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番外編
第20話『おっさんスライムとサマー!』
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「海だ!おっしゃあああーーーーーーーーッ!」
アンセムは青い海にダイブした。シュノーケル付きゴーグルを装備しているアンセムの視界には海を泳ぐ色とりどりの魚が泳ぐ姿が見える。
(まさに海の宝石箱!いや~この歳で独りで海にバカンスしに来るとは思わなかったわ!)
アンセムは旅の途中、ブルーハワイアンと言う港町に寄っていた。ブルーハワイアンは街の中にビーチを持つ漁業が盛んな街だ。
夏にはそのビーチに旅行客がバカンスしに来る事も多い。
そして今は夏真っ盛りである、前世も今世も独身の寂しいアンセムも夏の海に誘われたのだ。
(日本なら中年が独りで海に行くなんて出来なかった、なんやかんや体裁ってのがあるからな……けどここは異世界だ、最早俺は欲望を抑えんよ。俺は、俺はひと夏のメモリーをこの手にする!)
いわゆる行きずりの恋的な物を求めている、ワンナイトラブだ。
女性にまともに相手にされた経験もないくせに身の程知らずな目標を掲げるアンセムだった。
ただ今のアンセムは女の尻より異世界の海の生き物に夢中のようだ。
(おお~~七色に輝く魚とかいるな、それにあのエビ、尻尾からジェット噴射で泳いでるのか?あの貝にはカニみたいな脚が生えてるだと!?)
まだ浅い所にいるのだが実に様々な海の生命を目の当たりにする、ちなみにこのビーチの海にはモンスター避けの魔道具を浮かべていて沖にまでアンセムは泳いでいけない。
(あっちっこいタコとタツノオトシゴがケンカしとる、面白いな~~)
「──ぷっハァッ!ふぅ~~~本当に何十年ぶりに泳いだかな、気持ちいいな~~~」
アンセムはそのまま海に浮かんで揺られたり泳いだりした、もちろん若い女性が海にいたらシュノーケル付きゴーグルを装備して気配を消して海の中からそっと見守る事も忘れない。
その日アンセムは幸せそうな顔でビーチから宿屋に帰っていった。
翌日。宿屋の個室にて。
(かっ身体が筋肉痛でヤバイ!……いっ一旦スライムに戻って筋肉痛を解除せねば!)
筋肉痛の呪いから脱出したアンセムはブルーハワイアンの冒険者ギルドに顔を出した。
ギルドの受付カウンターに行く。
そこにはギルドの受付譲のシーラ、ギルドの制服などはないようで、白いシャツをヘソの上辺りで結んで下は紺の短パンをはいていた。歳は二十歳程の小麦色の肌が健康的な女性だった。
スタイルも良く夏の魔力に犯されたアンセムの鼻の下は伸びる。
「おはようアンセムさん、今日はギルドで依頼を探してるの?」
「そうだよシーラちゃん、昨日は休みを取ったからね。今日は何かしら働こうかなってね、何か丁度良い依頼とかってある?遠くに行くのとかは勘弁だけど」
「う~~んそうですね。採取依頼ならブルークラブや隠形サザエとかですかね、どっちもブルーハワイアンの特産品でギルドでも高値で買い取ってます討伐依頼だと海なら大王イカや飛行ザメがありますよ?」
(討伐依頼の大王イカは日本のヤツとは違う、確か全長20メートル以上ある化け物だ1人じゃ無理だ。飛行ザメは群れで狩りするサメで短い時間なら海上を飛べるサメか……こっちも無理だな)
「それなら採取依頼を受けようかな、そのブルークラブと隠形サザエってのについて教えてくれる?」
「ブルークラブは青い60センチある蟹です、美味しいんですよ?カニ味噌が特に絶品です。隠形サザエは海の岩場に張り付いてるんですが姿を隠せる能力を持っているので見つけるのが困難なサザエですね」
(ブルークラブは分からないけど隠形サザエならもしかしたらいけるかも知れないな)
「よしっなら早速海に行ってくるわ」
「いってらっしゃい!」
アンセムはシーラに見送られ冒険者ギルドから出発した。そして海パン一丁に着替える。
そしてブルーハワイアンの街から行けるビーチに移動する、ビーチから海に潜り隠形サザエが隠れている岩場を探そうとした。
(隠形サザエと言うくらいだ、シーラちゃんが穴場を知ってる訳ないしな。なら……アレだ)
ビーチからある程度離れた、そこでアンセムは変身する、変身したのは忍者タコだ。
忍者タコは隠形サザエと同じように姿を消せる能力を持ち、更に姿を見えない獲物を見つける能力を持っていた。
「クククッここの冒険者ギルドで聞いた話だ。この忍者タコは隠形サザエの天敵だってな、ならそれに変身すればなんとかなるだろう」
光が届く明るい海底をスイスイ泳いで移動する。
すると海底にてある発見をした。
(アレは……洞窟か?海底洞窟だ!)
そこには立て5メートル、横幅8メートルの入口が口を開けていた。
アンセムが近づく、すると妙な気配を感じた。
それはダンジョンに近い特殊な空間の放つ気配だった、相応に中は続いているだろうとアンセムは考えた。
(ここは海底、人間じゃ無理な場所に出来た洞窟か。海棲モンスターの巣かと思ったけどこの気配は多分ダンジョンか……いやっ別の特殊空間か?)
冒険者として未知の洞窟には興味はある、しかし今は別の依頼の最中だった。
依頼を着実にこなさないと冒険者としての信用は得られない。
ブルーハワイアンに来て日が浅いアンセムとしてはたまに受ける仕事くらいはキッチリこなすべきだと思った。
「しょうがない、この洞窟は後回しだ。今は隠形サザエをゲットするのが先決だな」
そしてアンセムは忍者タコのまま海底の岩場まで移動した、岩場には様々な魚が泳ぎ海藻の類が揺らめいていた。
海底の美しい景色を眺めながら隠形サザエを探している、すると視界には何もいないのだがなんとなく違和感を覚えた。
試しにその違和感を感じる部分にタコ足を伸ばしてペタペタと岩を触ってみると途中で何かにタコ足が当たった。それは見えない何かだった。
「隠形サザエ、みっけ~~」
岩場には隠形サザエがかなりいた、アンセムは籠がいっぱいになるまで隠形サザエを捕まえて冒険者ギルドに帰った。
アンセムは青い海にダイブした。シュノーケル付きゴーグルを装備しているアンセムの視界には海を泳ぐ色とりどりの魚が泳ぐ姿が見える。
(まさに海の宝石箱!いや~この歳で独りで海にバカンスしに来るとは思わなかったわ!)
アンセムは旅の途中、ブルーハワイアンと言う港町に寄っていた。ブルーハワイアンは街の中にビーチを持つ漁業が盛んな街だ。
夏にはそのビーチに旅行客がバカンスしに来る事も多い。
そして今は夏真っ盛りである、前世も今世も独身の寂しいアンセムも夏の海に誘われたのだ。
(日本なら中年が独りで海に行くなんて出来なかった、なんやかんや体裁ってのがあるからな……けどここは異世界だ、最早俺は欲望を抑えんよ。俺は、俺はひと夏のメモリーをこの手にする!)
いわゆる行きずりの恋的な物を求めている、ワンナイトラブだ。
女性にまともに相手にされた経験もないくせに身の程知らずな目標を掲げるアンセムだった。
ただ今のアンセムは女の尻より異世界の海の生き物に夢中のようだ。
(おお~~七色に輝く魚とかいるな、それにあのエビ、尻尾からジェット噴射で泳いでるのか?あの貝にはカニみたいな脚が生えてるだと!?)
まだ浅い所にいるのだが実に様々な海の生命を目の当たりにする、ちなみにこのビーチの海にはモンスター避けの魔道具を浮かべていて沖にまでアンセムは泳いでいけない。
(あっちっこいタコとタツノオトシゴがケンカしとる、面白いな~~)
「──ぷっハァッ!ふぅ~~~本当に何十年ぶりに泳いだかな、気持ちいいな~~~」
アンセムはそのまま海に浮かんで揺られたり泳いだりした、もちろん若い女性が海にいたらシュノーケル付きゴーグルを装備して気配を消して海の中からそっと見守る事も忘れない。
その日アンセムは幸せそうな顔でビーチから宿屋に帰っていった。
翌日。宿屋の個室にて。
(かっ身体が筋肉痛でヤバイ!……いっ一旦スライムに戻って筋肉痛を解除せねば!)
筋肉痛の呪いから脱出したアンセムはブルーハワイアンの冒険者ギルドに顔を出した。
ギルドの受付カウンターに行く。
そこにはギルドの受付譲のシーラ、ギルドの制服などはないようで、白いシャツをヘソの上辺りで結んで下は紺の短パンをはいていた。歳は二十歳程の小麦色の肌が健康的な女性だった。
スタイルも良く夏の魔力に犯されたアンセムの鼻の下は伸びる。
「おはようアンセムさん、今日はギルドで依頼を探してるの?」
「そうだよシーラちゃん、昨日は休みを取ったからね。今日は何かしら働こうかなってね、何か丁度良い依頼とかってある?遠くに行くのとかは勘弁だけど」
「う~~んそうですね。採取依頼ならブルークラブや隠形サザエとかですかね、どっちもブルーハワイアンの特産品でギルドでも高値で買い取ってます討伐依頼だと海なら大王イカや飛行ザメがありますよ?」
(討伐依頼の大王イカは日本のヤツとは違う、確か全長20メートル以上ある化け物だ1人じゃ無理だ。飛行ザメは群れで狩りするサメで短い時間なら海上を飛べるサメか……こっちも無理だな)
「それなら採取依頼を受けようかな、そのブルークラブと隠形サザエってのについて教えてくれる?」
「ブルークラブは青い60センチある蟹です、美味しいんですよ?カニ味噌が特に絶品です。隠形サザエは海の岩場に張り付いてるんですが姿を隠せる能力を持っているので見つけるのが困難なサザエですね」
(ブルークラブは分からないけど隠形サザエならもしかしたらいけるかも知れないな)
「よしっなら早速海に行ってくるわ」
「いってらっしゃい!」
アンセムはシーラに見送られ冒険者ギルドから出発した。そして海パン一丁に着替える。
そしてブルーハワイアンの街から行けるビーチに移動する、ビーチから海に潜り隠形サザエが隠れている岩場を探そうとした。
(隠形サザエと言うくらいだ、シーラちゃんが穴場を知ってる訳ないしな。なら……アレだ)
ビーチからある程度離れた、そこでアンセムは変身する、変身したのは忍者タコだ。
忍者タコは隠形サザエと同じように姿を消せる能力を持ち、更に姿を見えない獲物を見つける能力を持っていた。
「クククッここの冒険者ギルドで聞いた話だ。この忍者タコは隠形サザエの天敵だってな、ならそれに変身すればなんとかなるだろう」
光が届く明るい海底をスイスイ泳いで移動する。
すると海底にてある発見をした。
(アレは……洞窟か?海底洞窟だ!)
そこには立て5メートル、横幅8メートルの入口が口を開けていた。
アンセムが近づく、すると妙な気配を感じた。
それはダンジョンに近い特殊な空間の放つ気配だった、相応に中は続いているだろうとアンセムは考えた。
(ここは海底、人間じゃ無理な場所に出来た洞窟か。海棲モンスターの巣かと思ったけどこの気配は多分ダンジョンか……いやっ別の特殊空間か?)
冒険者として未知の洞窟には興味はある、しかし今は別の依頼の最中だった。
依頼を着実にこなさないと冒険者としての信用は得られない。
ブルーハワイアンに来て日が浅いアンセムとしてはたまに受ける仕事くらいはキッチリこなすべきだと思った。
「しょうがない、この洞窟は後回しだ。今は隠形サザエをゲットするのが先決だな」
そしてアンセムは忍者タコのまま海底の岩場まで移動した、岩場には様々な魚が泳ぎ海藻の類が揺らめいていた。
海底の美しい景色を眺めながら隠形サザエを探している、すると視界には何もいないのだがなんとなく違和感を覚えた。
試しにその違和感を感じる部分にタコ足を伸ばしてペタペタと岩を触ってみると途中で何かにタコ足が当たった。それは見えない何かだった。
「隠形サザエ、みっけ~~」
岩場には隠形サザエがかなりいた、アンセムは籠がいっぱいになるまで隠形サザエを捕まえて冒険者ギルドに帰った。
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