転生を繰り返した最強は5つのダンジョンを制覇する

海月 結城

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第1章 テールマルク編

第11話 決闘ー1

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 決闘当日。ダンジョン都市テールマルクは物凄い熱気を放っていた。

「寄ってらっしゃい見てらっしゃい!! 決闘の合間に良いエールは如何かな!!??」
「エールにはおつまみ!! 良いおつまみ取り揃えてるよ!!」

 『ペインスロード』が休みの日のダンジョンの前の屋台がそのまま決闘場前に移動してきたような感じだ。

「にしても、凄い盛り上がりだな」
「当たり前です。『ペインスロード』vsダンジョン都市の救世主ですよ。盛り上がらない方がおかしいですよ」
「俺は、今の現状がおかしいと思うんだが?」

 何故か、隣にデールがいて一緒に歩いているのだ。

「なんでお前が俺の隣に居るんだよ」

 そう聞くと、デールは首傾げた。

「いや、なんで「何言ってるんだろう?」って顔してるんだよ」
「ま、そんな事は置いといて。早く行こ!」
「うわっ、ちょっと、手を引っ張るな!!」

 決闘場までデールと一緒に行くことになった。何故だ?

「さぁさぁ、賭けの会場はこちらです!!」
「なぁ、お前はどっちに賭ける?」
「そうだな。確かに救世主には勝って欲しいんだけど、賭けをするなら当たる方に賭けたいんだよな。俺は、『ペインスロード』に銀貨5枚賭けるかな」
「やっぱりそうだよな。俺は『ペインスロード』に金貨1枚賭けるぜ!」
「うわっ! お前まじかよ!!」

 俺は今の2人の会話が聞こえ、賭けに参加することにした。

「デールは賭けとか参加するのか?」
「もちろん、参加するわよ。ちょっと行ってくる」

 そう言って、デールは賭けが行われている会場まで走っていった。

「救世主に金貨10枚賭けるわ!!」
「はい、畏まりました! そう言えば、救世主に賭けたのは貴女が初めてね」
「え、そうなんですか?」
「はい。この都市を救っては欲しいんですけど、あの『ペインスロード』には勝てないと思ってるんですよ」
「へー、そうなんですか」

 ラッキーと思いながらデールはレイクの元に戻っていった。

「どうだった?」
「凄かったわよ。レイク全然賭けられてなかったわ」
「え、そうなの? 救世主に勝ってほしいって思わないのかな?」
「勝ってほしいけど、勝てないって思われてるみたいよ」
「まじか。ま、良いよ。俺が勝ったらデールがボロ儲けして、俺のギルドに続々と入りたいって人が来てくれたら嬉しいんだけどな」

 そして、決闘場に到着したレイクとデールは『ペインスロード』の団員に連れられて準備室まで案内された。

「後2時間後に決闘が開始されます。それの30分前に決闘のルールを紹介しますので一度部隊に上がってもらいます。それでは、その時になりましたらまたお知らせしにきますね」

 そう言って、『ペインスロード』の男性団員は部屋から出て行った。

「なぁ、お前って本当に『ペインスロード』の団員?」
「当たり前でしょ!」
「にしては、お前のこと知らない風だったよな?」
「そ、そりゃ。私は暗殺者なんだから、知られてたら困るわよ」
「……本当か?」
「本当よ!!」

 それからは、準備運動などをして時間を潰していた。

「ねぇ、大丈夫?」
「うん? 何がだ?」
「本当に、勝てるのよね?」
「当たり前だろ。俺が負けるなんて万に1つも有り得ないな」
「そうだけど。だって今回の決闘って『ペインスロード』vsレイクなのよ。レイクの相手は『ペインスロード』ってだけで、全員が相手なのよ! 分かってるの!?」
「もちろん、分かってるさ。それに、見てる人全員が楽しめるように作戦も考えてきてある。だから、安心しろ」

 デールの頭をポンポンと撫でてやると、顔を膨らませて睨んできた。

「本当に、大丈夫なのよね? 本当の本当に大丈夫なのよね!?」
「大丈夫だって。信じろ。この都市もお前も助けてやるからさ」
「レイク「レイクさん、時間です」」
「おう、分かった。じゃ、後でな」

 男性団員がやって来て、俺は舞台に上がった。今回の決闘のルールを説明される事になった。

「観客の皆様。お待たせしました。これより、『ペインスロード』対ダンジョン都市の救世主の決闘を開始します! では、先ず今回の決闘のルールを説明します。と、言いましても今回の決闘ではルールはありません。どちらかが「参った」と言った時にこの決闘に勝敗が決まります。ルールは以上です。では、決闘は30分後です。それではまた」
「「「「うぉーーーー!!!」」」」

 それから一度準備室に戻された。

「本当に大丈夫なの!?」
「大丈夫だって。んじゃ、集中するから」

 そして、30分後。

「お待たせしました。レイクさん」
「時間ですか?」
「はい」
「頑張ってね。レイク」
「おうよ」

 さて、舞台に立った俺は意外な光景に目を奪われていた。

「1人なんだな」
「あぁ、そっちが1人だからな、こっちも1人戦うのがいいと思ってな」
「さぁ、皆さん!! お待たせしました。これより『ペインスロード』vsダンジョン都市の救世主レイクの戦いを開始したいと思います。長々と喋ってもつまらないので、早速行きましょうか!! では、決闘、開始!!!!」
「「「「「うぉーーーー!!!!!」」」」」

 遂に開始のゴングが鳴った。
 先に動いたのは『ペインスロード』の副ギルドマスターのシュバだった。

「直ぐに終わらしてやる!!」

 シュバは、大剣を横に大振りに振った。

「っく! 重い!!」
「まだまだ!!」

 右から左に大剣が振られ、それを受け止めようとするとノックバックされ、左から右に大剣が振られ、再びノックバックで後ろに飛ばされてしまう。そのせいで、こちらから反撃することが出来なかった。

「その程度か!? 『フェニックス』のギルドマスターさんよ!!」
「っくそ! 重い上に早いのかよ!!」
「当たり前だろ、こんな事も出来ないで副ギルドマスターなんて、名乗れないだろ!!!」

 そこからも一方的だった。右下から左上への振り上げ、そこからの振り下ろし。そしてーー

「スキル:大獄だいごく

 シュバはスキルを発動した。必殺の一撃を連続で繰り出す。大剣スキルの極意だ。

「オラオラオラ!! 逃げてばっかりじゃ無いか!! 反撃して来ないとつまらないぞ!!!」
「はぁ、だったら、はぁ、反撃させてくれよ!!!」

 俺は、そのスキルをギリギリの所で躱したり、受け流したりしながらさばいていた。
 その頃からシュバは気付いた。

(何故だ!?!? 何故当たらないんだ!? クソ、また避けられた?! 次は受け流された?!?!)
(こいつ、そろそろ気付き始めてきたな。なら、もうそろそろ頃合いかな?)
「はぁ、はぁ、お前!! 何故本気を出さない!!」

 シュバの声は決闘場に響き渡った。

「何を言っている? 俺は本気だぞ」
「はぁ、何を言っている!? はぁ、息1つ、はぁ、乱れていないじゃないか!?」
「あ、やべ! はぁ、はぁ」
「今やったって遅いわ!! 決闘なのに何処まで愚弄したら気が済まんだ!?」

「そろそろだな。お前ら、行け」

「もう遅いぞ。ギルドマスターはそろそろ本気でお前を倒しに来るぞ」
「おおっとぉぉぉ!!! なんとここで、『ペインスロード』の全団員が登場だ!!!!」

 その光景に、今回の決闘を見に来た観客から野次が飛んだ。

「テメェら!! なに考えてやがる!!!」
「そうだ!! そうだ!! 決闘は1対1が暗黙のルールだろ!!!」

 その野次に『ペインスロード』のギルドマスターはこう答えた。

「何を言っている。それは貴様らが勝手に言いだした事だろ。今回は『ペインスロード』対ってちゃんと書いてあるだろ?」

 その正論に誰も何も言えなくなってしまった。

「さぁ、貴様ら。テールマルクの救世主レイクを叩きのめせ」

 そして、決闘の本番が始まった。
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