地の底から這い上がる

海月 結城

文字の大きさ
6 / 37

宿探し

しおりを挟む
二日連続投稿!!今までの空きをここで埋める!!
ーーーーー
 俺たちは二人と一匹でギルドに入っていった。すると、ギルドにいた冒険者たちがこちらをギロッと睨んできた。そして、三つある受付の内、二つだけものすごい並んでいた。

「なんでこっちだけ人少ないんだろう?」
「さぁ? ま、行ってみましょう」

 俺たちが空いている受付に向かおうとした時ににゃぽが待ったをかけた。

「ご主人様、ちょっと待って」
「ん? どうしたにゃぽ」
「あの人は、ダメ」
「ん? なんで?」
「負のオーラが漂ってる。あれは、元から、いや、誰かがあの人に付けたもの、だと思う」
「そっか、だったら辞めておくか。元から不幸な俺がもっと不幸になっちまう」
「それがいいと思う」

 そして、俺たちは長蛇の列で並んでいる列に並んだ。その間に前の人になんであの人のところだけ空いているのか聞いてみた。

「ん、あぁ、それなら簡単だ。あいつは呪われている。いつからだったか覚えてないが、あいつが受付をした冒険者たちが全員消息を絶ったんだ」
「今の話ぶりだと、昔はそうじゃなかったのか?」
「そうなんだよ。あいつは昔笑顔が絶えない、このギルドで一、二を争う受付嬢だった。そんな時にさっき話したことが起きたんだ、信頼はどん底まで落ちた。おっと、次俺の番みたいだ。お前らも新人だろうけど、あいつには気をつけろよ」

 中々に、有意義な事が聞けた。

「次の方どうぞ」
「お、俺たちの番みたいだ」
「えっと、初めましてよね?」
「はい。そうです」
「今回はどうしたのかしら?」
「冒険者登録をしに来たんです」
「えっと、二人で良いのよね」

 俺は、横をちらっとみた。リリーは頭が取れるんじゃないかと思うほど、首を振っている。

「はい。二人で良いです」
「分かったわ。登録に銀貨三枚かかるけど良い?」
「はい」

 俺は、袋から金貨一枚を出した。

「えっと、はい、銀貨七枚よ。これで登録は出来るわね。じゃ、説明を始めるわね。まず、冒険者の意義からね。冒険者は魔王軍が指揮する魔物の退治が主な仕事な。他にも、その国の民たちのお手伝いとかね。木の運搬だったり、建物を建てるのを手伝ったり、荷物のお届けとかね。まず、ここまでは大丈夫?」
「はい。大丈夫です」
「私も、OKよ」
「じゃ、次行くわね。次は、冒険者カードね。このカードの上に髪の毛一本置いて」
「分かりました」

 俺たちは、髪の毛を一本切りカードの上に置いた。すると、髪の毛は徐々にカードに溶け込んでいった。

「おお、すげー」
「なんとも言えないわね」
「久しぶりね、そんな反応する人は。で、このカードは貴方達が倒した魔物の数だけが記録されるわ。今、種類もどうにかできないか、頑張ってるようだけど、今は、そのカードを持っていなさい。あ、そのカード、無くしたら金貨三枚だから、絶対に無くさないでね、絶対よ!」
「は、はい」
「あ、そうそう、数の更新はこっちある機械を通してから更新されるからね。で、次は、冒険者ランクね。ランクはC、B、A、S、の四つに分かれているわ。貴方達はCランクからのスタートよ。最後に、クエストについてよ。クエストにもランクがあるわ。自分のランクと同じものしか受けられないから注意しておいてね。これで、冒険者については終わりよ、何か質問はある?」
「あぁ、質問は無いんですけど、このギルドの目の前の門の街道に、騎士と盗賊が倒れていましたよ」
「・・・ちょっと! なんでそれを早く言わないの!? 貴方達の冒険者登録よりも大事な事じゃない!! ちょっと君……」

 受付嬢は、すぐそばに居た新人らしき少年に耳打ちをして少年はギルドの扉をバーン! と開けてかけて行った。

「教えてくれてありがとうね。あ、忘れてたわ。この国にギルドは四つあるわ。東西南北の四つよ。ここは東門の前にある、シャルル共和国東ギルドよ。私はここで、受付嬢をしているわ。名前はキャスよ。よろしくね」
「よ、よろしくお願いします。キャスさん」
「それと、あの子には近づかない方がいいわよ。呪われてるから、死んじゃうわよ」

 そう言って、キャスさんは俺らの後ろの人に声をかけた。俺たちは呪われの受付嬢の前を通る時に何かが聞こえた。

「……助けて」

 と、俺はその声が聞こえた方を見るが受付嬢は真顔のままだった。その時は空耳だと思うことにした。

「で、リリーはどうするんだ?」
「私は、これから一人で生きていきます。頑張って、あの国を変えて見せます!」
「そうか、だったら、ここでお別れだな」
「そうですね。短い間でしたが楽しかったです。また、何処かでお会いしましょう」
「そうだな。それじゃ、また何処かでな」

 そうして、俺とリリーは別れた。

「まぁ、また直ぐに合うと思いますけどね。ふふ」

 リリーの小声はギルドの喧騒の中に消えて行った。

「さて、にゃぽ。宿を探すか」
「はい!」

 ギルドの外へ出るともう日が傾き始めていた。

「急ぐぞにゃぽ!」
「はいです! ご主人様!!」

 そして、俺たちは宿を探すが、どの宿も部屋いっぱいに入っていて俺たちが入れる場所が無いのだ。それに、にゃぽもいるから、動物OKの宿を探さなくてはいけない。部屋が空いていても、動物NGの場所も少なくない。

「もう、夜になっちゃったな」
「うぅ~。ごめんなさい、ご主人様。私がいるせいで宿に止まらなくて……」

 にゃぽが涙声で謝ってくる。俺はそれをにゃぽの頭を撫でながら答えた。

「大丈夫だよ。最悪、そこら辺の裏路地でにゃぽに包まれて寝れば良いんだからな」
「ご主人様///」

 にゃぽは何故か照れているようだった。そこで俺は気づいてしまった。

「裏路地には隠れた名店があるもの、もしかしたら隠れた宿屋があるかもしれない。こうしちゃいられない! にゃぽ、行くぞ!」
「うへへ~、へ? どこに!? え、ちょっと、引っ張らないでーー!!」

 俺はにゃぽの手を掴んで裏路地に突入した。そして、見つけた。看板には「隠れ亭」と書かれていた。

「よし、入るぞ」

 そして、俺は扉を開けた。扉を開けた先には、メガネをかけた女の人がいた。

「え? お客さん?」

 それが、彼女の第一声目だった。
ーーーーー
さてさてさーて、これからどうなるのでしょう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!

菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは 「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。  同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう  最初の武器は木の棒!?  そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。  何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら 困難に立ち向かっていく。  チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!  異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。  話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい! ****** 完結まで必ず続けます ***** ****** 毎日更新もします *****  他サイトへ重複投稿しています!

処理中です...