キミという花びらを僕は摘む

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第3章 激動の

3-4 魔法王国 ◆グフタ国王視点◆

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◆グフタ国王視点◆

 例年よりこの大陸全土がほんの少し寒冷な冬。
 南方はまだまだ温かい気候だが、北の方ではすでに寒い。
 トワイト魔法王国でも外気温は低くなった。外に出るときはコートやマントが必要な時期になっている。

 しかし、この城にいる限り室内の温度調節はされているので、冷蔵室や冷凍室にでも入らない限りガタガタ震えるヤツはいない、はずなのだが。

 ここにいた。
 ガタガタガタ、と三人も。

「二位、三位、四位、寒いのか?」

 シングルナンバー会議の場。
 私は国王の席に座りながら三人に尋ねた。

 今回の会議には欠席者がいるが、一位から五位までいれば問題はない。
 残りは七位と八位がいる。
 九位のシークはズィーの部屋でティフィとイチャイチャしている。捕まえて来れば良かった。

「風邪かあー?エルフはヤワだからなあ」

 五位のゴンタが一言えば、通常なら十は返すような三人なのに。
 今日は青ざめて黙ったままだ。
 多少は心配になる。

「、、、本当に具合が悪いなら、治療魔法をかけたらどうだ?そのくらいの時間は待つぞ」

「この三人は自業自得なので、震えさせておく方がよろしいかと」

 小さい声が響く。
 この場での影響力ははかりしれない。
 序列一位、水の精霊王の発言である。
 幼女の姿なのだが、建国時からこの姿だったようだ。記録にはそう残されている。

 彼女が序列一位なのは、この国が海の魔物にかなり悩まされていたからである。
 彼女一人の力によってこの半島を囲む海流を変え、海からの魔物の上陸を許さない。
 それは他国からの侵攻も同じこと。

 三方が海に囲まれているこの国が安全でいられるのは、一位の力が大きい。

「まさか、また何かやらかしたのか?」

「はい。六位が、元に戻ったらお仕置きね、とこの三人に言い残していきましたから」

 二位の研究室も強力な魔法で覗き見できないように対処されているはずだが、一位にとっては関係ないようだ。

「あー、お仕置きかあ。前回かなりひどい目に遭ったのに、まだ懲りてなかったの?ある意味、それもすごいけど」

「エルフは物忘れがひどい。自分の都合が悪いことはすぐ忘れる」

 五位のゴンタが呆れたように事実を述べた。

「目の前で魔王を復活させられたらどうするのか?」

「うっ」

 三人が青ざめながら縮まる。
 いつもはもう少し席を離して座っているのだが、、、それだけ六位が、というより魔王が怖いのか?
 シングルナンバーでも単独で魔王と対抗できるのは、おそらく六位だけだ。
 ということは、三人は六位も怖いのか?

「別に魔王を復活させなくても、六位ならキミたちを拷問するくらいワケないか。六位は恨み辛みがたまっても、対象を簡単には殺さないからねえ」

「ううっ」

 けれど、六位は普段脅威に思えないので、こういう状況に陥ってしまったと思われる。
 しかも、今はズィーの中身がティフィになっているので、本当に脅威度が下がってしまったのだろう。
 コイツらが馬鹿をやらかすくらいに。

「で、何をやったんだ、今回は」

「感染症の芽をクィーズ家の長男に渡していました」

 答えたのは一位だ。
 筒抜けだな。
 二位から四位は一位に売られたな。
 一位も六位が怖いと見える。
 表情はまったく変わらない無表情だけど。

「クィーズ家の長男、というとシーファ・クィーズか。国の役人だが、長期休暇届が出ていたようだな」

 魔法で書類を呼び出す。
 数日前から休暇に入っている。

「その感染症の芽をどこに渡したのか、わかるか」

「ジニア聖教国に」

 一位が協力してくれると、情報が筒抜けでありがたい。
 が、厄介なことになったな。

「あー、コレかあ。六位がその感染症の予防薬と治療薬を作っておけ、って言ってきたのは」

「大丈夫。液体である限り増やせる」

 一位がこれまた表情を変えずに言い切った。
 さすがは水の精霊王。

 トワイト魔法王国は魔導士の国なので、薬品工場はない。
 薬は他国からの輸入に頼っている。
 ジルノア王国の方が高品質な薬を作る工場が多いくらいだ。
 だが、魔法薬ということなら、魔導士の国の方が強いことは言うまでもない。

「だが、六位はルチタ王国周辺の国がと言ったが、コレはこの大陸規模で大流行する危険性が高そうだ」

「ジニア聖教国の聖職者と信者の他に、クィーズ家の空間転移魔法陣を利用されているならば」

 一位の言葉に、私は立ち上がった。
 もしクィーズ家が管理している各国の空間転移魔法陣が使えなくなってしまったら?
 早期に手を打たないと大変なことになる。
 陸路ではトワイト魔法王国とジルノア王国からでは時間がかかり過ぎる。
 薬ができても現地に運べない。

「まずは予防薬の増産を急ぐ。シングルナンバーもよほどの案件がない限り、感染症の件にまわってくれ」

「しっかたねえなあ。おら、お前らも行くぞっ」

 五位のゴンタが立ち上がって、二位から四位をズルズルと引き摺って行った。
 短時間で会議が終了した。
 私も各所に指示してから。




「というわけだ」

 ズィーの肉体にいるティフィとイチャイチャし続けるシングルナンバーである九位に言った。

「だったら、グフタ国王陛下もズィーをまさぐるんじゃねえよ」

「話の最中、九位がティフィとまぐわうんなら、私も交ざるよねえ」

「、、、あっ、、はああっ、んっ」

 ズィーの声での喘ぎは色っぽい。
 いつまでも聞いていられる。
 いつまでも鳴かせていたい。
 肌を撫でる手に力も入るよ。

「陛下なら対応が忙しいだろうがっ」

「そりゃあ、ズィーに頼まれちゃったからねえ。やることはやるよ」

 と言って、九位に薄く笑う。
 そして、ズィーを美味しく舐める。

「あああっっ」

 ティフィは反応が良い。
 ズィーもこれくらい反応してくれると嬉しいんだが。
 どうだろう?

 ふざけるなと足蹴りされるだろうか。
 それもまた良しと考えてしまうから始末に負えない。
 どんな彼でも受け入れてしまう自分がいる。

「、、、ふうっ、あっ」

 ティフィはカラダを大きくのけぞり、快楽を表してくれる。
 この城に来てからズィーは性欲がないのかと思うくらい、女性を抱くことも自慰すらもしなかった。
 魔法研究が恋人なのではと本気で思ったくらいだ。
 そして、誰も恋愛対象として見ようともしてこなかった。

「また、私のも一緒に挿れてほしい?」

 彼の入口はすでに九位に濡らされている。
 もっと欲しがっているかのように音を鳴らす。

「、、、んっ、欲しい、お願い、グフタ国王陛下っ」

 ティフィにお願いされちゃったら、仕方ないよね。
 九位の顔が歪んだが、気にしない。

 一緒に突っ込む。

「はあっ、もっとぉ、、、んっ」

 ぐいぐいと奥へと。
 ああ、可愛いなあ。

「おねだりが上手いねえ、ティフィくん」

 よくできました。
 可愛いから、ナデナデしておきましょう。どこをとは言わないが。

「ああっ、、、」

 こんな風に縋ってほしい。
 欲しがってほしい。
 もっとどこまでも濡らしたい。
 私の体液で染め上げたい。

 私がいなければダメだと言わせたい。

 欲望だけが私の頭を支配する。


 ズィーが私に求めるのは、国王としての役割だとわかっていても。
 カラダに刻み込めば、カラダが疼いてくれないかと願ってしまう。

 私が必要だと。
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