異世界の魔法学園で用務員をしてる産廃キャラおじさんは異次元ダンジョンで人権キャラに成り上がる(元から最強のクラスの魔法使いだっただけです)

どらいあい

文字の大きさ
22 / 57

第22話 下の人間の本音

しおりを挟む
 俺の言葉に予想はしていたとは言えドニードさんも眉をひそめた。当たり前か、あのバリーの事があるし、もしかしたら他の貴族である教師や学生とも何かあったとしても不思議じゃない。

 そもそもいくら貴族様と言ってもオークレン王国は下々の者に対してのアタリが強すぎると思うんだ、あの自分より『下』だと見做したの人間に対しての見せる顔ときたら……思い出してもテンションが下がる代物である。

 多分このドニードさんも似たような気持ちなんだろうと想像に難くない。
 ドニードさんは静に口を開く。

「ラベル殿、俺も部下達もアンタに命を救われた。魔物に素手で突っ込めとか言われでもしない限りはアンタの意見を尊重したい、しかし俺には船長として部下達の命を守る義務があるんだ」

「…そうですね」

「あのバリーって貴族のガキだけじゃない。もしここにあの貴族達を招けば間違いなく俺達は召使い代わりに扱き使われるだろう、その上で魔物への囮や肉の盾として使い捨てられるか。最悪は連中の憂さ晴らしなんて理由で殺されるかも知れん」

 一体何があったんだドニードさん!?
 話の内容が物騒過ぎるぞ、用務員おじさんの想像以上にデンジャラスな過去をお持ちの予感がする。

 こちらとしてはヤンデレヒロインの過去と同様にアラフィフのヤバめで重い過去とかノーサンキューなのである。

「そんな訳で俺個人としては部下の命を守る為にも貴族様達とは距離を取っておくべきだと思うぜ」

「……………」
 確かに貴族達をまとめて見ればその結論が普通に出るだろう、しかしそれだと俺はとても困るんのだ。
 ここでドニードさんの言うとおり貴族達をみ~んな見捨てた場合、俺達が例えこの異次元ダンジョンから脱出に成功してベルフォード学園に戻ったとする。その場合まず捕まる。

 だって次元の裂け目に呑み込まれて、その先のダンジョンで貴族様達はみんなお亡くなりになりました、けど俺らは無事帰還しました! とか学生の親御さん(当然貴族)とか教師の同僚(こちらも貴族)がそんな話で納得する訳がないじゃん。

 絶対に一切信じないでこちらを引っ捕らえて拷問とかされて本当の事を言えとか言われるだ。
 或いは全て罪を被せられて貴族達の溜飲を下げる為の生贄として処刑されたりも……アレ? 用務員おじさんもドニードさんと大差ない感想しか出て来ない事に驚愕。

 まあそんな可能性もあるって話だ。それはそれとしてドニードさんの意見を聞くと俺は学園の貯金を諦めた上に国外逃亡とかする羽目になるんじゃないか?
 ドニードさん、気持ちは分かるけどちょっと扱いに困ってきたかも……。

 やっぱり流石に困るよ、主に貯金を諦めるのは絶対に嫌だ。
 それに貴族にも少しはいい人がいる事も近頃の用務員おじさんは知っているしな。

「一つよろしいでしょうか?」
「ん? お前さんは…」
「リエールさん」

 そこには着物メイドのリエールがいた、『ラベル様、さんは不要ですよ』と言いながらニコニコしている。この子も謎が多すぎて扱いが困ってるんだよな。

「すみません、お二人の話を盗み聞きするつもりはなかったのですが…」
「問題ないよ、今後の話だしリエール……とも話すつもりだったからさ」

「ありがとうございます。それと差し出がましいのですがこのリエールの意見を話してもよろしいでしょうか」

 彼女の意見か、確かに貴族達に対して我々と違い変に思うところがない人の意見を聞きたい所だった。人間は理屈では分かっていても苦手意識や単純に嫌悪感を持った人間にはあまり情が湧かない生き物である、冷静な第三者の意見は聞く価値がある。

「船長さんの言い分も理解は出来ます、その上で言いますが貴方は自分達が何故助けられたのだと思いますか?」

「…何故助けられた?」

「そうです、先程の貴族と言う人々と距離を置く。つまりは見捨てるという話ですがその意見をラベル様に言える立場に自身があるかを理解しているのかですね」

「…………それは」

「そうです、ラベル様に貴方とその部下を助ける理由はありません。ダンジョンにおいて自身の身を守れる能力のない人間は足手まといでしかありませんから、そんな人間を何人も助けるメリットも理由もありません、ここには飛行艇もありませんので船員なんて何の戦力にもなりませんしね」

「…………ッ!」

 えっ飛行艇ないの!?
 いやっあったじゃん飛行艇ビックリした~、リエールは嘘を言ってるのか。理由は不明だが飛行艇の存在を今はドニードさん達に話すつもりはないらしい。

 内心別の所であ然とする用務員おじさん、あっリエールの話はその通りです。彼らを助けた理由とかラビスを助けたのと一緒、助けられるのを見捨てるというのは具合が悪いからである。

「そんな船長さん達は自分達は助けて欲しい、けど自分達が気に食わない人間は見捨てて欲しいととても好き勝手な事を言っていると感じます。それを決めるのはラベル様だけにある権利だと思われるのですが、違いますか?」

「……俺もこんな事は出来れば言いたくない、しかし現に貴族のガキ一人のせいで何人もの部下が既に死んでるんだ」

 お互いの視線をぶつけ合う二人、ドニードさんもそうだがリエールも何故にここまでな物言いをするのだろうか。
 ……いや、変に気を遣わせてる俺の落ち度だな。

 仕方ないのでドニードさんには今後の方針を俺自身の口から伝えるとしよう。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜

仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。 森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。 その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。 これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語 今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ! 競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。 まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...