幼馴染みの2人は魔王と勇者〜2人に挟まれて寝た俺は2人の守護者となる〜

海月 結城

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カリーナの修行開始

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 早朝、《ボルケイノ》でノルメと別れてカリーナは自宅に到着した。

「院長! ただいま!!」

 カリーナは孤児院の扉を勢いよく開け放った。
 その音に跳び起きた院長は、寝巻のまま玄関に出て来た。

「うるさーい!!! まだ夜だぞ! こっっのバッッッッッ! バカ!」
「えへへー、院長、ただいまー!!」

 院長はため息を付きながら頭を掻いた。

「おかえり、カリーナ」

 院長の作った朝食を食べながら、カリーナが戻ってきた理由を話した。

「なるほどな、神を倒すための力、自分のオリジナルのスキルを得たいと、そのために俺のところに来たんだな」
「……ん、そう」

 院長はフォークとナイフを置いて、カリーナの話しを聞いているが、カリーナは久しぶりの院長のご飯をリスのように頬張って食べている。

「……どうだ、美味しいか?」

 院長も久しぶりに人に食べて貰うので、そこは気になるようだ。
 カリーナは満面の笑みを浮かべながら、頬張っていたものを飲み込んで答えた。

「うん! 凄く美味しい!!」

 その言葉に自然と笑みが零れた。

「やっぱり、誰かとご飯を一緒に食べるのは楽しいな。あいつらとも、一緒に食事をしたいな」
「その為にも、私は強くなりたいの。だから、お願い、私の師匠になって!」
「あぁ、もちろんだ。だが、俺の修行は辛いぞ。音を上げるなよ」
「はい! 師匠!」

 そして、その翌日からカリーナの修行が始まった。

「確か、期間は一年だったよな?」
「うん、一年経ったらフォーティス大陸に集合なんだって」
「一年、長いようで短いな……。よし、カリーナ、魔力を本気で練って水を出来る限り小さくして見てくれ」
「うん、分かった!」

 カリーナが魔力を全開放すると、風が吹き、近くの海が荒れ、空は雷鳴を轟かせ始め、まさに天変地異と呼ぶにふさわしい光景だった。
 そして、右手に魔力を集め、命令式を与えると体育館を沈めるほどの水が現れ、それを圧縮した。
 圧縮すると、天変地異は収まった。

「う~ん、全然ダメ、先ずは魔力操作から教えたほうが良いな」

 カリーナの掌に浮かんでいる水球を見た院長はそう呟いた。
 カリーナの掌にはサッカーボールと同じぐらいの水球が浮かんでいた。
 体育館を沈めるほどの体積をここまで圧縮したが、それでもダメだった。
 それが、悔しかったのかカリーナは院長にも同じことをするように言った。

 院長は二つ返事で了承して、カリーナと同じぐらいの水球をノータイムで出現させた。
 そして、同じように圧縮させると、ビー玉と同じぐらいの大きさまで圧縮せた。
 それを見たカリーナは目が飛び出るほど驚いていた。

「う、うう、嘘でしょ!?!? え、まじ……え!?!?」
「カリーナには、最低でもここまで水球を小さくさせるぐらいにはなってもらわないとだな。そうじゃないと、神には傷一つ与えることが出来ないぞ」
「え、院長はここまで出来るようになるのに、どのくらい時間掛った?」
「そうだな、二十年ぐらいかかったかな」
「え、それを私に一年で仕込ませようとしてるの?」

 院長はさも、当たり前のように頷いた。

「それに、ここまで魔力操作を極めれば、これから使うどんな魔法も、スキルすらももっと強力になるぞ」

 それを聞いたカリーナは、想像した。あれも、これも、強くなって、フォレスに褒められるその姿を。

「おっしゃー!! やるぞー!!!!」

 そして、カリーナの修行が始まった。
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