33 / 37
眠るもの1
しおりを挟む
俺たちは今、シャルル王国から南に位置する村に向かっている。
「ここか」
「そうだね。でも」
『村人が普通に居るんだよね』
「ここに本当に居るのか? ルガーノ」
『了解』
俺は、ルガーノを使い「探知」を使い魔族の反応を見つけ出した。
「ここは、村の真ん中? いや、地下だな」
「地下?」
「ま、行ってみるか」
俺たちは村の中に入っていった。
「そこの旅のお方」
「はい、何でしょうか?」
「この村には何の用事で来たんですか?」
「ちょっと野暮用でね」
「……そうなんですか」
「入っていいか?」
男は、少し考えた後、俺たちを村の中に入れてくれた。
「あ、そうだ。この村の中心にある地下にはどうやったらいけるんだ?」
「え、地下?」
「そんなのこの村にはないですよ」
「そうか。変なことを聞いたな。忘れてくれ」
村の中に入った俺たちは、一度村長のところに行くことにした。村人に聞いたら素直に教えてくれた。
「ここか」
村長の家を見つけた俺らは、ドアをノックした。
「誰じゃ?」
「旅の者なんですけど、村の中心地の地下の空間あれってどうやって行くんだ?」
「お前、それをどうやって知った?」
「ちょっとした魔法だ」
「簡単には教えられん」
「は? 教えろ。そこに魔族がいるんだ」
「そ、それは本当か!?」
「本当だ」
村長は、わなわなと震えだし、決意を決めたような顔をしていた。
「分かった。そこへの入り口は、ここにある」
村長は、右側にある部屋に俺たちを連れていき、床のカーペットを取り払った。そこには、床下につながるドアが設けられていた。村長はその扉を開けた。
「ここが、そこにつながる扉だ」
「さんきゅ」
そう言って、にゃぽ、俺、ルガーノがそこに入っていった。俺たちは大切なことを見落としていた。それは、すぐに分かった。
「すごいな」
その空間は、その一言に尽きるほど、広かった。
『この空間をどうやって作ったんだ』
「私も同じことを疑問に思った」
「そうだな。それも気になるが、まずはミイナ救出が先だぞ」
「『わかってる』」
それからしばらく進むと、先ほどの空間よりもっと広い空間に出た。
「待ちくたびれたわ」
そこにいたのは、赤く血塗られ、剣先からぽたぽたと赤い液体が垂れた剣を持ったキャスと、赤い液体の池に横たわってるミイナだった。
「待ちくたびれて、殺しちゃったわ。残念だったわね」
「え、ミ、イ、ナ……」
ミイナは、その場から動こうとはしなかった。
「アハハ! 大事なお仲間さんが殺されて怒っちゃった? 最後まであなたが助けに来てくれるって、ずっと言ってたわよ。あの顔は、忘れられないわ。思い出すだけで、笑えてくるわ」
そう言ってキャスは、耳障りな高笑いを永遠にしていた。
「ルガーノ。ちょっと来い」
俺の声は、滅茶苦茶低くなっていただろう。
『な、何だ?』
「俺は馬鹿だ、あの時感じたのは魔族の反応一つだけだった。馬鹿だよな。ハハハ。「魔力制御」解除」
ルガーノに触れて、今まで制御していた魔力をフル放出した。
「ハ、嘘、なにこの魔力!?」
キャスは、高笑いを途中で止めざるを得なかった。
「魔王様以上の魔力? そんな、馬鹿な!? もしかして、あなた異世界からやってきた勇者。それに巻き込まれて来たの? あれは、おとぎ話なんかじゃなかったの?」
「ご主人様……ちょっと待って!」
にゃぽが何かに気づいて、俺のことを止めようとしていた。
だが俺は、それに気づかなかった。
『魔力が、暴走してる』
「ルガーノ、何とか出来ないの?」
『無理だ。我は自分の意思でこの魔法たちは使えないんだ』
「そんな」
にゃぽと、ルガーノが絶望している中俺はその場にいなかった。
「ここか」
「そうだね。でも」
『村人が普通に居るんだよね』
「ここに本当に居るのか? ルガーノ」
『了解』
俺は、ルガーノを使い「探知」を使い魔族の反応を見つけ出した。
「ここは、村の真ん中? いや、地下だな」
「地下?」
「ま、行ってみるか」
俺たちは村の中に入っていった。
「そこの旅のお方」
「はい、何でしょうか?」
「この村には何の用事で来たんですか?」
「ちょっと野暮用でね」
「……そうなんですか」
「入っていいか?」
男は、少し考えた後、俺たちを村の中に入れてくれた。
「あ、そうだ。この村の中心にある地下にはどうやったらいけるんだ?」
「え、地下?」
「そんなのこの村にはないですよ」
「そうか。変なことを聞いたな。忘れてくれ」
村の中に入った俺たちは、一度村長のところに行くことにした。村人に聞いたら素直に教えてくれた。
「ここか」
村長の家を見つけた俺らは、ドアをノックした。
「誰じゃ?」
「旅の者なんですけど、村の中心地の地下の空間あれってどうやって行くんだ?」
「お前、それをどうやって知った?」
「ちょっとした魔法だ」
「簡単には教えられん」
「は? 教えろ。そこに魔族がいるんだ」
「そ、それは本当か!?」
「本当だ」
村長は、わなわなと震えだし、決意を決めたような顔をしていた。
「分かった。そこへの入り口は、ここにある」
村長は、右側にある部屋に俺たちを連れていき、床のカーペットを取り払った。そこには、床下につながるドアが設けられていた。村長はその扉を開けた。
「ここが、そこにつながる扉だ」
「さんきゅ」
そう言って、にゃぽ、俺、ルガーノがそこに入っていった。俺たちは大切なことを見落としていた。それは、すぐに分かった。
「すごいな」
その空間は、その一言に尽きるほど、広かった。
『この空間をどうやって作ったんだ』
「私も同じことを疑問に思った」
「そうだな。それも気になるが、まずはミイナ救出が先だぞ」
「『わかってる』」
それからしばらく進むと、先ほどの空間よりもっと広い空間に出た。
「待ちくたびれたわ」
そこにいたのは、赤く血塗られ、剣先からぽたぽたと赤い液体が垂れた剣を持ったキャスと、赤い液体の池に横たわってるミイナだった。
「待ちくたびれて、殺しちゃったわ。残念だったわね」
「え、ミ、イ、ナ……」
ミイナは、その場から動こうとはしなかった。
「アハハ! 大事なお仲間さんが殺されて怒っちゃった? 最後まであなたが助けに来てくれるって、ずっと言ってたわよ。あの顔は、忘れられないわ。思い出すだけで、笑えてくるわ」
そう言ってキャスは、耳障りな高笑いを永遠にしていた。
「ルガーノ。ちょっと来い」
俺の声は、滅茶苦茶低くなっていただろう。
『な、何だ?』
「俺は馬鹿だ、あの時感じたのは魔族の反応一つだけだった。馬鹿だよな。ハハハ。「魔力制御」解除」
ルガーノに触れて、今まで制御していた魔力をフル放出した。
「ハ、嘘、なにこの魔力!?」
キャスは、高笑いを途中で止めざるを得なかった。
「魔王様以上の魔力? そんな、馬鹿な!? もしかして、あなた異世界からやってきた勇者。それに巻き込まれて来たの? あれは、おとぎ話なんかじゃなかったの?」
「ご主人様……ちょっと待って!」
にゃぽが何かに気づいて、俺のことを止めようとしていた。
だが俺は、それに気づかなかった。
『魔力が、暴走してる』
「ルガーノ、何とか出来ないの?」
『無理だ。我は自分の意思でこの魔法たちは使えないんだ』
「そんな」
にゃぽと、ルガーノが絶望している中俺はその場にいなかった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!
菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは
「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。
同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと
アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう
最初の武器は木の棒!?
そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。
何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら
困難に立ち向かっていく。
チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!
異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。
話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい!
****** 完結まで必ず続けます *****
****** 毎日更新もします *****
他サイトへ重複投稿しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる