65 / 74
第3章 激動の
3-7 王城の食堂
しおりを挟む
久々なので、王城の使用人用の食堂に行く。
白いマントでフードを目深に被っているので、特に疑われないだろう。
王城で雇われている魔導士は多いし、そもそも部外者は王城に入れない。
部外者といえば、部外者か?
今の俺はティフィの姿。。。
今日はギルバートはいるかなー?
あ。
いても、ティフィの姿だからギルバートにはわからない。
いや、普通に俺だとしても、特にそこまで会話するわけでもないから関係ないか。
食事自体は量の加減はあるにしろ、内容はみーんな同じなのだから。
いつもなら利用者が少ない時間を狙って食堂を利用していたが、今はカウンターに列が並ぶ。
ちょうど混雑する時間だから仕方ない。
仕方ないから、並ぶ。
反対に他人を気にする余裕などない時間帯なので、好都合なのかもしれない。
たまにはギルバートの作った食事が食いたい。
たまには、とは言い過ぎた。
是非とも毎日食べたい。
レインと一緒に住むと食べられなくなるけど、昼だけ王城の研究室に出勤して来ようかな。
俺の場合は別にどこでも研究できるから、自宅でも仕事できるんだけど。
ギルバートの作ったご飯が食べたい。
今日はギルバートの勤務日だといいけど。
列の後ろからピョコピョコとカウンター内部を覗く。
ギルバートを探すが見当たらない。
残念だ。
今日の料理はギルバートの手が加わっていないかもしれない。
順番がまわってきたのでトレイを取ろうとしたとき。
「ズィーっ」
後ろから腕をつかまれた。
「え?」
「あ、人違いか?すまん」
パッと手を離したのは、コック服姿のギルバートだった。
フードを被っているので周囲には誰が誰だかわからないと思うが、他人から見ると気が抜けた俺の行動は同じなのかもしれない。
身長は少々ティフィの方が高めだが、マントを羽織ってフードを被っていれば見た目に大差はない。
「ギルバート、久々だなあ。間違ってないぞ。今日はお前の作った食事を食べに」
と言っている最中に、ギルバートに再び腕を取られてずるずると引き摺られた。
廊下に出ても人が多くいるので、落ち着いて話せないと思ったのか、ギルバートの部屋に連れて行かれた。
料理長といえども、使用人。
そこまで部屋は広くないが、整理整頓していて居心地の良さげな部屋である。
初めてギルバートの部屋に招待された。
ここで生活しているのかー。
ソファはないので、机のイスを勧められ、ギルバートはベッドに腰掛けた。
「すまない。ここしばらく姿が見えず、九位がずっと病人食を持っていっていたから心配していた」
「ああ、俺の肉体の方は部屋から動けないだろうから」
ティフィはシークが看病、、、ではなく世話している。
「、、、ズィーなんだよな?」
「ああ、ギルバートの食事が大好きなズィーですよ」
「、、、なぜ、そんな姿になっているのかとかは聞かない方がいいのか」
「説明していると少し長くなるかなー。けど、もうそろそろ元に戻るよ」
俺がそう言うと、そこまで表情が崩れたことのないギルバートが破顔した。
ものすごく嬉しそうな顔になった。
「じゃあ、城でまた食事をする生活に戻るんだな」
「あ、いや、トワイト魔法王国の王都には戻るが、新居を探す予定だ」
今度は絶望の表情になった。
今日のギルバートは感情が表に出る。
珍しい。
というか、ここまで長い会話を今までしたことがあっただろうか。
俺用の病人食を六か月近く作らされていたらさすがに心配にもなるか。
俺がティフィの姿でいられるのは、もう半月もない。
「心配かけてすまない」
ここは素直に謝っておこう。
「、、、この国が具合が悪い序列六位を放置するわけがないと思っていたから、その辺は心配していなかったのだが。ズィーはずっと王城にいると思っていた」
「俺もその予定だったんだが、一緒に住みたいと言ってくれた者たちがいてくれて」
テレテレしながら白状する。
けれど、ギルバートは首を捻っている。
「者たち?」
「うん?」
一応、レインとルアンが一緒に住んでくれそうなのだが。
え?誰か離脱しそうなの?住んでくれないような感じを察したのか?
「使用人も雇う気があるのか」
「そういえば、雇った方がいいか」
レインと二人なら互いに支え合いながらという形もあったが、ルアンがいるとなると通いであっても使用人は雇った方が良いだろう。それにレインの養母にも手伝いの人員を考慮しなければ。必要ないと言われそうだけど。
あの薬屋兼住居なら小さくて掃除もしやすいが、ほどほどの屋敷を買い求めてしまうと管理が大変になる。
防犯という名の迎撃がしにくい家では、国からの許可も下りないかもしれない。
周囲に迷惑をかけても悪いから、庭も広めじゃないといけない。郊外が良いかな。
「ズィーが王城から出るなら、俺を料理人として雇ってくれないか」
うん?
お腹が空き過ぎて幻聴が聞こえたかな?
ギルバートは年齢的にも地位も今が旬の料理長。
俺の三歳年下の三十五歳。
王城でも料理長としてこれからも長く勤めてもらいたい人物だし、王城での充分すぎる功績はさらなる高給で引き抜きが来るほどだと思うが。
「何か今、俺に都合が良すぎる提案が聞こえた気がするんだが、聞き間違いか?」
「聞き間違いじゃない」
ハッキリと言い切ったギルバート。日に焼けた肌が赤くなって横を向いた。
「お前に気がある者をそばに置くのなんて気持ちが悪いと思うのなら、断ってくれてもかまわない」
うぉっ?
「そ、そんな風に言われると、まるでギルバートが俺のことを好きなように聞こえるんだが」
「そう言っている」
ギルバートが赤くなったまま手で口を押さえている。
「貴方のために食事を作りたいと常々思っている」
「できれば、家にいる全員分を作ってくれると嬉しいけど」
「もちろんそうするが、俺は貴方が喜んで食べてくれるのが一番嬉しい」
「、、、もしかして、夏にもシチューがメニューで出ていたのは」
「貴方が好きだから、厨房の皆の反対を押し切って、具材とかを工夫して夏シチューとして出していた」
「苦労をお掛け致しました」
素直に頭を下げておく。
俺、王城の外に出かけなかったからなあ。
普通に好きな物を食べたいのなら、外に食べに行けって話だ。
冬ならともかく夏に熱々シチューをメニューに置いてある店が王都にあるかどうかは知らないが。
シングルナンバーのなかにも食事に制限がある者は多く、特に水の精霊王である一位やハイエルフの二位、エルフの三位四位は特別注文である。
工房で常時作業する五位のゴンタやその弟子たちには制限はないが、食事は工房の食堂に配達することになっているし、部屋や研究室で食べる魔導士たちは多い。
「けど、俺、シチューが好きだって言ったことあったっけ?」
ギルバートの作る食事は何でもおいしいから、全部美味しいと伝えたことはあった気はするが。
「、、、いや、見ていれば表情で。食事が美味しくないときは、しゅんとした表情で一目でわかった」
「えっ、ギルバートの作った食事は本当においしかったけど?」
記憶にない。
そんなおいしくなかったときなんて。
かなりの大昔のことかな??
「俺が休みのときに、偶然、食堂でズィーの表情を見かけてしまって。喜んでいる表情も差があるから、何が一番好きなのかわかった」
ギルバートが関係する食事じゃなくて良かった。
うん、ギルバートが休んだときって、食事の味でわかるんだよなー。あー、今日ギルバートお休みなんだー、残念ー、って。料理長がいるときはいつも味のチェックが入っているに違いない。
ギルバートとはいつも食堂で会えるわけじゃないからねえ。
それにしても、ギルバートの顔がどんどん後ろ向きになっていくのだが。
向こうは壁だぞ。
「よく見てくれていたんだな。ありがとう、ギルバート」
「ううっ、こんなこと本人に言う機会があるなんて」
「じゃあ、ギルバートも俺のところに永久就職してくれるんだなっ。歓迎するぞっ」
給料面は考慮してね。国がいくら払っているかはわからないが、高額すぎると俺が破産しちゃうから。
俺もギルバートの隣に座った。
ベッドが軋んで、ようやくギルバートが俺を見た。
このまま押し倒してくれてもいいんだぜっ。
「ズィーが元に戻ったら、俺も口説いていいか?」
「えっ、今の口説かれていたんじゃないのっ?」
元に戻ったら、ギルバートとは会話するところから始めようと思う。
超お腹が空いたので、とりあえずご飯ください。
白いマントでフードを目深に被っているので、特に疑われないだろう。
王城で雇われている魔導士は多いし、そもそも部外者は王城に入れない。
部外者といえば、部外者か?
今の俺はティフィの姿。。。
今日はギルバートはいるかなー?
あ。
いても、ティフィの姿だからギルバートにはわからない。
いや、普通に俺だとしても、特にそこまで会話するわけでもないから関係ないか。
食事自体は量の加減はあるにしろ、内容はみーんな同じなのだから。
いつもなら利用者が少ない時間を狙って食堂を利用していたが、今はカウンターに列が並ぶ。
ちょうど混雑する時間だから仕方ない。
仕方ないから、並ぶ。
反対に他人を気にする余裕などない時間帯なので、好都合なのかもしれない。
たまにはギルバートの作った食事が食いたい。
たまには、とは言い過ぎた。
是非とも毎日食べたい。
レインと一緒に住むと食べられなくなるけど、昼だけ王城の研究室に出勤して来ようかな。
俺の場合は別にどこでも研究できるから、自宅でも仕事できるんだけど。
ギルバートの作ったご飯が食べたい。
今日はギルバートの勤務日だといいけど。
列の後ろからピョコピョコとカウンター内部を覗く。
ギルバートを探すが見当たらない。
残念だ。
今日の料理はギルバートの手が加わっていないかもしれない。
順番がまわってきたのでトレイを取ろうとしたとき。
「ズィーっ」
後ろから腕をつかまれた。
「え?」
「あ、人違いか?すまん」
パッと手を離したのは、コック服姿のギルバートだった。
フードを被っているので周囲には誰が誰だかわからないと思うが、他人から見ると気が抜けた俺の行動は同じなのかもしれない。
身長は少々ティフィの方が高めだが、マントを羽織ってフードを被っていれば見た目に大差はない。
「ギルバート、久々だなあ。間違ってないぞ。今日はお前の作った食事を食べに」
と言っている最中に、ギルバートに再び腕を取られてずるずると引き摺られた。
廊下に出ても人が多くいるので、落ち着いて話せないと思ったのか、ギルバートの部屋に連れて行かれた。
料理長といえども、使用人。
そこまで部屋は広くないが、整理整頓していて居心地の良さげな部屋である。
初めてギルバートの部屋に招待された。
ここで生活しているのかー。
ソファはないので、机のイスを勧められ、ギルバートはベッドに腰掛けた。
「すまない。ここしばらく姿が見えず、九位がずっと病人食を持っていっていたから心配していた」
「ああ、俺の肉体の方は部屋から動けないだろうから」
ティフィはシークが看病、、、ではなく世話している。
「、、、ズィーなんだよな?」
「ああ、ギルバートの食事が大好きなズィーですよ」
「、、、なぜ、そんな姿になっているのかとかは聞かない方がいいのか」
「説明していると少し長くなるかなー。けど、もうそろそろ元に戻るよ」
俺がそう言うと、そこまで表情が崩れたことのないギルバートが破顔した。
ものすごく嬉しそうな顔になった。
「じゃあ、城でまた食事をする生活に戻るんだな」
「あ、いや、トワイト魔法王国の王都には戻るが、新居を探す予定だ」
今度は絶望の表情になった。
今日のギルバートは感情が表に出る。
珍しい。
というか、ここまで長い会話を今までしたことがあっただろうか。
俺用の病人食を六か月近く作らされていたらさすがに心配にもなるか。
俺がティフィの姿でいられるのは、もう半月もない。
「心配かけてすまない」
ここは素直に謝っておこう。
「、、、この国が具合が悪い序列六位を放置するわけがないと思っていたから、その辺は心配していなかったのだが。ズィーはずっと王城にいると思っていた」
「俺もその予定だったんだが、一緒に住みたいと言ってくれた者たちがいてくれて」
テレテレしながら白状する。
けれど、ギルバートは首を捻っている。
「者たち?」
「うん?」
一応、レインとルアンが一緒に住んでくれそうなのだが。
え?誰か離脱しそうなの?住んでくれないような感じを察したのか?
「使用人も雇う気があるのか」
「そういえば、雇った方がいいか」
レインと二人なら互いに支え合いながらという形もあったが、ルアンがいるとなると通いであっても使用人は雇った方が良いだろう。それにレインの養母にも手伝いの人員を考慮しなければ。必要ないと言われそうだけど。
あの薬屋兼住居なら小さくて掃除もしやすいが、ほどほどの屋敷を買い求めてしまうと管理が大変になる。
防犯という名の迎撃がしにくい家では、国からの許可も下りないかもしれない。
周囲に迷惑をかけても悪いから、庭も広めじゃないといけない。郊外が良いかな。
「ズィーが王城から出るなら、俺を料理人として雇ってくれないか」
うん?
お腹が空き過ぎて幻聴が聞こえたかな?
ギルバートは年齢的にも地位も今が旬の料理長。
俺の三歳年下の三十五歳。
王城でも料理長としてこれからも長く勤めてもらいたい人物だし、王城での充分すぎる功績はさらなる高給で引き抜きが来るほどだと思うが。
「何か今、俺に都合が良すぎる提案が聞こえた気がするんだが、聞き間違いか?」
「聞き間違いじゃない」
ハッキリと言い切ったギルバート。日に焼けた肌が赤くなって横を向いた。
「お前に気がある者をそばに置くのなんて気持ちが悪いと思うのなら、断ってくれてもかまわない」
うぉっ?
「そ、そんな風に言われると、まるでギルバートが俺のことを好きなように聞こえるんだが」
「そう言っている」
ギルバートが赤くなったまま手で口を押さえている。
「貴方のために食事を作りたいと常々思っている」
「できれば、家にいる全員分を作ってくれると嬉しいけど」
「もちろんそうするが、俺は貴方が喜んで食べてくれるのが一番嬉しい」
「、、、もしかして、夏にもシチューがメニューで出ていたのは」
「貴方が好きだから、厨房の皆の反対を押し切って、具材とかを工夫して夏シチューとして出していた」
「苦労をお掛け致しました」
素直に頭を下げておく。
俺、王城の外に出かけなかったからなあ。
普通に好きな物を食べたいのなら、外に食べに行けって話だ。
冬ならともかく夏に熱々シチューをメニューに置いてある店が王都にあるかどうかは知らないが。
シングルナンバーのなかにも食事に制限がある者は多く、特に水の精霊王である一位やハイエルフの二位、エルフの三位四位は特別注文である。
工房で常時作業する五位のゴンタやその弟子たちには制限はないが、食事は工房の食堂に配達することになっているし、部屋や研究室で食べる魔導士たちは多い。
「けど、俺、シチューが好きだって言ったことあったっけ?」
ギルバートの作る食事は何でもおいしいから、全部美味しいと伝えたことはあった気はするが。
「、、、いや、見ていれば表情で。食事が美味しくないときは、しゅんとした表情で一目でわかった」
「えっ、ギルバートの作った食事は本当においしかったけど?」
記憶にない。
そんなおいしくなかったときなんて。
かなりの大昔のことかな??
「俺が休みのときに、偶然、食堂でズィーの表情を見かけてしまって。喜んでいる表情も差があるから、何が一番好きなのかわかった」
ギルバートが関係する食事じゃなくて良かった。
うん、ギルバートが休んだときって、食事の味でわかるんだよなー。あー、今日ギルバートお休みなんだー、残念ー、って。料理長がいるときはいつも味のチェックが入っているに違いない。
ギルバートとはいつも食堂で会えるわけじゃないからねえ。
それにしても、ギルバートの顔がどんどん後ろ向きになっていくのだが。
向こうは壁だぞ。
「よく見てくれていたんだな。ありがとう、ギルバート」
「ううっ、こんなこと本人に言う機会があるなんて」
「じゃあ、ギルバートも俺のところに永久就職してくれるんだなっ。歓迎するぞっ」
給料面は考慮してね。国がいくら払っているかはわからないが、高額すぎると俺が破産しちゃうから。
俺もギルバートの隣に座った。
ベッドが軋んで、ようやくギルバートが俺を見た。
このまま押し倒してくれてもいいんだぜっ。
「ズィーが元に戻ったら、俺も口説いていいか?」
「えっ、今の口説かれていたんじゃないのっ?」
元に戻ったら、ギルバートとは会話するところから始めようと思う。
超お腹が空いたので、とりあえずご飯ください。
57
あなたにおすすめの小説
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結、恋愛ルート、トマといっしょに里帰り編、完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
嫌われ魔術師の俺は元夫への恋心を消去する
SKYTRICK
BL
旧題:恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
巻き戻りした悪役令息は最愛の人から離れて生きていく
藍沢真啓/庚あき
BL
11月にアンダルシュノベルズ様から出版されます!
婚約者ユリウスから断罪をされたアリステルは、ボロボロになった状態で廃教会で命を終えた……はずだった。
目覚めた時はユリウスと婚約したばかりの頃で、それならばとアリステルは自らユリウスと距離を置くことに決める。だが、なぜかユリウスはアリステルに構うようになり……
巻き戻りから人生をやり直す悪役令息の物語。
【感想のお返事について】
感想をくださりありがとうございます。
執筆を最優先させていただきますので、お返事についてはご容赦願います。
大切に読ませていただいてます。執筆の活力になっていますので、今後も感想いただければ幸いです。
他サイトでも公開中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる