突然離婚を言い渡されたので実家に帰ったら、元夫の国と戦になりました。

永倉伊織

文字の大きさ
9 / 10

第9話、バカは治らないようです。

しおりを挟む
side:ジャクリーン




逆賊スコット・バルフェンバーグを捕らえる為に

私は兵を率いてバルフェンバーグ王国に帰って来た!

と言ってもグロンクヴィストに帰るときに護衛をしてくれた兵達と戻って来ただけだから

スコットの居る王城までとてもスムーズだった♪


問題はここから

スコットには既に国際裁判所から速やかに出頭するように記した書簡が届いている筈だ

一方的な同盟破棄は宣戦布告と同義!


グロンクヴィストをはじめ周辺17ヵ国に対して

正当な理由無く戦争を起こそうとした疑いがある為、出頭して事情を説明せよって事なんだけど

私達の都合の良いように拡大解釈しているので、スコットが国際裁判所に出頭して事情を説明するとかなり面倒な事になるんだけど

スコットと第1王妃リンダの性格を考えれば絶対に出頭をしないだろう、むしろ書簡を偽物と思い込んで無視する可能性すらあると考えている


書簡を渡した兵士がスコットの所に行って既に1時間ほどが経過したけど、未だに動きは無い

私は隣に居る近衛隊隊長のスミスを見る、スミスもスコットが出て来るのを一緒に待っていたんだけど

少しだけ残念そうな表情をして首を縦に振る

時間切れだ


出来れば穏便に済ませたかったけれど仕方ない


「兵士諸君、逆賊スコット・バルフェンバーグを捕らえろ!突入!」

「「「「「うぉーー!!」」」」」



私の合図で王城に突入する隊、出入り口を封鎖する隊等々に別れ兵達が一斉に動き出す

私も近衛兵に守られながらスコットの元へ向かうが予想通り抵抗は殆ど無い

本来王を守る為の近衛兵がほとんどこちら側に付いているのだから当然だ




「報告します!スコット・バルフェンバーグとリンダを捕らえました!」

「よくやったわ!案内してちょうだい」

「はっ!」



兵に案内されてやって来たのはスコットの私室、扉が開けられるとそこには

裸のまま縄を打たれたスコットとリンダの姿があった


はぁ

頭が痛い

部屋に置いてあるベッドの状況を見れば、兵が突入して来るまで2人が何をしていたかなんて直ぐに分かった

バカだとは思っていたけれど、2人がここまでバカだったとは

よく今まで国が崩壊しなかったと、むしろ教えを乞いたいくらいよ(悲)



「ジャクリーン!今すぐ縄をとけ!俺にこんな事をしてただで済むと思うなよ!」


兵に囲まれた状況でよくそんな事を言えると感心するわね


「一方的な同盟破棄をした上に国際裁判所からの書簡を無視したあなたに私が出来る事は無いわ。

言いたい事があるなら裁判で好きなだけ言ってちょうだい」


「待て!書簡が偽物だと言ったのはリンダだ!俺はリンダに騙されたんだ!逆賊はリンダだ!」

「なっ?!ジャクリーン聞いて!デタラメよ!スコットが自分の罪を逃れる為に言ってるのよ!」


「ふざけんなよこのクソ女!そもそもお前がジャクリーンを追い出す為に同盟破棄をしようって言ったんだろうが!グロンクヴィストは絶対に戦争にはしないからとな!」

「それを私が言ったって証拠があんのか?そもそもお前が兵から全く慕われて無いと分かってたら王妃になんてならなかったわ、バァーカ!」

「バカはお前だバァーカ、バァーカ、バァーカ!」




あぁっ

頭が痛い!

ここに居る兵達もスコットとリンダの醜いやり取りを見て、精神的ダメージが大きいみたい

これ以上大切な兵達にダメージわ負わせる訳にはいかないわね


「2人を連れていきなさい!」

「「「「「はっ!」」」」」



「待て!、、いや待ってくれジャクリーン、話し合おう、話せば分かる!だから離せ!助けてくれぇーーーーー(泣)」

「そっ、そうよジャクリーン、私達何か誤解があったかもしれないけど話せばきっと分かり合えるわよ!ねぇお願い、謝罪しろと言うなら謝るからぁーーー(泣)」



兵達に引きずられ泣きながら部屋から連れていかれる2人を見て私は思う

こんな時は嘘でも本当に涙を流すくらいはするものよ







つづく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

「無理をするな」と言うだけで何もしなかったあなたへ。今の私は、大公家の公子に大切にされています

葵 すみれ
恋愛
「無理をするな」と言いながら、仕事も責任も全部私に押しつけてきた婚約者。 倒れた私にかけたのは、労りではなく「失望した」の一言でした。 実家からも見限られ、すべてを失った私を拾い上げてくれたのは、黙って手を差し伸べてくれた、黒髪の騎士── 実は、大公家の第三公子でした。 もう言葉だけの優しさはいりません。 私は今、本当に無理をしなくていい場所で、大切にされています。 ※他サイトにも掲載しています

あの日々に戻りたくない!自称聖女の義妹に夫と娘を奪われた妃は、死に戻り聖女の力で復讐を果たす

青の雀
恋愛
公爵令嬢スカーレット・ロッテンマイヤーには、前世の記憶がある。 幼いときに政略で結ばれたジェミニ王国の第1王子ロベルトと20歳の時に結婚した。 スカーレットには、7歳年下の義妹リリアーヌがいるが、なぜかリリアーヌは、ロッテンマイヤー家に来た時から聖女様を名乗っている。 ロッテンマイヤーは、代々異能を輩出している家柄で、元は王族 物語は、前世、夫に殺されたところから始まる。

もうすぐ婚約破棄を宣告できるようになるから、あと少しだけ辛抱しておくれ。そう書かれた手紙が、婚約者から届きました

柚木ゆず
恋愛
《もうすぐアンナに婚約の破棄を宣告できるようになる。そうしたらいつでも会えるようになるから、あと少しだけ辛抱しておくれ》  最近お忙しく、めっきり会えなくなってしまった婚約者のロマニ様。そんなロマニ様から届いた私アンナへのお手紙には、そういった内容が記されていました。  そのため、詳しいお話を伺うべくレルザー侯爵邸に――ロマニ様のもとへ向かおうとしていた、そんな時でした。ロマニ様の双子の弟であるダヴィッド様が突然ご来訪され、予想だにしなかったことを仰られ始めたのでした。

【完結】真の聖女だった私は死にました。あなたたちのせいですよ?

恋愛
聖女として国のために尽くしてきたフローラ。 しかしその力を妬むカリアによって聖女の座を奪われ、顔に傷をつけられたあげく、さらには聖女を騙った罪で追放、彼女を称えていたはずの王太子からは婚約破棄を突きつけられてしまう。 追放が正式に決まった日、絶望した彼女はふたりの目の前で死ぬことを選んだ。 フローラの亡骸は水葬されるが、奇跡的に一命を取り留めていた彼女は船に乗っていた他国の騎士団長に拾われる。 ラピスと名乗った青年はフローラを気に入って自分の屋敷に居候させる。 記憶喪失と顔の傷を抱えながらも前向きに生きるフローラを周りは愛し、やがてその愛情に応えるように彼女のほんとうの力が目覚めて……。 一方、真の聖女がいなくなった国は滅びへと向かっていた── ※小説家になろうにも投稿しています いいねやエール嬉しいです!ありがとうございます!

殿下に寵愛されてませんが別にかまいません!!!!!

さら
恋愛
 王太子アルベルト殿下の婚約者であった令嬢リリアナ。けれど、ある日突然「裏切り者」の汚名を着せられ、殿下の寵愛を失い、婚約を破棄されてしまう。  ――でも、リリアナは泣き崩れなかった。  「殿下に愛されなくても、私には花と薬草がある。健気? 別に演じてないですけど?」  庶民の村で暮らし始めた彼女は、花畑を育て、子どもたちに薬草茶を振る舞い、村人から慕われていく。だが、そんな彼女を放っておけないのが、執着心に囚われた殿下。噂を流し、畑を焼き払い、ついには刺客を放ち……。  「どこまで私を追い詰めたいのですか、殿下」  絶望の淵に立たされたリリアナを守ろうとするのは、騎士団長セドリック。冷徹で寡黙な男は、彼女の誠実さに心を動かされ、やがて命を懸けて庇う。  「俺は、君を守るために剣を振るう」  寵愛などなくても構わない。けれど、守ってくれる人がいる――。  灰の大地に芽吹く新しい絆が、彼女を強く、美しく咲かせていく。

正妃として教育された私が「側妃にする」と言われたので。

水垣するめ
恋愛
主人公、ソフィア・ウィリアムズ公爵令嬢は生まれてからずっと正妃として迎え入れられるべく教育されてきた。 王子の補佐が出来るように、遊ぶ暇もなく教育されて自由がなかった。 しかしある日王子は突然平民の女性を連れてきて「彼女を正妃にする!」と宣言した。 ソフィアは「私はどうなるのですか?」と問うと、「お前は側妃だ」と言ってきて……。 今まで費やされた時間や努力のことを訴えるが王子は「お前は自分のことばかりだな!」と逆に怒った。 ソフィアは王子に愛想を尽かし、婚約破棄をすることにする。 焦った王子は何とか引き留めようとするがソフィアは聞く耳を持たずに王子の元を去る。 それから間もなく、ソフィアへの仕打ちを知った周囲からライアンは非難されることとなる。 ※小説になろうでも投稿しています。

わたくしを追い出した王太子殿下が、一年後に謝罪に来ました

柚木ゆず
ファンタジー
 より優秀な力を持つ聖女が現れたことによってお払い箱と言われ、その結果すべてを失ってしまった元聖女アンブル。そんな彼女は古い友人である男爵令息ドファールに救われ隣国で幸せに暮らしていたのですが、ある日突然祖国の王太子ザルースが――アンブルを邪険にした人間のひとりが、アンブルの目の前に現れたのでした。 「アンブル、あの時は本当にすまなかった。謝罪とお詫びをさせて欲しいんだ」 現在体調の影響でしっかりとしたお礼(お返事)ができないため、最新の投稿作以外の感想欄を一時的に閉じさせていただいております。

さよなら初恋。私をふったあなたが、後悔するまで

ミカン♬
恋愛
2025.10.11ホットランキング1位になりました。夢のようでとても嬉しいです! 読んでくださって、本当にありがとうございました😊 前世の記憶を持つオーレリアは可愛いものが大好き。 婚約者(内定)のメルキオは子供の頃結婚を約束した相手。彼は可愛い男の子でオーレリアの初恋の人だった。 一方メルキオの初恋の相手はオーレリアの従姉妹であるティオラ。ずっとオーレリアを悩ませる種だったのだが1年前に侯爵家の令息と婚約を果たし、オーレリアは安心していたのだが…… ティオラは婚約を解消されて、再びオーレリア達の仲に割り込んできた。 ★補足:ティオラは王都の学園に通うため、祖父が預かっている孫。養子ではありません。 ★補足:全ての嫡出子が爵位を受け継ぎ、次男でも爵位を名乗れる、緩い世界です。 2万字程度。なろう様にも投稿しています。 オーレリア・マイケント 伯爵令嬢(ヒロイン) レイン・ダーナン 男爵令嬢(親友) ティオラ (ヒロインの従姉妹) メルキオ・サーカズ 伯爵令息(ヒロインの恋人) マーキス・ガルシオ 侯爵令息(ティオラの元婚約者) ジークス・ガルシオ 侯爵令息(マーキスの兄)

処理中です...