異世界転生者〜バケモノ級ダンジョンの攻略〜

海月 結城

文字の大きさ
17 / 39

人気

しおりを挟む
 休憩室に入って来たのは国王様だった。

「やぁ、カレンくん。さっきぶりだね」
「そ、そうですね」

 私は、さっきとは打って変わって、気のいいおじいさんの様になっている国王様に驚いていた。

「国王様、どうしてここに?」
「国王様なんてよしてくれ、ここではダムクさんとでも呼んでくれ」
「分かりました、ダムクさん。それで、ここに来た要件ってなんですか?」
「あぁ、君に紹介したい人がいてね」

 もしかして、王子様とかじゃないだろうか? 私は嫌だ! なんか、めんどくさそうだし。

「入って来てくれ」

 ダムクさんが、扉の方を見て呼ぶと、

「失礼します」

 少女のような声が聞こえ、女性が入って来た。

「紹介しよう。私の娘のリリー・ザンリー・シャオルクだ」
「ご紹介に預かりました。シャオルク王国第二王女、リリー・ザンリー・シャオルクです。リリーと呼んでください!」
「初めましてリリー王女様。カレンです」

 王子様じゃなくて隠れてガッツポーズをしてしまった。にしても、王女様か、私と同じぐらいの年かかな? ダムクさんと同じ金色のサラサラと腰まである長い髪。それに深い青の瞳。身長は160といったところかな。そこに、可愛らしいドレスを身にまとっている。

「なんで、王女様を紹介したんですか?」
「それはだな......」
「私から言います。とても恥ずかしいんですが......。わ、私と! お友達になっていただけませんか!?」
「え!?」
「ダメ......ですか?」
「理由を聞かせてくれませか?」
「実は……」

 王女で、ずっと友達がいなくて、兄妹はいて仲良いが、あまり会えないらしい。だから、今回この城来る人が、女性で同じぐらいの年だと知って、友達を作るチャンスだと思った。と、言うことだ。

「だったら、今から一緒に買い物に行きませか?」
「買い物ですか!? 行きたいです! いいですねお父様?」
「あぁ、大丈夫だぞ。楽しんでこいよ」
「はい!」

 それから、王女様がお忍びの服装に着替えて、街に出かけた。

「私のことは、リリーと呼んでくださいね!」
「わかりました。リリーさん」
「ダメです! 敬語も禁止! 呼び捨てで呼んでください!」
「わかったよ。リリー」

 私は、まだリリーとは友達にはなっていない。それは、きちんと理由がある。一緒に居たくない人や、一緒に居て疲れる人とは友達にはなりたくないから、今回の買い物でどうなのかを見極めるためだ。でも、今までの会話でだいたい決まってるけどね。

「それじゃ、カレンさんどこにいきますか?」
「私のことも呼び捨てにしてくださいよ!」
「わかりました。カレン」
「お昼まで時間ありますし、王都を案内してください」
「カレンは、王都に来てそれほど時間たっていませんでしたね。わかりました、任せてください!」

 それから、王都の中心街をリリーに案内してもらった。

「そういえば、明日はパレードの主役ですね!」
「え!? パレードの主役?」
「あれ? 聞いてませんでしたか?」
「聞いてないわよ! それって、馬車に乗って街中を回るやつ?」
「知ってたんですね」

 私は、城のテラスから顔を出す程度だと思っていたら、想像の範疇を超えていた。

「嘘やん」
「大丈夫ですよ。私も一緒に乗ることになっているんでよ」
「それなら、少しは安心できるね」

 まさかの話をされたが、恙無く散策は終わり、城に戻って来た。

「リリー、これで私たちは友達ね」
「本当!? ありがとう!」

 そう言って、リリーは私の手を両手で掴んで来た。ブンブン!

「そんなに激しく振らないでよ」
「嬉しくて、ついね」
「また明日、朝に来るからね」
「そっか~、キャシィさんの宿に戻るんだね。泊まっていけばいいのに」
「また、王都に来た時に、その楽しみはとっておくよ」
「そっか、じゃあ、また明日ね」

 そうして、城を出て宿に戻り、夜が明けた。

「おはようございます」
「カレンさん、今日は楽しみにしてるわよ」
「パレード、ですか」
「緊張するの?」
「しますよ」
「リリー王女も一緒なんでしょ? 大丈夫よ」

 そう言って、送り出してくれた。キャシィさんが応援してくれると、なんだか大丈夫な気がして来たよ。

「カレン様、おはようございます」
「おはようございます。門番さん」
「今日のパレード楽しみにしています!」
「はい」

 そうして、朝早くから城に入り、パレードが始まった。

「あれが、英雄のカレンだってよ。まだ子供じゃねぇか」
「俺、あの時ルシフェルにいたから見てたけど、あれは凄かったぜ。カレンがいなかったら今頃、ここに俺は居なかっただろうな」
「まじかよ」

 ある人はこんな会話をしながら。またある人は、

「あの子をモデルとした新しい商品を売り出せば、ぐふふ」
「何考えてるんだい! このバカ!」ゴチン!
「痛いよ。うっ! 分かったよ、やめるよ」

 こんな商売の会話がなっていたり、

「あれが、英雄。まるで聖女じゃないか。あれは、神が使わした天使なのかもしれない」

 こんな、宗教でもできそうな独り言を言っている人もいて、カレンは人気者だ。そして、王様の演説が始まった。

「皆の者! 今回は、カレンの勇気ある行動。そして、ダンジョン都市ルシフェルを護った功績から、カレンに、勲章を授与する!」
「「「「「ウオォォォォォォオ!」」」」」

 カレンは、豪華な馬車の上で立ち上がり、王様から金の刺繍がなされ、青色のブローチを授与された。

 そして、パレードがお昼前に終わり、今からお祭りの始まりだ。

「カレン。一緒に行きましょう!」
「いいわよリリー!」

 私は、パレードを無事終わらせて(ニコニコしながら手を振っていただけ)、今は純粋にお祭りを楽しんでいた。
 この世界のお祭りはとても大きく、都市丸ごとを使ったお祭りになっている。屋台や、闘技場、サーカスなど色々がひしめき合っている。

「カレンさん!」

 後ろから名前を呼ばれて、なんだろう? と、思いながら後ろを見ると、夫婦が立っていた。

「なんですか?」
「今回は、私たち、みんなを助けていただき本当に、ありがとうございました!」
「カレンさんが居なければ、今頃ルシフェルにいた人たちはもう存在していなかったでしょう。だから、私たちは、カレンさんに大きな、大きな恩があります。それを一生かけて、返させてください!」
「そんなことしなくていいですよ。倒したくて倒しただけですから」

 睡眠を邪魔された腹いせに倒したなんて言えない。

「いえ! 勝手に恩を返させていただきます。あっちに帰ったら驚きますよ」
「先回りされていた」

 あっちに帰ってから、どんな事になるのか、想像ができない。
 そして、それからも、いろんな人にお礼を言われて、ちょっと疲れた。ので、城に戻って来た。それに、もう夜遅くてお祭りも終わりそうだ。

「疲れたよ。リリー」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界で神の元カノのゴミ屋敷を片付けたら世界の秘密が出てきました

小豆缶
ファンタジー
父の遺したゴミ屋敷を片付けていたはずが、気づけば異世界に転移していた私・飛鳥。 しかも、神の元カノと顔がそっくりという理由で、いきなり死刑寸前!? 助けてくれた太陽神ソラリクスから頼まれた仕事は、 「500年前に別れた元恋人のゴミ屋敷を片付けてほしい」というとんでもない依頼だった。 幽霊になった元神、罠だらけの屋敷、歪んだ世界のシステム。 ポンコツだけど諦めの悪い主人公が、ゴミ屋敷を片付けながら異世界の謎を暴いていく! ほのぼのお仕事×異世界コメディ×世界の秘密解明ファンタジー

異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。 日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。 両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日―― 「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」 女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。 目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。 作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。 けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。 ――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。 誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。 そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。 ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。 癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!

修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜

長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。 コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。 ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。 実際の所、そこは異世界だった。 勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。 奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。 特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。 実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。 主人公 高校2年     高遠 奏    呼び名 カナデっち。奏。 クラスメイトのギャル   水木 紗耶香  呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。  主人公の幼馴染      片桐 浩太   呼び名 コウタ コータ君 (なろうでも別名義で公開) タイトル微妙に変更しました。

神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由

瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。 神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

転生社畜、転生先でも社畜ジョブ「書記」でブラック労働し、20年。前人未到のジョブレベルカンストからの大覚醒成り上がり!

nineyu
ファンタジー
 男は絶望していた。  使い潰され、いびられ、社畜生活に疲れ、気がつけば死に場所を求めて樹海を歩いていた。  しかし、樹海の先は異世界で、転生の影響か体も若返っていた!  リスタートと思い、自由に暮らしたいと思うも、手に入れていたスキルは前世の影響らしく、気がつけば変わらない社畜生活に、、  そんな不幸な男の転機はそこから20年。  累計四十年の社畜ジョブが、遂に覚醒する!!

処理中です...