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3章 奇縁がつなぐ間柄
3-4 自らの正義
トカゲの尻尾切り。
彼らを見ていると、普通に思慮が足りないのでは、とすら思う。
少し考えれば、すぐに考えつくことだと思うが。
周囲に監視すらいないところを見ると、コレはリンク王国の第四王子部隊よりもひどい状況なのか。
成功しようが失敗しようが、死のうが生きようが、上層部にとってはどうでもいい。
運良く成功して戻ってくれば万々歳、失敗しても邪魔者がいなくなるだけ、というところか。
リンク王国の魔法障壁を張っていた魔導士の実力を推し量る、という理由だったとしても、ここはオルド帝国。
そんな言い訳が通用するほど生易しい他国ではない。
どこの国とでも隙あらば戦争して侵略したいという願望を持つ理不尽国家なのである。
しかも、彼らは個人で来ているわけではない。ご丁寧にどこの誰かということがわかる制服まで着ているのである。
フラッテン王国も魔導士協会も上層部が馬鹿なのか?
私服で行けとどうして言っておかなかったのか?
それとも。
「、、、捨て駒を殺されることによって、フラッテン王国がオルド帝国に無理難題を突きつける、ということはないのか?」
メーデに確認しておく。
何も理不尽国家はオルド帝国だけではない。
言いがかり大好き国家は多いのだ。
「それは帝国が帝国内で警備を全面的に担当する他国の要人が危険な目に遭った場合にその可能性はあるのだが、他国の王族だろうと何だろうと、たいていは自国の護衛を少なからず連れてきている。そういう場合は帝国内でそいつらが悪さをしないように一筆書かされている」
あー。
帝国内に入りたいなら、帝国に有利な条件を飲まなきゃいけないのね。
まあ、帝国側だって護衛と称した他国の密偵があちこちに出没されたらたまったものじゃない。
「今、帝城に他国の要人が来ているのか?」
「フラッテン王国経由の教会関係者一団が来ているはずだが、コイツらが警備の一員として入っていたとしたら管理責任の問題になってくる」
「宗教国家の、、、んー、それって、フラッテン王国、魔導士協会、宗教国家のどれが黒幕なんだろ?」
口にしてから気づく。
オルド帝国にはどれが黒幕だろうとかまわない。
喧嘩を売られたら、買うまでなのだから。
「真相は別部隊が追いかけているだろ。クロウ、コイツらを叩きのめして捕えていいか」
メーデが背負っている大剣に手を伸ばす。
「、、、それ、俺に了承を得るの?」
「一応。会話の流れから、拳を交わした挨拶、というわけではなさそうだとは判断している」
俺はメーデに向けていた視線をギギギと前に戻す。
、、、コイツら、脳筋か。
脳筋だった。
拳を交わして挨拶するな。
挨拶は言葉でしろ。
挨拶だけで被害を出すな。
「残念だったな。俺たちは罰を受けないっ。ここがどんな惨状になろうともっ」
高らかに白い髪の男が言った。
どこから湧き出る自信だ?
「俺の実力を見せてやるっ」
と言うと、彼は歌い始めた。
宗教歌か?
「、、、クロウ、斬っていいか?」
一応、俺に確認するメーデ。
うん、待たずに斬りたくなるよね。
「どんな攻撃であろうと、俺がこの大教会に魔法障壁を張ったから意味ないが、旋律による詠唱というのも珍しいから聞いても損はないよ」
「はっ、甘いなっ、すべてが物理攻撃だと思ったら大間違いだ。大魔導士は思った以上に愚かなのか世間知らずなのか、それとも、過剰な噂だけが一人歩きしたのか。お前の魔法障壁は音を通すっ」
ああ、歌い終わった?
人を指さすな。
綺麗な歌声していたのに、残念なヤツだ。
堂々と周知の事実を宣言するんじゃない。
「まあ、普通に音を通すよね」
「ならば、我がしもべたちよ。魔法障壁に守られていると勘違いしている者たちに鉄槌を、、、え?」
彼の魔法が自分の思い通り効いていないらしい。
この場にいるメンバーは誰一人変わっていないし、誰もやって来ない。
「キミのそれ、精神魔法でしょう。魔法障壁に守られているんだから、そんなの効果ないよ」
「あー、クロウの魔法障壁って最強だよね」
リーウセンが半目になりながら言った。
呆れているのはどちらに対してか。
「クロウがいた当時のリンク王国の魔法障壁がどこの国とも比較しようがないほど最強だったのは、何も物理攻撃を防ぐだけじゃないってのは周辺国家なら知っていて当然だと思うんだが」
「俺は小さな失敗を一つしても、処罰されるのは確実だからなあ。物理攻撃どころかすべてを防ぎ、密偵も国が入国許可するもんだから入国し放題なのに魔法障壁のせいにされても嫌だから、実力が高い者がリンク王国内で害をなそうとするほど身動きが取れないようになっている」
「え、クロウ、あの完璧な魔法障壁は処罰が嫌だったせいか?」
「それ以外に何がある。平民の下級魔導士なんて一回の失敗で文字通り首が飛ぶんだぞ。親族もろとも」
家族を守るためにも失敗ひとつすることはできなかった。
リンク王国は平民の命なんて何とも思っていない。王族や貴族ですら第四王子部隊のように始末するくらいなのだから、どんな命でもどこまでもひたすら軽い。
まあ、あの魔法障壁がどのような働きをしていたのかというのをしっかり把握していたのはごく一部だと思うが。
「家族を守るためなら、不可能さえ可能にしてやる」
「目がマジだ」
「、、、あの二人のためなら仕方ないよな」
深く頷くポシュ。
セリムが微かに嫌そうな顔をした。
うーん、ポシュに言われるのは、俺もちょっと。
なーんかわだかまりが生じるんだなあ。
ポシュに他意はないのはわかっているんだけど。
敵国のお前に何がわかる的な。
オルド帝国は意外とそういう面では恵まれているのである。皇帝のためなら自ら犠牲になるのは厭わない国民だし。
セリムなら許すんだけど。
俺もちょっと心が狭いと感じるが、これもまた仕方ないことだ。
リーウセンが軽く動いて、ポシュの姿を遮った。
俺、そんなに表情に出てた?
「今の家族扱いはセリム?まだ、婚約も結婚もしてないけど」
「そうだな。セリムを守るためなら、この世界が滅びても支障はない」
「いや、支障あるだろ。衣食住どうする気だ」
「生きていれば、どうにでもなる」
断言した俺をリーウセンが嫌そうな目で見た。
「、、、クロウなら本当にどうにかしそうだな」
「反対に他人が一切いなくなれば、他人の目を気にしなくて済むから楽に行動できる」
「こっちを無視するなーっっ」
忘れてはいないけど。
叫ばれてもねえ。
「ああ、綺麗な歌声だったね」
「ぐぬっ、馬鹿にされてる」
横にいる二人も憐憫の眼差しで彼を見ている。
「うん、お前たちはオルド帝国で何をしようと無事でいられると勘違いしているとか、そういう話?」
「勘違いではなく、事実だ」
藤色の髪の彼が不機嫌そうに言い切った。
大教会側にいる者たちは呆れた表情になっている。
「ここがフラッテン王国なら無事でいられただろうが、残念ながらここはオルド帝国だ」
「そんなことは知っている」
親切にも教えてあげたのに。
その意味をわかっていないようだから。
自分の常識が世界に通用すると思ったら大間違い。
彼がそれを本当に理解するのはいつだろう。
彼の地位はオルド帝国では何の意味もない。
「とりあえず、壊された扉とその周辺の修理代と、この魔法障壁代かな、かなりの慰謝料を上乗せされてフラッテン王国にはオルド帝国から請求される」
「そんなことできるわけが」
ふてぶてしい態度は変わらないので、言葉を重ねる。
「お前らが壊した物証を保全しておく必要があるか。教会関係者一団はお前たちを守らない。フラッテン王国も魔導士協会もお前たちの独断だったとすぐさま声明を出してくるに違いない」
「そんなわけなかろう」
馬鹿馬鹿しいと言いたげな態度だ。
「うん、そこにいる藤色の髪の彼がフラッテン王国の王族の一人だとしても、ね」
にこやかに言ってあげた。
王子であっても特攻隊に入れられる国もあるのだ。
厄介な立場にある者を他国が始末してくれるなら、ありがたいと思う国も少なくないのかもしれない。
彼らを見ていると、普通に思慮が足りないのでは、とすら思う。
少し考えれば、すぐに考えつくことだと思うが。
周囲に監視すらいないところを見ると、コレはリンク王国の第四王子部隊よりもひどい状況なのか。
成功しようが失敗しようが、死のうが生きようが、上層部にとってはどうでもいい。
運良く成功して戻ってくれば万々歳、失敗しても邪魔者がいなくなるだけ、というところか。
リンク王国の魔法障壁を張っていた魔導士の実力を推し量る、という理由だったとしても、ここはオルド帝国。
そんな言い訳が通用するほど生易しい他国ではない。
どこの国とでも隙あらば戦争して侵略したいという願望を持つ理不尽国家なのである。
しかも、彼らは個人で来ているわけではない。ご丁寧にどこの誰かということがわかる制服まで着ているのである。
フラッテン王国も魔導士協会も上層部が馬鹿なのか?
私服で行けとどうして言っておかなかったのか?
それとも。
「、、、捨て駒を殺されることによって、フラッテン王国がオルド帝国に無理難題を突きつける、ということはないのか?」
メーデに確認しておく。
何も理不尽国家はオルド帝国だけではない。
言いがかり大好き国家は多いのだ。
「それは帝国が帝国内で警備を全面的に担当する他国の要人が危険な目に遭った場合にその可能性はあるのだが、他国の王族だろうと何だろうと、たいていは自国の護衛を少なからず連れてきている。そういう場合は帝国内でそいつらが悪さをしないように一筆書かされている」
あー。
帝国内に入りたいなら、帝国に有利な条件を飲まなきゃいけないのね。
まあ、帝国側だって護衛と称した他国の密偵があちこちに出没されたらたまったものじゃない。
「今、帝城に他国の要人が来ているのか?」
「フラッテン王国経由の教会関係者一団が来ているはずだが、コイツらが警備の一員として入っていたとしたら管理責任の問題になってくる」
「宗教国家の、、、んー、それって、フラッテン王国、魔導士協会、宗教国家のどれが黒幕なんだろ?」
口にしてから気づく。
オルド帝国にはどれが黒幕だろうとかまわない。
喧嘩を売られたら、買うまでなのだから。
「真相は別部隊が追いかけているだろ。クロウ、コイツらを叩きのめして捕えていいか」
メーデが背負っている大剣に手を伸ばす。
「、、、それ、俺に了承を得るの?」
「一応。会話の流れから、拳を交わした挨拶、というわけではなさそうだとは判断している」
俺はメーデに向けていた視線をギギギと前に戻す。
、、、コイツら、脳筋か。
脳筋だった。
拳を交わして挨拶するな。
挨拶は言葉でしろ。
挨拶だけで被害を出すな。
「残念だったな。俺たちは罰を受けないっ。ここがどんな惨状になろうともっ」
高らかに白い髪の男が言った。
どこから湧き出る自信だ?
「俺の実力を見せてやるっ」
と言うと、彼は歌い始めた。
宗教歌か?
「、、、クロウ、斬っていいか?」
一応、俺に確認するメーデ。
うん、待たずに斬りたくなるよね。
「どんな攻撃であろうと、俺がこの大教会に魔法障壁を張ったから意味ないが、旋律による詠唱というのも珍しいから聞いても損はないよ」
「はっ、甘いなっ、すべてが物理攻撃だと思ったら大間違いだ。大魔導士は思った以上に愚かなのか世間知らずなのか、それとも、過剰な噂だけが一人歩きしたのか。お前の魔法障壁は音を通すっ」
ああ、歌い終わった?
人を指さすな。
綺麗な歌声していたのに、残念なヤツだ。
堂々と周知の事実を宣言するんじゃない。
「まあ、普通に音を通すよね」
「ならば、我がしもべたちよ。魔法障壁に守られていると勘違いしている者たちに鉄槌を、、、え?」
彼の魔法が自分の思い通り効いていないらしい。
この場にいるメンバーは誰一人変わっていないし、誰もやって来ない。
「キミのそれ、精神魔法でしょう。魔法障壁に守られているんだから、そんなの効果ないよ」
「あー、クロウの魔法障壁って最強だよね」
リーウセンが半目になりながら言った。
呆れているのはどちらに対してか。
「クロウがいた当時のリンク王国の魔法障壁がどこの国とも比較しようがないほど最強だったのは、何も物理攻撃を防ぐだけじゃないってのは周辺国家なら知っていて当然だと思うんだが」
「俺は小さな失敗を一つしても、処罰されるのは確実だからなあ。物理攻撃どころかすべてを防ぎ、密偵も国が入国許可するもんだから入国し放題なのに魔法障壁のせいにされても嫌だから、実力が高い者がリンク王国内で害をなそうとするほど身動きが取れないようになっている」
「え、クロウ、あの完璧な魔法障壁は処罰が嫌だったせいか?」
「それ以外に何がある。平民の下級魔導士なんて一回の失敗で文字通り首が飛ぶんだぞ。親族もろとも」
家族を守るためにも失敗ひとつすることはできなかった。
リンク王国は平民の命なんて何とも思っていない。王族や貴族ですら第四王子部隊のように始末するくらいなのだから、どんな命でもどこまでもひたすら軽い。
まあ、あの魔法障壁がどのような働きをしていたのかというのをしっかり把握していたのはごく一部だと思うが。
「家族を守るためなら、不可能さえ可能にしてやる」
「目がマジだ」
「、、、あの二人のためなら仕方ないよな」
深く頷くポシュ。
セリムが微かに嫌そうな顔をした。
うーん、ポシュに言われるのは、俺もちょっと。
なーんかわだかまりが生じるんだなあ。
ポシュに他意はないのはわかっているんだけど。
敵国のお前に何がわかる的な。
オルド帝国は意外とそういう面では恵まれているのである。皇帝のためなら自ら犠牲になるのは厭わない国民だし。
セリムなら許すんだけど。
俺もちょっと心が狭いと感じるが、これもまた仕方ないことだ。
リーウセンが軽く動いて、ポシュの姿を遮った。
俺、そんなに表情に出てた?
「今の家族扱いはセリム?まだ、婚約も結婚もしてないけど」
「そうだな。セリムを守るためなら、この世界が滅びても支障はない」
「いや、支障あるだろ。衣食住どうする気だ」
「生きていれば、どうにでもなる」
断言した俺をリーウセンが嫌そうな目で見た。
「、、、クロウなら本当にどうにかしそうだな」
「反対に他人が一切いなくなれば、他人の目を気にしなくて済むから楽に行動できる」
「こっちを無視するなーっっ」
忘れてはいないけど。
叫ばれてもねえ。
「ああ、綺麗な歌声だったね」
「ぐぬっ、馬鹿にされてる」
横にいる二人も憐憫の眼差しで彼を見ている。
「うん、お前たちはオルド帝国で何をしようと無事でいられると勘違いしているとか、そういう話?」
「勘違いではなく、事実だ」
藤色の髪の彼が不機嫌そうに言い切った。
大教会側にいる者たちは呆れた表情になっている。
「ここがフラッテン王国なら無事でいられただろうが、残念ながらここはオルド帝国だ」
「そんなことは知っている」
親切にも教えてあげたのに。
その意味をわかっていないようだから。
自分の常識が世界に通用すると思ったら大間違い。
彼がそれを本当に理解するのはいつだろう。
彼の地位はオルド帝国では何の意味もない。
「とりあえず、壊された扉とその周辺の修理代と、この魔法障壁代かな、かなりの慰謝料を上乗せされてフラッテン王国にはオルド帝国から請求される」
「そんなことできるわけが」
ふてぶてしい態度は変わらないので、言葉を重ねる。
「お前らが壊した物証を保全しておく必要があるか。教会関係者一団はお前たちを守らない。フラッテン王国も魔導士協会もお前たちの独断だったとすぐさま声明を出してくるに違いない」
「そんなわけなかろう」
馬鹿馬鹿しいと言いたげな態度だ。
「うん、そこにいる藤色の髪の彼がフラッテン王国の王族の一人だとしても、ね」
にこやかに言ってあげた。
王子であっても特攻隊に入れられる国もあるのだ。
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