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第二章 クラフトスキルと依頼
第78話
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そして二回目の採掘をしに雪山ダンジョン中に入る。再びビルゲーターたちが現れたので俺のスキルで瞬殺した。
「む~せめて私も注文した武器がこの手にあれば…」
守咲が愚痴る、確かに本来だったらカナに頼んでおいた武器をゲットしてそのおニューの武器をお試しで使う為にどっかのダンジョンに行く予定だったからな。
再び武器の類もなしでダンジョンに引っ張り込んでしまったことに若干後ろめたいところではある、まあその分俺が頑張ってこの2人を守ろう。
「……すいません日影さん、少しよろしいですか」
「んっ何か気になる事でもあったか?」
「私の方は装備も準備してますので戦闘にも参加できるのですが…」
言われてみて確かにと思った、ミルティは自分の方からパーティーに入れてくれと言い出してきたわけでそのままダンジョンに行くという話を聞いても特に問題ないって態度だった。
俺みたいなぶっ壊れた称号を持つヤツは別にして普通ダンジョンに行くのなら装備とかをしっかりした準備がいる、その場でいきなり行くということになれば少なからず顔色を悪くする探索者は多いだろう。
それがなかったということは元より準備は万端だったということだ、今回行く雪山ダンジョンに行くにあたり背中の籠はこちらで用意した物で。もともとそれ以外の装備らしい装備は何一つ持っていなかった俺だ。
そしてそれは守咲も天海も同じだったので完全に戦闘方面を期待するということを失念していた。
「それじゃあミルティ、このダンジョン出てくるモンスターたちは問題なく対処できるのか?」
見たところ装備は問題ないと言いながらも武器なんて何も持ってないし服装は変わらずの白のゴシックドレス姿なのだが。
「もちろんできますわ、ここよりずっと格上のダンジョンでも問題がないくらいの実力はあるつもりです」
「そいつは大したもんだな…」
ミルティは守咲や天海よりもどう見ても若く見える、その若さでそれだけの実力があるということはかなり名の知れた探索者じゃないのか?
だか少なくとも俺がスマホで見てる動画にはこんなピンクツインテール見たことがないのだが…。
「分かった、なら次にモンスターが現れたらミルティが前に出てきてくれ、危険だと感じたら俺が割って入る」
「分かりましたわ、任せてください」
ミルティの実力が本物だったら俺は採掘に専念できるかもしれない、そうなれば次の採掘に来る時は籠を増やせるかもしれないな。
次にモンスターが現れたのは俺たちが採掘を終えて籠の中に鉱石を結構積んで雪山ダンジョンから出る時だった。
「今度もビルゲーターかミルティ、相手の数は8体だが問題ないか?」
「ええっ何も問題ありません」
ワニ人間っぽいモンスターがこちらに走って向かってくる、ミルティは落ち着いた様子で前に出た。
「……『スーパーフォトンレイ』」
ミルティの周りに宙に浮く光の棒が出現した数は十本、ミルティが片手を振るうとその光の棒がビルゲーターたち殺到する。
そのスピードはかなり早くビルゲーターたちはかわすことも防御することも出来ずにヒット、光が当たるとやつらは一瞬で消し飛んだ。全滅だ。
どうやらミルティは愛華と同じく武器よりもスキルをメインに戦うスタイルらしい、今の俺も石を投げる以外はキングオーラブレードというスキルを使って敵と戦う事が多いから同じタイプと言えるだろう。
スキルをメインに戦う探索者というのは実のところ結構多い、単純に武器なんてのは元から好みがある上に持ち運ぶのも面倒くさい、その上値段も張るしな…。
そもそも強力なスキルをゲットしたらそれを使ってバンバン活躍したいのが承認欲求の権化である種族人間だろ。
あと大抵のスキルはモンスターから距離を取って攻撃することが出来るからな、離れたところから相手を攻撃する手段があるのなら普通に剣だの槍だの持ってモンスターに突撃するよりかは素人でも戦闘がし易いってものだ。
「ミルティさん…普通に強かったんですね」
「自分の実力に自信がなければ他者に自分を売り込んだりはしませんわ」
当然だとばかりその大きな胸を張りミルティは言う、確かに実力もちゃんとあるみたいだしこれなら雪山ダンジョンのモンスターくらいなら任せても大丈夫そうだ。
「よしミルティ、お前の籠を俺に寄越せ、俺が荷物を運ぶから道中のモンスターはお前に任せる」
「ありがとうございます。やはりピッケルを振るよりモンスターの対処をしてる方がわたくしには合っていますわ」
「そうかそれじゃあ出てきたモンスターはじゃんじゃんぶっ倒してくれ」
「お任せを」
そして二回目の採掘作業も終わり再びあのパチンコ屋の入り口まで戻る。
鉱石をひとまとめにしてスマホで時間を確認してみると午後の三時を過ぎていた。
さすがに労働と休憩を含めると時間がかかっちまうな。
本物のゲームみたいにパパと出来ればいいのだがそうはいかない。
「……今回はここまでにして一度解散をしようと思う。天海さん、守咲、ミルティ、今日はここまで付き合ってくれてありがとう、俺はこの鉱石を見張るから今日はこのダンジョンで夜営する」
「なら何か食べられる物を私が買ってきます」
「助かる、時間は気にしなくていいからな」
「わたくしは一度引き上げさせてもらいます」
「私は明日からまた仕事なので来れなくなるのですが」
「問題ないです、今日一日だけで大分はかどりましたから。天海さんが手伝ってくれたおかげです、ミルティもモンスターを担当してくれて助かった」
今日の分の報酬は結構な数倒したモンスターの魔石だ。3人にそれぞれの活躍に見合った魔石を渡す。
今回の場合だと一番多いのはモンスターと戦ったミルティ、次に鉱石運んだ守咲と、そして見張りをメインにした天海っといった感じになるか。
俺は今回、同僚のワガママに巻き込んだ上に手伝ってもらってる立場なので3人に多めに渡しておく。
採掘依頼は順調に進んでいる、この調子なら元同僚たちのクラフトスキルに必要な材料とやらもすぐ集まるだろう。
「む~せめて私も注文した武器がこの手にあれば…」
守咲が愚痴る、確かに本来だったらカナに頼んでおいた武器をゲットしてそのおニューの武器をお試しで使う為にどっかのダンジョンに行く予定だったからな。
再び武器の類もなしでダンジョンに引っ張り込んでしまったことに若干後ろめたいところではある、まあその分俺が頑張ってこの2人を守ろう。
「……すいません日影さん、少しよろしいですか」
「んっ何か気になる事でもあったか?」
「私の方は装備も準備してますので戦闘にも参加できるのですが…」
言われてみて確かにと思った、ミルティは自分の方からパーティーに入れてくれと言い出してきたわけでそのままダンジョンに行くという話を聞いても特に問題ないって態度だった。
俺みたいなぶっ壊れた称号を持つヤツは別にして普通ダンジョンに行くのなら装備とかをしっかりした準備がいる、その場でいきなり行くということになれば少なからず顔色を悪くする探索者は多いだろう。
それがなかったということは元より準備は万端だったということだ、今回行く雪山ダンジョンに行くにあたり背中の籠はこちらで用意した物で。もともとそれ以外の装備らしい装備は何一つ持っていなかった俺だ。
そしてそれは守咲も天海も同じだったので完全に戦闘方面を期待するということを失念していた。
「それじゃあミルティ、このダンジョン出てくるモンスターたちは問題なく対処できるのか?」
見たところ装備は問題ないと言いながらも武器なんて何も持ってないし服装は変わらずの白のゴシックドレス姿なのだが。
「もちろんできますわ、ここよりずっと格上のダンジョンでも問題がないくらいの実力はあるつもりです」
「そいつは大したもんだな…」
ミルティは守咲や天海よりもどう見ても若く見える、その若さでそれだけの実力があるということはかなり名の知れた探索者じゃないのか?
だか少なくとも俺がスマホで見てる動画にはこんなピンクツインテール見たことがないのだが…。
「分かった、なら次にモンスターが現れたらミルティが前に出てきてくれ、危険だと感じたら俺が割って入る」
「分かりましたわ、任せてください」
ミルティの実力が本物だったら俺は採掘に専念できるかもしれない、そうなれば次の採掘に来る時は籠を増やせるかもしれないな。
次にモンスターが現れたのは俺たちが採掘を終えて籠の中に鉱石を結構積んで雪山ダンジョンから出る時だった。
「今度もビルゲーターかミルティ、相手の数は8体だが問題ないか?」
「ええっ何も問題ありません」
ワニ人間っぽいモンスターがこちらに走って向かってくる、ミルティは落ち着いた様子で前に出た。
「……『スーパーフォトンレイ』」
ミルティの周りに宙に浮く光の棒が出現した数は十本、ミルティが片手を振るうとその光の棒がビルゲーターたち殺到する。
そのスピードはかなり早くビルゲーターたちはかわすことも防御することも出来ずにヒット、光が当たるとやつらは一瞬で消し飛んだ。全滅だ。
どうやらミルティは愛華と同じく武器よりもスキルをメインに戦うスタイルらしい、今の俺も石を投げる以外はキングオーラブレードというスキルを使って敵と戦う事が多いから同じタイプと言えるだろう。
スキルをメインに戦う探索者というのは実のところ結構多い、単純に武器なんてのは元から好みがある上に持ち運ぶのも面倒くさい、その上値段も張るしな…。
そもそも強力なスキルをゲットしたらそれを使ってバンバン活躍したいのが承認欲求の権化である種族人間だろ。
あと大抵のスキルはモンスターから距離を取って攻撃することが出来るからな、離れたところから相手を攻撃する手段があるのなら普通に剣だの槍だの持ってモンスターに突撃するよりかは素人でも戦闘がし易いってものだ。
「ミルティさん…普通に強かったんですね」
「自分の実力に自信がなければ他者に自分を売り込んだりはしませんわ」
当然だとばかりその大きな胸を張りミルティは言う、確かに実力もちゃんとあるみたいだしこれなら雪山ダンジョンのモンスターくらいなら任せても大丈夫そうだ。
「よしミルティ、お前の籠を俺に寄越せ、俺が荷物を運ぶから道中のモンスターはお前に任せる」
「ありがとうございます。やはりピッケルを振るよりモンスターの対処をしてる方がわたくしには合っていますわ」
「そうかそれじゃあ出てきたモンスターはじゃんじゃんぶっ倒してくれ」
「お任せを」
そして二回目の採掘作業も終わり再びあのパチンコ屋の入り口まで戻る。
鉱石をひとまとめにしてスマホで時間を確認してみると午後の三時を過ぎていた。
さすがに労働と休憩を含めると時間がかかっちまうな。
本物のゲームみたいにパパと出来ればいいのだがそうはいかない。
「……今回はここまでにして一度解散をしようと思う。天海さん、守咲、ミルティ、今日はここまで付き合ってくれてありがとう、俺はこの鉱石を見張るから今日はこのダンジョンで夜営する」
「なら何か食べられる物を私が買ってきます」
「助かる、時間は気にしなくていいからな」
「わたくしは一度引き上げさせてもらいます」
「私は明日からまた仕事なので来れなくなるのですが」
「問題ないです、今日一日だけで大分はかどりましたから。天海さんが手伝ってくれたおかげです、ミルティもモンスターを担当してくれて助かった」
今日の分の報酬は結構な数倒したモンスターの魔石だ。3人にそれぞれの活躍に見合った魔石を渡す。
今回の場合だと一番多いのはモンスターと戦ったミルティ、次に鉱石運んだ守咲と、そして見張りをメインにした天海っといった感じになるか。
俺は今回、同僚のワガママに巻き込んだ上に手伝ってもらってる立場なので3人に多めに渡しておく。
採掘依頼は順調に進んでいる、この調子なら元同僚たちのクラフトスキルに必要な材料とやらもすぐ集まるだろう。
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