テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織

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第2章 胎動

第18話 それは靴に入った小石のように

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朝、目が覚めると

そこは見慣れぬ部屋だった、、、

そりゃそうだ、昨日から宿を出て新しい家に住んでるんだから。


元飲食店だったこの建物は1階が厨房と飲食用の広間、2階にリビングと寝室と従業員用の1人部屋が複数ある。これで家賃が1ヶ月で金貨1枚は安いのか?

 まぁ金には困ってないから極端なぼったくり価格じゃなければいいや


新しい我が家の厨房でさっそく朝食を作ろう。

今日のメニューはコッペパンにカスタードクリーム、ミカン、生クリームを挟んだちょっとリッチなフルーツサンド

朝市で見つけた見た目がバナナで中身がミカンという不思議果物を使ってみた。

バナナの形だからパンに挟みやすくてちょうど良いんだけど、見た目の違和感は凄いな(笑)

そうこうしてるとメリルが2階から降りて来た。


「おはようメリル」

「おにいちゃんおはよう、朝食は、、、ウィンナーサンド?」

「ウィンナーの代わりにミカンと甘いクリームを入れたフルーツサンドだよ」

「甘い?!テーブルに運ぶからおにいちゃんは飲み物お願い!!」

「はいはい、慌てなくても朝食は逃げないよ」


俺は収納からリンゴジュースを出しグラスと一緒に持っていく


「それじゃあ、いただきます」

「いただきます、あーん、、もぐもぐもぐ、んーー!おいひぃー♪」


フルーツサンドを頬張って幸せそうなのは良いんだけどね、口いっぱいに詰め込むのはどうなのよメリルさん

可愛いから何も問題は無いけどな♪


◇     ◇     ◇


朝食を食べ終えた俺は、ボロボロの教会兼孤児院?孤児院兼教会?に来ている

どうしてかというと孤児院ではパンを焼いて売っていると聞いたので、ウィンナーサンド用のパンを作って卸して貰う為だ。

異世界小説でも金を使って経済を回すのが大事だと書いてあるからな、金を稼いでいる俺が積極的に使う必要がある。


とまぁ、ここまでは建前で本当の理由がある

孤児院のパンはイーストや酵母を使わない無発酵のパンなんだ。

だから目の詰まった硬いパンが出来るのだけど、何故かスープでふやかさないと食べられないカッチカチの超硬いパンが出来上がる

この世界のパンはカッチカチなのが普通らしい。その代わり長期保存が可能となり保存食になっているのだけど

だがしかし

そんなパンを普段の食事で食べる人はほぼ皆無!冒険者や旅人ぐらいしか買わない。

孤児院のパンも冒険者ギルドが保存食として買い取っていたのだけど、最近美味しい保存食が大量に売られた事でカッチカチのパンは売れなくなりました。

はい!

俺が干し芋とドライフルーツを売ったせいですね、現金収入が無くなり寄付だけが頼りの孤児院の経営は破綻寸前だそうです。

本当に申し訳ありません。


そんな訳でウィンナーサンドの仕込みをメリルに任せて孤児院にやって来た。

ちょうど外で子供達の相手をしていた20歳くらいの若いシスターさんを発見、さっそく声をかける


「シスターさんこんにちは」

「えっ?はっ、はい、こんにちは」

「中でお祈りをしたいのですが宜しいでしょうか?」

「えっ?・・・勿論です、勿論ですとも!教会は何時誰であろうと扉を開けておりますので!存分にお祈り下さい!!」


何故かシスターさんの圧が凄いんだが、、、(汗)


「あのシスターさん、そんなに大きな声でなくても聞こえてますので」

「えっ?、、、もっ申し訳御座いません!教会でお祈りをされる方は長い間おられなかったので、嬉しくてつい大きな声を」

「ははは、構いませんよ」


シスターさんに案内されて神様の像の前に来た。

元世界でもよくある感じの女神像だったけど、想像で造ると似たような感じになるんだろうか?

とにかく俺は孤児院が潰れそうになっている事を創造神様に謝罪し、再建する事を誓う。

さすがに教会の人に俺が原因ですとは言えないからなぁ(汗)


(あなたの望むままに)



いま頭の中に声が聞こえたような気がしたけど、気のせいだろうか?


お祈りを終えてシスターさんに責任者に会いたいと告げると、直ぐに院長室に案内してくれた。


「急な事にも関わらず、お会いしていただきありがとうございます」

「構いません、教会も孤児院も忙しい訳ではありませんから」

「そうなんですね、では本題に入る前にこれは少ないですがどうぞお納めください。」


俺は大銀貨10枚を入れた袋をテーブルに置く

「御丁寧にありがとう御座います。っ?!、、、、」


どうしたんだろう?袋の中を確認した院長さんが固まっているのだけど


「あの、これはもしかして中身を入れ間違えてはおられませんか?」


うーむ、意味がよく分からん


「中には大銀貨で10枚入ってるはずですが、もしかして教会のルールに反する事だったりするのでしょうか?」

「いえいえ、その様な事はありません。では本当に『銀貨』ではなく、『大銀貨』10枚を寄付していたたけるので?」

「ええ勿論です。どうぞお受け取り下さい。」

「そうですか、本当に有り難う御座います。本当に、本当になんと御礼を言って良いのか、これで子供達に食事を、、、うっ、うぅぅぅぅぅズズーーー!」


あぁ~、院長さんが泣いてしまった。

しかも本気泣きだ。鼻水が凄い事になっているんだもの、大人が人前でここまで本気で泣く事って無いよね

それだけ厳しい状況だったんだろう。俺のせいなんですけどね

重ね重ね申し訳ありません。



とりあえず話は出来そうにないですね、勿論待ちますとも!

収納から桶を出して生活魔法の水と火を使いお湯を作りタオルを置いておく

院長さんが落ち着いたらこれで顔を洗って貰おう。





つづく。
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