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第2章

第37話 闇と光

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「闇と光が戦ってる」

龍が答える。

「まずいな、闇が優勢だ」

『もっと闇を切って』

 利子ちゃんの声に応えて、黒いところに大剣を振りかざすと、そこからまた、小さな星がたくさん出て来る。

『もっと大きく切って』

 言うとおりに大きく切るけど、あんまり大きく振りかざすと、剣が光に当たっちゃう。

『伏せて』

 言うとおりに伏せると、闇が光から離れて一か所で渦巻いてぐるぐるしてる。

  後で聞いたけど、遠隔吸引器具で弁護士が闇を吸い込んで一か所に集めたんだって。遠隔操作っていろいろ出来るんだね。


 「うわっ、目が回りそう」

さあ、その渦に向かって大剣を振り下ろして。

 「行くぞお!」

 いきなり龍がすごい勢いで闇の渦に向かって突進して、あやうく振り落とされそうになったよ。

 あわや闇の渦の中に突っ込むってところで龍が

「今だ、珠子!」

って叫んだから、訳もわからず大剣を振り下ろした。

 目を開けると、闇が消え、やさしい光の中に小さな星がたくさん散らばっていて、天に向かって花の道が続いていた。

 その美しさにうっとりしていると、やさしい風が吹いてきて、私たちはその風に押されて、我が家に辿り着いた。

 んだけどおおおおおおおお!? 


「ちょっとお、私また裸じゃない!」

「まあ、そういう仕様だからさ」

「仕様変えてよ!」

 と怒る私を利子ちゃんが前回と同じように世話してくれて、必死でなだめてくれたけど、これは容認できないよ!

 
「ともあれ、おかげで、国民の洗脳がかなりすすんで、法案を通すくらいのパワーはいただいたわよ」

と、また、利子ちゃんの不敵な笑み。


 そして、利子ちゃんの思惑どおり法案は通り、その後《のち》、この職業はこの国で聖職と呼ばれるようになり、世界中で苦しんでいた同職の女たちの地位もあがり、世界中の女性全体の地位も上がったとさ。



 今回のお話はここまで・・・☆彡

いつかまた会えるといいな。

女も男も、どんな職業の人も、みんなで幸せになろうね。



 

 



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