5 / 18
1章
5話
しおりを挟む
冒険者ミリアと名乗った、王女はのんびりとした口調でこちらに話しかけてくるが、正直私は興味が無い。王族なんかと関わると面倒なことこの上ないだろうし、このまま無視をしよう。それよりも、先ほどこの抜けてる王女が言ったようにこの世界のアンデットと新しい出会いをしたい。とはいえ、この世界のことを知らない私はこの世界のどこにアンデットがいるか解らない。やはり、当初の予定通り冒険者ギルドに行くのが一番だろう。
「ねーねー、冒険者ギルドに行くんでしょ~?ボクが案内するよ~」
ミリアは私の周りに纏わりつきながら頻りに発言をしてくる。鬱陶しいわね。さすがに鬱陶しいからとこの国の王女の首を刎ねるわけにはいかないので私は無視をして歩き出した。
「あ、行く気になった~、ボクの案内はカルムハート1なんだぞ~、やったね~♪」
私が歩き出したことで勝手に案内を頼んだと勘違いを始める青髪のアホっ子。このままだとその気になってずっとついてきそうなのでハッキリ言ってやることにした。
「案内はいらないわ。邪魔よ」
「あはは~、ツンデレさんかな~。大丈夫、ボクが案内したいだけだから気にしないで~」
話が微塵も嚙み合わない・・・今の私のセリフでどうやったらそう受け取ったのよ・・・。
「と言っても、ギルドの場所はすぐそこなんだけどね~」
そう言うと、ミリアは近くの大きな建物を指さす。・・・本当にすぐそこね。30メートルもないじゃない。徒歩1分くらいよ。
「そう、なら案内はいらないわね・・・それじゃ」
「もちろん中も案内するから安心してね~」
「だからついてこないで!案内はいらないし目障りよ!」
「大丈夫大丈夫、そのうちボクの姿を見ないと1日が始まらないくらいになるよ~」
ならないわよ!1日中ついてくるつもりなの!?目障りとまで行ったのにどんだけポジティブなのよ!・・・苦手だわ・・・この子。とはいえ、ついてくるなと言ってもついてくるしどうしようもないわね・・・。行き先が解ってしまっている以上、とっとと用事を済ませましょう。
「ここが荒くれものの集まる場所、冒険者ギルドだよ~!」
めっちゃ、注目された・・・確かにガタイのいい男も多いが身綺麗な男もちゃんといる。それに女性の冒険者もいて・・・その全員に睨まれているのだけれど・・・。
「そして、ここがギルドの受付!そしてこの子がギルドのアイドルギルド員!ゴンザレスのゴンちゃんだよ!」
ムキムキマッチョの男性ギルド員をアイドルとして紹介された・・・なにかしら、嫌がらせでもされているのかしら・・・そろそろこの王女刎ねてもいいわよね?
「あらぁん、アイドルだなんて本当のこと嬉しいわぁん♪」
アイドルで喜び出したわこの禿入道・・・。せめてもう少し着飾りなさいな・・・あれじゃ男は寄ってこないでしょう・・・。
「あらぁ、私は両方いける口よ?」
心を読まれたし、聞いてもいないわよ!・・・この国は変態しかいないのかしら・・・別の国にいこうかしら・・・。
「ところでこの子は?ミリアちゃん」
「冒険者志望のおねーさんだよー」
「あらぁ、強そうな子は大歓迎よぉん♪」
今すぐにでも他の国に全速力で走っていきたいが、ここは我慢よ。なにしろ、アンデットの情報を手に入れるのが最優先なんだから。
「ギルドに登録したいんだけど必要なものはある?」
「特にはないわよぉん」
「あら、登録料もないの?」
「ないわねぇん、この紙に必要事項を書いてくれればいいわん」
紙には名前と得意武器、それにどんな仕事をしたいかを記入する項目がある。驚くことに文字は日本語だ。それとも勝手に読めるように変換されているのかしら?COOに自動翻訳機能があったからあれが働いている可能性もあるわね。
とりあえず、名前と得意武器。どんな仕事か・・・魔物狩り、盗賊狩り、お宝集め・・・こんなところかしら?
「書いたわ」
「あらぁん、綺麗な字ね。魔物や盗賊も困っているから積極的なのは助かるわぁん」
まあ、経験値とお金は欲しいしね。
「はい、受理したわん。それじゃ説明を・・・」
「おいおい、ゴンザレスさんよぉ。そんな小娘をギルドに入れるのかい?」
ギルド登録が順調に進んでいると思ったら、あからさまに小物な3人組が薄ら笑いを浮かべながら私に近づいてきた。なんというか、定番パターンかしらね。
「お嬢ちゃん、冒険者やめて俺らのところで良いことする仕事をしないかい?奮発するぜぇ?ギャハハハ」
男たちは私に近づくと肩に手を絡めながら臭い息を吐きだした。その情景を見たゴンザレスの頭に筋が浮かび、盛っていたペンが粉々になる。この人、冒険者やった方がいいんじゃない?そして、隣にいたミリアも怒ったのかこちらに近づいてきて何か言おうとしていたが、悪いけどこれは私の獲物ね。
ちょうどいいので見せしめになってもらいましょう。ギルドに来るたびにこんな風に絡まれるのも嫌だけれど、興味のない人間に話しかけられるのも御免なのよ・・・だから。
「おいおい、お嬢ちゃん。黙ってないでぇえええん!?!??」
とりあえず、臭い息を吐く人間型の汚物の股間を蹴り上げると。面白い鳴き声で男は飛びあがった。それを見たほかの二人の男が私の方に向かってくるが、私は鎌を出現させるとその二人の鼻頭を掠めさせる。
「その臭い口を塞ぎなさい。それともこの鎌で首を刎ねられたいかしら?」
鼻頭を掠めた二人は一瞬怯むが再び頭に血が上ったのか武器を手にしてこちらに向かってくる。私が鎌を振るうと二人の持ったなまくら剣がぽっきりと折れてしまう。
「それが答えで良いのね・・・なら死になさい」
私は口端を上げ、二人に近づくと二人は女のような悲鳴を上げながら逃げて行った。股間を蹴り上げた男はひょこひょこと二人の後を追っているが目障りなのでもう一度股間を蹴り上げてやると、泡を吹いてその場に転がったのだ。
「よ、容赦ないわねぇん」
「あら、容赦って言葉、私知らないのよ」
「あはははははは!」
若干引きながら言うゴンザレスに対し、ミリアは楽しそうに笑っていた。やった私が言うのもなんだけど、この子が王女で大丈夫なのかしらこの国・・・。
「あ、これが冒険者の証よん」
ゴンザレスは私に10cm程度の鉄でできた棒を渡してくる。どうやらペンダント状になっていて冒険者はこれを首からぶら下げるらしい。周りの冒険者を見てみるとそれぞれがこのペンダントをしている。私が目線をやるとほとんどの冒険者は目線を逸らす。効果は抜群ね。それより・・・
「色の違うのがあるみたいだけど?」
「ええ、ランクの違いね。ランクが上がると材質が変わるわん」
ゴンザレスの説明では今の私はアイアン。そしてアイアン→ブロンズ→シルバー→ゴールド→プラチナとランクがあるらしい。ランクが解りやすくなっているのは助かるがあんまり見せびらかすものでもないだろう。私はそう思って服の下にペンダント隠す。
「説明は以上だけど、聞きたいことはあるか知らん」
「ここら辺にアンデットの魔物はいるかしら?」
「・・・・・・?」
聞き方が悪かったかしら?それとも知っていないと可笑しいことだったのか?私がプリティーなアンデットちゃんのことを聞くとゴンザレスは首を傾げた。
「アンデットってなにかしら?」
「アンデットはアンデットよ。スケルトンとかゴーストとかゾンビとか」
「つまり、おばけってこと?」
・・・・・・はん?まさか・・・そんな訳ないわよね?
「魔物にアンデットというカテゴリーは?」
「そんなのあるわけないじゃないん」
ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!
「な、なに!?いきなり断末魔のようの声をあげてぇん!?」
「さっきも同じような悲鳴を上げてたよね!発作かなにかなのかな!?」
そんな訳ないでしょ!!嘘・・・うそうそうそうそうそ・・・アンデットちゃんがいない世界?そんなことってあるのん?あんまりよおおおおおおん!!?!?
あまりの衝撃に私の言葉はゴンザレス化し、混乱する。
「ふ、普通の魔物ならいるわよん?いっぱい!」
普通の魔物なんかに興味ないわよ!!!・・・いや、ちょっと待て。そうだ、あまりの衝撃に忘れていたが、スキルにあったアンデット作成というのはどんな説明だった?
たしか、魔物の死体からアンデットを生成するって書いてなかったかしら!まだよ・・・まだ希望はある。
「普通の魔物で良いわ!教えなさい今すぐ魔物居場所を教えなさい!!」
「こ、怖いわよリイナちゃん!教えるから頭を鷲掴みにしないでぇん!」
「ゴンちゃんが怯えてる初めて見たよ」
おーーーしーーーえーーーろおおおおおおおおおお!!!
「ねーねー、冒険者ギルドに行くんでしょ~?ボクが案内するよ~」
ミリアは私の周りに纏わりつきながら頻りに発言をしてくる。鬱陶しいわね。さすがに鬱陶しいからとこの国の王女の首を刎ねるわけにはいかないので私は無視をして歩き出した。
「あ、行く気になった~、ボクの案内はカルムハート1なんだぞ~、やったね~♪」
私が歩き出したことで勝手に案内を頼んだと勘違いを始める青髪のアホっ子。このままだとその気になってずっとついてきそうなのでハッキリ言ってやることにした。
「案内はいらないわ。邪魔よ」
「あはは~、ツンデレさんかな~。大丈夫、ボクが案内したいだけだから気にしないで~」
話が微塵も嚙み合わない・・・今の私のセリフでどうやったらそう受け取ったのよ・・・。
「と言っても、ギルドの場所はすぐそこなんだけどね~」
そう言うと、ミリアは近くの大きな建物を指さす。・・・本当にすぐそこね。30メートルもないじゃない。徒歩1分くらいよ。
「そう、なら案内はいらないわね・・・それじゃ」
「もちろん中も案内するから安心してね~」
「だからついてこないで!案内はいらないし目障りよ!」
「大丈夫大丈夫、そのうちボクの姿を見ないと1日が始まらないくらいになるよ~」
ならないわよ!1日中ついてくるつもりなの!?目障りとまで行ったのにどんだけポジティブなのよ!・・・苦手だわ・・・この子。とはいえ、ついてくるなと言ってもついてくるしどうしようもないわね・・・。行き先が解ってしまっている以上、とっとと用事を済ませましょう。
「ここが荒くれものの集まる場所、冒険者ギルドだよ~!」
めっちゃ、注目された・・・確かにガタイのいい男も多いが身綺麗な男もちゃんといる。それに女性の冒険者もいて・・・その全員に睨まれているのだけれど・・・。
「そして、ここがギルドの受付!そしてこの子がギルドのアイドルギルド員!ゴンザレスのゴンちゃんだよ!」
ムキムキマッチョの男性ギルド員をアイドルとして紹介された・・・なにかしら、嫌がらせでもされているのかしら・・・そろそろこの王女刎ねてもいいわよね?
「あらぁん、アイドルだなんて本当のこと嬉しいわぁん♪」
アイドルで喜び出したわこの禿入道・・・。せめてもう少し着飾りなさいな・・・あれじゃ男は寄ってこないでしょう・・・。
「あらぁ、私は両方いける口よ?」
心を読まれたし、聞いてもいないわよ!・・・この国は変態しかいないのかしら・・・別の国にいこうかしら・・・。
「ところでこの子は?ミリアちゃん」
「冒険者志望のおねーさんだよー」
「あらぁ、強そうな子は大歓迎よぉん♪」
今すぐにでも他の国に全速力で走っていきたいが、ここは我慢よ。なにしろ、アンデットの情報を手に入れるのが最優先なんだから。
「ギルドに登録したいんだけど必要なものはある?」
「特にはないわよぉん」
「あら、登録料もないの?」
「ないわねぇん、この紙に必要事項を書いてくれればいいわん」
紙には名前と得意武器、それにどんな仕事をしたいかを記入する項目がある。驚くことに文字は日本語だ。それとも勝手に読めるように変換されているのかしら?COOに自動翻訳機能があったからあれが働いている可能性もあるわね。
とりあえず、名前と得意武器。どんな仕事か・・・魔物狩り、盗賊狩り、お宝集め・・・こんなところかしら?
「書いたわ」
「あらぁん、綺麗な字ね。魔物や盗賊も困っているから積極的なのは助かるわぁん」
まあ、経験値とお金は欲しいしね。
「はい、受理したわん。それじゃ説明を・・・」
「おいおい、ゴンザレスさんよぉ。そんな小娘をギルドに入れるのかい?」
ギルド登録が順調に進んでいると思ったら、あからさまに小物な3人組が薄ら笑いを浮かべながら私に近づいてきた。なんというか、定番パターンかしらね。
「お嬢ちゃん、冒険者やめて俺らのところで良いことする仕事をしないかい?奮発するぜぇ?ギャハハハ」
男たちは私に近づくと肩に手を絡めながら臭い息を吐きだした。その情景を見たゴンザレスの頭に筋が浮かび、盛っていたペンが粉々になる。この人、冒険者やった方がいいんじゃない?そして、隣にいたミリアも怒ったのかこちらに近づいてきて何か言おうとしていたが、悪いけどこれは私の獲物ね。
ちょうどいいので見せしめになってもらいましょう。ギルドに来るたびにこんな風に絡まれるのも嫌だけれど、興味のない人間に話しかけられるのも御免なのよ・・・だから。
「おいおい、お嬢ちゃん。黙ってないでぇえええん!?!??」
とりあえず、臭い息を吐く人間型の汚物の股間を蹴り上げると。面白い鳴き声で男は飛びあがった。それを見たほかの二人の男が私の方に向かってくるが、私は鎌を出現させるとその二人の鼻頭を掠めさせる。
「その臭い口を塞ぎなさい。それともこの鎌で首を刎ねられたいかしら?」
鼻頭を掠めた二人は一瞬怯むが再び頭に血が上ったのか武器を手にしてこちらに向かってくる。私が鎌を振るうと二人の持ったなまくら剣がぽっきりと折れてしまう。
「それが答えで良いのね・・・なら死になさい」
私は口端を上げ、二人に近づくと二人は女のような悲鳴を上げながら逃げて行った。股間を蹴り上げた男はひょこひょこと二人の後を追っているが目障りなのでもう一度股間を蹴り上げてやると、泡を吹いてその場に転がったのだ。
「よ、容赦ないわねぇん」
「あら、容赦って言葉、私知らないのよ」
「あはははははは!」
若干引きながら言うゴンザレスに対し、ミリアは楽しそうに笑っていた。やった私が言うのもなんだけど、この子が王女で大丈夫なのかしらこの国・・・。
「あ、これが冒険者の証よん」
ゴンザレスは私に10cm程度の鉄でできた棒を渡してくる。どうやらペンダント状になっていて冒険者はこれを首からぶら下げるらしい。周りの冒険者を見てみるとそれぞれがこのペンダントをしている。私が目線をやるとほとんどの冒険者は目線を逸らす。効果は抜群ね。それより・・・
「色の違うのがあるみたいだけど?」
「ええ、ランクの違いね。ランクが上がると材質が変わるわん」
ゴンザレスの説明では今の私はアイアン。そしてアイアン→ブロンズ→シルバー→ゴールド→プラチナとランクがあるらしい。ランクが解りやすくなっているのは助かるがあんまり見せびらかすものでもないだろう。私はそう思って服の下にペンダント隠す。
「説明は以上だけど、聞きたいことはあるか知らん」
「ここら辺にアンデットの魔物はいるかしら?」
「・・・・・・?」
聞き方が悪かったかしら?それとも知っていないと可笑しいことだったのか?私がプリティーなアンデットちゃんのことを聞くとゴンザレスは首を傾げた。
「アンデットってなにかしら?」
「アンデットはアンデットよ。スケルトンとかゴーストとかゾンビとか」
「つまり、おばけってこと?」
・・・・・・はん?まさか・・・そんな訳ないわよね?
「魔物にアンデットというカテゴリーは?」
「そんなのあるわけないじゃないん」
ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!
「な、なに!?いきなり断末魔のようの声をあげてぇん!?」
「さっきも同じような悲鳴を上げてたよね!発作かなにかなのかな!?」
そんな訳ないでしょ!!嘘・・・うそうそうそうそうそ・・・アンデットちゃんがいない世界?そんなことってあるのん?あんまりよおおおおおおん!!?!?
あまりの衝撃に私の言葉はゴンザレス化し、混乱する。
「ふ、普通の魔物ならいるわよん?いっぱい!」
普通の魔物なんかに興味ないわよ!!!・・・いや、ちょっと待て。そうだ、あまりの衝撃に忘れていたが、スキルにあったアンデット作成というのはどんな説明だった?
たしか、魔物の死体からアンデットを生成するって書いてなかったかしら!まだよ・・・まだ希望はある。
「普通の魔物で良いわ!教えなさい今すぐ魔物居場所を教えなさい!!」
「こ、怖いわよリイナちゃん!教えるから頭を鷲掴みにしないでぇん!」
「ゴンちゃんが怯えてる初めて見たよ」
おーーーしーーーえーーーろおおおおおおおおおお!!!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる