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2部 1章
報告
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私達は邪鬼との戦闘の後、ラリアスの街の冒険者ギルドへと戻ってきていた。
「ミオン!」
私は、戻ると同時に、カウンターに座っているミオンを呼ぶ。
「カモメさん、よかった、無事だったんですね」
私たちの事を心配してくれていたのだろう、ミオンは私の顔を見ると安心したような顔を見せた。
「ありがと、でね、報告があるんだ」
「報告ですか?依頼をもう達成したのでしょうか?」
昨日とは逆に、私たちがもう依頼を達成したのではないか?と思うミオン。
私たちにそれだけの実力があると認め始めてくれているのだろう……それは素直に嬉しいんだけど……残念ながら今回は依頼の魔物は一匹も倒していない。
「ううん……依頼の魔物と出会う前に……邪鬼って言うのに出会ったんだ」
「………え?」
私の言葉を聞いて、ミオンは青ざめる……。
「待って、カモメ」
「ん、クオン?」
私が報告をしていると、クオンが止める。
どうしたんだろう?
「僕もあれが邪鬼だと思うけど、あれが名乗ったわけでもないし、邪鬼と決めつけるのは早いよ……まずは報告をして、ミオンさんやギルドの判断を仰ごう」
「あ、そっか……うん、わかった」
あの禍々しさといい、人間の恐怖や絶望を喰らおうとしていることといい、間違いなく、あれがミオンの言っていた、邪鬼と呼ばれる者であるだろう……でも、私達は邪鬼という存在をミオンから聞いただけである、あれが本当に邪鬼かは分からないのだ。
「そ、そうですね……報告をお願いします」
「待て、俺も聞こう」
私が再び、報告をしようとすると、カウンターの奥からギルドマスターが現れた。
「ギルドマスター」
「邪鬼が出たかもしれんのだろう?ギルドの長も聞くべきだろう?」
「うん、お願い」
確かに、 ミオンからギルドマスターに話してもらおうと思っていたのだから、その方が話が早い。
そして、私は、森の入り口近くで、悲鳴を聞き、そこにいた紫の肌に、赤い髪、そして金色の瞳を持った戦鎌を振り回す、存在の事を事細かに説明する。
そして、そこで命を失った冒険者の冒険者プレート3枚を渡した。
「間違いねぇな……このプレートはアレンの連れの冒険者のモンだ」
アレンと言うのは、先ほど血まみれでギルドに駆け込んできた冒険者の事である。
今は、私の治癒魔法が効いて命には別条がないが、まだ眠りから覚めていないそうだ。
あれだけ血を流したのだ、当然だろう。
「それに、今のカモメさんの話に出てきた、炎髪金色眼の存在……それはやはり……」
「ああ、邪鬼で間違いないだろう……」
どうやら、邪鬼と言うのは外見が大体一緒らしい。
炎の様な赤い髪の毛に金色の眼を持つ、紫の肌の存在……見事に私たちが見た、あの戦鎌を持った奴と一致する。
「邪鬼の狙いは何だと思う?」
あの邪鬼は去り際に、まだやることがあると言っていた。
何か狙いがあるのは間違いない……でも、邪鬼の情報がほとんどない私達には、それが何なのか見当もつかないのだ。
「邪鬼の出現……そして、森の魔物の増加……ギルドマスターこれは……」
「ああ、間違いないくこの街を狙っているだろうな」
この街を狙っている?どういうこと?
「なるほど、やはり邪鬼というのは魔物を増やすだけでなく従えることも出来るのですか?」
クオンが今のやり取りで思い当たったらしい、さすがだね。
「察しが良いな、その通りだ、恐らく邪鬼は、魔物を率いてこの街を襲ってくるつもりだろう」
「ええ!?」
この街を襲うって……だってこの街には戦えない人だっていっぱい……いや、邪鬼にはそんなの関係ないのか……笑って、相手の体の一部を貪り食うような相手だ……。
「なら、すぐにでもこちらから打って出るのかしら?」
「…………」
「あら、グズグズしていたら、間に合わないんじゃない?」
ディータの言う通りである、街で戦うことになればかなりの数の犠牲が生まれるだろう。
いや、下手をしたらこの街が滅びるかもしれない……そんなことさせちゃいけない。
「私もディータに賛成……先にこっちから攻めようよ」
「無理だ」
「なんで?」
「戦力が足りん……」
ギルドマスター話を聞いて思い出す、そうだ、ここにはCランク以上の冒険者は二人しかいないんだ。
その下のDランクやEランク、そして私と同じFランク冒険者それなりにいるだろうけど、効いた話だとそれ程、戦いになれているとは思えない……いや、中には戦闘が得意な冒険者もいるのだろうけど……魔物の大軍と戦うに数が全然足りないんだろう……。
邪鬼を見る前の私なら、私達でなんとかするよと安請け合いをしていたかもしれない。
だが、あの邪鬼と戦闘になれば他の魔物を構っている暇はないかもしれない……いや、そうなればやるしかないんだろうけど、それでも確実に抑えられるとは言えないだろう……。
「でも、だからって、戦力がないから戦いませんっていうわけにはいかないよ?」
降伏すれば助けてくれるというのならまだしも、今回は負ければ死しかないのだ。
「分かっている……だから、戦力を整えよう」
「整える?……何かあてでもあるんですの?」
「領主様に相談する、領主さまの言葉であれば国から騎士や冒険者が送られてくるだろう」
なるほど、国から戦力を補強してもらえるならそれに越したことはない……でも……。
「間に合うの?」
「わからん………邪鬼がいつごろ襲ってくるか分からん以上……賭けだろうな」
だが、もし間に合えば町に被害を出さなくてもすむかもしれない……それなら確かに、やってみる価値はあるだろう。
「なら、すぐに領主様に知らせてください」
「解った……そこで頼みがる、領主に状況を説明するために君たちの誰かひとりついてきてはくれないか?」
「うん、わかった」
状況説明をするならクオンかエリンシアがいいのかな。
「カモメに任せるよ、僕らは僕らで邪鬼について調べてみる……ミオンさん、邪鬼についての資料とか見せてもらえますか?」
「は、はい、ギルドにある資料であれば閲覧は可能ですので」
「では、お願いします」
そっか、私達は邪鬼について全然知らないもんね、クオン達に調べてもらえば、何か弱点とか見つかるかもしれない。
「わかった、じゃあ、ギルドマスターには私がついていくよ」
「頼む」
そう言うと、ギルドマスターは準備をすぐに終わらせて、領主のいる館へと向かうのだった。
「ミオン!」
私は、戻ると同時に、カウンターに座っているミオンを呼ぶ。
「カモメさん、よかった、無事だったんですね」
私たちの事を心配してくれていたのだろう、ミオンは私の顔を見ると安心したような顔を見せた。
「ありがと、でね、報告があるんだ」
「報告ですか?依頼をもう達成したのでしょうか?」
昨日とは逆に、私たちがもう依頼を達成したのではないか?と思うミオン。
私たちにそれだけの実力があると認め始めてくれているのだろう……それは素直に嬉しいんだけど……残念ながら今回は依頼の魔物は一匹も倒していない。
「ううん……依頼の魔物と出会う前に……邪鬼って言うのに出会ったんだ」
「………え?」
私の言葉を聞いて、ミオンは青ざめる……。
「待って、カモメ」
「ん、クオン?」
私が報告をしていると、クオンが止める。
どうしたんだろう?
「僕もあれが邪鬼だと思うけど、あれが名乗ったわけでもないし、邪鬼と決めつけるのは早いよ……まずは報告をして、ミオンさんやギルドの判断を仰ごう」
「あ、そっか……うん、わかった」
あの禍々しさといい、人間の恐怖や絶望を喰らおうとしていることといい、間違いなく、あれがミオンの言っていた、邪鬼と呼ばれる者であるだろう……でも、私達は邪鬼という存在をミオンから聞いただけである、あれが本当に邪鬼かは分からないのだ。
「そ、そうですね……報告をお願いします」
「待て、俺も聞こう」
私が再び、報告をしようとすると、カウンターの奥からギルドマスターが現れた。
「ギルドマスター」
「邪鬼が出たかもしれんのだろう?ギルドの長も聞くべきだろう?」
「うん、お願い」
確かに、 ミオンからギルドマスターに話してもらおうと思っていたのだから、その方が話が早い。
そして、私は、森の入り口近くで、悲鳴を聞き、そこにいた紫の肌に、赤い髪、そして金色の瞳を持った戦鎌を振り回す、存在の事を事細かに説明する。
そして、そこで命を失った冒険者の冒険者プレート3枚を渡した。
「間違いねぇな……このプレートはアレンの連れの冒険者のモンだ」
アレンと言うのは、先ほど血まみれでギルドに駆け込んできた冒険者の事である。
今は、私の治癒魔法が効いて命には別条がないが、まだ眠りから覚めていないそうだ。
あれだけ血を流したのだ、当然だろう。
「それに、今のカモメさんの話に出てきた、炎髪金色眼の存在……それはやはり……」
「ああ、邪鬼で間違いないだろう……」
どうやら、邪鬼と言うのは外見が大体一緒らしい。
炎の様な赤い髪の毛に金色の眼を持つ、紫の肌の存在……見事に私たちが見た、あの戦鎌を持った奴と一致する。
「邪鬼の狙いは何だと思う?」
あの邪鬼は去り際に、まだやることがあると言っていた。
何か狙いがあるのは間違いない……でも、邪鬼の情報がほとんどない私達には、それが何なのか見当もつかないのだ。
「邪鬼の出現……そして、森の魔物の増加……ギルドマスターこれは……」
「ああ、間違いないくこの街を狙っているだろうな」
この街を狙っている?どういうこと?
「なるほど、やはり邪鬼というのは魔物を増やすだけでなく従えることも出来るのですか?」
クオンが今のやり取りで思い当たったらしい、さすがだね。
「察しが良いな、その通りだ、恐らく邪鬼は、魔物を率いてこの街を襲ってくるつもりだろう」
「ええ!?」
この街を襲うって……だってこの街には戦えない人だっていっぱい……いや、邪鬼にはそんなの関係ないのか……笑って、相手の体の一部を貪り食うような相手だ……。
「なら、すぐにでもこちらから打って出るのかしら?」
「…………」
「あら、グズグズしていたら、間に合わないんじゃない?」
ディータの言う通りである、街で戦うことになればかなりの数の犠牲が生まれるだろう。
いや、下手をしたらこの街が滅びるかもしれない……そんなことさせちゃいけない。
「私もディータに賛成……先にこっちから攻めようよ」
「無理だ」
「なんで?」
「戦力が足りん……」
ギルドマスター話を聞いて思い出す、そうだ、ここにはCランク以上の冒険者は二人しかいないんだ。
その下のDランクやEランク、そして私と同じFランク冒険者それなりにいるだろうけど、効いた話だとそれ程、戦いになれているとは思えない……いや、中には戦闘が得意な冒険者もいるのだろうけど……魔物の大軍と戦うに数が全然足りないんだろう……。
邪鬼を見る前の私なら、私達でなんとかするよと安請け合いをしていたかもしれない。
だが、あの邪鬼と戦闘になれば他の魔物を構っている暇はないかもしれない……いや、そうなればやるしかないんだろうけど、それでも確実に抑えられるとは言えないだろう……。
「でも、だからって、戦力がないから戦いませんっていうわけにはいかないよ?」
降伏すれば助けてくれるというのならまだしも、今回は負ければ死しかないのだ。
「分かっている……だから、戦力を整えよう」
「整える?……何かあてでもあるんですの?」
「領主様に相談する、領主さまの言葉であれば国から騎士や冒険者が送られてくるだろう」
なるほど、国から戦力を補強してもらえるならそれに越したことはない……でも……。
「間に合うの?」
「わからん………邪鬼がいつごろ襲ってくるか分からん以上……賭けだろうな」
だが、もし間に合えば町に被害を出さなくてもすむかもしれない……それなら確かに、やってみる価値はあるだろう。
「なら、すぐに領主様に知らせてください」
「解った……そこで頼みがる、領主に状況を説明するために君たちの誰かひとりついてきてはくれないか?」
「うん、わかった」
状況説明をするならクオンかエリンシアがいいのかな。
「カモメに任せるよ、僕らは僕らで邪鬼について調べてみる……ミオンさん、邪鬼についての資料とか見せてもらえますか?」
「は、はい、ギルドにある資料であれば閲覧は可能ですので」
「では、お願いします」
そっか、私達は邪鬼について全然知らないもんね、クオン達に調べてもらえば、何か弱点とか見つかるかもしれない。
「わかった、じゃあ、ギルドマスターには私がついていくよ」
「頼む」
そう言うと、ギルドマスターは準備をすぐに終わらせて、領主のいる館へと向かうのだった。
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