キミという花びらを僕は摘む

さいはて旅行社

文字の大きさ
53 / 74
第2章 波乱含みの

2-22 愛し愛されて ◆ティフィ視点◆

しおりを挟む
◆ティフィ視点◆

「ぶほおっ」

 ゲホゴホゲホ。
 竜人族の店員は休憩室のテーブルをフキンで拭き拭き。
 すまねえ。
 お茶が気管に入った。
 一瞬、死にそうだった。
 まだ咳がとまらん。

 グホゴホ。

「エルフはお上品な種族かと思っていたけど、意外と三枚目なんだなあ」

「私の反応にそんな評価するっ?お茶くらい吹き出すよっ。だって、前竜王とズィーがヤッているなんて」

「若い番で新婚なら三日三晩以上愛し合うのは普通だけどなあ。ズィーは途中で起きて消えるからヤり足りないそうだぞ。ケチャ様も不完全燃焼でお辛いだろうに」

 ふむ、種族の違いか。

「でも、前竜王には奥さんも子供もいるんだろ。ズィーとは不倫ってことに」

「竜人族は人族領に村があるが、完全に独立している。人の法には左右されないから、不倫でもない」

「ハーレムが可能だってことか」

「竜人族は一対一の番が普通だが、俺たちは封印されてから番とは相当な年数会ってないし、封印とはいえ村では死んだものとされているんじゃないか」

 こういうときどう返せばいいのか、わからない。
 人生経験のなさである。

 居酒屋の店員は竜人族のスイと名乗った。
 居酒屋の休憩室はわりと綺麗で広い。部屋にはテーブルとイスの他にも、人を寝かせることもできそうなソファも置かれている。

「あ、スイも結婚していたのか」

「ズィーに封印された竜人族は一族の精鋭部隊だから、全員に番がいるし、百歳以上だ」

「えっ、そんなに年上なのかっ」

「ケチャ様は百八十歳くらいだし、俺も百五十一歳だ。お前もハーフエルフなら人族のような見た目通りの年齢じゃないんだろ」

「私は六十三歳だけど」

 ガチャーンっ。
 休憩室の外で物が落下したような音が響いたが、まあ、偶然だろう。

「エルフも長生きだからなー。どちらも千歳くらい生きるのが珍しくない」

「なら、前竜王は竜人族ではまだ若い方じゃないか?やはり強いから竜王に選ばれたのか?」

「強さもあるが、竜王というのは二百歳ほどで次の者に譲る。古い者が王という地位にしがみついていても老害しか生まれないからな」

 スイ、言いたい放題。
 そういう歴史が竜人族にはあったのだろうか。

「そして、竜王は緑竜がなることが多い」

 前竜王も緑だったな。
 けれど、ここにいる竜人族の肌は色とりどりだ。

「それは他の竜人族にとってはどうなんだ?世襲制みたいなもので嫌なんじゃないか」

「それぞれの気質があるんだ。赤竜は好戦的、直情、単純、馬鹿とか。青竜は知的、計画的、慎重、綺麗好きとか。他にも色々いるが、緑竜が気長で穏やかだから一番、長に向く」

 自分が所属している青竜に褒め言葉を並べるスイのお人柄が窺える。
 その並んだ単語だけを聞くなら長に向くのは青竜なのだが、現実に長として選ばれるのが緑竜だというからには青竜には裏返した欠点がかなり存在するのだろう。この場では言わんけど。

「緑竜は穏やかなのか?」

 前竜王は穏やかだろうか?

「竜人族のなかでは。基本的に竜人族は好戦的な者が多い。赤竜に好戦的と言ったのは、それに輪をかけて好戦的だからだ」

 そういうことですか。竜人族のなかでは穏やかな方なのですね。
 赤竜は戦いが超好きだということですね。。。

「ただし、いつもは調和を重んじる緑竜を怒らせたら、一番怖いのも事実だ」

「あー、長に向いてますねえ、それは」

 納得。
 魔族大侵攻の後に、竜人族に充分な補償を人族領の国々が出さなかったために、竜人族は魔族の被害を受けていた国々を蹂躙していったことも。
 人族のために戦った竜人族を蔑ろにしたら、竜王にとっては当然の結果だとも言える。

「そして、そーんな怒らせたら怖いケチャ様を惚れさせたら、ズィーは一週間ほど個室監禁だろうな。夜だけだが」

 夜だけだから一週間にもなるんだろうけど。
 さすがに三日三晩も寝続けることはできない。一度も起きずに寝続けたら、呪いかと周囲が騒ぎかねない。

「もしかして、一週間は魔王様が不機嫌に?」

「俺たちはあの状態を見慣れているからなあ。魔族大侵攻の際、魔族軍と前線で戦っていたのも俺たちだし」

 竜人族はあの戦いでかなりの痛手を受けた。
 竜人族はもともと数が少ない。魔族との戦いで命を落とした者も多かったのに、人族領の国々は自分たちの国のことで頭がいっぱいだった。竜人族がいなければさらに壊滅的な状態になっていた国は増えていたのにもかかわらず、彼らに何もしなかった。
 人族のために戦って。
 自分たちだけどこかに逃げるだけなら、そんな犠牲を払わなかったのに。

 だから、人族領の国々は手痛いしっぺ返しを受けた。
 この件もズィーの竜王封印で終わったという話だ。
 村に残った竜人族にはお咎めなし。
 村への復興費も出ている。

 襲われた国々は甘いとトワイト魔法王国に抗議したが、犠牲を払った功労者に何も与えないのが一番悪いと一蹴されてこの事件の後日談も終わった。

 けれど、このズィーの仮想現実にいる竜人族はもちろん前竜王だけではない。
 魔族と同じく魔王だけでもない。

「魔王と同じく竜王だけが封印されて戦いが終わったことになっている。庶民に伝わる話はかなり脚色がついているものだな」

「魔王が封印されたからといって、魔族に侵攻された国々は魔族から得られるものが何もなかった。彼らが大山脈が境になっている魔族領に攻め込めるはずもない。魔族に襲われた国々は蹂躙されて終わったんだ。竜人族にもな」

「あ、ああ、そうか」

 エルフの魔導士であった母は魔族に殺されている。
 一対一でも圧倒的に力の差があることは明白だ。むざむざ魔族領に殺されに行く人間がいるものか。

「魔王は人が言語を理解しないと言っただろ。だから、魔族領では家畜となったと。人は話すのに言葉が通じないと、大昔の魔王があの大山脈を大陸に作ったという。人族と関わり合わないために大陸を物理的に分断したんだ」

「へ、、、大魔王ですか、それは」

 一人の力で大山脈なんて作れるものなんですか。

「ははは、確かに今の魔王より魔王だな。人でも個々では良いヤツもいるさ、ズィーみたいに。言葉が通じないというのは、約束したこともすぐ反故にするからだ。魔族は約束したことは守るからな」

「けれど、竜人族は魔族領から人族領に移ったという話じゃないですか。その辺は」

「魔族は守れない約束はしない。が、すべては力が決める。魔族は力がすべてだ。竜人族は人族領では最強の部類に入るが、魔族領では普通にどこにでもいるくらいの力量でしかない」

 力で負けるということでしょうか。
 世の中は広い。
 魔族は強い。

「、、、その圧倒的な力の頂点が魔王様なのでは?」

「その通りだ。カラダのどこかに魔王紋が現れた者だけが魔王に選ばれる。最強の証だ」

「最強でもズィーに封印されちゃったんですかー」

 つい口が滑った。
 ヤベっと思ったときには、言葉は口の中に戻らない。

「最強というのは時代によって求める力も変わる。ただそれだけだ」

「深いね」

「そもそも、魔王は魔族のなかでは最強というだけで、人族は含まれていない」

「ズィーは普通の人族だって自分でも主張してるからねえ」

「ズィーは自分のこと最強だと思い込んでいるヤツが嫌いみたいだからねえ。ここでも魔王も魔族軍もコテンパンにやっつけていたし」

「は?」

「魔族軍は主要部隊が全員封印されたんだ。今でこそ、俺たちのカラダを寝かせてある棺が並ぶ教会には自由に入れるが、教会の周辺は血の海で、教会の白い壁はいつも真っ赤に染まっていた」

 何ですか、ソレ。
 どこかのホラーですか?

「魔王たちはズィーと一、二年ぐらい戦っていたが、俺たちは封印されて魔族軍とズィーの戦いを目の前にしてなあ、他人の魔力を転換する人間に勝てるわけがないと、この地から出ることをさっさと諦めた」

 冷静に戦いを見れば、すぐにわかる事実だったようだが。

 魔族軍は自分たちが負けるはずがないと自分たちの戦法を変えなかった。
 彼らの膨大な魔力を無尽蔵にズィーに捧げていたのだ。
 竜人族も呆れたことだろう。
 魔族が魔力を大量に供給している限り、ズィーには勝てない。魔族が魔力放出をやめない限り、竜人族も勝つ術がない。
 竜人族の方が一早く現実を見たようだ。

「実際のところ、ここは暮らすのに快適な土地だったからなあ。女性はほぼいないけど」

 しみじみとスイが言った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください! ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

嫌われ魔術師の俺は元夫への恋心を消去する

SKYTRICK
BL
旧題:恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する ☆11/28完結しました。 ☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます! 冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫 ——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」 元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。 ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。 その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。 ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、 ——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」 噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。 誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。 しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。 サラが未だにロイを愛しているという事実だ。 仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——…… ☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!

【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。 BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑) 本編完結、恋愛ルート、トマといっしょに里帰り編、完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 きーちゃんと皆の動画をつくりました! もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら! 本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。

キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ! あらすじ 「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」 貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。 冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。 彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。 「旦那様は俺に無関心」 そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。 バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!? 「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」 怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。 えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの? 実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった! 「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」 「過保護すぎて冒険になりません!!」 Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。 すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。

処理中です...