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6章
十二神将、襲来
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「ハ~ッハッハッハ!トカゲ共が逃げ惑ってるぜ!!」
「竜なんて言っても、所詮は炎がはけるだけの大きな的ね……」
「ウシャシャシャ、コロスコロス!」
「………詰まらない」
竜の住処に舞い降りた四人の魔族。
たったの四人で、周りにいる竜を悉く葬っていた。
「な、なんだこの魔族……強すぎっ……ぎゃああああ!!」
「くそっ、よくも……ぐああああ!!」
一人のドラゴンはブレスをかき消すほどの炎を喰らい消し炭に。
一人のドラゴンは槍を突かれ、そのお腹に大きな風穴を開けた。
「強い?当然だろう!」
「私達は十二神将……魔族でもトップの力を持つのだから……」
「ウシャシャシャ、コロスコロスコロス!」
「……はあ」
つまり、十二神将が四人もこの竜の住処へとやってきたのだ。
一人でも手ごわい十二神将が四人。
ラガナがいるとはいえ、クオン達でも苦戦するかもしれない相手である。
「ど、どうしたら……ぎゃああああ!」
「に、にげっ……な、なんだれっ!?……ぎゃっ!!」
戸惑うドラゴンに魔族の腕が伸び、お腹のあたりにその腕が突き刺さる。
そして、突き刺さった腕が無数の針の形に変形し、竜の体内から串刺しにした。
それを見て逃げようとするドラゴンにもう一人の魔族が出現させた植物の弦のようなものが巻き付き、その竜の首をへし折る。
「こ、こんなのどうすれば……」
「怯むな!我らが敗れれば竜の命運は尽きるのだぞ!なんとしても奴らを滅ぼすのだ!」
恐怖に後退りを始める竜達に、カモメ達をこの住処まで案内してくれたレガロールが叱咤を飛ばす。
「ハ~ハッハッハ!唯のでかい図体の的がどうやって俺たちを滅ぼすんだよ!」
「確かに、今のままでは唯の的だな……少し、身軽にならせてもらおう!」
そう言うとレガロールは人間の姿に変身をし、魔族に向かって奔り出す。
そして、ブレスを目くらましにし、後ろへと回り込んだ。
「へぇ、人間みたいになれるんだな……ってありゃ?どこいった?」
「後ろよ、馬鹿」
「あん?」
回り込んだレガロールは口からレーザーのようなものを吐きだす。
「うおっ!?」
「レーザーブレスね……高位の竜のみ使えると言われるきわめて強力なブレスよ」
「あちちっ、やるじゃねぇか」
「……なんだと?」
だが、その強力なレーザーブレスを受けても、敵の魔族は少し熱がるだけで無傷であった。
「わりぃなぁ、俺は特別熱に強いんだよ!」
「ぐあああああ!!」
そう言うと、魔族は掌から黒い炎を出現させ、レガロール目掛けて放った。
レガロールは咄嗟にそれを躱す為、ドラゴンの翼だけ背中に召喚し、飛翔する。
「なんと、禍々しい炎だ……」
「へえ、そんなことも出来るのか……じゃあ、こいつも避けられるかな!」
空へ逃げたレガロール目掛けて、今度は特大の黒い炎を出現させた。
「くっ……避けられぬ!」
「レガロール様!!」
完全にとらえられたレガロールに周りにいたドラゴンたちが悲鳴のような声を上げる。
だが、その黒い炎はレガロールに届く前にかき消された。
「なんじゃ、レガロール。あんな炎もかき消せぬのか?弱くなったのう」
「なっ、ラガナ!?」
レガロールを助けたのは同じように背中に翼を生やした状態で飛翔している、竜の異常種であるラガナであった。
「なんだぁ、あの餓鬼は?」
「ガラの悪そうなやつじゃな……面白い余が相手になってやる」
「ラガナ!貴様は里から出ていった身、この戦いに関係などないはずだ!」
「うむ、じゃから余は余の好きに戦うのじゃ!」
そう言うと、ラガナはものすごいスピードで魔族の元へと飛んで行き、目にも止まらぬ速さで魔族のお腹に強烈な拳を叩き込んだ。
「がっ……なんだと?」
「ほう、堅いようじゃな、ならもう一発!」
「がはっ!!」
まだ、意識もあり、倒れもしない魔族の顔面にラガナは強烈な蹴りを放つ。
その蹴りをまともに喰らい、魔族は仲間たちの元まで飛んで行った。
「あら……竜の中にも私達と戦える者がいるのね」
「あら、竜だけじゃありませんわよ?」
「!?」
「横から失礼しますわ……聖滅全力魔弾」
「なっ!?」
いきなり放たれる聖滅全力魔弾に魔族たちはその場を離れることで躱す……が、唯一、ラガナに蹴り飛ばされた魔族はまだ体制を整えていない状態であったため、避けることも叶わず、聖滅全力魔弾の直撃を受けることになる。
「ぎゃあああああああ!!」
「あら、ほとんど避けられてしまいましたわね」
「でも、一匹は倒せたんじゃない?」
「そうでもないみたいですわよ…」
倒せたというディータに、エリンシアはそう言うと、もぞもぞと動いている物体を指さす。
聖滅全力魔弾の直撃を受けたにもかかわらず、魔族は滅びてはいなかった。
「タフね……」
「ですわね……それに、ピンピンしているのが他にも三体もいらっしゃいますわ」
「数的にも不利……か」
こちらの戦力と言えば、ラガナとエリンシア、そしてクオンであるが、クオンはカモメの安全の為に、カモメの傍に置いてきた。そうなると、魔族とまともに戦えるのはラガナとエリンシアのみとなる。
ディータも戦えないことは無いが今のディータの力で十二神将と名乗る敵と戦うのは無理がある。
昔の女神の時の力があれば……とディータは奥歯を噛むのであった。
「竜なんて言っても、所詮は炎がはけるだけの大きな的ね……」
「ウシャシャシャ、コロスコロス!」
「………詰まらない」
竜の住処に舞い降りた四人の魔族。
たったの四人で、周りにいる竜を悉く葬っていた。
「な、なんだこの魔族……強すぎっ……ぎゃああああ!!」
「くそっ、よくも……ぐああああ!!」
一人のドラゴンはブレスをかき消すほどの炎を喰らい消し炭に。
一人のドラゴンは槍を突かれ、そのお腹に大きな風穴を開けた。
「強い?当然だろう!」
「私達は十二神将……魔族でもトップの力を持つのだから……」
「ウシャシャシャ、コロスコロスコロス!」
「……はあ」
つまり、十二神将が四人もこの竜の住処へとやってきたのだ。
一人でも手ごわい十二神将が四人。
ラガナがいるとはいえ、クオン達でも苦戦するかもしれない相手である。
「ど、どうしたら……ぎゃああああ!」
「に、にげっ……な、なんだれっ!?……ぎゃっ!!」
戸惑うドラゴンに魔族の腕が伸び、お腹のあたりにその腕が突き刺さる。
そして、突き刺さった腕が無数の針の形に変形し、竜の体内から串刺しにした。
それを見て逃げようとするドラゴンにもう一人の魔族が出現させた植物の弦のようなものが巻き付き、その竜の首をへし折る。
「こ、こんなのどうすれば……」
「怯むな!我らが敗れれば竜の命運は尽きるのだぞ!なんとしても奴らを滅ぼすのだ!」
恐怖に後退りを始める竜達に、カモメ達をこの住処まで案内してくれたレガロールが叱咤を飛ばす。
「ハ~ハッハッハ!唯のでかい図体の的がどうやって俺たちを滅ぼすんだよ!」
「確かに、今のままでは唯の的だな……少し、身軽にならせてもらおう!」
そう言うとレガロールは人間の姿に変身をし、魔族に向かって奔り出す。
そして、ブレスを目くらましにし、後ろへと回り込んだ。
「へぇ、人間みたいになれるんだな……ってありゃ?どこいった?」
「後ろよ、馬鹿」
「あん?」
回り込んだレガロールは口からレーザーのようなものを吐きだす。
「うおっ!?」
「レーザーブレスね……高位の竜のみ使えると言われるきわめて強力なブレスよ」
「あちちっ、やるじゃねぇか」
「……なんだと?」
だが、その強力なレーザーブレスを受けても、敵の魔族は少し熱がるだけで無傷であった。
「わりぃなぁ、俺は特別熱に強いんだよ!」
「ぐあああああ!!」
そう言うと、魔族は掌から黒い炎を出現させ、レガロール目掛けて放った。
レガロールは咄嗟にそれを躱す為、ドラゴンの翼だけ背中に召喚し、飛翔する。
「なんと、禍々しい炎だ……」
「へえ、そんなことも出来るのか……じゃあ、こいつも避けられるかな!」
空へ逃げたレガロール目掛けて、今度は特大の黒い炎を出現させた。
「くっ……避けられぬ!」
「レガロール様!!」
完全にとらえられたレガロールに周りにいたドラゴンたちが悲鳴のような声を上げる。
だが、その黒い炎はレガロールに届く前にかき消された。
「なんじゃ、レガロール。あんな炎もかき消せぬのか?弱くなったのう」
「なっ、ラガナ!?」
レガロールを助けたのは同じように背中に翼を生やした状態で飛翔している、竜の異常種であるラガナであった。
「なんだぁ、あの餓鬼は?」
「ガラの悪そうなやつじゃな……面白い余が相手になってやる」
「ラガナ!貴様は里から出ていった身、この戦いに関係などないはずだ!」
「うむ、じゃから余は余の好きに戦うのじゃ!」
そう言うと、ラガナはものすごいスピードで魔族の元へと飛んで行き、目にも止まらぬ速さで魔族のお腹に強烈な拳を叩き込んだ。
「がっ……なんだと?」
「ほう、堅いようじゃな、ならもう一発!」
「がはっ!!」
まだ、意識もあり、倒れもしない魔族の顔面にラガナは強烈な蹴りを放つ。
その蹴りをまともに喰らい、魔族は仲間たちの元まで飛んで行った。
「あら……竜の中にも私達と戦える者がいるのね」
「あら、竜だけじゃありませんわよ?」
「!?」
「横から失礼しますわ……聖滅全力魔弾」
「なっ!?」
いきなり放たれる聖滅全力魔弾に魔族たちはその場を離れることで躱す……が、唯一、ラガナに蹴り飛ばされた魔族はまだ体制を整えていない状態であったため、避けることも叶わず、聖滅全力魔弾の直撃を受けることになる。
「ぎゃあああああああ!!」
「あら、ほとんど避けられてしまいましたわね」
「でも、一匹は倒せたんじゃない?」
「そうでもないみたいですわよ…」
倒せたというディータに、エリンシアはそう言うと、もぞもぞと動いている物体を指さす。
聖滅全力魔弾の直撃を受けたにもかかわらず、魔族は滅びてはいなかった。
「タフね……」
「ですわね……それに、ピンピンしているのが他にも三体もいらっしゃいますわ」
「数的にも不利……か」
こちらの戦力と言えば、ラガナとエリンシア、そしてクオンであるが、クオンはカモメの安全の為に、カモメの傍に置いてきた。そうなると、魔族とまともに戦えるのはラガナとエリンシアのみとなる。
ディータも戦えないことは無いが今のディータの力で十二神将と名乗る敵と戦うのは無理がある。
昔の女神の時の力があれば……とディータは奥歯を噛むのであった。
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