38 / 147
至極色の結晶
しおりを挟む
「助けて!!!」
フォレス達は怒っていた。カリーナにとってこの二人以外で初めて出来た友達。リュクスにとっては気の許せる、バカを言い合える奴。フォレスにとって、自分を兄と慕ってくれる妹。出逢って間もないノルメと三人はここまで仲良くなった。
そんな人をこいつは奴隷だと言い、道具のように扱い、連れ去ろうとしている。既にノルメからは奴隷に必要な首輪は無くなっている。奴隷の首輪は奴隷契約書と同期しており奴隷契約書の効果が無くならない限り首輪は取れない。
ノルメの首に首輪はもう無い。既にノルメは奴隷から解放されているが、心に縛られた見えない鎖がノルメを縛って離さない。ノルメにとってはじめての反抗だった。
「お前たち。やってしまえ」
男の後ろに立っていたガラの悪い数十人の男たちは、武器をそれぞれ取り出してフォルスたちに向かって走り出した。しかしそいつらは一瞬にして無力化された。
「「!?」」
それを見ていた、ノルメと、ノルメを捕まえている男は息を呑み、それを見ていたカリーナとリュクスが苦笑いを浮かべた。
「な、何が起こった……。なんで……こんな一瞬で……」
「あのさー、その子、俺たちの友達なんだ」
「あ? それがどうした? クソッ、使えないクソ共が」
「早く、その子を離せ」
「煩え。おい、出て来い」
男がそう言うと、後ろから男の腰ほどの身長の女の子が出て来た。その子の髪はボサボサで服もボロボロ。死んだような目と手に持っているナイフが俺たちの事を殺そうとしていることが分かった。ただ、首に奴隷の首輪があるのが気になった。
「こいつはな、俺が持ってる奴隷の中で随一の戦闘能力を持っている奴隷でな、以前は十人ぐらいの冒険者を一人で殺した事があったな。おい、No.008。あいつらを殺せ」
「……」
女の子は無言で歩き、瞬きをした瞬間に消えた。否、女の子が気配を消してその場から消えたように錯覚したのだ。魔王、勇者、そして、ファレスを欺いた。
「「「!?」」」
「お前、何者だ?」
「……私は奴隷、主の命により貴方たちを殺す」
そう言って、その子は地を蹴った。その速度は音を置き去りにしてフォレスに向かって行った。が、何かにぶつかり動きが止まった。
「分かった。だから、そこに居ろ」
その子は、フォレスの貼った防壁に内側に閉じ込められた。
殴っても蹴ってもその防壁にひびは入らない。
「さぁ、ノルメを返してもらうぞ」
「!? ……俺の邪魔をするな!!! 俺は、この世界で一旗あげるんだ!!! あいつをぶっ殺して……それにはこいつが必要なんだ!! まさか、こんな所で使わなきゃ行けない時が来るとはな……」
男が懐から取り出したのは至極色の結晶だった。男はそれを握り潰して高らかに叫んだ。
「ここに契約を言い渡す。こいつらを殺して貰う。それが成された時お前の望みは叶う!! いでよ!! 《シン・ピーカック》」
至極色の決勝から出て来たのは背中に孔雀の様な大きな翼を広げた、背の高いすらっとした男性が宙に現れた。
「やっとシャバに出て来れた。礼を言うぞ。そして、お前との契約は今ここに果たされる。俺の望み、きちんと叶えて貰うぞ」
宙に浮いているピーカックは前髪をかきあげて、こっちをギラッと睨みつけて来た。
「おいおい。まじかよ。なんだこいつら、有り得ねぇだろ。ククッ、面白いねぇ。なぁ、お前ら場所変えようや」
次の瞬間、今までいた街から何も無い草原に場所が変わった。
「あれって、お前たちの仲間だろ。一緒に連れて来たが良かっただろ?」
ピーカックが送った目線の先には腰を抜かして座り込んでいたノルメが居た。
宙に浮かんでいたピーカックは背中の翼を仕舞い、地面に降りて来た。
「お前らに聞きたいんだが、なんで勇者と魔王が一緒に居る? それに、あいつは聖女だ、なんで魔王と仲良くしている。それに、お前なんだ? 存在が不自然すぎる、それにここにいる誰よりも強いのがお前だ。勇者よりも魔王よりも強い。何者だ?」
みんなの視線がフォレスを射抜いた。
「え、えっとー、うーん……ナニヲイッテイルカワカラナイデスネ」
「そんな嘘。直ぐに分かる。俺の『忠実な目』があるからな」
「忠実な目?」
ピーカックはバサッと翼を広げた。
「もしかして……!」
「そうだ。模様に見えるこれは、全て俺の目だ。この目を通して全ての真実を俺は知ることが出来る。お前らの『隠蔽』も意味ない」
「「「!?」」」
それを聞いた、フォレスは驚き。カリーナとリュクスの口角が少し上がった。
「「なぁ(ねぇ)フォレス。あいつの相手、俺(私)に任せてくれない? 本気、出してみたいんだ」」
今までも、本気本気と言って来たが、いつも誰かが二人を見ていた。その為、本当の本気を出せていなかった。けれども、ここには二人の事を知っている人しかいない。
「「なぁ(ねぇ)。俺(私)達の実験台になってくれよ」」
フォレス達は怒っていた。カリーナにとってこの二人以外で初めて出来た友達。リュクスにとっては気の許せる、バカを言い合える奴。フォレスにとって、自分を兄と慕ってくれる妹。出逢って間もないノルメと三人はここまで仲良くなった。
そんな人をこいつは奴隷だと言い、道具のように扱い、連れ去ろうとしている。既にノルメからは奴隷に必要な首輪は無くなっている。奴隷の首輪は奴隷契約書と同期しており奴隷契約書の効果が無くならない限り首輪は取れない。
ノルメの首に首輪はもう無い。既にノルメは奴隷から解放されているが、心に縛られた見えない鎖がノルメを縛って離さない。ノルメにとってはじめての反抗だった。
「お前たち。やってしまえ」
男の後ろに立っていたガラの悪い数十人の男たちは、武器をそれぞれ取り出してフォルスたちに向かって走り出した。しかしそいつらは一瞬にして無力化された。
「「!?」」
それを見ていた、ノルメと、ノルメを捕まえている男は息を呑み、それを見ていたカリーナとリュクスが苦笑いを浮かべた。
「な、何が起こった……。なんで……こんな一瞬で……」
「あのさー、その子、俺たちの友達なんだ」
「あ? それがどうした? クソッ、使えないクソ共が」
「早く、その子を離せ」
「煩え。おい、出て来い」
男がそう言うと、後ろから男の腰ほどの身長の女の子が出て来た。その子の髪はボサボサで服もボロボロ。死んだような目と手に持っているナイフが俺たちの事を殺そうとしていることが分かった。ただ、首に奴隷の首輪があるのが気になった。
「こいつはな、俺が持ってる奴隷の中で随一の戦闘能力を持っている奴隷でな、以前は十人ぐらいの冒険者を一人で殺した事があったな。おい、No.008。あいつらを殺せ」
「……」
女の子は無言で歩き、瞬きをした瞬間に消えた。否、女の子が気配を消してその場から消えたように錯覚したのだ。魔王、勇者、そして、ファレスを欺いた。
「「「!?」」」
「お前、何者だ?」
「……私は奴隷、主の命により貴方たちを殺す」
そう言って、その子は地を蹴った。その速度は音を置き去りにしてフォレスに向かって行った。が、何かにぶつかり動きが止まった。
「分かった。だから、そこに居ろ」
その子は、フォレスの貼った防壁に内側に閉じ込められた。
殴っても蹴ってもその防壁にひびは入らない。
「さぁ、ノルメを返してもらうぞ」
「!? ……俺の邪魔をするな!!! 俺は、この世界で一旗あげるんだ!!! あいつをぶっ殺して……それにはこいつが必要なんだ!! まさか、こんな所で使わなきゃ行けない時が来るとはな……」
男が懐から取り出したのは至極色の結晶だった。男はそれを握り潰して高らかに叫んだ。
「ここに契約を言い渡す。こいつらを殺して貰う。それが成された時お前の望みは叶う!! いでよ!! 《シン・ピーカック》」
至極色の決勝から出て来たのは背中に孔雀の様な大きな翼を広げた、背の高いすらっとした男性が宙に現れた。
「やっとシャバに出て来れた。礼を言うぞ。そして、お前との契約は今ここに果たされる。俺の望み、きちんと叶えて貰うぞ」
宙に浮いているピーカックは前髪をかきあげて、こっちをギラッと睨みつけて来た。
「おいおい。まじかよ。なんだこいつら、有り得ねぇだろ。ククッ、面白いねぇ。なぁ、お前ら場所変えようや」
次の瞬間、今までいた街から何も無い草原に場所が変わった。
「あれって、お前たちの仲間だろ。一緒に連れて来たが良かっただろ?」
ピーカックが送った目線の先には腰を抜かして座り込んでいたノルメが居た。
宙に浮かんでいたピーカックは背中の翼を仕舞い、地面に降りて来た。
「お前らに聞きたいんだが、なんで勇者と魔王が一緒に居る? それに、あいつは聖女だ、なんで魔王と仲良くしている。それに、お前なんだ? 存在が不自然すぎる、それにここにいる誰よりも強いのがお前だ。勇者よりも魔王よりも強い。何者だ?」
みんなの視線がフォレスを射抜いた。
「え、えっとー、うーん……ナニヲイッテイルカワカラナイデスネ」
「そんな嘘。直ぐに分かる。俺の『忠実な目』があるからな」
「忠実な目?」
ピーカックはバサッと翼を広げた。
「もしかして……!」
「そうだ。模様に見えるこれは、全て俺の目だ。この目を通して全ての真実を俺は知ることが出来る。お前らの『隠蔽』も意味ない」
「「「!?」」」
それを聞いた、フォレスは驚き。カリーナとリュクスの口角が少し上がった。
「「なぁ(ねぇ)フォレス。あいつの相手、俺(私)に任せてくれない? 本気、出してみたいんだ」」
今までも、本気本気と言って来たが、いつも誰かが二人を見ていた。その為、本当の本気を出せていなかった。けれども、ここには二人の事を知っている人しかいない。
「「なぁ(ねぇ)。俺(私)達の実験台になってくれよ」」
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
無能烙印押された貧乏準男爵家三男は、『握手スキル』で成り上がる!~外れスキル?握手スキルこそ、最強のスキルなんです!
飼猫タマ
ファンタジー
貧乏準男爵家の三男トト・カスタネット(妾の子)は、13歳の誕生日に貴族では有り得ない『握手』スキルという、握手すると人の名前が解るだけの、全く使えないスキルを女神様から授かる。
貴族は、攻撃的なスキルを授かるものという頭が固い厳格な父親からは、それ以来、実の息子とは扱われず、自分の本当の母親ではない本妻からは、嫌がらせの井戸掘りばかりさせられる毎日。
だが、しかし、『握手』スキルには、有り得ない秘密があったのだ。
なんと、ただ、人と握手するだけで、付随スキルが無限にゲットできちゃう。
その付随スキルにより、今までトト・カスタネットの事を、無能と見下してた奴らを無意識下にザマーしまくる痛快物語。
魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。
音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、
幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。
魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。
そして再び出会う幼馴染。
彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。
もういい。
密かにやってた支援も打ち切る。
俺以外にも魔道具職人はいるさ。
落ちぶれて行く追放したパーティ。
俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。
荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。
最弱Sランク冒険者は引退したい~仲間が強すぎるせいでなぜか僕が陰の実力者だと勘違いされているんだが?
月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
冒険者のノエルはSランクパーティーの荷物もちだった。
ノエル自体に戦闘能力はなく、自分のことを足手まといだとすら思っていた。
そして、Sランクになったことで、戦うモンスターはより強力になっていった。
荷物持ちであるノエルは戦闘に参加しないものの、戦場は危険でいっぱいだ。
このままじゃいずれ自分はモンスターに殺されてしまうと考えたノエルは、パーティーから引退したいと思うようになる。
ノエルはパーティーメンバーに引退を切り出すが、パーティーメンバーはみな、ノエルのことが大好きだった。それどころか、ノエルの実力を過大評価していた。
ノエルがいないとパーティーは崩壊してしまうと言われ、ノエルは引退するにできない状況に……。
ノエルは引退するために自分の評判を落とそうとするのだが、周りは勘違いして、ノエルが最強だという噂が広まってしまう。
さらにノエルの評判はうなぎのぼりで、ますます引退できなくなるノエルなのだった。
他サイトにも掲載
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる