47 / 412
2章
ヴァイスの森のエルフ
しおりを挟む
ツァインから西にある、ヴァイスの森。
この森には古くから自然と共に生きる民、エルフが住んでいるとされている。
エルフは感覚が鋭く、弓が得意で魔法をも操る種族として有名だ。
しかし、このヴァイスの森に住むエルフは少し違っていた。
エルフは昔、閉鎖的な種族であったが、現在はかなり開放的になっている。
エルフの里を出入りできる人間も多く、エルフも里を離れ人間の街に住むことも多いのだが、このヴァイスの森のエルフは別であった。
未だ閉鎖的であり、他の種族が自分たちの里に入ることを許さず、また、自分たちも里の外に出ることが無い。
それには理由がある。
このヴァイスの森のエルフは特別であった。
というのもこの里の族長になるエルフの家系には特別な力が備わっていた。
その力というのは魔物と共に育ち、共に生きる力を持つことである。
大げさな言い方をしたが、そこら辺にいる魔物をテイミングして手なずけると言うわけではないのだ。
育てられる魔物は生涯一匹である。
そして、その魔物は卵から育てることになる。
テイミングと違うのは魔物を仲間とするわけではなく、家族として育てることにあった。
そして、このエルフに育てられた魔物は進化をするのだ。
例えば、先代の族長は初めはランクFの魔物であるベビードラゴンであったが族長が息を引き取る前にはランクAのワイバーンまで進化していた。
そして、この魔物は里を護る守護者でもあるのだ。
守護者である魔物が護っている間はこの里は安全だ、誰もがそう思っていた。
当然である、ランクAの魔物を倒せるものなどそうはいない。
この魔物がいる限り、この里は安全なのだとそう思っていたのだ。
そう・・・ランクAの魔物がいれば・・・である。
だが、今、その守護者はいなくなろうとしていた。
現族長が寿命により息を引取ろうとしているのだ。
本来であればその子供が族長を引き継ぎ、その子供が育てた魔物が新たな守護者となるのだが、現族長の息子はすでに病により他界していた。
その為、現族長が息を引取ればその瞬間、守護者はいなくなる。
族長には一人の孫がいるが、その孫はまだ、守護者となる魔物の卵を孵化させられていない。
とはいえ、閉鎖的な里である。
自分たちの族長にそんな力があることは他の種族には知られていないだろう。
なら、ゆっくりと族長の孫が成長するのを見守ればいい。
それまでは自分たちが族長の孫を護ってみせると思っていたのだ。
そう言って、エルフたちは族長を見送った。
「孫を頼む」と最後に残した族長は笑顔で息を引き取ったのだ。
全族長の孫の少女は、祖父が死んだことを悲しみながらも次の族長になる為に魔物の卵に語り掛けていた。
「おじい様のワイバーンのように強い子になってね」
まだ、幼さの残る少女はトレードマークである赤いリボンを頭の後ろにつけ優しく卵を撫でる。
外では小鳥たちが鳴いており、平和な時間が流れていた。
「おーい、そろそろ時間だぞ、リーナ!」
「あ、コハク兄様!」
コハクと呼ばれた少年はリーナと同じくらいか一つ上の少年で、金色の髪をした細身で、青い瞳の綺麗な美少年であった。
対して、リーナほうは深い緑の髪が神秘的な雰囲気を出しており、琥珀色の瞳が優しさを醸し出していた。
コハク兄様とリーナは呼んでいるが髪や瞳の色から分かるように、この二人に血のつながりはない。
幼いころから共に過ごし兄のように慕っている為、リーナはコハクの事を兄様と呼ぶようになった。
「ほら、さっさと準備しろ、儀式の間に行くぞ」
「はい、兄様」
儀式の間というのは族長となる一族の物が卵の状態である魔物に魔力を通して語り掛け、絆を結ぶ儀式を行う場所である。
儀式がうまくいけば、卵は孵り、新たなる魔物が生まれてくる。
そして、その魔物を育てることが族長となる一族に課せられた使命なのだ。
そして、リーナも今日、その儀式を行うことになっていた。
「どんな子が出てくるかな?」
「リーナのパートナーならきっといい子が生まれるさ」
「楽しみです」
卵を持って、二人は儀式の間へと向かった。
儀式の間に近づくと、里の人がリーナを応援する。
その言葉に勇気をもらいながらリーナは卵を抱えながら進んだ。
儀式の間に着くと、そこには大きな魔方陣が書かれており、その中心へとリーナは移動する。
この場所で卵に語り掛けるのだ。
「リーナ、俺は儀式の間の外で待っている」
「はい、兄様」
コハクを笑顔で送り出し、リーナは卵と向き合った。
「卵さん、私はおじい様のようにこの里を護りたいのです。お願いします、私に力を貸してください」
ドクンと心臓の音のような声が聞こえる。
リーナにはその音が卵が返事をしてくれているように聞こえた。
「力を貸してくださるのですね、ありがとうございます」
リーナは微笑むと、手を卵へと近づける。そして、自分の魔力を卵へと流した。
リーナの魔力に反応をして地面に書かれている魔法陣が光り出す。
「最初に会ったのもこの場所でした・・・」
リーナがまだ幼い頃、コハクと共にこの場所に忍び込んだ時、この卵はリーナの目の前に現れたのだ。
族長となる者の前に姿を現す卵、その卵はいつ現れるのか、誰が持ってくるのかわからない。
リーナの祖父である元族長は、寝ていたらいつの間にか布団の中に卵があったと言う。
そのさらに先代は風呂で頭を洗っていたら先に風呂に入られたと・・・。
まさに神出鬼没の卵なのだ。
「古の森人が願う、汝の姿を我が前に、共に苦楽を・・・」
リーナが呟くと、魔法陣の魔力が卵へと収束する。
そして、その魔力が卵の中へと入り込んだ。
再び、心臓の鳴る音が聞こえると、卵にヒビが入った。
卵が孵化するのだ。
ヒビが段々と増えていき、そして、卵の殻が割れる。
「・・・・・・わあ」
卵の中からは一匹の犬・・・いや、狼が現れた。
「かわいいです」
中から出てきた魔物をリーナは優しく抱き上げる。
顔を近づけると狼の魔物はリーナを舐める。
「くすぐったいです」
笑い声をあげながら頬を舐められているリーナはハッと声を上げる。
「名前、付けないといけませんね」
「ガウ!」
狼の魔物が返事をするかのように声を上げ、尻尾を振った。
「うーん、ベロリンチョなんてどうです?」
狼の魔物は必死に左右に首を振った。
とっても嫌そうである。
「では、ベンベロベーンは?」
またも首を振るベンベロ・・・じゃない狼の魔物。
そのやり取りはしばらく続くことになった。
リーナが出す名前を悉く拒否する狼の魔物・・・まあ、当然ではある。
そこに、儀式の間の扉が開いた。
「あ、コハク兄様」
「どうやら、魔物を孵化できたようだな・・・狼の魔物・・・ホワイトウルフか」
ホワイトウルフとはランクFの狼型の魔物である。
頭が良く、獲物を罠に嵌めて群れで襲い掛かる習性を持っている。
「それで、何をやっているんだ?」
「この子の名前を決めようとしていたのです、ですが・・・」
狼の魔物が尻尾を垂らしながらしょんぼりとしている。
「どんな名前を付けたんだ?」
「今は、ゴッドグレイテリストベロンチョはどうかと聞いてました」
「相変わらずのセンスだな・・・はあ」
見ると狼の魔物が涙目になりながら助けを求めているように見えた。
魔物を名前ひとつで泣かすというのはすごいのではないだろうか。
「綺麗な翡翠色の眼をしているな・・・優しそうな魔物だ」
「はい!」
「目の色からとってヒスイというのはどうだ?どうやらメスの様だぞ?」
「ヒスイ・・・はい、とってもいいと思います!」
リーナが承諾すると狼の魔物はその名が気に入ったのか尻尾をブンブンと振った。
「ヒスイも気に入ったみたいです・・・さすが兄様です!」
「ははは・・・じゃあ、里のみんなにもヒスイ見せてあげよう」
「はい!」
儀式の間は里の奥の社の奥にある。
ここに入れるのは族長と族長が許可したものだけであり、その許可をだせるのは次の族長であるリーナだけなのだ。
そして、コハクはそのリーナの許可を得てここにいる。
もちろん、他のエルフたちもそのことは認めていた。
コハクはまだ幼いながらも大人顔負けの弓の腕をしている。
腕力では大人たちに負けるも弓の腕ではコハクに勝てるものがいないほどであった。
コハクとリーナは儀式の間から外へ出た。
ヒスイはリーナの腕で抱えられている。
魔物と言えどまだ子供である。
本来の魔物は魔石から成体姿で行きなり出現するが、ヴァイスの森の守護者は違う。己が成長するために幼い姿で卵から産まれるのだ。
外はいつも通りの穏やかな緑一色の世界・・・ではなかった。
赤い、これは炎の赤なのか血の赤なのか、それが分からないほどの赤である。
「こ、これは!?」
「兄様!」
コハクはリーナに外の光景を見せないように前へ立つ。
外には何人もの里のエルフの死体があった。
「おやおや、やっと見つけましたよ」
そこには里の人間の髪の毛を引っ張り引きずりながらこちらへと歩いてくるフードを目深にかぶった人物がいた。
その者は薄ら笑いをあげながらリーナを見ているのであった。
この森には古くから自然と共に生きる民、エルフが住んでいるとされている。
エルフは感覚が鋭く、弓が得意で魔法をも操る種族として有名だ。
しかし、このヴァイスの森に住むエルフは少し違っていた。
エルフは昔、閉鎖的な種族であったが、現在はかなり開放的になっている。
エルフの里を出入りできる人間も多く、エルフも里を離れ人間の街に住むことも多いのだが、このヴァイスの森のエルフは別であった。
未だ閉鎖的であり、他の種族が自分たちの里に入ることを許さず、また、自分たちも里の外に出ることが無い。
それには理由がある。
このヴァイスの森のエルフは特別であった。
というのもこの里の族長になるエルフの家系には特別な力が備わっていた。
その力というのは魔物と共に育ち、共に生きる力を持つことである。
大げさな言い方をしたが、そこら辺にいる魔物をテイミングして手なずけると言うわけではないのだ。
育てられる魔物は生涯一匹である。
そして、その魔物は卵から育てることになる。
テイミングと違うのは魔物を仲間とするわけではなく、家族として育てることにあった。
そして、このエルフに育てられた魔物は進化をするのだ。
例えば、先代の族長は初めはランクFの魔物であるベビードラゴンであったが族長が息を引き取る前にはランクAのワイバーンまで進化していた。
そして、この魔物は里を護る守護者でもあるのだ。
守護者である魔物が護っている間はこの里は安全だ、誰もがそう思っていた。
当然である、ランクAの魔物を倒せるものなどそうはいない。
この魔物がいる限り、この里は安全なのだとそう思っていたのだ。
そう・・・ランクAの魔物がいれば・・・である。
だが、今、その守護者はいなくなろうとしていた。
現族長が寿命により息を引取ろうとしているのだ。
本来であればその子供が族長を引き継ぎ、その子供が育てた魔物が新たな守護者となるのだが、現族長の息子はすでに病により他界していた。
その為、現族長が息を引取ればその瞬間、守護者はいなくなる。
族長には一人の孫がいるが、その孫はまだ、守護者となる魔物の卵を孵化させられていない。
とはいえ、閉鎖的な里である。
自分たちの族長にそんな力があることは他の種族には知られていないだろう。
なら、ゆっくりと族長の孫が成長するのを見守ればいい。
それまでは自分たちが族長の孫を護ってみせると思っていたのだ。
そう言って、エルフたちは族長を見送った。
「孫を頼む」と最後に残した族長は笑顔で息を引き取ったのだ。
全族長の孫の少女は、祖父が死んだことを悲しみながらも次の族長になる為に魔物の卵に語り掛けていた。
「おじい様のワイバーンのように強い子になってね」
まだ、幼さの残る少女はトレードマークである赤いリボンを頭の後ろにつけ優しく卵を撫でる。
外では小鳥たちが鳴いており、平和な時間が流れていた。
「おーい、そろそろ時間だぞ、リーナ!」
「あ、コハク兄様!」
コハクと呼ばれた少年はリーナと同じくらいか一つ上の少年で、金色の髪をした細身で、青い瞳の綺麗な美少年であった。
対して、リーナほうは深い緑の髪が神秘的な雰囲気を出しており、琥珀色の瞳が優しさを醸し出していた。
コハク兄様とリーナは呼んでいるが髪や瞳の色から分かるように、この二人に血のつながりはない。
幼いころから共に過ごし兄のように慕っている為、リーナはコハクの事を兄様と呼ぶようになった。
「ほら、さっさと準備しろ、儀式の間に行くぞ」
「はい、兄様」
儀式の間というのは族長となる一族の物が卵の状態である魔物に魔力を通して語り掛け、絆を結ぶ儀式を行う場所である。
儀式がうまくいけば、卵は孵り、新たなる魔物が生まれてくる。
そして、その魔物を育てることが族長となる一族に課せられた使命なのだ。
そして、リーナも今日、その儀式を行うことになっていた。
「どんな子が出てくるかな?」
「リーナのパートナーならきっといい子が生まれるさ」
「楽しみです」
卵を持って、二人は儀式の間へと向かった。
儀式の間に近づくと、里の人がリーナを応援する。
その言葉に勇気をもらいながらリーナは卵を抱えながら進んだ。
儀式の間に着くと、そこには大きな魔方陣が書かれており、その中心へとリーナは移動する。
この場所で卵に語り掛けるのだ。
「リーナ、俺は儀式の間の外で待っている」
「はい、兄様」
コハクを笑顔で送り出し、リーナは卵と向き合った。
「卵さん、私はおじい様のようにこの里を護りたいのです。お願いします、私に力を貸してください」
ドクンと心臓の音のような声が聞こえる。
リーナにはその音が卵が返事をしてくれているように聞こえた。
「力を貸してくださるのですね、ありがとうございます」
リーナは微笑むと、手を卵へと近づける。そして、自分の魔力を卵へと流した。
リーナの魔力に反応をして地面に書かれている魔法陣が光り出す。
「最初に会ったのもこの場所でした・・・」
リーナがまだ幼い頃、コハクと共にこの場所に忍び込んだ時、この卵はリーナの目の前に現れたのだ。
族長となる者の前に姿を現す卵、その卵はいつ現れるのか、誰が持ってくるのかわからない。
リーナの祖父である元族長は、寝ていたらいつの間にか布団の中に卵があったと言う。
そのさらに先代は風呂で頭を洗っていたら先に風呂に入られたと・・・。
まさに神出鬼没の卵なのだ。
「古の森人が願う、汝の姿を我が前に、共に苦楽を・・・」
リーナが呟くと、魔法陣の魔力が卵へと収束する。
そして、その魔力が卵の中へと入り込んだ。
再び、心臓の鳴る音が聞こえると、卵にヒビが入った。
卵が孵化するのだ。
ヒビが段々と増えていき、そして、卵の殻が割れる。
「・・・・・・わあ」
卵の中からは一匹の犬・・・いや、狼が現れた。
「かわいいです」
中から出てきた魔物をリーナは優しく抱き上げる。
顔を近づけると狼の魔物はリーナを舐める。
「くすぐったいです」
笑い声をあげながら頬を舐められているリーナはハッと声を上げる。
「名前、付けないといけませんね」
「ガウ!」
狼の魔物が返事をするかのように声を上げ、尻尾を振った。
「うーん、ベロリンチョなんてどうです?」
狼の魔物は必死に左右に首を振った。
とっても嫌そうである。
「では、ベンベロベーンは?」
またも首を振るベンベロ・・・じゃない狼の魔物。
そのやり取りはしばらく続くことになった。
リーナが出す名前を悉く拒否する狼の魔物・・・まあ、当然ではある。
そこに、儀式の間の扉が開いた。
「あ、コハク兄様」
「どうやら、魔物を孵化できたようだな・・・狼の魔物・・・ホワイトウルフか」
ホワイトウルフとはランクFの狼型の魔物である。
頭が良く、獲物を罠に嵌めて群れで襲い掛かる習性を持っている。
「それで、何をやっているんだ?」
「この子の名前を決めようとしていたのです、ですが・・・」
狼の魔物が尻尾を垂らしながらしょんぼりとしている。
「どんな名前を付けたんだ?」
「今は、ゴッドグレイテリストベロンチョはどうかと聞いてました」
「相変わらずのセンスだな・・・はあ」
見ると狼の魔物が涙目になりながら助けを求めているように見えた。
魔物を名前ひとつで泣かすというのはすごいのではないだろうか。
「綺麗な翡翠色の眼をしているな・・・優しそうな魔物だ」
「はい!」
「目の色からとってヒスイというのはどうだ?どうやらメスの様だぞ?」
「ヒスイ・・・はい、とってもいいと思います!」
リーナが承諾すると狼の魔物はその名が気に入ったのか尻尾をブンブンと振った。
「ヒスイも気に入ったみたいです・・・さすが兄様です!」
「ははは・・・じゃあ、里のみんなにもヒスイ見せてあげよう」
「はい!」
儀式の間は里の奥の社の奥にある。
ここに入れるのは族長と族長が許可したものだけであり、その許可をだせるのは次の族長であるリーナだけなのだ。
そして、コハクはそのリーナの許可を得てここにいる。
もちろん、他のエルフたちもそのことは認めていた。
コハクはまだ幼いながらも大人顔負けの弓の腕をしている。
腕力では大人たちに負けるも弓の腕ではコハクに勝てるものがいないほどであった。
コハクとリーナは儀式の間から外へ出た。
ヒスイはリーナの腕で抱えられている。
魔物と言えどまだ子供である。
本来の魔物は魔石から成体姿で行きなり出現するが、ヴァイスの森の守護者は違う。己が成長するために幼い姿で卵から産まれるのだ。
外はいつも通りの穏やかな緑一色の世界・・・ではなかった。
赤い、これは炎の赤なのか血の赤なのか、それが分からないほどの赤である。
「こ、これは!?」
「兄様!」
コハクはリーナに外の光景を見せないように前へ立つ。
外には何人もの里のエルフの死体があった。
「おやおや、やっと見つけましたよ」
そこには里の人間の髪の毛を引っ張り引きずりながらこちらへと歩いてくるフードを目深にかぶった人物がいた。
その者は薄ら笑いをあげながらリーナを見ているのであった。
0
あなたにおすすめの小説
追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~
さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。
全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。
ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。
これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!
私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ
柚木 潤
ファンタジー
薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。
そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。
舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。
舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。
以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・
「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。
主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。
前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。
また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。
以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。
チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記
ノン・タロー
ファンタジー
ごく普通の女子高生である「武久 佳奈」は、通学途中に突然異世界へと飛ばされてしまう。
これは何の特殊な能力もチートなスキルも持たない、ただごく普通の女子高生が、自力で会得した魔法やスキルを駆使し、元の世界へと帰る方法を探すべく見ず知らずの異世界で様々な人々や、様々な仲間たちとの出会いと別れを繰り返し、成長していく記録である……。
設定
この世界は人間、エルフ、妖怪、獣人、ドワーフ、魔物等が共存する世界となっています。
その為か男性だけでなく、女性も性に対する抵抗がわりと低くなっております。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
俺たちYOEEEEEEE?のに異世界転移したっぽい?
くまの香
ファンタジー
いつもの朝、だったはずが突然地球を襲う謎の現象。27歳引きニートと27歳サラリーマンが貰ったスキル。これ、チートじゃないよね?頑張りたくないニートとどうでもいいサラリーマンが流されながら生きていく話。現実って厳しいね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる