔法で飛べるから落ちても平気なんですけど。
そして徒歩による移動も2時間くらいかかった、もう魔法で一気に遺跡まで移動したくなった。
けど他の人達も転移とかしないで黙って歩いて行くので仕方なくついて行くしかないのだ。
日本人の特長、協調性を重んじるが発動した。
しかし足がツラい。他人の顔色を窺うのって本当に大変な作業である、帰りは魔法で一瞬で帰ろうと心に決めた。
そして遺跡が目の前に来るまで歩く、ふむふむなるほど~~、中々荘厳さと神話と歴史と浪漫を感じさせる遺跡である。
ネクシアの一団が中に入ったので私達も入る。
中に神官服ではなく、ファンタジーゲームとかに出てくる様な騎士みたいに鎧と盾と剣を装備した連中が待っていた。
その騎士団、基本はフルフェイスで顔が見えないのだが先頭の1人は違った。
余程顔面偏差値に自信があるのだろう、イケメンは顔出し状態で立っていた。
確かカインだっけ?以前ネクシアの隣にいたイケメンだ。
「ネクシア、よくぞ客人達を案内してくれた。僕はカイン・シアンロード『水神の杖』ではネクシアの盾となる者だ」
「私は青野と言います」
「イッイオリア、マナスクラブです。よろしく」
堂々とした態度のイケメンである、しかも既にネクシアと同じ姓を名乗るとは、最早将来は確定していると?なんか羨ましいな。なんか酷い目にあえイケメンめ!。
「遺跡の案内は僕とネクシアが行う、ついてきてくれ……」
今度はイケメンについて行く、遺跡の中は結構広く天井も高い石造りの建造物だ。
モンスターとか普通に出てきそうだが、不思議と何も出て来なかった。
そのまま遺跡を進むと………おっ何か見えてきた。
「アレが僕達『水神の杖』がこの遺跡で守っているモノだよ」
私達が案内された広間、その一番奥にかなり大きな『扉』があった。
これもまた石造り、しかし高さは十メートル、横幅も四メートルはあるサイズだ。
一体どんだけ大きなヤツが通る様に作られたのか、少し興味が出て来た私だ。
「それではこれより、この『扉』を開きますので準備を……」
ネクシアがそう言って私達の先頭に立つ、私もその後について行く。
彼女が宝玉を手にした。そしてもう片方の手に持つ大海の杖とやらをかざす。
私も2つの宝玉を手に持って待機する。
ネクシアがかざした杖が光る。大海の杖には3つの穴が空いているのだがその3つの穴から光が発せられていた。
その光が『扉』に向かって伸びる、すると私とネクシアの手に持つ宝玉が扉に向かって飛んでいった。
3つの宝玉は杖の光が当たる場所にまで飛んでいくとそこから扉と一体化する様に消えてしまった。
ズズズッと音がする。扉が開き始めた。
ゆっくりと扉が開く、開いた先は青い光の渦が渦巻いていた。
アレは転移ゲートだな。アレを使ってでしか行けない特殊な異空間に繋がる特殊な転移魔法を再現する為に造られた扉だったようだ。
さてっそれでは早速出発ですな。
「…………」
と思ったら、囲まれましたよ。
囲んだのは当然『水神の杖』の連中、神官服と騎士なヤツらだ。やっぱりこの人数、私達を通せんぼする為に用意したんですか。
「ネクシアさん、カインさん」
「──すみませんアオノさん」
「すまないね少年。ここからは神聖な場所なんだ。子供が好奇心で入って良い場所ではないんだよ、少しわきまえるんだ」
スゴいね、自分達の力じゃ1個しかゲット出来なかった宝玉を2つゲットした相手に向かってとんでもない上から発言だ。
流石はイケメン、元アラサーを簡単にイラッとさせる天才だわ。魔法で一気にお掃除したくなってくる。
(アオノさん、今は我慢よ)
(リエリ?)
リエリからストップがかかる、彼女は女神だ。私よりもこれから先の展開について知っている。
つまりここは自由にさせるべきだと?。
仕方ないなぁ~~私は姿を消したザンクスとエサク、それと杖になってるユーリに念話で待機をするようにと告げた。
イオリアにも伝える。
「アオノさん」
「イオリアさん。ここは争う事はしません」
「───分かりました、その意見に従います」
私達の話を聞いたネクシアとカインは十数名の騎士と神官服を連れて『扉』をくぐり抜け何処かに消えた。
それを見送った私達、すると神官服と騎士が動いた。
「もうコイツらに用はない!始末するぞ!」
「「「「おおうっ!」」」」
「─────リエリ?」
「ええっここまでも想定内よ、私が片付けるわ」
頼むよ本当に、今の私ならこの阿呆共を半殺しにするくらいはしそうだから君に任せるわ。
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