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第4章 サジタリアス領編
第81話 明日へのテンカウント
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創造神と地球の神ちーちゃんさんが十割蕎麦を持って神域に帰ったあと
どうにも落ち着かないメルクリース達は、ニハチの作った蕎麦湯を飲んで休憩する事になった。
「ズズッ、、はぁ~、凄くほっこりする味ですね。蕎麦湯って初めて飲みましたけど、、、
お店でお金を出してまでは飲まないかもしれません」
「そこは人それぞれの好みで分かれますね。蕎麦湯は栄養豊富って事で『薬』扱いにもなってるんで、味が好きで飲む人と健康目的で飲む人が居ます。」
「へぇー、薬にも色々あるんですねぇ」
『蕎麦湯』というと、蕎麦の茹で汁を飲んだ事が始まりではあるが
今メルクリースが飲んでいるのは蕎麦の茹で汁では無く、お湯に蕎麦粉を溶かして作った蕎麦湯になる。この蕎麦湯に麺つゆをお好みで入れて飲んでいる。
現在の日本の蕎麦屋で提供されている蕎麦湯も、蕎麦の茹で汁では無く、お湯に蕎麦粉を溶かして作った蕎麦湯を提供するお店も少なくない。
「俺には蕎麦湯が薬として効果があるのかは全く分からないですけどね(笑)
メルさんは正直な感想を言ってくれるので修行中の身としてはありがたいです。
蕎麦湯の味はもう少し改良するか、いっそ蕎麦湯を使った新しい料理を作った方が良いと分かりましたから」
「健康に良いなら、蕎麦湯が更に美味しくなって困る事は無いでしょうから頑張って下さい!」
コンコンコン
「ニハチー、居るのー?」
「ん?来客みたいですね」
「今日はメルさん達以外に来客の予定は無いんですが、あの声には覚えがあります。ちょっと失礼しますね」
そう言うとニハチはドアの方に歩いて行きドアを開けた。
ガチャッ
「あぁ、やっぱりアイリーンだったか。今は来客中でな、すまないが急用じゃ無いなら後にしてくれ」
アイリーンと呼ばれた来客者は身長180cmくらいの長身の女性で、スラッと長い足に肩まで伸ばした綺麗なブロンドの髪、筋の通った鼻、青い瞳、ティーシャツに短パン、サンダルというラフな服装に、足と手の爪に塗られた真っ赤なマニキュアが目を引く、どことなく地中海が似合いそうな雰囲気のある女性だ。
「私が急に来たのだから仕方ないわ。でも直ぐに終わるから聞いて、ニハチは以前に私が言った事を止めてくれるつもりは無いの?」
「またか、蕎麦は豪快に音を立ててすすって食べるのが旨いんだ。蕎麦屋としてそこは譲れない」
「ニハチは蕎麦で天下を取るんだものね。これ以上私が一緒に居てもニハチの重荷になるだけだから、今日出発しようと思うの」
「そうか」
「じゃあ、、、、、、元気で」
バタン
「・・・」
「えぇーーー?!ちょっ、ニハチさん!今の恋人さんですよね?追いかけ無いんですか?私達の事ならお構いなく!」
「いいんだ。アイリーンとは以前から話し合って来たから」
「いやいやいや、全然良くありませんって!アイリーンさん絶対ニハチさんに止めて欲しがってたじゃないですか。それが分からないほどニハチさんは鈍感なんですか?」
「はぁ、しょうがないんだよ。聞いてたと思うけど、アイリーンは蕎麦をすすって食べる音が生理的に無理なんだ。蕎麦屋の俺とは元々相性が悪かったんだ。」
「あぁ~、、、」
蕎麦に限らず麺類をすすって食べる時に出る『ズルズル』という音は、気になる人と気にならない人が真っ二つに分かれる難しい問題だろう。
ズルズルと音を立てるのはマナー違反としている国もあるし、日本のように豪快にすすって音を立てて食べる事を良しとしている国でさえ、麺をすするズルズルという音は生理的に無理という人は存在する。
文化の違いは努力ではどうにも出来ない難しい問題だからこそ、メルクリースもニハチにかける言葉が見つからないでいた。
「蕎麦は豪快にすする事で、スープや麺つゆが麺に絡んで口に一緒に入るから旨いんだ。客の食べ方にまでとやかく言う気は無いけど、蕎麦を打ってる俺が蕎麦の1番旨い食べ方を止めるなんて事はあり得ないんだよ」
「、、、、、ほ」
「ほ?」
「この、、、あほぉーーーー!」
ドゴォッ
「ぐべぁっ、、、」
「あっ、あれは?!幻の左アッパーニャ!」
アイリーンという名の恋する乙女の哀しみを力に変えて、メルクリースは『哀戦士・スゥーパァーワーカホリック聖女』へと進化した。
そして
哀ゆえに、メルクリース渾身の哀しき左アッパーがニハチのアゴを打ち抜いた。
宙を舞い、床に叩きつけられるニハチ
だがしかし、アイリーンより蕎麦を選んだニハチには
哀に抗う気力など残されてはいなかった。
「にゃにゃーっ!」
「やったぁー、メルマーマの勝ちぃぃぃーー♪」
いかに広い心を持つ聖女とて、恋する乙女を哀しませる馬鹿な男に優しくする事など無い!
だがしかし
きちんと相手と話し合い、悩み抜いた末の結論であるならば
馬鹿な男も嫌いになれない
それもまた聖女なのである
立て、立つんだニハチ
君の人生のゴングはまだ鳴ってはいない!
つづく。
どうにも落ち着かないメルクリース達は、ニハチの作った蕎麦湯を飲んで休憩する事になった。
「ズズッ、、はぁ~、凄くほっこりする味ですね。蕎麦湯って初めて飲みましたけど、、、
お店でお金を出してまでは飲まないかもしれません」
「そこは人それぞれの好みで分かれますね。蕎麦湯は栄養豊富って事で『薬』扱いにもなってるんで、味が好きで飲む人と健康目的で飲む人が居ます。」
「へぇー、薬にも色々あるんですねぇ」
『蕎麦湯』というと、蕎麦の茹で汁を飲んだ事が始まりではあるが
今メルクリースが飲んでいるのは蕎麦の茹で汁では無く、お湯に蕎麦粉を溶かして作った蕎麦湯になる。この蕎麦湯に麺つゆをお好みで入れて飲んでいる。
現在の日本の蕎麦屋で提供されている蕎麦湯も、蕎麦の茹で汁では無く、お湯に蕎麦粉を溶かして作った蕎麦湯を提供するお店も少なくない。
「俺には蕎麦湯が薬として効果があるのかは全く分からないですけどね(笑)
メルさんは正直な感想を言ってくれるので修行中の身としてはありがたいです。
蕎麦湯の味はもう少し改良するか、いっそ蕎麦湯を使った新しい料理を作った方が良いと分かりましたから」
「健康に良いなら、蕎麦湯が更に美味しくなって困る事は無いでしょうから頑張って下さい!」
コンコンコン
「ニハチー、居るのー?」
「ん?来客みたいですね」
「今日はメルさん達以外に来客の予定は無いんですが、あの声には覚えがあります。ちょっと失礼しますね」
そう言うとニハチはドアの方に歩いて行きドアを開けた。
ガチャッ
「あぁ、やっぱりアイリーンだったか。今は来客中でな、すまないが急用じゃ無いなら後にしてくれ」
アイリーンと呼ばれた来客者は身長180cmくらいの長身の女性で、スラッと長い足に肩まで伸ばした綺麗なブロンドの髪、筋の通った鼻、青い瞳、ティーシャツに短パン、サンダルというラフな服装に、足と手の爪に塗られた真っ赤なマニキュアが目を引く、どことなく地中海が似合いそうな雰囲気のある女性だ。
「私が急に来たのだから仕方ないわ。でも直ぐに終わるから聞いて、ニハチは以前に私が言った事を止めてくれるつもりは無いの?」
「またか、蕎麦は豪快に音を立ててすすって食べるのが旨いんだ。蕎麦屋としてそこは譲れない」
「ニハチは蕎麦で天下を取るんだものね。これ以上私が一緒に居てもニハチの重荷になるだけだから、今日出発しようと思うの」
「そうか」
「じゃあ、、、、、、元気で」
バタン
「・・・」
「えぇーーー?!ちょっ、ニハチさん!今の恋人さんですよね?追いかけ無いんですか?私達の事ならお構いなく!」
「いいんだ。アイリーンとは以前から話し合って来たから」
「いやいやいや、全然良くありませんって!アイリーンさん絶対ニハチさんに止めて欲しがってたじゃないですか。それが分からないほどニハチさんは鈍感なんですか?」
「はぁ、しょうがないんだよ。聞いてたと思うけど、アイリーンは蕎麦をすすって食べる音が生理的に無理なんだ。蕎麦屋の俺とは元々相性が悪かったんだ。」
「あぁ~、、、」
蕎麦に限らず麺類をすすって食べる時に出る『ズルズル』という音は、気になる人と気にならない人が真っ二つに分かれる難しい問題だろう。
ズルズルと音を立てるのはマナー違反としている国もあるし、日本のように豪快にすすって音を立てて食べる事を良しとしている国でさえ、麺をすするズルズルという音は生理的に無理という人は存在する。
文化の違いは努力ではどうにも出来ない難しい問題だからこそ、メルクリースもニハチにかける言葉が見つからないでいた。
「蕎麦は豪快にすする事で、スープや麺つゆが麺に絡んで口に一緒に入るから旨いんだ。客の食べ方にまでとやかく言う気は無いけど、蕎麦を打ってる俺が蕎麦の1番旨い食べ方を止めるなんて事はあり得ないんだよ」
「、、、、、ほ」
「ほ?」
「この、、、あほぉーーーー!」
ドゴォッ
「ぐべぁっ、、、」
「あっ、あれは?!幻の左アッパーニャ!」
アイリーンという名の恋する乙女の哀しみを力に変えて、メルクリースは『哀戦士・スゥーパァーワーカホリック聖女』へと進化した。
そして
哀ゆえに、メルクリース渾身の哀しき左アッパーがニハチのアゴを打ち抜いた。
宙を舞い、床に叩きつけられるニハチ
だがしかし、アイリーンより蕎麦を選んだニハチには
哀に抗う気力など残されてはいなかった。
「にゃにゃーっ!」
「やったぁー、メルマーマの勝ちぃぃぃーー♪」
いかに広い心を持つ聖女とて、恋する乙女を哀しませる馬鹿な男に優しくする事など無い!
だがしかし
きちんと相手と話し合い、悩み抜いた末の結論であるならば
馬鹿な男も嫌いになれない
それもまた聖女なのである
立て、立つんだニハチ
君の人生のゴングはまだ鳴ってはいない!
つづく。
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追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
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