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2部 3章
逆転
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円錐型に盛り上がった大地が村人たちの周りを囲む。
その中には近衛隊の女性とシスターも含まれていた。
「えっと……何が起こったんです?先ほど、落っこちてこられた方は確か……」
「ええ、うちの副団長です……ラリアスに応援を頼みに行ったはずなので……あの時、空に飛んでいた少女がクオン殿言っていた魔女殿なのだと思うのですが……」
どうして、自分たちが閉じ込められているのかは解らない……いや、確かにこれなら敵の兵士は入ってこれないかもしれないけれど……少しくらい相談というか報告と言うかあってもいいような気がする……いや、でもそんな悠長な状況じゃなかった……それは分かる……でも……。
「な、なんだ!?この世の終わりか!?」
「ひいいいい、私達は死んじゃったんだぁああ!」
「おかあああああさああああああああん!!!」
女性の後ろで完全にパニックに陥った村人たちを見て……二人は途方に暮れるのだった……。
「これ、私達が沈めないといけないんでしょうか……」
「………出来るかなぁ」
正直、二人も全然状況についていけていない……そもそも、普段はクールな副団長が空から顔面で着地するなどと言う奇怪な光景を目にしたことだけでも動揺を隠せないと言うのに……。
「いっそ、私達もあっちに混ざります?」
「あはは……」
一緒になってパニックになっていられればどれだけ楽か……そう思い二人は溜息をつくのだった。
「炸裂炎弾!」
「雷閃槍!」
カモメとセリシアナが互いに魔法を放ちながら順調に敵の数を減らしていく。
先ほどまで優勢の為、余裕のあったアンダールシアの兵士達の表情がみるみると焦りに飲まれていった。
「い、一体何が起きている……なぜ村人の周りにあんなものが!……あの女は何者なんだ!……我が兵士をああも簡単に……」
指示を出している兵士の目の前でカモメはどんどん敵を倒してく。
風の魔法で吹き飛ばしたり、炎の魔法で吹っ飛ばしたり、氷の魔法で氷漬けにしたり、雷の魔法で感電させたり、はたまた、近くの敵はバトーネでぶん殴り……と様々な方法で敵を減らしていった。
「敵にまだ、こんな隠し玉がいたとは……ええい、このままではドルボルア様に顔向けできん!なんとしても村人を殺せ!」
「隊長!後ろから、近衛隊が追い付いてきました!」
「ちっ……時間をかけすぎた……」
一気に状況が不利になったアンダールシアの兵士達、その兵士たちの表情は焦りから次第に恐怖へと変わっていった。
「引くぞ!これ以上は無理だ!」
前方には訳の分からない程、理不尽な強さを持った少女……そして、後ろからはアンダールシアの精兵でもある近衛隊……数は250とはいえ、この状況で襲われればこちらが全滅を仕掛けない……いや、目の前に現れた少女のせいで、すでにアンダールシアの兵の数は3000近くへとなっていた。
勝ち目がない……そう判断した、彼に間違いはないだろう……だが、すでにその判断は遅かったのだ。
撤退を始めた軍は、これまで進軍してきた方向とは別の方向へと移動する。
なぜなら、元来た場所にはクオンと言う、これまた化け物のような存在がいるのだ。
そこを通ればさらに被害が出てしまうだろう……が、しかし……。
別の方向へ逃げると言うことはその方向には、クオンもディータも、ギリアムたち近衛隊もいない。
逃げるのだからそれが当たり前でもある……だが、逆にカモメ達の味方がいないと言うことはカモメが強力な魔法を撃ち放題ということでもあるのだ。
「あ、ラッキー……一気に決めちゃうよ!」
「ん、どういうことだ、カモメ殿?」
「黒炎滅撃!!!!」
闇の魔法と炎の魔法を合成させた漆黒の炎がアンダールシアの兵士たちに襲い掛かる。
その炎はまるで理不尽の権化とでもいうかのように、跡形もなく敵の兵士たちを消滅させたのだった。
光と闇の合成魔法を封印しているカモメが使える一番の広範囲の魔法と言えるだろうソレはとてつもない威力で、それを見たセリシアナは女性がしてはいけないような顔になっていた。
「ふぅ……これでとりあえず、安心だね」
「闇の魔女とは……恐ろしいものなのだな……」
いい笑顔で汗を拭くカモメの後ろで、これでもかというくらい顔を強張らせたセリシアナが口端をひくひくとさせていた。
==================
カモメ達の戦闘があった場所から少し離れた森の中、そこにはディータとドルボルア将軍の姿がある。
そこに、先ほどのカモメの魔法の凄まじい轟音が聞こえてきたのだ。
「今のは……カモメの黒炎滅撃ね……よかった、来てくれたのね」
「な、なんだ今のは……貴様、一体何をした!!」
「私は何もしてないわよ……私の仲間……あなたたちの言い方で言えばウチの大将が救援に来てくれたのよ」
「ば、馬鹿な……ラリアスからこの短時間で救援など……早馬を使ったとしてもこれ手数人だろう!」
「多分、一人よ?ああ……道案内にセリシアナもいるかもしれないけど……カモメだけで兵士はなんとかなるだろうしね」
「馬鹿な……1万だぞ!1万の兵士をこの短時間で失うなど……」
茫然自失となるドルボルアにディータが胸を張り自信満々に答える。
「それくらい楽勝よ……なんせ、世界一の美少女にしてと~っても可愛いい、私のカモメですもの!」
1万の兵士をどうにか出来る根拠とは全く違うことをいいながら、ディータはとっても誇らしげにさらに胸を張るのであった。……まあ、張る胸あんまりないけど。
「ぐ……このままでは俺の地位が……将軍まで上り詰めたと言うのに……」
「でもそれ、魔導具に頼って手に入れたものでしょう?あなた自身の力じゃないじゃない」
「黙れっ!俺の持ち物で手に入れた力よ!俺の物で間違いなかろう!!」
「ま、どうでもいいけどね……どちらにしても、その自慢の魔導具も殆どなくなっちゃったじゃない………それでどうやって戦うのかしら?」
「抜かせ!貴様こそ、魔力の尽きかけた状態で俺に勝てると思っているのか!」
ドルボルアの言う通り、確かにディータの魔力もそこに尽きかけている。
だが、ディータにはそれを解決する方法がある。
「魔力を回復する方法ならあるわ……私の身体はソウルイーターと言う魔法生物で出来ているの」
「魔法生物だと?」
「そう……いつもであれば倒した魔物の魔石を食べて魔力を蓄えるのだけれど、それ以外にも魔力を手に入れる方法はある」
そう、最初ディータが出会った時のソウルイーターがそうしていたように、生きている人間や動物、植物からも魔力を吸い上げて食べることもできるのだ。
「ふ……ふははは!馬鹿が!もしそれが本当だとしてもだ……俺が易々と魔力を奪われると思っているのか!」
「しないわよ」
「何?」
「見くびってもらっては困るわね……例え、他の女神の大地に住むからといって、私は生きているものから魔力を奪ったりはしないわ……それでは魔物と変わらない……私の趣味じゃないわ」
そう、ディータはそういうことはしない。たとえ出来てもしないのだ。
いくら彼女が傍若無人で我が儘で、口も悪い女性だとしても彼女は女神なのである。
彼女自身が自分が女神であることに誇りを持っているし、責任もあるのだ。
もし、生きているものから魔力を強引に奪うなどと言うことをしたら、もう女神とは名乗れないだろう。
そして、妹のレナにも顔向けが出来ない。
「意味が解らん……ではどうするというのだ!都合よく魔物が通り過ぎるのを待つのか!」
「あら、気づかない?魔物の魔石ならそこらへんに転がっているじゃない」
「何?」
「貴方、自分が大好きなものが何からできているか知らないのかしら?」
「………!!」
そう、彼が愛用している魔導具……あれは魔力の詰まった石を媒介としている。
つまり、魔物の魔石……もしくは、人工で作られた魔石が使われているのだ。
そして、先ほどの戦いの中、ディータの魔法により、その魔導具は壊れ、その残骸がそこら中に散らばっていた……もちろん、魔石もである。
そして、一番近くに落ちている魔石にディータが近づき、その魔石を拾い上げると。
口の中へと運んだ。
「良い魔石ね……一つで十分回復したわ」
「ば、馬鹿な……」
ディータの周りに黒い魔力が噴出してくる。
その姿にドルボルアは後ずさりし、自らの死が迫っていることに恐怖した。
「今回は反省が必要ね……焦るあまりに魔力の無駄遣いが多かったわ……いくら魔導具を破壊するためとはいえ、あんなにも力押しで戦う必要はなかったのに……まあ、いい勉強ね」
「ひっ!」
ドルボルアに向けてディータが手をかざすと、ドルボルアは小さく悲鳴を上げる。
ドルボルアを護る魔導具はもうないのだ……自慢の鎧を砕かれたときの魔法を使われれば、防ぐ術がドルボルアには無い。
「悪いわね……闇魔滅砲」
「ぎゃああああああああああ!!」
ディータの闇の魔法がドルボルアを包み込み、その存在を消滅させたのだった。
「別の女神が作った人間とはいえ……やっぱり、気分の良いものではないわね」
空を見上げながら小さく嘆息をするディータであった。
その中には近衛隊の女性とシスターも含まれていた。
「えっと……何が起こったんです?先ほど、落っこちてこられた方は確か……」
「ええ、うちの副団長です……ラリアスに応援を頼みに行ったはずなので……あの時、空に飛んでいた少女がクオン殿言っていた魔女殿なのだと思うのですが……」
どうして、自分たちが閉じ込められているのかは解らない……いや、確かにこれなら敵の兵士は入ってこれないかもしれないけれど……少しくらい相談というか報告と言うかあってもいいような気がする……いや、でもそんな悠長な状況じゃなかった……それは分かる……でも……。
「な、なんだ!?この世の終わりか!?」
「ひいいいい、私達は死んじゃったんだぁああ!」
「おかあああああさああああああああん!!!」
女性の後ろで完全にパニックに陥った村人たちを見て……二人は途方に暮れるのだった……。
「これ、私達が沈めないといけないんでしょうか……」
「………出来るかなぁ」
正直、二人も全然状況についていけていない……そもそも、普段はクールな副団長が空から顔面で着地するなどと言う奇怪な光景を目にしたことだけでも動揺を隠せないと言うのに……。
「いっそ、私達もあっちに混ざります?」
「あはは……」
一緒になってパニックになっていられればどれだけ楽か……そう思い二人は溜息をつくのだった。
「炸裂炎弾!」
「雷閃槍!」
カモメとセリシアナが互いに魔法を放ちながら順調に敵の数を減らしていく。
先ほどまで優勢の為、余裕のあったアンダールシアの兵士達の表情がみるみると焦りに飲まれていった。
「い、一体何が起きている……なぜ村人の周りにあんなものが!……あの女は何者なんだ!……我が兵士をああも簡単に……」
指示を出している兵士の目の前でカモメはどんどん敵を倒してく。
風の魔法で吹き飛ばしたり、炎の魔法で吹っ飛ばしたり、氷の魔法で氷漬けにしたり、雷の魔法で感電させたり、はたまた、近くの敵はバトーネでぶん殴り……と様々な方法で敵を減らしていった。
「敵にまだ、こんな隠し玉がいたとは……ええい、このままではドルボルア様に顔向けできん!なんとしても村人を殺せ!」
「隊長!後ろから、近衛隊が追い付いてきました!」
「ちっ……時間をかけすぎた……」
一気に状況が不利になったアンダールシアの兵士達、その兵士たちの表情は焦りから次第に恐怖へと変わっていった。
「引くぞ!これ以上は無理だ!」
前方には訳の分からない程、理不尽な強さを持った少女……そして、後ろからはアンダールシアの精兵でもある近衛隊……数は250とはいえ、この状況で襲われればこちらが全滅を仕掛けない……いや、目の前に現れた少女のせいで、すでにアンダールシアの兵の数は3000近くへとなっていた。
勝ち目がない……そう判断した、彼に間違いはないだろう……だが、すでにその判断は遅かったのだ。
撤退を始めた軍は、これまで進軍してきた方向とは別の方向へと移動する。
なぜなら、元来た場所にはクオンと言う、これまた化け物のような存在がいるのだ。
そこを通ればさらに被害が出てしまうだろう……が、しかし……。
別の方向へ逃げると言うことはその方向には、クオンもディータも、ギリアムたち近衛隊もいない。
逃げるのだからそれが当たり前でもある……だが、逆にカモメ達の味方がいないと言うことはカモメが強力な魔法を撃ち放題ということでもあるのだ。
「あ、ラッキー……一気に決めちゃうよ!」
「ん、どういうことだ、カモメ殿?」
「黒炎滅撃!!!!」
闇の魔法と炎の魔法を合成させた漆黒の炎がアンダールシアの兵士たちに襲い掛かる。
その炎はまるで理不尽の権化とでもいうかのように、跡形もなく敵の兵士たちを消滅させたのだった。
光と闇の合成魔法を封印しているカモメが使える一番の広範囲の魔法と言えるだろうソレはとてつもない威力で、それを見たセリシアナは女性がしてはいけないような顔になっていた。
「ふぅ……これでとりあえず、安心だね」
「闇の魔女とは……恐ろしいものなのだな……」
いい笑顔で汗を拭くカモメの後ろで、これでもかというくらい顔を強張らせたセリシアナが口端をひくひくとさせていた。
==================
カモメ達の戦闘があった場所から少し離れた森の中、そこにはディータとドルボルア将軍の姿がある。
そこに、先ほどのカモメの魔法の凄まじい轟音が聞こえてきたのだ。
「今のは……カモメの黒炎滅撃ね……よかった、来てくれたのね」
「な、なんだ今のは……貴様、一体何をした!!」
「私は何もしてないわよ……私の仲間……あなたたちの言い方で言えばウチの大将が救援に来てくれたのよ」
「ば、馬鹿な……ラリアスからこの短時間で救援など……早馬を使ったとしてもこれ手数人だろう!」
「多分、一人よ?ああ……道案内にセリシアナもいるかもしれないけど……カモメだけで兵士はなんとかなるだろうしね」
「馬鹿な……1万だぞ!1万の兵士をこの短時間で失うなど……」
茫然自失となるドルボルアにディータが胸を張り自信満々に答える。
「それくらい楽勝よ……なんせ、世界一の美少女にしてと~っても可愛いい、私のカモメですもの!」
1万の兵士をどうにか出来る根拠とは全く違うことをいいながら、ディータはとっても誇らしげにさらに胸を張るのであった。……まあ、張る胸あんまりないけど。
「ぐ……このままでは俺の地位が……将軍まで上り詰めたと言うのに……」
「でもそれ、魔導具に頼って手に入れたものでしょう?あなた自身の力じゃないじゃない」
「黙れっ!俺の持ち物で手に入れた力よ!俺の物で間違いなかろう!!」
「ま、どうでもいいけどね……どちらにしても、その自慢の魔導具も殆どなくなっちゃったじゃない………それでどうやって戦うのかしら?」
「抜かせ!貴様こそ、魔力の尽きかけた状態で俺に勝てると思っているのか!」
ドルボルアの言う通り、確かにディータの魔力もそこに尽きかけている。
だが、ディータにはそれを解決する方法がある。
「魔力を回復する方法ならあるわ……私の身体はソウルイーターと言う魔法生物で出来ているの」
「魔法生物だと?」
「そう……いつもであれば倒した魔物の魔石を食べて魔力を蓄えるのだけれど、それ以外にも魔力を手に入れる方法はある」
そう、最初ディータが出会った時のソウルイーターがそうしていたように、生きている人間や動物、植物からも魔力を吸い上げて食べることもできるのだ。
「ふ……ふははは!馬鹿が!もしそれが本当だとしてもだ……俺が易々と魔力を奪われると思っているのか!」
「しないわよ」
「何?」
「見くびってもらっては困るわね……例え、他の女神の大地に住むからといって、私は生きているものから魔力を奪ったりはしないわ……それでは魔物と変わらない……私の趣味じゃないわ」
そう、ディータはそういうことはしない。たとえ出来てもしないのだ。
いくら彼女が傍若無人で我が儘で、口も悪い女性だとしても彼女は女神なのである。
彼女自身が自分が女神であることに誇りを持っているし、責任もあるのだ。
もし、生きているものから魔力を強引に奪うなどと言うことをしたら、もう女神とは名乗れないだろう。
そして、妹のレナにも顔向けが出来ない。
「意味が解らん……ではどうするというのだ!都合よく魔物が通り過ぎるのを待つのか!」
「あら、気づかない?魔物の魔石ならそこらへんに転がっているじゃない」
「何?」
「貴方、自分が大好きなものが何からできているか知らないのかしら?」
「………!!」
そう、彼が愛用している魔導具……あれは魔力の詰まった石を媒介としている。
つまり、魔物の魔石……もしくは、人工で作られた魔石が使われているのだ。
そして、先ほどの戦いの中、ディータの魔法により、その魔導具は壊れ、その残骸がそこら中に散らばっていた……もちろん、魔石もである。
そして、一番近くに落ちている魔石にディータが近づき、その魔石を拾い上げると。
口の中へと運んだ。
「良い魔石ね……一つで十分回復したわ」
「ば、馬鹿な……」
ディータの周りに黒い魔力が噴出してくる。
その姿にドルボルアは後ずさりし、自らの死が迫っていることに恐怖した。
「今回は反省が必要ね……焦るあまりに魔力の無駄遣いが多かったわ……いくら魔導具を破壊するためとはいえ、あんなにも力押しで戦う必要はなかったのに……まあ、いい勉強ね」
「ひっ!」
ドルボルアに向けてディータが手をかざすと、ドルボルアは小さく悲鳴を上げる。
ドルボルアを護る魔導具はもうないのだ……自慢の鎧を砕かれたときの魔法を使われれば、防ぐ術がドルボルアには無い。
「悪いわね……闇魔滅砲」
「ぎゃああああああああああ!!」
ディータの闇の魔法がドルボルアを包み込み、その存在を消滅させたのだった。
「別の女神が作った人間とはいえ……やっぱり、気分の良いものではないわね」
空を見上げながら小さく嘆息をするディータであった。
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